概要
『ロマンシングサガ3』とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が販売したゲームソフト。略称として「ロマサガ3」がよく使われている。
1995年11月11日にスーパーファミコンで発売。
2010年9月21日よりWiiのバーチャルコンソールが配信。
2014年2月26日よりWiiUのバーチャルコンソールが配信。
2017年3月28日にはプレイステーション・ヴィータ・スマートフォン向けにリマスター版の制作が発表。のちに対応機種にプレイステーション4・XboxOne・ニンテンドーSWITCH・Steam等を追加し2019年11月11日に発売された。(公式サイト)
ストーリー
……死食……
300年に一度 死の星が太陽をおおい隠す
その時、すべての新しい生命が 失われる
人も獣も草花も モンスターでさえも
その運命を逃れることは出来ない
だがある時 一人の赤ん坊が生き残った
死に魅入られ 死の定めを負ったその子は
長じて魔王となり 世界を支配した
魔王はアビスへのゲートを開き アビスの魔貴族達をも支配した
しかし、ある日
魔王は突然いずこかへ消えた
魔王が消えた後
世界は四魔貴族に支配された
300年後
またも死食は世界を襲い 一人の赤ん坊を残した
その子は死の魅惑にたえ 死の定めを退け
長じて聖王となった
聖王は多くの仲間に支えられ
四魔貴族をアビスへと追い返し
アビスゲートを閉ざした
そして今から十数年前
聖王の時代から300年後
やはり死食は世界を襲った
世界中の人々も
アビスの魔物どもも
新たな宿命の子の出現を
不安と期待を持って見守った
魔王か聖王かそれとも……
登場人物
主人公はゲームスタート時に下記8人の内から選択する。
ユリアン・ノール | トーマス・ベント | ハリード |
---|---|---|
シノンの開拓民 | 開拓民のリーダー格 | 流浪の王族 |
ミカエル | サラ・カーソン | エレン・カーソン |
ロアーヌ侯爵 | 開拓民でエレンの妹 | 開拓民でサラの姉 |
モニカ・アウスバッハ | カタリナ・ラウラン | |
ミカエルの妹 | モニカの護衛侍女 |
選ばなかった場合でもほとんどのキャラクターは仲間に加えることが可能だが、カタリナは主人公として選択した場合のみ使用可能。この場合はユリアンが仲間にならない。
仲間キャラクター
以下の人物は本編中のイベントや、特定の条件をクリアすることで仲間に加えることが可能。
ノーラ | タチアナ | 詩人 |
---|---|---|
ピドナの職人 | 各地を放浪する家出娘 | 各地で様々な詩を唄う |
ミューズ | シャール | 少年 |
ピドナ西の旧市街に住む | ミューズを守る元術戦士 | 謎の少年 |
ロビン又は偽ロビン | ウォード | ポール(左側の青年) |
ヤーマスの怪傑(たち) | 北方ユーステルムの傭兵 | 冒険者志望の元盗賊 |
ハーマン | フルブライト23世 | ツィー・リン |
フォルネウスに因縁をもつ | 聖王に由来する商会の会長 | 草原に住む弓の名手 |
ヤン・ファン | バイメイニャン | ボストン |
東の将軍 | 東の術士 | ロブスターの戦士 |
ようせい | ぞう | ゆきだるま |
腕力が高めの妖精 | LPの高い象 | 聖王と氷の剣を手にした |
ウンディーネ | ティベリウス | レオニード |
北モウゼスの玄武術士 | 神王教団の団長 | 吸血鬼伯爵 |
主人公キャラクター含め、基本的に彼らは自由に加入・離脱可能。ただしパーティーメンバーとして連れ歩けるのは主人公含め6人までで、戦闘に参加出来るのはさらにその内の5人。主人公を控えとした場合、戦闘がコマンダーモードと呼ばれる特殊な方式になる。
四魔貴族
アビスの魔貴族たち。主人公が各地のアビスゲートを閉じようとすると戦闘となり、それぞれ下記の口上を述べる(上が幻影、下が本体の台詞)。
魔戦士公アラケス | 魔龍公ビューネイ |
---|---|
「血を流せ‥‥」 | 「あわれなムシけらども」 |
「血と汗となみだを流せ!」 | 「私はムシけらに倒される定めなのか‥」 |
魔炎長アウナス | 魔海侯フォルネウス |
「定めじゃ‥‥」 | 「アビスの力を知れ!」 |
「定めには逆らえんぞ!」 | 「真のアビスの力を見よ!」 |
破壊するもの
その他
モンスター
妖精系モンスター
システム
一言で言えばロマサガ1とロマサガ2をミックスしたような感じ。変更点や追加要素も多数ある。
フリーシナリオ
ロマサガ1に近いフリーシナリオ形式。
