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概要編集

曲霊

CV:草尾毅

四魂の玉にこもった無数の妖怪達の邪念の化身。奈落の肉体の一部を使い発生した。作者曰く「作中の中では最も邪悪な妖怪」と評しているだけあって、邪悪かつ陰湿で奈落以上に冷酷で、性格はまさしく極悪非道そのもの。また、完全な妖怪であり、半妖の奈落も見下している。

表情は常に狂気を帯びている。奈落同様、高い再生能力と伸縮自在の硬質化する触手などで物理的な攻撃を完全に無効化し、殺生丸を圧倒するほどの戦闘力を有する。「悪霊の毒」と呼ばれる奈落をも越えた毒素を持ち、その毒は殺生丸の毒の爪を溶かし、瘴気の痛みを感じなくなった弥勒すら苦しめる。なお、曲霊を倒しても四魂の玉の邪念は消えない。

奈落の肉体の一部を使っているため、当初は夢幻の白夜殺生丸琥珀犬夜叉かごめからは奈落の分身と誤解された。

霊体の曲霊は肉体の曲霊に憑依せず、遠隔操作で借り物の肉体を動かしているが、天生牙で本体の霊体を斬られるとそのダメージが借り物の肉体にも現れる。


活躍と最期編集

異形の鎧を身に纏い、長い白髪と狂気の表情を持つ若い男性風の妖怪の肉体は奈落の肉体の一部で作った借り物の身体で本体は霊体のため、天生牙以外では傷一つつけることができない。霊体は妖怪・人間に対し、生死を問わず憑依することができる。完結編では借り物の肉体の曲霊、霊体の曲霊の声色はそれぞれ異なり不気味なものとなっている。

また新生奈落とは似て非なる異形の鎧は一部が左右非対称で、胸部の左側には四魂の玉のような球体の装飾がある。

「邪視」と呼ばれる霊力を持つ者を昏睡させる術を持つ。また、憑依せずとも四魂の欠片を取り巻く肉片を操れる。生まれながらにかごめの霊力を封印していた張本人であり、曲霊が滅びるとかごめの霊力の封印が解ける。

四魂の玉の完成のために琥珀を襲い、殺生丸や犬夜叉一行全員を相手になお圧倒したが、殺生丸に爆砕牙が発生し、撤退を余儀なくされる。その後、白夜を使って殺生丸を琥珀から遠ざけ、再び襲撃し、奈落の協力もあって遂に四魂の玉を完成させた。


玉の完成後の最終決戦では奈落と並ぶ最後の敵として犬夜叉一行と殺生丸の前に立ちはだかる。犬夜叉を操り、アクロバティックな動きで殺生丸を傷つけるが、最期は竜鱗の鉄砕牙と自我を取り戻した犬夜叉の妖穴に捕らえられ、殺生丸の天生牙で倒された。しかし、曲霊の分身である曲霊の正体は、漫画では犬夜叉の冥道残月破によって永遠に破壊されたが、アニメ版ではかごめの願いによって浄化された、まだ宝石の中に残っている竜の悪魔である。


余談編集

名前と概念は初期から登場していた。曲霊は奈落に従属する立場ではなく、分身でもない。

戦闘センスは奈落を上回るほどで、自らが最強であるという自負を持つ。さらに戦闘に長ける強者でありながら、更なる強さを求める妖怪特有の貪欲さと弱者を苦しめる嗜虐心を持ち合わせ、奈落ですら使わなかった残酷な手段をも用いる。また奈落は人間らしい情を理解しているのに対し、曲霊はそういう部分が一切ない。作者いわく「絶対悪」「目的が何か不明なもの」。

アニメでは一人称が「儂」から「我」に変更されている。


技一覧編集

  • 憑依(ひょうい)

霊体を人間・妖怪・半妖に生死を問わずに取り憑き自身の借り物の肉体として操作する。奈落の肉体の一部を使って異形の鎧を纏う白髪の男性の姿で実体化させた際は本体である霊体を借り物の肉体から遠ざけて遠隔操作で操った。爆砕牙で借り物の肉体が破壊された後は、奈落と白夜の策として琥珀に憑依。弥勒と珊瑚に対峙した際は琥珀の声でわざわざ喋ったり、弥勒の風穴に吸い込ませようとした他、穢れた欠片を通じて悪夢を見せていた。琥珀から脱出した後はりんに憑依して人質にするために奈落と白夜が潜んでいる洞窟に誘導し、そのまま四魂の玉の力で造った奈落の巨大蜘蛛の内部に閉じ込めた。その後はりんを見張っていたが、その場に四魂の玉の邪気で妖怪化した犬夜叉に憑依して殺生丸と戦った。


