「空港占拠…完了」
概要
かながわ新空港を突如占拠した謎の武装集団。全員十二支をモチーフにした仮面を着け、赤いコートを着ている。人質にした相手の罪を暴かせ社会的に抹殺するように仕向けるなど、前作に登場した武装集団「百鬼夜行」と似たような行動をとっているため模倣犯と思われたが、実際は蛇/紗季が病院占拠の犯罪計画を練って依頼主である百鬼夜行のリーダー大和耕一に売り、そのデータを収集し計算した上で結成した武装集団であり、単なる模倣犯と言うわけではない。
メンバーの多くが身内あるいは知り合いや幼馴染同士と言う関係性なのは同じだが、百鬼夜行は一部の鬼達は仲が悪く時に対立もしていたのに対し、こちらは(鼠等を除いて)メンバー同士の対立がないためあちらよりも結束が強く、更に前回の占拠を経験している紗季と丹波がいる為、対策本部の裏をかく事が出来ると言うアドバンテージがあり、5話では突入してきたSATを逆に罠に嵌めて撤退させるなど、百鬼夜行と比べて戦闘面や統率力、頭脳面は上回っている。
そして、こちらはターゲットに罪を認め自首する事を施しても、それを認めず無視をした場合は容赦なく殺しており、志摩からも『鬼よりもヤバい奴ら』と恐怖を抱かれている(また、武蔵がターゲットの嘘を暴いても、白河や天童のように『ターゲット本人が自らの罪を認めなければ、ターゲットを殺害する為の時限装置を止めない』など徹底している)
ただし、罪を認めれば後は社会に裁きを委ねる方針であり、無差別に命を奪うつもりはないのは百鬼夜行と同様である(龍/悠月曰く『我々は獣だが、ケダモノにまで堕ちるつもりはない』とのこと)。
しかし、第8話で兎と羊/浜松姉妹、猪/松長、鶏/瀬奈が鼠/大河と裏で繋がっていた裏切り者(後述のケダモノ)であること、鶏/瀬奈と猿/直樹が親密な関係となって瀬奈が妊娠をしたことが発覚し、亀裂が生まれてしまう。
そして9話では大河が紗季を人質に取って出し抜くことで完全に崩壊、後述のケダモノ達(鶏/瀬奈を除く)+駿河姉妹以外のメンバー全員が確保された。
ちなみに獣ちゃんねるの登録者数は最終話のケダモノによるホテル占拠事件が終わった時点で100万人を突破したことが分かっているが、占拠が完了したばかりである第2話の序盤の時点では『百鬼夜行の二番煎じ』であった為か登録者数は0であり、ネットでの支持率もたったの5%であったが、紗季による捨て垢と嘘の応援コメントによって登録者数を10万人に増やして支持率も上げるという細工をしていた(この為、登録者数のほとんどが獣による自作自演であると思われる)。
獣メンバー
- 龍/駿河悠月/駿河蘭〈30〉
獣のリーダー。常に男口調であり、時折「アテンションプリーズ」と繰り返すこともあった(この言葉は本来スチュワーデス=女性が多様する言葉であり、正体が女性であるという伏線となっていたと思われる)。
その正体は蛇/紗季の双子の姉。手首には紗季と同じさくらんぼのヘアゴムを付けている。
空港占拠時は、仲間達が空港を制圧している間、ただ1人謎の演舞(百首神社で昔から伝わっていたもので、戦う前に士気を上げる為に踊ったものでいつしか大漁祈願の演舞となった。9話の回想で浜松姉妹から教わっていた)を踊っていた。
何が起きても動じず自分の意思を貫く性格の持ち主で、たとえ仲間を人質にとられても計画の遂行を推し進めようとする。一方で上記の通り、ターゲットが罪を認めない場合は容赦なく殺すが、罪を認めれば解放して社会にその裁きを委ねる、仲間達の訓練の様子を見て笑みを浮かべる、対策本部にスパイとして潜り込んでいた澪の帰還に安堵する、計画が最終段階に入ると仲間達に逃亡用の偽造パスポートと逃亡に成功した後の生活の為の資金が入った銀行口座の通帳を渡し『一緒に戦えて良かった』と感謝の言葉を贈る、次々とSATに確保されていく仲間達の悲痛な叫びを通信越しに聞き涙を流すなど、完全に冷酷な人物というわけではない。
