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十二支

じゅうにし

子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のこと。十干と合わさって干支を成す。日常およびpixivタグとしては特に十二生肖を意味する。
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概要編集

十干と合わさって干支を成すものであり、以下の12の要素()によって成る。

十二支
チュウインボウシンシンユウジュツガイ
うしとらたつうまひつじさるとりいぬ
訓の意
該当年子年丑年寅年卯年辰年巳年午年未年申年酉年戌年亥年

地支(ちし)あるいは十二地支とも言い、対して十干は天干とも言う。中国ではこの呼び方がポピュラーな様子であり、英語でもこれを直訳した形であるEarthly Branchesとなっている。


日常では干支(えと)と呼ばれる事が多いが、干支は正確には十干と十二支を組み合わせたもののことで、干支=十二支は誤りとされる。

古くは時刻方角を示すものとしても馴染まれた。


十二というの由来については、一年の月数なのか、木星天球を一周する年数なのか、いずれとも無関係なのか、いまいちはっきりしない。

十干の「」がに関連するのに対し、十二支の「支」はに関連すると言う。

「子」~「亥」の字は、十干の「」~「」共々、一年を通した植物の状態等に関係してるとも。


十二支と動物編集

訓として動物の名が当てられているが、元々は動物とは関係の無いものであり、動物が当てられたもの(或いは十二支が当てられた動物?)は特に十二生肖十二属相と呼ばれる。陰陽道における十二神将は、十二支の姿を与えられた式神だともされている。


同様に12種のキャラクターが当てられているものとして十二星座と比較される事もあり、十二星座をZodiacと呼んだりするのに対して十二生肖はChinese Zodiacと呼ばれている(ちなみに羊と牛は両者に共通している)。


想像上の動物としては、龍とガルーダが含まれている。龍は、ヨウスコウアリゲーターやイリエワニがモデルになっているという説もあれば、リオプレウロドン説もある(恐竜時代の生き物なのでほとんど与太話に近いが…。恐竜などの化石から想像をめぐらせたというのなら、ありかもしれない)。蛇も、陸の蛇の他にウミヘビ説もある。

ちなみに当てはめる動物は他国と同じでありながらも、表される姿は想像上の生き物というパターンも。(タイの切手では猿にハヌマーンが、龍がナーガが描かれることがある。)


各国の違い編集

国によって動物に違いがある。猪というのは本来は豚(ブタ)を表す漢字であるように、イノシシを含むのは日本の十二支のみである(漢字でのイノシシは本来は野猪と表す)。羊という漢字がもっぱらヒツジだけを表すのは日本のみであり、多くの国ではヒツジとヤギが混同、あるいはヤギになっている事が多い(羊という漢字表記は本来はヒツジとヤギを区分しない。区分したい場合は綿羊、山羊といったように表記する)。「水中の動物がおらず、かわいそう」という意見もあるが、龍は水と結びつけられる事が多いばかりでなく他の国においては龍に代わってクジラになることも(龍自体実在しないため、日本などではタツノオトシゴで代用される事があるので、水棲生物問題はある意味解決している事になる)。


日本では馴染みのなかったブタをイノシシにローカライズした件はともかくとして、輸入された当時では珍しかったヒツジをそのままにしておいた理由は不明である(ヤギも日本への定着はかなり遅いが)。


ちなみに無脊椎動物は大抵含まれないが、カザフスタンでは辰にカタツムリが含まれる事も(カザフスタンはともかくとして、フランスや中国ではカタツムリや貝類を龍に結びつける伝承ならあるが)。


各国の違いの傾向としては、元となった動物に近い動物を代わりに当てはめる傾向が強い(牛⇨水牛、虎⇨ヒョウといった感じである)。ただし、ライオンを当てはめる国は意外な事に全く確認されていない。


また、猫、カエル、鹿、ラクダ、イタチ、パンダのように、(厳密に言うと猫以外は)「十二支になれなかった」動物も存在する。ラクダは十二支の動物の利点を与えられたともされている。龍もラクダの特徴を持つとされるので、よくわからない話になっている(一応パンダは中国で一時期十二支にカウントされた時期もあったらしい。理由としては龍はかつて皇帝の象徴だったため社会主義国家に相応しくない干支だったからだとか)。


纏めるとこのようになる。

水牛(東南アジア)
(ブルガリア)、ヒョウ(モンゴル)
(チベット・東南アジア)
ワニ(アラビア)、魚(トルコ)、クジラ(イラン)、カタツムリ(カザフスタン)
ヤギ(中国等)
ハヌマーン
ガルーダ
ブタ(中国等)、ゾウ(タイ・チェンマイ)

=日本の昔話=

十二支の動物がどのように選ばれたのかが語られている。犬猿の仲や、ほかの動物の習性の由来が追加されているのが特徴。もちろん後付けでありこの話から決められたわけではない。

