ロマンシングサガ1
ろまんしんぐさがわん
「ロマンシングサ・ガ」(Romancing Sa·Ga)とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が販売したRPGで、Sa・Gaシリーズの4作目。
第1作目である本作は「ロマンシング・サガ」ではなく「ロマンシング サ・ガ」なので注意。
リメイク版に関しては『ロマンシングサガ ミンストレルソング』の項目を参照。
ちなみにタグが「ロマンシングサガ」と言った場合、本作のみを指す場合と、『ロマンシングサガ2』『ロマンシングサガ3』『ミンストレルソング』をも含めた総称の場合がある。
なお各作にストーリー上の繋がりは無い。
本作のバトルシステムは、Sa・Ga2秘宝伝説をベースにした要素が多く、パラメータやシステムなどはさらに細分化されている。しかし、それら細分化されたシステムを扱いきれなかった影響で、全般的に大雑把な点が多い。
例えば、何の役に立つのかよくわからない術があったり、攻撃系の術が後半になるとほとんど役に立たなくなったり、ほとんど意味のない能力値があったり、ダメージ計算が極端だったりするなどつっこみどころがたくさんある。バグやプログラムミスと思われるものも多数ある。
補助術に関しては、実は仕様を知れば凶悪な効果を秘めているものは少なからずあるので、興味のあるプレイヤーはいろいろ攻略情報をさぐってみよう。
システムは大雑把だが世界観や設定は細部まで作られている。しかし設定上の理由こそ存在するものの、いかにも何かありそうに見えるが実際には何も起こらない演出もいくつかある。例えば酒場に謎の女性がいることがあるが特に何も起こらない。こういった伏線らしきものはリメイク版のWSC版やミンストレルソングではちゃんとイベントが用意されているものもある。
フリーシナリオ
このゲーム最大の特徴はフリーシナリオである。発生したイベントをクリアしても無視しても良い。序盤と終盤のイベント以外は全く手を付けなくても戦闘を重ねればクリアできてしまう。イベントの選択肢や進捗状況によって展開が変化することもある。
特に変わっている点が、この「戦闘を重ねることによって自動的に時間が経過する」という概念だろう。そのため、着手したイベントを途中放棄するといつのまにか別の人物の手によって解決していたり、イベントに着手しようと思ったら既にある程度進行しており途中からの参加になったりする点は、この設計によるものである。もちろん、必須ではないイベントをすべて放棄してもよい理由も同様。このシステムは後の作品にも引き継がれていく。
選択肢が出ると、運命の分かれ道みたいな受け取り方をする人もいるかもしれないが、河津氏曰く「究極の選択をさせたいわけではない」「さりげない二択を気分に応じて選択してみてほしい」という、気軽なコンセプトである。中には殺してでもうばいとるみたいなものもあるが、これは「ヤバすぎて普通選ばないだろう」という冗談半分の演出となっている。しかし、せっかく選んだプレイヤーに対して、選んだ選択が勝手に否定されるなどの展開にはしたくなかったため、実際に選択すればそれに応じた展開へ発展するようにはなっている。
気軽に選択肢を選んでほしいというコンセプトは、最終ボスが必ず同じであることからも分かる。どの道を通ってもゴールは同じなので、そこまでの道のりを存分に楽しんでみてはどうだろうか。
移動
このゲームは一般的なRPGにあるようなフィールドが存在せず、地図から地点名を選択してその場所に行くことができる。地図に書かれていない地点や地図を持っていない地域には行くことができない。ただし地点同士がつながっている場合や船便がある場合は行くことができる。地図は地域ごとに分かれていて、直接移動できる場合と船や徒歩などで行かなければならない場合がある。もちろん船は有料。そのため、不便ではあるが、旅や冒険の臨場感に一役買っているとも言える。
この世界はマルディアスと呼ばれている。詳細は該当記事を参照。
エンカウントはシンボルエンカウントになっている。一般的なシンボルエンカウントでは一画面内にいる敵はせいぜい数体ぐらいのものだが、当作品では多いときには一画面内にまるで無双シリーズの如く十体以上の敵が闊歩している。敵に当たった際の向きによって戦闘時の隊列が決まる。例えば主人公の右側にいる敵に当たると前衛・中衛・後衛の右側にいるキャラが前衛になり、後ろにいる敵に当たると前衛と後衛が入れ替わってしまう。逆に、一部のボス相手には横から話しかけるなどの方法で、敵側の陣形を崩すことも可能。
成長
従来のサガシリーズにおける人間の成長方法に近く、レベルの概念がないほか、各能力値が別々に成長していく(Sa・Ga2に比べると成長スピードはかなり早く、敵と比べて弱い場合は急成長して追いつくようになっている)。能力値が上がると戦闘終了後に回し蹴りのアクションをとって「◯◯がアップ!」と言う。能力値には愛や魅力というのもあり、「魅力がアップ!」などと自分で言う様子はネタでしかない。
なおこの2つの能力値だが、愛は回復魔法をかけたときの、魅力は受けたときの回復量と説明書に書かれているが、これは誤りである。ベースになったと思われるSa・Ga2の魔力を細分化させたかったのだろうが、確かに攻撃術に関しては知力と精神への細分化に成功したものの、愛と魅力に関してはプログラムミスにより実際にはかなり限られた場面でしか使われない。
pixivでは
本作のイラストに登録されるタグはSFCで発売されたゲーム『ロマサガ』や『ロマンシングサガ』のみのイラストとして使われる。
決して『ミンストレルソング』(『ミンサガ』)のイラストが含まれる事がない。
シリーズ
- 時空の覇者Sa·Ga3(前作)
- ロマンシングサガ2(次作)
- Sa・Ga(シリーズ全般の記事)
- スクウェア・エニックス
- レトロゲーム