武蔵のことを常に「武蔵三郎」とフルネームで呼ぶ。二葉を兄健一のことで呼び出し、また武蔵に彼の失踪が山猫が作り出した嘘だと告げる。
第9話にて、自身が武蔵健一の娘であることを語った。つまり、三郎の姪にあたる。そして、表向きはOrtus Consultant(オータス・コンサルタント)という企業経営コンサルティング会社のCEOとして働きながら、ダークウェブ上ではOrtus Crime Consultant(オータス・クライム・コンサルタント)という「犯罪コンサルタント」として活動、1年前の病院占拠の計画発案者の一人だったことも明かされた。「駿河蘭」の戸籍はすでに売られてしまっており、「駿河悠月」は闇ルートで得た新たな戸籍である(妹の紗季も同様)。
それらの真相が明かされたのち、大河達ケダモノとその人質と共に攫われた紗季…もとい蓮を救うため空港を抜け出しバイクに乗って横浜ベイサイドホテルに向かう大河達を単身追跡、大河の要求で武蔵と共に横浜ベイサイドホテルへと突入。自身の父である健一が談合の件について条件次第では黙っていると言っていたと北見が話した際には「嘘だ!」と感情をあらわにしていた。大河から1発だけ入った銃を渡され真の山猫を撃つよう言われる。「山猫は罪を認めた、殺す必要はない」と主張したが紗季を人質に取られ「1分以内に山猫を殺さなければ紗季を殺す」と脅される。山猫に銃を構えるが、カウントダウンが0になったタイミングで志摩が岩槻のプログラムを使い配信及びホテル内の通信やカメラを切り、浜松姉妹が確保される。ヤケになった大河に時限爆弾を作動されるが、武蔵ともみ合いになって時間を稼いでいる隙に爆弾を大河が作動させるより一瞬早く解除、せめて裕子だけでもと彼女を撃とうとした大河を渡された銃で撃った(「私がケダモノを生んだ…だから、私がお前を葬る」と獣のリーダーとして自ら落とし前をつける形となった)。大河を鎮圧し紗季に駆け寄ろうとした時にSISがビジネスフロアに到着。大河を撃った銃をその場に捨て、
「後悔なんてない。嘘であふれた世の中で真実を追い求めただけだ。武蔵三郎、お前にとっての真実はなんだ?」と不敵な笑みを浮かべながら武蔵に問いかけ、潔くSISに確保されていった。
公式に記載されている剛毅果断(ごうきかだん)は意志が強く、思い切って物事を行うことという意味である。
- 蛇/駿河紗季/駿河蓮〈30〉
演:宮本茉由
詳細はリンク先にて。
- 虎/丹波一樹〈49〉
演:平山浩行
詳細はリンク先にて。
- 猿/丹波直樹〈20〉
演:岩瀬洋志
虎とお揃いの指なしグローブを装備している。その正体は丹波の息子で元横浜中署地域課巡査。母愛の自殺をきっかけに父親と共に警察を退職。今回の事件に「獣」側として加担した。動機は父および叔母と同じく母を殺した北見への復讐。6話での回想から、父親には反対されていたがそれを押し切って獣の仲間になった。また4年前(前作の3年前)に急病を患い、これが前作で起きた一連の出来事のきっかけになったのである。
元警察と言う事もあって銃の扱いには慣れている一方、格闘戦は苦手なのか、占拠前の仲間同士の模擬試合では羊/詩にボロ負けし、父親からも『情けない』と呆れられていた(もっとも、詩は中国武術の達人で世界大会にも出場経験があり、一般の女性どころか並の男よりも強いので仕方がないが)。