以下のストーリーは、まんが日本昔ばなしで紹介されたもの。

《起》

神様が「一月一日の朝、一番から十二番目までに来たものを1年交代で動物の大将にする」という手紙を書いた。

《承》

それを受け取った全国の動物たちは、自分が一番になろうと翌朝まだ暗いうちから一斉にスタートした。でもだけは「一月二日の朝」とネズミから聞いていたので、出発しなかった。犬と猿は最初は仲良く並んで走っていたのだが、そのうち必死になって走ってしまい、とうとう丸木橋の上で大げんかを始め、それを仲裁するために鶏が間に入った。

《転》

いよいよ新年の太陽が昇った時、前日の夕方から出発していた牛が一番に現れた。しかし牛の背に乗っていたネズミが、「神さま、新年おめでとうございまチュゥ」と、牛の背中からぴょんと飛び下り、神さまの前に走っていった。一番はネズミになってしまったので、牛は「モゥモゥ!」と悔しがった。

続いて虎が到着し、そして兎、龍がやってきた。こうして次々に動物たちが到着し、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪、カエル、の順番となった。13番目になってしまったカエルは、がっかりして「もうカエル」と言って帰っていった。

《結》

さて、神さまと十二支たちの酒盛りが始まりまったが、犬と猿はまだケンカをしていた。そこへすごい剣幕で猫が現れ、ネズミを追いかけまわった。だから、今でも猫はネズミを追いかけていて、犬と猿は仲が悪いという事だ。


異説・後日談

・最後の1体であるイノシシに続いてイタチも到着した。イタチは猫とは違って「1月1日」には到着するというルールは守っていたのだが、十二支の定員が満員になってしまった為、イタチを哀れに思った神様は月の初めを「ついたち」と読ませる事でイタチを労った。

・猫から事の顛末を聞いた神様がイタチの時と同じく同情し「秒(びょう=“猫”の音読みと同じ)」を猫に与えた。


=中華圏の昔話=

十二支の本場・中国(中華圏)に伝わる昔話では、動物たちは河を渡って神様(多くは玉帝とされる)の元へと向かう。


「神様が動物たちに招集をかけ、競争させる」

「ネズミが牛に乗る」

「猫はネズミによって十二支になり損ねる」

「これが原因で猫はネズミを追うようになる」

という点は一致しているが、


牛に乗るのは猫と一緒」であり、手段もこっそりではなく「きちんと頼み込む

「猫は途中でネズミに河に突き落とされ、溺れているうちに競争から脱落してしまう」

等、日本のものとは一風変わった展開となっている。


また

「お触れを聞いて集まった先着12匹を改めて競争させる(ちなみに猫は寝坊し12の枠から漏れてしまう。この寝坊にネズミは一切関与していない。念のため)」

「ネズミと牛とではどちらが1番目にふさわしいかを残りの10匹にアンケートを取る」

などといった逸話や、競争の後日談・サイドストーリー的なものも数多く存在する。





十二支キマイラ編集

江戸時代に活躍した歌川芳虎という浮世絵師は『家内安全ヲ守 十二支之図』(1858年)と題して十二支全部乗せのキメラを創作している。遠浪斎重光も『寿という獣・十二教訓』という似たコンセプトの浮世絵(嘉永年間)を描いており、パーツ配置も異なる。


パーツ構成

パーツ歌川版遠浪斎版
頭(子)+トサカ(酉)+角(丑)+顎髭(未)+首と鬣(午)+耳(卯)前頸部(辰)以外は歌川版同様(辰の比率は多め)
胴体模様(寅)、炎(辰)体毛(亥)
手足前足(戌)、臀部(亥)、後足(申)二の腕(寅)、前腕部(申)、後足(戌)
蛇の頭(巳)蛇の尻尾(巳)

(引用元:みんなの知識 ちょっと便利帳『《寄せ絵・だまし絵》 寿という獣・十二教訓 = 遠浪斎重光 =』・『《寄せ絵・だまし絵》 家内安全ヲ守 十二支之図 = 歌川芳虎 =』より)



十二支と時刻編集

昔は主に、年よりもその日の時間を表わす“12の刻(こく)”を表わしており、現代においても「草木も眠る丑三つ時」「正午」という表現で親しまれている。

「正午」という名は、午の刻が午前11:00~午後1:00であることによる。

それぞれの刻が120分であり、以下のような対応となっている。

十二支時刻
23:00~1:00
1:00~3:00
3:00~5:00
5:00~7:00
7:00~9:00
9:00~11:00
11:00~13:00
13:00~15:00
15:00~17:00
17:00~19:00
19:00~21:00
21:00~23:00

