背景
ドイツ国防軍では、1939年のポーランド侵攻から長く続いた戦争による人的損害が無視できないレベルに達しつつあった。そこでドイツ陸軍は1944年7月に徴兵基準を下げて、14歳から50歳までの男性、それも徴兵対象外だった傷病者、さらには海軍、空軍地上部隊出身者なども動員して穴埋めを図った。
しかし6月のノルマンディー上陸作戦、7月のバグラチオン作戦で東西両戦線で大攻勢が行われた結果、これでも人員が足りなくなったため更なる動員が必要となった。そこで数をそろえるために上限を60歳に拡大し、国防軍や武装SSとも違う新たな軍事組織を作ることとした。
実態
人員は600万人がそろえられたものの、訓練は最低限、武器は拳銃・小銃・パンツァーファウストがせいぜいで、それも前大戦時の銃器や鹵獲銃、果ては自前の猟銃を装備することすらあったという。
そのため国民突撃銃と称する小銃を開発して配備しようとしたが、生産体制が崩壊している状況では、戦力となるほどの数は配備できなかった。
下記はその一つであるグストロフVG小銃。
軍服も数がそろわず私服に認識用の腕章をつけるといった程度で、とても軍隊の体をなしているとはいいがたかった。
関連タグ
国民義勇戦闘隊:同時期の日本にあった同様の組織。
ホームガード:同時期のイギリスにあった同様の組織