銃の扱いを教えたことがきっかけで鶏/瀬奈と親密な関係となり、鶴田と鹿野を殺し、放心している彼女の肩に手を置いて気遣ったり隠れて抱きしめあっており、5話で瀬奈から妊娠を伝えられると事件の後に結婚をしようと告白した。8話で裏切り者を見つけるべく金属探知機で持ち物検査をした結果”Naoki&Sena”と記されたペンダントをしまっていたことで2人の関係は獣メンバーの知るところとなった。その後、父に呼び出され「タイミングを考えろ」と諭されるが「親父だって周りから反対されたんだろ?警察官とジャーナリストが結婚するなんて有り得ないって…それでも親父は反対を押し切って結婚した。それだけ母さんが大事な人だったからだ。それが俺にとっては瀬奈さんなんだよ!」と父の痛い所も突きつつ自分の想いは本気であると反論。それでも「話にならん」と呆れて立ち去ろうとする父に瀬奈が妊娠していることを告げると「馬鹿野郎!」と殴られた。
しかし、その瀬奈が裏切り者であるケダモノの1人である事は知らされておらず、彼女の裏切りが発覚すると動揺を隠せずにいた。
が、それでも子供と共に直樹と生きることを選んだ瀬奈がケダモノ側を裏切り大河に撃たれかけた際彼女を庇うも、父に自分も庇われ戸惑いを隠せないでいた。その後瀬奈と共に逃走するもSATに肩を撃たれてもなお「撃たないでくれ、子供がいるんだ!」と必死に彼女を庇うも捕まり、引き離されてしまった。
最終話で事情聴取を受けた際「俺達にはこれしか道が無かった」と話していた。
公式に記載されている少壮気鋭(しょうそうきえい)は若さに溢れていて、切り込みが鋭いことを指す。
- 馬/堀江海斗〈30〉
数珠というかなり特徴的なものを持っており、何故か龍/悠月を『様』付けしている。その正体は猪/松長と牛/掛川の幼馴染で元漁師。空気が読めない緊張感のない発言も目立つが、羊&兎/浜松姉妹の父で漁師仲間だった浜松功殺害の冤罪を着せられたことから真犯人である天童(実行犯は川越)に対する恨みは強い。
9話で浜松姉妹が裏切り者と分かった際には「今まで一緒にやってきたじゃねぇかよ、俺達仲間じゃなかったのかよ!」と憤りを見せていた。かながわ新空港に侵入した大河に牛/瑠美と共に捕らえられナイフで結束バンドを切り脱出するももう既にSATが突入しており最後の抵抗と言わんばかりに銃を乱射するもフラッシュバンで怯み捕らえられた。
最終話の事情聴取で「獣になんてなりたくなかった、皆と楽しく暮らしたかっただけだ」と松長と瑠美だけでなく、裏切った詩や奏との昔を思い出しながら答えていた。
公式に記載されている豪放磊落(ごうほうらいらく)とは、気前がよく太っ腹で、小事にこだわらず豪快な様子を表す。
- 牛/掛川瑠美〈30〉
ダメージ加工のされた手袋を装備している。その正体は猪/松長の恋人で馬/堀江の幼馴染。
松長との子供を授かり「渚」と名付けていたが、逮捕後に流産し喪ってしまう。
6話の終盤で北見に人質にされてしまい、一時は自ら死を覚悟したが、武蔵が北見の正体を明らかにした事で解放された。
9話で大河に馬/堀江と共に捕らえられナイフで結束バンドを切り脱出するももう既にSATが突入しており最後の抵抗と言わんばかりに銃を乱射するもフラッシュバンで怯み捕らえられた(この際子供の写真を踏まれてしまっている)。最終話の事情聴取でケダモノの中に松長や浜松姉妹など顔見知りも多いこともあり「お願いします、皆を止めてください!」と伝えていた。
公式に記載されている洒洒落落(しゃしゃらくらく)は性格や態度、言動などがさっぱりしていて、こだわりのない様子を意味する。
- 犬/岩槻澪/狭山澪〈28〉
演:白石聖
KSBCの新人情報分析官。実は獣の一員で、その正体は虎/丹波の妻愛の妹。和泉のバッグに犬の面を入れたり武蔵のイヤモニにノイズを起こして爆弾を取り付けた物に変えるよう仕向けたり、大河が自分の正体を言おうとした際に配信を切ったりなど裏工作をしていた。動機は義兄および甥と同じく姉を殺した北見への復讐。
