治安部隊
主にロシアやその影響を受けた国々でおかれている。
国外からの敵と戦うのがメインの陸軍や、国境や海上が専門の国境警備隊や沿岸警備隊と違い、自国領土内での重要施設の警備やテロ・反乱対策が任務。ただし国家憲兵と違い、事件捜査はやらない。
多くは国内治安をつかさどる内務省の管轄にあり、その場合内務省軍とも呼ばれる。
大祖国戦争時のソ連国内軍 (NKVD軍) は赤軍とともに国内での枢軸軍との戦闘に参加したが、戦線が押し戻された後もしばしば苦戦している戦場へ呼び出され、ベルリンの戦いに参加した部隊さえいた。
戦後では、ローデシア内務省が内務省軍や「警備軍 (Guard force)」を編成、軍や警察とともに黒人ゲリラとの戦い (ブッシュ戦争) に従事した。
ソ連崩壊後、ロシアとウクライナの国内軍は国家親衛隊に統合・改編された。
なお両隊はロシアによるウクライナ侵攻に際して動員されている。
後方部隊
ドイツ軍ではErsatzheer (補充軍) という部隊が設けられ、国内予備軍や国内軍と訳される。任務は新兵の訓練や補充、将校教育、部隊の再編制、さらには休暇中の帰郷兵、陸軍病院で加療中の傷病兵の管理もあった。
なお1944年のヒトラー暗殺計画には国内予備軍副司令官フリードリヒ・オルブリヒト歩兵大将や参謀長クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐も加わっており、大佐はヒトラー暗殺そのものの実行、軍はヒトラー暗殺直後の中枢部占拠やその後の治安維持など中心的役割を負っていた。
占領者に対する抵抗勢力
第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のポーランドにおいて「国内軍 (Armia Krajowa)」、いわゆるポーランド国内軍が将校たちによって結成され、ポーランド亡命政府の指導下で抵抗運動を行った。
亡命政府指導下であったためソ連やソ連によって建てられた共産政府とは対立。戦後は弾圧された。