概要
没落貴族クラウディウス家の令嬢で、フルネームは「ミューズ・クラウディア・クラウディウス」。従者であるシャールとともにスラム街に住んでおり、スラムの人々から広く慕われている。病弱で丈夫な体ではないため、床に臥していることが多い。
小林智美のイラストでは髪に薔薇をあしらっている。
物語
過去
作中からさかのぼること15年前(死食の1年後)、メッサーナ王国を治めていたアルバート王が後継者を指名しないまま急死。王国の軍団長たちは王位を巡って争うが、その中で抜きん出た力を持っていたのが近衛軍団長でありメッサーナ王国首都ピドナの大商家クラウディウス家の当主クレメンス――ミューズの父であった。
10年に渡る戦いのあと、クレメンスが王位に就くのも間近と思われた時、リブロフのルートヴィッヒがクレメンスに挑戦、ピドナ付近で会戦となる。戦いはクレメンス軍の勝利に終わったが、その時クレメンスが神王教団に暗殺されてしまう。クレメンスがメッサーナ王国内で神王教団の活動を禁じていたことが引き金になったといわれている。
ルートヴィッヒはピドナを接収。クラウディウス家の人間に罪は問わなかったが、財産は没収され、クラウディウス家の者たちは散り散りになってしまった。ミューズはピドナの旧市街でひっそりと暮らすことになった。
なお、主人公の1人トーマス・ベントはクラウディウス家にゆかりのあるメッサーナの名族である。
作中
彼女を仲間にする前にクリアするイベントは「魔王殿にゴンを探しに行く」「夢の世界にとらわれたミューズを、夢魔から救う」の2つである。
「魔王殿にゴンを探しに行く」
ピドナで前述のトーマスを尾行し、ミューズと出会うことで発生する。トーマスが主人公の場合はパブでピンクの男に話しかけた後、一定の手順を踏むと発生。
内容はモンスターが出現するダンジョン・魔王殿のごく浅い階層まで行ってゴンを連れて帰ってくればクリアというもの。道の断裂を飛び越えられることに気付かなかったり、道を知らずに奥まで進んでしまったり、固定敵に挑んだりすれば全滅することもあるが、詰まることは多くないと思われる。
イベント開始時にパーティーの人数次第ではトーマスとシャールが仲間に加わる。シャールは高めのHPとWPに加え槍技「エイミング」を習得しており、この時点では結構頼りになる。さらに魔王殿はあるアイテムを持っていないと深部まで進むことができないなど、比較的簡単な内容となっている。
クリアすると以降ミューズの家に自由に出入りすることが可能となる。が、この時点ではまだミューズもシャールも仲間にすることはできない。
「夢の世界にとらわれたミューズを、夢魔から救う」
主人公の最大HPが220以上になってからミューズの家に行くと発生。ミューズが怪しげな薬を飲んで眠り込み目が覚めなくなってしまう。
ボスである「夢魔」を倒すことでクリアでき、このボス戦の前に一時的にミューズが仲間に加わる。
この際、ステータスが低いミューズを戦闘メンバーに加えないで戦う場合もあるのだが、彼女を戦闘メンバーに加えたまま夢魔のHPを6000以上減らすと、「父に変身した夢魔を、ミューズが攻撃することで過去から決別する」という形でミューズの攻撃1発で夢魔を即死させ、戦闘が終了する。
この時点でのミューズはとにかくステータスが貧弱で、特にWP0で技が使用できないため、武器を装備させないまま戦闘に出すプレイヤーが結構いたらしい。自然、攻撃方法は体術の「パンチ」しかなく、「お父様は もういないのよ!」と叫びつつ夢魔を殴り倒すミューズが日本全国でそこそこ観測された(通称「ミューズパンチ」)。ネタ化されないのは彼女の美しさゆえである。また、下記の仕様上ミューズパンチ時に結構強力な技を閃いたりもする。
なおクリア後、ミューズに薬を渡したのは神王教団の人間であったことが明らかになり、新たなイベント「マクシムスを追う」のフラグが立つ。
これ以降、ミューズは夢魔の一件を経て元気になったようで、冒険に連れ出すことが可能となる。
ちなみに夢魔はそれなりに強く、初心者が戦うには難儀する相手。ミューズをPTに加えない場合は10000以上のHPを削り切らないといけない。しかも夢の中のダンジョンと言う性質上、クリアするまで外に戻ることが出来ない。夢魔を倒せなければ詰むということである。ミューズパンチは救済処置だろうか?
幸いにもダンジョン内でレベリングが可能なので、ミューズを加えても勝てない場合は頑張ろう。
能力
HP | LP | 腕力 | 器用さ | 素早さ | |
---|---|---|---|---|---|
110 | 6 | 16 | 20 | 15 | |
体力 | 魔力 | 意志力 | 魅力 | 初期術 | 閃きタイプ |
10 | 19 | 18 | 25 | なし | 0(術士タイプ) |
なんといってもLP6という貧弱さが目立つ。これは全キャラの中でも下から2番目の値である(ワースト1位はハーマン、体力10もワーストで同率が他2名いる)。武器レベルも全てゼロ、WP・JP両方ゼロ、所持陣形はなく、習得している技・術とも皆無。
キャラ性能だけ見ればただの病弱な民間人である彼女だが、
- 華麗に優雅に「乱れ雪月花」をくりだすミューズ様
- ピンチの仲間には、回復術で素早く治療を施すミューズ様。
- 豪快にかつ大胆に「マキ割りダイナミック」決めるミューズ様。
- 破壊するものに果敢に立ち向かい、「龍神烈火拳」を…(以下略)
など、彼女を伝説の勇者レベルまで育成するプレイヤーが後を絶たない。ロマサガプレイヤーにコアなゲーマーが多いことが窺える。
腕力や魔力よりも器用さが高く、一見すると小剣や弓を扱わせるのに適しているように思えるかもしれないが、実のところ各技能レベルの成長しやすさで言えば最も高いのは月術、次いで蒼龍術と白虎術であり、いずれの武器も成長しにくく設定されているため、強化には長い期間を要する。また閃きタイプは「無し(=術師タイプ)」であり、高度な技の閃き適性はほとんど持っていない。小剣技であればサザンクロス、弓技であればプラズマショットなど、一部の中級技に適性がある程度。
しかし実際にミューズを使ってみると、結構多くの技を閃くことに気付くはずである。閃き適性は少ないのになぜ多くの技を閃くのか?これには本作独自の仕様が関わっている。その仕様とは「閃き適性を持っていない技は一定の低確率で閃き可能」というもの。つまり適性のある技が少ないため、かえって閃く可能性のある技が多いのである。この場合敵モンスターの閃きレベルの関係で、適性を持つキャラより閃きやすい場合さえある。また初期のWP・JPがゼロというのも、育成していけば確実に技王冠・術王冠を付けることができるわけで、こちらも密かなポイントである。仕様に救われたキャラと言えるだろう。
余談だが宿星と得意武器による補正を除外して考えると、素の腕力は20と全キャラ中5番目と屈指の高さなので、主人公交代の裏技を使えば最大で腕力25を誇る怪力キャラにもなれる(本来の8人の主人公の中で、この数値を実現可能な人物は存在しない)。
さらに余談だが1990年代当時は名前で某薬用石鹸ネタにされた。ミューズの同人誌を描いていた人に差し入れされたりもしたらしい。原作発売からリマスター発売までP&G、マックスファクター、アース製薬、レキットベンキーザーと販売会社が転々と変わり、米国食品医薬品局は含有成分の関係で規制したが、ミューズの気品は変わっていない。