その事実を対策本部の面々が目の当たりにした直後パソコンを爆破し「一人でもこの部屋から出たら武蔵のインカムに仕掛けた爆弾を爆破する」とたった一人で対策本部を占拠することに成功。更には志摩に銃口を向け「私が獣になった理由を1分以内に突き止めてください」と無理難題を吹っ掛けたが、志摩に重大なヒント(亡き姉のSNSのコメント)を与えたことから最初から志摩を殺す気はなかったと思われる。
それらの事実が判明したが「戻るんです、獣たちの元に。分かっているとは思いますが、もし私を撃ったら…爆発しますので」と正体がバレてもなお悪びれる様子もなく仲間が待つ空港へと向かった(この様子はまさしく泰然自若と言えるだろう)。空港内に突入したSATに次々確保されていく仲間の姿を目の当たりにしパソコンを操作しながらも涙していた。その後、管制室に来た武蔵達に大河の目的は何かと聞かれ彼は人質全員を皆殺しにするつもりだと伝えた。最終話では大河達ケダモノを止めるべく警察側に協力、ファイアウォールを解除できない志摩に痺れを切らし和泉が一か八か彼女に無線をつなぎ自分のパソコンにある自作のプログラムを使わせ配信を切る手助けをした。
前作と同様にほぼ毎回現状を麻雀用語で例える志摩に対しては、紗季の時のように強くツッコむ事はなく、苦笑いしたり適当にあしらったり、無視していたが、人が死ぬまで残り数秒という状況でまた志摩が麻雀の話をしようとしていた際にはとうとう『うるさい、早くやって!』とちょっと怒っていた(状況が状況なので当然と言えば当然なのだが)。
公式に記載されている泰然自若(たいぜんじじゃく)とは何事にも動じず落ち着いた様子を意味する。
余談だが、中の人は潜入兄妹にて詐欺組織の妖艶な女幹部を演じる。
ケダモノ
龍/悠月の考えに反発した鼠/大河とその考えに賛同した者たちいわゆる獣側の裏切り者で結成された新勢力。前作の鬼や悠月達とは異なり、「ターゲットが嘘及び罪を認める認めないに関係なく殺すべき」という極めて過激で強硬的な考えを持っている。
一方でリーダー格の鼠/大河は自身に反旗を翻したとはいえ姉の親友である瀬奈を殺害しようとする、かつての仲間を囮にしようとする(これらの行動に他のケダモノメンバーも驚きを隠せないでいた)など、もはや目的の為なら手段を選ばなくなるほど1人明らかに暴走している。
ケダモノメンバー
- 鼠/新見大河〈26〉
元獣の一員でケダモノのリーダー的存在。両手にバンテージを巻いている。獣のメンバーだったが、前作で鬼達に罪を暴かれた者達が釈放されてのうのうと生きている事実から『ターゲットが嘘を認める認めない関係なく殺す』と言う危険な考えに至り、龍/悠月たちと意見の対立から喧嘩別れのような形で脱退し、単独で丸亀の事務所に侵入してMプロジェクトのデータを入手する。しかし、綾部の襲撃に遭い肩を撃たれ血まみれになりながらも、彼を撒いて横浜湾岸病院の駐車場にたどり着く。そこで裕子に出会い、彼女に銃を向けて車を走らせるように指示し、さらに自分の手術を武蔵家で行うように無茶な要求をする。その後裕子たちに逃走されるも、綾部に殺されかけた裕子を救い出す。獣のアジトでデータを見て「山猫は北見じゃない」と山猫の正体を知る。
その正体は鶏/重原瀬奈の親友:新見百花の弟で六石交通のタクシードライバー。動機は丸亀を優先して結果的に百花の治療を後回しにした裕子への復讐。この時手術の優先順位を決めたのは裕子ではなく外科部長の棚倉眞であったのだが、(百花が亡くなったことを知らなかったとは言え)姉が亡くなった直後に丸亀の秘書と話していた裕子が『医者として当然のことをした』と発言をしたのを聞いたこと、姉の一件があった後も同じ事を繰り返していた(第一話の回想シーンで大河と同じく代議士の妻を優先したことによって娘を亡くした母親が裕子に『娘を返せ!』と訴えている)事から「権力に屈して飼い慣らされていることがお前の罪」と裕子への憎しみを募らせていた(とは言え、裕子は他に急患がいたことを知らされておらず、患者を優先順位で決める病院のやり方に対して外科部長に異議を申し立てていた。しかしそれを聞いてもなお「変えることができなかったお前は結局権力に屈した」としている)。