4つのアビスゲートを閉じるイベントはすべてこなす必要があり、その攻略パターンはロマサガ2の七英雄討伐と比べると少ない。一方で主人公がこの「本筋」を進めるよう勧められることはほとんどなく、人によっては何をすればいいか戸惑うが、プレイヤーは自由に各地を冒険しながらサブイベントやミニゲームを行い、その中でアビス勢力による侵食を知っていくことになる。サブイベントには聖王・魔王の遺産(レガシー)に関わるものも多いが、無視してクリアすることもできる。
お金の単位はオーラム。
戦闘・育成システム
陣形や閃きなど、戦闘システムはおおむねロマサガ2を踏襲している。皇帝継承はないため戦闘で全滅すると基本的にゲームオーバー。追加要素として、通常と違った編成で戦うコマンダーモードがある。育成面ではパーティ外成長に加えて技の極意があり、後続のサガシリーズ作品と比べても非常に遊びやすい。
LP
ロマサガ2では回復方法が限られたが、今作では0にさえならなければ宿屋に泊まれば全快する。0になるとそのキャラクターは行方不明になる(パーティから外れ、仲間にできる場所にも現れない)が、アビスゲートが残っている場合はゲートを閉じると復活して仲間にできるようになる。
敵の強さとパーティ外成長
ロマサガ2は敵から逃げても敵が強くなっていく仕様だったが、今作は倒した場合のみ強くなる仕様となった。また敵の強さが上昇するのに伴い、パーティに入っていない仲間キャラもある程度成長する仕様になっており、新たに仲間になるか久しぶりにパーティに入れると、初期値・パーティ離脱時より強くなっている。ロマサガ1にあった仕様を改良したもの。
技の極意
ロマサガ2が技を道場で次の代に繋いだのに対し、今作では技を使うか見切りを発動すると、一定確率でその「極意」を習得でき、以降はパーティメンバーに自由に覚えさせることができる。
サガフロンティア2では「プレイヤーノート」を利用して同じことが可能。
王冠(達人)
技または術に特化して育成することで、どちらかに王冠マークがつき、消費コストが少なくなる。また技の場合は閃き確率が上昇する。サガフロンティアでは似た仕様として「達人」がある。以降のシリーズでも育成によって消費コストが下がる仕様は多い。
コマンダーモード
このモードでのみ使用できる、複数人で発動する陣形技や合成術が多数ある。
キャラの詳細な行動選択はできなくなるものの、ターン終了時に状態異常や戦闘不能が回復する、
戦闘参加している5人の行動とは別に戦闘アイテムを1つ使えるなどのメリットがある。
仕様を理解すれば通常形式のバトルよりも有利に戦える場合もある。
ミニゲーム
今作では3つのミニゲームが登場する。トレードとマスコンは通常のバトルに匹敵するゲーム要素を目指して開発され、ゲームクリアに必須ではないが何時間も遊べるコンテンツになっている。特に全主人公でプレイできるトレードは人気が高い。
トレード
買収合戦により会社を大きくし、経済の面でも世界に侵食してくるアビス勢力に立ち向かう。
金貨を積み上げる買収画面が印象的で、冒険での主人公の財布の上限が1万オーラムなのに対し、
億を超える金額が飛び交う。トーマス主人公の場合エンディングにも関わる。
世界各地に合わせて150を超す物件があり、扱われる品目は小麦やワイン、織物や毛皮といったものから、陸運・海運などにも及ぶ。物件は期数の経過とともに成長し、その成長率には差がある。これら物件などの情報から世界のあり様を掘り下げるのも面白さの1つ。
SFC版とリマスター版では成長しやすい物件が変化している。
マスコンバット
(※画像は別のゲームをマスコンバットに見立てたもの。本作では100騎につきミニキャラ1体が表示される)
数千人規模の軍勢を率いて合戦を行うSLG。
どの主人公でもファルス・スタンレーの傭兵戦と、ゲーム終盤にもう1戦行うことができる。
ミカエル主人公では下記の施政と連動して最大15戦以上を戦うが、難易度は高く、攻略情報がなければクリアできないというプレイヤーも多い。
通常の冒険では見えにくい周辺地域の軍事動向を垣間見ることができる。
施政
ミカエル主人公の場合のみ発生。軍事・内政・外交などで国威を上げていく。上記のマスコンバットを行う機会も多い。当然ミカエルのエンディングに影響。
世界
本作の鍵となるのが死食により出現する宿命の子、及びアビスゲートである。オープニングの通り本編開始時点で既に三度目の死食から十数年が経っており、死食によって開いた状態となった各地のアビスゲートを閉じることが全主人公共通の必須イベント。
西方地域
本編開始直後からマップ表示可能。各地の船(無料のものと有料のものがある)で出航するか、酒場や町の住人から情報を得る等の条件を満たすと行き来可能な場所が増える。主人公・仲間によっては入れない地域や、特定の主人公でなければ表示されないダンジョンも存在する。
- ロアーヌ オープニングイベントにおいて全主人公が集結する。侯爵ミカエルの治める領地。
- タフターン山 頂上が霧に包まれた山。魔龍公ビューネイのアビスゲートが存在。
