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概要編集

妖怪の妖力を高めると言われる不思議な宝玉。人や妖怪に強い力を与え、どんな願いも叶えると言われることから、人間や妖怪の間で幾度となく玉を巡る争いが繰り広げられてきた。

四魂とは、幕末の神道家の本田親徳によって成立した本田霊学の特殊な霊魂観『一霊四魂』の思想にある『荒魂(勇)』『和魂(親)』『奇魂(智)』『幸魂(愛)』という4つの魂のことで、これらが玉の中に宿っていることからきている。


善悪の概念は無く、その存在は手に取った者の心に左右される。悪しき人間や妖怪が持てば汚れが増し、清らかな魂を持つ者が持てば浄化される特性を持つ。これにより、玉を善にも悪にも使用できる。ただし、弥勒が言うには歴史上、四魂の玉が善行に使用された例はないという。

また善でもあり悪でもある性質ゆえに、玉が穢れているときは善を呼び寄せ、清いときは悪を呼び寄せ均衡を保つ(作中では妖怪の体内で穢れている時に桔梗に託され、桔梗によって清められている時に無数の妖怪が引き付けられている)。


序盤でかごめの放った矢により、かけらとなって飛び散ったことから、物語が始まるきっかけになる。四魂の玉は骨状の数珠と共に首飾りのようになっている。しかし桔梗が死ぬ前は普段は神社の数珠かけに飾ってあった。




能力編集

玉に集約された膨大な妖力と霊力は持ち主のあらゆる願いを叶える事ができる。かけら一つだけでも絶大な力を持ち、単純な能力強化から怪我や病の治癒、果ては死者の蘇生まで叶えてしまう。


最大の特性が不滅である。これは、四魂の玉自身の力以外のいかなる攻撃や能力も受け付けないという理(ことわり)である。

作中で、かごめの矢によって玉が砕けたのは四魂の玉がこの世に争いを誘発するという玉自身の意志だったとされている。


真相編集

















井戸は閉ざされた。もうおまえに行き場はない。



CV古谷徹


四魂の玉は、それ自体が意思を持っている。その目的は、正邪のどちらかに偏りすぎることなく、永遠に存在し続けること。

願いを叶えることも事実ではあるが、それは持った者の欲望を玉に閉じ込めて存在を保つためであり、さらに欲望をかきたてるべく所有者の本当の願い(例えば奈落の場合、桔梗に愛されたいという願い)だけは叶えない。玉が善行に使用されなかったというのもこれが一因だった。

それらはすべて四魂の玉に宿る妖怪と翠子の戦いを永遠に続けるという玉の意思であり、ただ存在し続けるためだけに、人間も妖怪も半妖も区別なく魅了し、運命を狂わせる。


奈落ですら、『桔梗に愛されたい』という本来の願いを叶えられず、自らの思いを捻じ曲げられ四魂の玉に利用された被害者であり、総じて『犬夜叉』における真の黒幕にしてラスボスである。


一時的に消滅させることはできるが、殺生丸の爆砕牙をもってしても斬ることはできず、持ち主が唯一の正しい願いを選ばなければ完全に消滅させることはできない。

作者・高橋留美子先生によると、「500年周期で活性化する時期がある」とのことで、かごめが誕生したのも、四魂の玉が復活したいがために、桔梗の『犬夜叉に会いたい』という願いを自分に都合のいいかたちで叶えた結果だった。

故に、四魂の玉は本当の望みを叶えてはくれない。それどころか、自分を脅かす存在を抹消するために、所有者を利用して自分自身の願いを叶わせようとすることすらある。


経歴編集

玉の誕生編集

現代より1000年前、妖怪が一気にその数を増やしていた頃、翠子という強大な霊力を持つ巫女がいた。翠子は妖怪の魂を取り出し清める術を使うため、妖怪達に恐れられ、狙われるようになる。そして翠子は彼女を倒すために多数の妖怪が合体した妖怪との戦いで、魂を奪われそうになり、最期の力で妖怪の魂を自分の魂に取り込み、玉として外へと弾き出した。