第8話で自分の考えに賛同していた重原・松長・浜松姉妹と裏で繋がり配信チャンネルをハッキングし、独断で制裁を始めた。
そして第9話でかながわ新空港に着いたのち、ケダモノ達と合流。他の獣達を囮に逃げようとするが、『(直樹と共に)生きてこの子を産みたい』と自分を裏切った瀬奈にも一切の慈悲を見せず「だったら、ここで死ね」と姉の親友でもある彼女に迷いなく発砲した。その後、裕子と空港にいた人質+蛇/紗季とケダモノ達と共に横浜ベイサイドホテルへと向かい、人質全員の皆殺しを宣言する。
最終話で獣たちと別行動を取っていた理由が明かされた。彼は空港占拠の裏で丸亀の事務所に侵入し総会の警備実施計画書及びMプロジェクトのデータをコピー、セキュリティを突破できる権限を持つ裕子を使いホテルを占拠するためだった。
横浜ベイサイドホテルを占拠し、30分以内に武蔵と悠月が今自分がいるビジネスフロアに来なければ裕子と紗季を殺すと宣言。武蔵や悠月らに真の山猫の正体を告げ、さらには悠月に『1分以内に山猫を殺せ、さもなくば紗季を殺す』と脅すも悠月は撃たず、カウントダウンが0になったタイミングで配信が切られ周辺の電波も遮断。そのタイミングで突入した本庄達によって下のフロアにいた浜松姉妹が捕まり丸亀や大久保などほとんどの人質を解放されてしまう。
悪あがきに時限爆弾を作動させるが武蔵ともみ合いになり、その隙に悠月に爆弾を解除され唯一捕まっていなかった松長も捕まった。ならばせめて裕子だけでもと彼女を撃とうとしたが、先に悠月に胸を撃たれ『姉ちゃん…』とこぼしその場に倒れた。本編でも本庄が『マルヒ5名(ホテルで確保されたのは松長と浜松姉妹と駿河姉妹、彼を含めた場合6人になる)確保』と言っており、裕子も処置をしておらず公式でも最期と書かれている為、恐らく亡くなったと思われる。これにより獣及びケダモノの占拠事件は収束となった。
このように復讐の為なら手段を選ばず、仲間さえも目的の為に使い捨てようとするなど冷酷な性格をしているが、占拠の2ヶ月前に牛/瑠美が留置所で子供を流産した事を聞かされた際は『それは、辛かったな…』と同情するなど、この時点ではまだ人としての情は持っていた。
Huluオリジナルのスピンオフ『新空港占拠前 Run,Mouse,Run!』では主人公を務め、何故彼が復讐の道を進むことになったのかが明かされる。
獣が空港を占拠する1ヶ月前(おそらく大河が獣を抜ける前)の界星堂病院。病院占拠事件によって明らかになった複数の罪で逃走中の元国会議員・北見に関する情報を追い求め、廃墟となった同院に忍び込んだが、院内で何者かに襲撃され、自身を含む5人の人物が足を鎖でつながれて霊安室に監禁され、更に自分達を監禁した正体不明の人物から『半年前に起こった通り魔事件の犯人を裏で操っていた黒幕』を見つけることを要求される。
この時点で自分以外の他の人質に対し『あんたらの事情なんかどうでもいい、あんたらが生きようが死のうが知ったこっちゃない』と冷たく切り捨てる、通り魔事件について問いただすために若狭の首を絞めたり、ガラス片を突きつけて脅すなど、この時点で目的のためなら手段を選ばない冷酷な性格となっている。
公式に記載されている祖逖之誓(そてきのせい)は命をかけた決意、目的を果たすまで絶対に帰らない誓いという意味。
- 鶏/重原瀬奈〈28〉
演:山谷花純
空港占拠時は1人で空港の派出所を制圧した。一方で、(復讐を果たしたとはいえ)鶴田と鹿野の死には少なからず動揺するなど、精神的にはあまり強いとは言えない。