  • 悪霊の毒(あくりょうのどく)

曲霊の最大の武器。毒素は殺生丸はおろか、新生奈落や白童子、魍魎丸の瘴気をも上回り、殺生丸にダメージを与えた他、薬老毒仙の薬で苦痛を感じなくなったはずの弥勒がこの毒を風穴で吸った際は苦痛を蘇らせた。この毒は借り物の肉体、霊体問わずに使用できる。また天生牙で再び霊体にダメージを与えられた際には、琥珀に憑依したときに風穴に吸わせた毒で傷を癒し、弥勒の体内から抜け出て、同じく毒気を浴びて気絶したりんに憑依するなど霊体の曲霊のバックアップも兼ねる。


  • 触手(しょくしゅ)

借り物の肉体の技。奈落や無双、魍魎丸と同じ攻撃手段だが、作中最強レベルの白兵戦で殺生丸を圧倒した。触手からは悪霊の毒を放ち、ダメージを与える他、奈落が触れられない桔梗の浄化の光を持つ琥珀の欠片を一瞬で穢した。


  • 邪気(じゃき)

四魂の玉の中の合体妖怪の禍々しい邪気。奈落の邪気をも上回り、霊力が封じられているかごめの破魔の矢と桔梗の浄化の力も一瞬で無力化してしまう。この邪気で無数の妖怪達を呼び寄せて操る事もできる。また悪霊の毒を生み出す素になっていて曲霊のバックアップも兼ね、この邪気を浴びた者には霊体の曲霊が憑依する。奈落の巨大蜘蛛内部では殺生丸の天生牙から逃れようと犬夜叉からかごめに憑依するために、この邪気をかごめに浴びせるが、竜鱗の鉄砕牙の力によって阻まれた。


  • 邪視(じゃし)

霊力を持つ者を昏倒させる術。狂気の表情を持つ目からこの術を放つ。強大な霊力を持つかごめに対して使用し、本来、桔梗を上回るはずのかごめの霊力もこの術の応用で生まれながらに封じていた。


  • 肉片操作(にくへんそうさ)

妖怪の集合体で構成された借り物の肉体を大小に分けて操る。この技で化け犬化した殺生丸を圧倒し、犬夜叉が冥道残月破を発動しようとした際は肉片を邪視で昏倒したかごめと七宝と珊瑚が乗った雲母、邪気で気絶した琥珀と弥勒とりんが乗った阿吽の周囲に撒き散らせ、発動を封じた。また殺生丸が天生牙で霊体を斬ろうとした際はこの世の物である奈落の肉片で防ぎ、3本の硬質化した肉片の触手で殺生丸を突き刺した挙句、殺生丸を奈落の肉片の塊に取り込もうとした。さらにこの肉片を取り除くために迂闊に鉄砕牙の必殺技が放てない犬夜叉を「自慢の刀で塊ごと吹き飛ばしたらどうだ?心配せずとも中の殺生丸は粉々になっても奈落の一部として復活する」という挑発で苛つかせながら触手で封じるが、最後は殺生丸から覚醒した爆砕牙によって肉片を破壊され、斬られた肉片のダメージが無傷の肉片まで行き届いた事で再生能力までもが無効化されてしまう。


  • 鎌の触手(かまのしょくしゅ)

琥珀が愛用している鎖鎌を妖力で変形させた触手。元の鎖鎌に戻すことも可能。妖怪の骨でできているため、借り物の肉体や肉片操作と同様に自在に操れる。無数の鎌がある歪な形状の触手に巨大化させると、琥珀を逃がさんとする珊瑚を再び傷付けた他、追ってきた犬夜叉達を攻撃するために数本の巨大な鎌の触手にも変えた。この一件で琥珀は長らく使用していた鎖鎌を失うことになる。


  • 悪夢(あくむ)

邪気で黒く穢れた四魂の欠片を通じて見せる悪夢。気絶させた琥珀にかつて奈落に操られて父と退治屋の仲間達と殺し、珊瑚を傷付けた悪夢を欠片の力で何度も繰り返し、体験させる残虐な精神攻撃。曲霊が邪悪かつ完全な妖怪であるが故に使った技だが、人の心を持つ半妖の奈落は意識がある状態の琥珀を操り、珊瑚を再び傷付けようとした事もあるため、人の心があるかないかの差で両者のやり方に大した違いはない。この術で血の涙を流すほど琥珀の心を徹底的に弄び、壊す寸前までじわじわ追い詰めるが、わずかに残っていた桔梗の光が抵抗しながら悪夢に苦しむ琥珀を導き、正気を取り戻させた。


関連タグ編集

犬夜叉 四魂の玉

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