妖怪と翠子、巨大な妖力と霊力が集約された魂の塊、それが四魂の玉である。玉の中では翠子の魂と妖怪たちの魂が今でも戦い続けていると言われている。


玉の行方編集

物語が始まる50年前、妖怪退治屋の珊瑚琥珀の祖父・シャコにより玉を狙う百足上臈の体内から取り出されるが、既に玉は相当穢れており、玉の穢れを鎮めるため退治屋達により桔梗の元へ預けられることとなる。

玉を預かった彼女は神社の飾りにかけて、犬夜叉を含む悪しき人間や妖怪・半妖(半妖怪の略)から守っていた。この間に、玉が一度は清まる。だが、ひょんなことから桔梗は犬夜叉と惹かれ始め、それからは彼と共に玉を守るようになる。

しかし黒巫女の椿の恋をすれば悲惨な運命を辿る呪いが効き始め、桔梗の霊力は低下してしまう。そのせいで、彼女の妹のは、四魂の玉を狙う半妖・奈落の放った妖怪との戦いで片目を失ってしまう(アニメ第147話と第148話)。


責任を感じた桔梗は四魂の玉を使って犬夜叉を人間にし、玉を消滅させることを決意する。

だが約束の日、桔梗は犬夜叉に化けた奈落に背後から襲われ深手の傷を負わされてしまい、犬夜叉からもらった紅差しまで台無しにされてしまう。(犬夜叉が桔梗に贈った紅差しは自身の母の形見でもあるため、冷静に考えればこの時点でおかしい)

奈落は玉を無事に元の位置に戻し、今度は桔梗に成りすまして、犬夜叉に矢を放つ(桔梗は当初犬夜叉を『半妖』と呼んでいたが、次第に名前で呼ぶようになっていたため、桔梗に化けた奈落が彼を半妖と呼んだなら、本来はすぐに偽者と気づくはずだった)。

お互いに愛し合い信じていた相手に裏切られたと勘違いした2人の憎しみと恨みで四魂の玉は穢れてしまう。


消滅編集

奈落は四魂の玉が穢れてから奪おうと目論むが、犬夜叉が玉を奪って完全な妖怪になろうとしたところを御神木の前に現れた桔梗の放った封印の矢によって犬夜叉は御神木に張り付けられ、桔梗は椿の呪いが成就して命を落とす。そして玉は彼女の亡骸と共に炎の中に消え去り、奈落の計画は崩れ去る。


再生と破壊編集

桔梗の死後、四魂の玉は桔梗の心に残っていた犬夜叉への想いで500年後に桔梗を日暮かごめに転生させ、彼女の体内に宿る。

物語の序盤、かごめは骨喰いの井戸の底に封印された百足上臈に500年前の戦国時代(そのときは犬夜叉の封印から50年経っていた)に連れ去られ、その日の夜に百足上臈によって玉を体から取り除かれ、更にその2日後に屍舞烏が呑み込んだ玉を砕いてしまう。


修復と完全消滅編集

犬夜叉一行と奈落陣営による欠片の争奪戦の果て、物語終盤で奈落によって玉は完全に復活する。


奈落と犬夜叉一行の死闘の末、倒された奈落とかごめを翠子と妖怪の魂と同様に取り込もうとする。

冥道に落ちたかごめの恐怖につけ入り『犬夜叉に会いたい』という願いを言わせようとするが、犬夜叉がかごめのもとへ駆け付けた事で恐怖が消え去り、唯一の正しい願いである『玉の消滅』を選んだため、玉は永遠にこの世から消滅。翠子と妖怪達の1000年に及ぶ魂の戦いは終わり、四魂の玉を巡る因縁にも決着がついた。


関連タグ編集

犬夜叉

犬夜叉(主人公) 日暮かごめ 桔梗(犬夜叉) 奈落(犬夜叉)

黒幕 ラスボス 全ての元凶

特級呪物

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