その正体は白河の元秘書。目的は同僚であり親友でもあった新見百花にパワハラし、更には横領の罪を着せて自殺に追いやった白河とそれに加担していた米沢、そしてネットで百花を誹謗中傷し、更には米沢の指示で遺書を改竄した鶴田と鹿野への復讐。また、彼女が身につけているネックレスは、百花とお揃いの物である。
銃の扱いを教わった事がきっかけで猿/丹波直樹とは親密な関係となったらしく、更に妊娠している事が発覚。
実は親友の百花の弟である鼠/大河の考えに賛同し、密かに協力していた裏切り者の1人であった(「私は人生を失った。もう失うものはない」としていたが直樹はその事を知らなかった)。
だが、それでも直樹と共に生きて身籠っている子供を産みたいとケダモノ側を裏切り、大河に撃たれかけ直樹に庇われるも、虎/丹波が彼を庇い戸惑いを隠せないでいた。その後直樹と共に逃走するもSATに捕まり引き離されてしまった(この捕まった時に発していた「一緒にいたい」というセリフは実は台本にはなく、演者である山谷女史のアドリブであったことが本人のInstagramのストーリーで明かされている)。
最終話で事情聴取した武蔵に守りたいものができたからケダモノを裏切ったことも言い当てられ「少しでも罪を軽くしたいなら話してくれ」と言われ、ケダモノの計画の一部始終を明かし、大河達は人質もろとも自爆するつもりだと涙ながらに話した(鶴田と鹿野の件でも大きく動揺していた為本当に優しい人物であることが窺え、武蔵はこの時も2話で白河の罪を明らかにして彼女の正体を言い当てた時も優しく語り掛けるように彼女に話していた)。
公式に記載されている悲歌慷慨(ひかこうがい)は社会の乱れや自らの人生の不運、悲劇などを悲しみ、歌い、憤り嘆くことという意味である。
- 猪/松長仁〈30〉
演:後藤剛範
軍手と迷彩のベストを装備している。その正体は牛/掛川の恋人で馬/堀江の幼馴染で元漁師。
堀江と掛川を巻き込みたくなかった為、幼馴染3人組の中で唯一ケダモノ側に付いている。
2人が捕まったのちどこか後悔のようなものもあるのか振り返って『…すまねぇ』とこぼすが(そもそも1人でケダモノに寝返ったのは2人を巻き込まないためだったが、皮肉にも真逆の結果になってしまっている)それでもケダモノとして大河について行き横浜ベイサイドホテルへとケダモノ+人質が乗ったトラックを走らせた。最終話で『瑠美、海斗、ごめんな…』とこぼしつつ大河達がいるビジネスフロアの手前でSIS隊員を足止めしたが、最終的に確保された。
公式に記載されている猪突猛進(ちょとつもうしん)とは、ひとつのことに対して向こう見ずに突き進むことを指す。
- 兎/浜松奏〈20〉
演:安斉星来
詳細はリンク先にて。
- 羊/浜松詩〈25〉
演:山本千尋
詳細はリンク先にて。
2代目山猫との関係
獣及びケダモノ12人のうち鶏/重原瀬奈と鼠/新見大河を除く実に10人が獣になる原因となっている。
龍と蛇/駿河姉妹→彼女らの母である駿河純子を自分達から遠ざけまともに生きられなくする原因を作った
虎と猿と犬/丹波親子と岩槻→北見の事件を負っていた丹波愛の夫と息子と妹。全員警察の関係者(丹波親子は占拠事件前までは警察官、岩槻はスパイとして潜入)であり、彼女の死を不審に思ったことで獣になった。
馬と猪と牛/堀江と松長と掛川→彼等が獣になる原因となったのは浜松功が殺された百首事件。3人はその事件の容疑者に仕立て上げられ無実の罪で服役、掛川は流産してしまう。
兎と羊/浜松姉妹→百首事件で殺されてしまった浜松功の娘二人。彼は海が汚れるという理由でかながわ新空港建設建設の反対運動をしており、本作の5年前に起こった百首事件と呼ばれる事件で殺されてしまった。