犬夜叉の父
いぬやしゃのちち
声:大塚明夫
殺生丸の母と犬夜叉の母十六夜の夫で殺生丸と犬夜叉の父親。原作や映画『天下覇道の剣』などの描写を見る限り、化け狗の姿は大きさを変えられる模様。
人間態の容姿は『天下覇道の剣』でデザインされたもの。鉄砕牙・天生牙の他に同作オリジナルの妖刀叢雲牙を帯刀した姿で描かれている。
武蔵の国を支配していた竜骨精に戦いを挑み封印するが、倒しきれずに爪を心臓に突きさして封印し、自身は竜骨精の迎撃による傷によって死亡した。
彼の墓はこの世とあの世の境に存在し、犬夜叉の右眼の中にあった黒真珠、火の国の門、血の川などを通じることで行くことができる。
作者は竜骨精に挑んだ理由は「強い奴がいるから叩きに行った」というヤクザの勢力争いのようなものと表現しているが、意外と人間を守るタイプで、竜骨精のように単に強いだけの妖怪ではなかったという。
なお、ワイド版17巻のインタビューにより竜骨精との戦いは犬夜叉の父の方から挑んでいった事が判明する。しかもたいした理由はなかったようで、強い奴がいるから戦いに行ったというどこぞのサイヤ人のような論理だったようである。想像以上に強かった(後に弱点となる犬夜叉の父から受けた胸の傷も当時は無い)ようで、結果はすでに判明していた通り、竜骨精から受けた傷により犬夜叉の父は命を落とす事になった。
この際、暴力だけを積み重ねてきた竜骨精に対し、犬夜叉の父は人間を大切にする稀有な妖怪だったと言及されている。
かつて鉄砕牙によって大妖怪死神鬼を倒し、冥道残月破を奪い取った。しかし、冥道残月破が付加された鉄砕牙では犬夜叉が使いこなせないと考えた為、刀々斎に冥道残月破の力を天生牙として打ち出させる。そして、天生牙を長男殺生丸に与え、冥道残月破を完成させて再び鉄砕牙に吸収させ、冥道残月破をも犬夜叉に継承させる計画を練った。
しかし結果的には天生牙の秘密が白日のもとにさらされ、殺生丸を憤怒させるだけでなく、兄弟仲の悪さを決定的なものにしてしまうなど、とかくその本意のわかりにくさが周囲を混乱させる元となっている。
また、西国まるまるという広大な支配圏を持っていたにもかかわらず、長子の殺生丸に対しては、特に刀以外の財産や家臣が受け継がれたような描写がない。
「本名不明」という設定であり、竜骨精や死神鬼からは「ヤツ」、友人からは「犬の大将」、部下からも「お館様」と呼ばれ、徹底して名前が伏せられている。
作者はワイド版のインタビューで、犬夜叉の父に関して、「過去の物語に脱線するのは犬夜叉らしくない」と答えており、犬夜叉の母との関係についても「犬夜叉は全てを描き切った漫画」「描いていない事は考えていない」と答えるなど、作者的にはやや興味が薄い部分のようである。公式名称は基本的に「犬夜叉の父」。公式サイトでは「偉大なる父」、高橋留美子は彼を「お父さん」と呼んでいる。半妖の夜叉姫では殺生丸の娘達に焦点を置いているため、「犬の大将」が公式名称になっている。同作における動向はそちらの記事を参照。
ネット上では映画第3弾公式サイトにおいて「闘牙王(とうがおう)」という名が発表されていたという噂があるが、そのような事実はない。また、初期予告版でこの名前が登場したという噂も有名だが、それもデマである。闘牙王という名称がネット上で確認できるのは2004年以降であり、予告編が放送されていた2003年には存在していない。当時からSNSや犬夜叉の情報サイトは数多く存在しており、予告編で犬夜叉の父の名前が流れたという大情報が一切話題にされない事はあり得ない。ちなみに確認できる最初に闘牙王と発言している人物は韓国の犬夜叉ファンである(ただし、あくまで二次創作名としてである)。