更にこれを、三つ~四つに分けて表わしていた。

四つに分ける方法では、分けられた一刻は30分となり、それぞれ「一つ」~「四つ」と呼ばれる。子の刻ならば、「子一つ」~「子四つ」となる。

三つに分ける方法では上刻中刻下刻と呼ばれ、これは恐らく、太陰暦において各月が上旬中旬下旬に分けられる事に準ずるものと考えられる。


十二支と方角・舵編集

船の舵・『面舵』『取舵』は、それぞれ十二支でを指す『卯』の舵と、西を指す『酉』の舵の言葉が変化したものと言われている。また、経線を『子午線』と呼ぶのも、経線が(『子』の方角)と(『午』の方角)とを結ぶ線だからである。

北東を「丑寅うしとら)の方角」と呼ぶのも十二支に基いており(ただし表記としては八卦の『艮』『巽』『坤』『乾』を使うことも多い)、の容姿もこれに由来すると言われている(「鬼」の頁を参照)。

十二支と方位の関係は以下のようになっている。

十二支方角
北から東へ30°の所
東から北へ30°の所
東からへ30°の所
南から東へ30°の所
南から西へ30°の所
西から南へ30°の所
西
西から北へ30°の所
北から西へ30°の所

「丑寅の方角」は、「丑の方角」と「寅の方角」の間という意味となっている。

同様の用い方により、十二支だけで二十四方位を表現する事もできる。

ただ、このように2つの支を組み合わせてその中間を指す用法は、中国の段階では見られず、もしかしたら日本独自?


この訓は八卦にも転用され、後天図との対応で以下のようになっている。

八卦十二支訓(共通)方角
(ゴン)丑寅うしとら北東
(ソン)辰巳たつみ南東
(コン)未申ひつじさる南西
(ケン)戌亥いぬい北西

十二支と陰陽五行思想編集

五行思想では以下のように「」の4つに、「陰・中央(の陽・土の陰)・陽」の3つを掛け算させた12通りで干支の「行」が配されている。


12星座の西洋占星術における四大元素(エレメンツ)「火・・水」×性質(クオリティ)「活動・不動・柔軟」の12通りで属性が配されていることに似るが、基本的に別物であることに注意。

十二支陰陽五行
水行
土行(水の干支の中心)
木行
木行
土行(木の干支の中心)
火行
火行
土行(火の干支の中心)
金行
金行
土行(金の干支の中心)
水行

この五行の配置で有名な伝承と言えば「桃太郎」、お供の「イヌ(戌)・サル(申)・キジ(酉)」も、「桃」も含めて「金行」だったりする。

ここに十干が重なって、60通りの陰陽五行の組み合わせが生じる。例えば「丙の午」の伝承は、元々は「丙=十干で陽の火」+「午=十二支で陽の火」となり(同じ行、現代風にいうなら「同じ属性」が揃うこれを「比和」と呼ぶ)、「火属性のエネルギーが強まり過ぎて火災が発生する」という迷信に繋がったことが原因の一つであったりする。この他にも十干×干支の60通りには信仰に繋がっているものもある。

ただし、十二支の由来と五行説は必ずしも由来が一緒ではない。「十二支をモチーフにイラストや物語を作る場合に、上記の属性の配置を遵守しなくてはいけない」などということは当然ないので、諸姉諸兄は自由に作品作りに励んで頂きたい。勿論、五行を配置した十二支をモチーフにすることも自由である(なお、12星座も同様で、星座の由来となった各種神話と西洋占星術のエレメントは基本的には別物である。星座漫画の代表作とも言える聖闘士星矢にだって「火属性の黄金聖闘士」とかそんな設定はない。あっても面白いかもしれないが、気にしなくて良いのである)。


モチーフとした作品・キャラクター編集

十二星座と比べて扱っている作品が少ない。子が主役になる傾向が強い。


アニメ編集


ゲーム編集


漫画編集


小説編集


ポケモン編集

  • まだ150匹しかいなかった初代の時代に、小学館の「小学五年生 1998年1月号」で12匹がチョイスされた。

亥(イノシシ)にオコリザルなど、今でこそ首を傾げたくなる人選だが、初代当時はポケモンのモチーフが限られていたので仕方のない側面がある。なお、はぶられ担当はニャースだった。




その他編集




pixiv内での十二支編集

十二支全てを集合絵のように描いたもののほか、それぞれを擬人化してみたり、版権キャラに当てはめているイラストもある。

擬人化に関しては「十二支擬人化」や「干支娘」などのタグも使われている。

十二支擬人化ぐるっと十二支


関連タグ編集

 十二生肖 生肖 十二支の由来

干支/十干十二支/六十干支 十干 二十四方位

十二支擬人化/干支擬人化 十二支娘/干支娘 十二支男子/干支男子

 元素 八卦 植物 十二人組 十二/12 十二星座/黄道十二星座 星座

猫年 水牛 山羊   


別名・表記ゆれ編集

12支 地支 十二地支 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥


関連外部リンク編集

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