概要
ドイツ国防軍の国内予備軍が、W.W.2中に立案した国内予備軍の結集と動員に関する命令。
のちに「7月20日事件」と呼ばれるヒトラー暗殺未遂事件に発展、利用された作戦。
作戦名は、ワーグナーの歌劇『ニーベルングの指環』に登場する北欧神話の女神ヴァルキューレに因む。
様々な目的(他民族・他人種への排斥に対する抗議の抵抗、独裁制からの解放など)で集まった・
集められた人々がこの作戦に参加した。
参加者の中でも、ヒトラーらを暗殺(クーデーター)によるナチスからの解放を掲げた者もいれば、ドイツ国民による裁判によってヒトラーらを弾劾すべきだとする参加者もいた。
なお作戦の性質上、秘匿性の高いもののため、下記の参加者一覧には容疑者も併記した。
参加メンバー(軍人・軍関係者)
発案者
フリードリヒ・オルブリヒト |
---|
陸軍大将。国内予備軍副司令官。陸軍総司令部総務局長。本作戦の発案者。 |
実行者
クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐 |
---|
陸軍参謀大佐。国内予備軍参謀長。7月20日事件の首謀者。 |
将官
元帥
エルヴィン・ロンメル |
---|
陸軍元帥。アフリカ戦線での任の際、方針の違いからヒトラーからの離反が始まる。騎士道精神に則った戦いぶりと数々の勝利によって、敵味方双方から英雄視されていたため、公式には、傷が元の「名誉の戦死」と発表されたが、実際は反逆罪で毒による自殺を強要され、それを受諾。1950年のアメリカ映画「砂漠の鬼将軍」でも描かれた。 |
エルヴィン・フォン・ヴィッツレーベン |
陸軍元帥。西方侵攻戦の際に第1軍司令官として活躍するも、バルバロッサ作戦でヒトラーの作戦指導を批判したため更迭される。一方で戦前から裏で反ナチ・ヒトラー運動に関与してきた。 |
上級大将
ルートヴィヒ・ベック |
---|
陸軍上級大将。参謀総長。事件の失敗確定直後に自殺。 |
エーリヒ・ヘプナー |
陸軍上級大将。第4装甲軍司令官としてバルバロッサ作戦まで活躍したが、ヒトラーからの死守命令を無視した為不名誉除隊処分となる。 |
大〜小将
ヴィルヘルム・カナリス提督 |
---|
海軍大将。表向きにはアプヴェーア(国防軍情報局)長官としてヒトラーを補佐する一方、点在していた反ヒトラー派のパイプ役となり、捕虜の解放などを秘密裏に行っていた。ドイツ降伏の僅か一ヶ月前に処刑されてしまう。 |
ハンス・パウル・オスター少将 |
陸軍少将。国防軍情報局中央部部長(参謀長)としてカナリス提督から招聘された。彼もカナリス提督同様、処刑されてしまう。 |
ヘルムート・フォン・モルトケ |
国防軍情報局勤務。クライザウ・グループ(英:Kreisau Circle)の中心人物。 |
ギュンター・ブルーメントリット |
陸軍大将。西方軍参謀長。ヒトラー暗殺計画に加担しており、7月20日の暗殺未遂事件後に逮捕されたが、ヒトラーは無罪とみなしたため終戦まで生き延びた。 |
カール・フォン・シュテュルプナーゲル |
陸軍大将。パリ軍政長官。 |
エーリッヒ・フェルギーベル |
陸軍通信兵大将。 |
エドゥアルト・ヴァーグナー |
陸軍砲兵大将。陸軍主計総監。 |
フリッツ・リンデマン |
陸軍砲兵大将。逮捕の際に重傷を負い、病院で死去。 |
カール・フォン・チュンゲン |
陸軍大将。 |
パウル・フォン・ハーゼ |
陸軍中将。ベルリン防衛軍司令官。 |
アルトゥール・ネーベ |
SS中将。刑事警察長官。 |
ハンス・シュパイデル |
陸軍中将。B軍集団参謀長。ゲシュタポに逮捕されたがゼップ・ディートリヒSS上級大将が国家保安本部に圧力をかけてくれたお陰で起訴もされずに釈放され戦後まで生き延びた。 |
ヘニング・フォン・トレスコウ |
陸軍少将。第2軍参謀長。 |
ヘルムート・シュティーフ |
陸軍少将。参謀本部編成部長。 |
佐官
アルブレヒト・フォン・クイルンハイム |
---|
陸軍大佐。国内予備軍参謀。 |
ヴェッセル・フライターク・フォン・ローリングホーフェン |
陸軍大佐。参謀本部陸軍部長。シュタウフェンベルクがヒトラー暗殺に使用するイギリス製の爆薬と信管を極秘裏に手配した。ゲシュタポに逮捕される前に自殺。 |
ロベルト・ベルナルディ |
陸軍中佐。国内予備軍参謀。 |
ツェーザー・フォン・ホーファッカー |
空軍予備役中佐。計画の首謀者であるクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐は従弟の関係。 |
尉官
ヴェルナー・フォン・ヘフテン |
---|
陸軍中尉。シュタウフェンベルク大佐の副官であり事件の加担者。 |
ファビアン・フォン・シュラーブレンドルフ |
陸軍中尉。トレスコウ少将の副官で、計画参加者の中で戦後まで生き延びた数少ない人々のうちの一人。 |
参加メンバー(文人・一般人・民間人等)
カール・ゲルデラー市長 |
---|
ライプツィヒ市長。 |
ハンス・フォン・ドーナーニ |
法律家。 |
ウルリヒ・フォン・ハッセル |
駐伊ドイツ大使。 |
ディートリヒ・ボンヘッファー |
神学者。 |
ハンス・ベルント・ギゼウィウス |
外交官。駐チューリッヒドイツ総領事。 |