- ミュルス オープニング後、一部主人公はここからスタート。ピドナ・ツヴァイクへ行ける。
- ピドナ 聖王の槍をシンボルとした工房がある他、多くの地域へ出航できる交通の要所。
- ツヴァイク 武術トーナメントに参加できる(モニカ以外)。西の森には教授の館がある。
- 西の森 珍獣を捕まえられる他、いくつかの固有イベントがある。
- ファルス スタンレー軍団と争っている。傭兵の依頼を受けると最大2000オーラム入手。
- スタンレー ファルス軍団と争っている。傭兵の依頼を受けると最大3000オーラム入手。
- ポドールイ ツヴァイクのトーナメントで優勝すると、聖杯の入手を依頼される。
- キドラント ツヴァイク北西の山の向こうの村。名前は村だが居るのは町長です。
- いけにえの穴 キドラントで怪物退治の依頼を受けると出現。
- ユーステルム 初代ロアーヌ候及び候妃の出身地。氷湖のモンスター退治を依頼される。
- 氷湖 モンスター退治の依頼を受けると出現。クリア後はマップ表示されない。
- ランス 死食を予言した天文学者や、聖王の子孫たちが暮らす。専用のBGMも特徴。
- 天文学者の家 アビスゲートや最強術、オーロラなどの重要情報が聞ける。
- 聖王家 聖王の子孫から聖王家の指輪が授与される他、聖王廟の試練について聞ける。
- 聖王廟 任意で挑戦できる聖王の試練をクリアすると、聖王遺物が手に入る。
- 雪の町 オーロラの道を経由する。暖炉裏からは氷銀河へ行ける。
- 氷銀河 300年前の聖王に倣い、氷の剣が手に入れられる。永久氷晶も入手可能なのだ。
- ウィルミントン 聖王に由来した名門フルブライト商会がある。
- バンガード 街が動くという言い伝えがある。酒場のマスターは大のイルカ嫌いらしい。
- 小さな村 小さな村。バンガードから情報を得ると行ける。
- ルーブ山地 竜の住む山。
- モウゼス 北と南で術士たちが分裂しており、中央には死者の井戸がある。
- 死者の井戸 条件を満たすと一時的に内部を捜索可能。ここにあるものが争いの原因。
- ヤーマス 盗品・麻薬の売買など黒い噂がある。怪傑ロビンの話題で持ちきり。
- グレートアーチ 温海のリゾート地。財宝の洞窟へ行ける。ピドナから1000オーラム。
- 財宝の洞窟 海賊ブラックの残した宝探しが楽しめる(リンク先ネタバレ注意)。
- アケ グレートアーチから船に乗って訪れる(無料)。村の奥はジャングルへ繋がる。
- 最果ての島 名前通り西の果ての地で、ロブスターたちが住む。海底宮の情報が聞ける。
- 海底宮 魔海侯フォルネウスのアビスゲートが存在。
- リブロフ 神王の塔に続く砂漠や諸王の都についての情報が聞ける。この人のキライな町。
- 諸王の都 ハリード主人公の場合のみ出現。攻略により彼のエンディングが変化。
- ナジュ砂漠 リブロフで情報を得ると出現。西には神王の塔、東には乾いた大河がある。
- 神王の塔 砂漠を西に進むと出現。神王教団の本拠地であり、数々の聖王遺物が眠る。
- 乾いた大河 砂漠を東に進むと到達。流されると戻って来れない。
以下は出現の条件に後述のムング族の村の人物との会話が必要とされるため、訪れることが可能となるのは東方地域より出られるようになってからとなる場所。
東方地域
乾いた大河に流された先の地域。進入後しばらくは西へ戻ることが出来ない。
- 死の砂漠 乾いた大河から流されて最初に出る土地。道中に水晶の廃墟がある。
- 水晶の廃墟 特にイベントはないが、独特の雰囲気が印象的。固定敵に水晶龍がいる。
- 大草原 死の砂漠を越えると到達。先に進むとムング族の村に到着する。
- ムング族の村 草原の民たちの村。ラクシュータの情報が聞ける。
- ネフト族の巣 大草原の南に存在。ゼルナム族に悩まされている。
- ゼルナム族の巣 大草原の北に存在。奥に魔王の鎧が出現。
- 玄城 ムング族の村の東にある。月・太陽の最強術が購入可能で価格は9999オーラム。
- 黄京 条件を満たすと登場。
カップリング
最終決戦時のメンバーや選択によってはエンディングで結婚するキャラクターも存在するためか、pixivにはカップリングでの投稿も一定数存在する。太字が実際に結婚エンドを迎える組み合わせ。
ミカカタ ミカエルとカタリナ。
ユリモニ ユリアンとモニカ。
ユリエレ ユリアンとエレン。
ハリエレ ハリードとエレン。
トムサラ トーマスとサラ。
この他にもミューズ・シャールやサラ・少年、兄妹であるミカエル・モニカやエレン・サラなど、様々な組み合わせが存在する。
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シリーズ
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