「病院占拠…完了」
「私たちはこれから『鬼』になります。もう、後戻りは出来ません…」
「皆さん、ようこそ『百鬼夜行』へ」
演:菊池風磨
概要
本作の舞台となる大病院「界星堂病院」を突如占拠した鬼の面を付けた武装集団『百鬼夜行』のリーダー『青鬼』
冷静沈着かつ頭脳明晰で、目的のためなら手段を選ばず反抗する者に容赦しない冷徹な一面を持ち合わせる。主人公である武蔵三郎に強い敵意を示したり警察官に無慈悲に発砲する、自分に反発した仲間にも『もう後戻りは出来ない』と半ば脅す形で忠告するなど冷徹な一面を覗かせる。
その一方で、占拠前日に仲間と共に飲んでいた時は盛り上がる仲間達を見て穏やかに笑ったり、仲間の死には少なからず哀しみを抱いている様子も見せるなど、冷徹に徹しきれない一面も見せることもある。
正体は『IZUMOビジョン』というIT企業を立ち上げ、アプリ開発などの事業で名声を得ていた青年実業家。その本当の目的はもう1人の「家族」である「山城琴音の死の真相を暴くため、そして自身の養父であり、一年前に病院側に琴音の死の真相を明らかにさせるためにガソリンスタンド立てこもり事件を起こしていた犯人『尾張耕太郎を結果的に殺してしまった三郎への復讐であり、そのために自分の会社を売却して大量の資金を手にして『百鬼夜行』を結成した。
仲間の1人である赤鬼/美作孝と黒鬼/伊予みさきは、幼少期に同じ里親のもとで育った家族同然の存在で、強い信頼を寄せており、琴音の婚約者である相模俊介とも親密な関係を築いていた。
大切な人を奪われる悲しさを味わわせるべく武蔵の妻である裕子を人質に取り、妹の後を追ってガソリンで焼身自殺を試みるが、身体を張って阻止した三郎に「これがお前の復讐か?!お前の正義なのか!!ここでお前も死んで妹が喜ぶのかよ!!俺はもう誰も死なせない。……お前は、生きるんだ!!」と諭されてその場で泣き崩れ、そのまま機動隊に逮捕された。
作中では計画の実行中は一人称が『私』で口調も敬語であったが、本来の一人称は『俺』であり、一人称と口調を変えたのは「復讐の鬼となる為に『大和耕一』と言う人である事を捨てるため」であったが、自身の仇である三郎と対峙した際はこれまでの冷静さを失って、本来の一人称である『俺』を用いており口調も一転して非常に荒々しいものに変わっている。
「大病院占拠前 the night before」
Huluオリジナルストーリーである前日譚「大病院占拠前 the night before」では主人公を務め、界星堂病院占拠の半年前、相模と共に界星堂病院の内部構造を知るための設計図を入手する為に、界星堂病院の設計をした建設事務所に潜入しデータを入手するが、その際に事務所の社員と警備員に見つかってしまい、咄嗟に相模と共に警察官を名乗って難を逃れる。
しかし、エレベーター内で何者かによって事務所の関係者達と共に閉じ込められ、『半年前に事務所のエレベーターの中で不審な死を遂げた女性社員を殺した殺人犯』と『その殺人犯を暴き出すために関係者を監禁した黒幕』を暴き出す。
しかし、この事件の黒幕の復讐方法と黒幕の『復讐を果たすためには強い仮面を付けなければならない』と言う言葉をきっかけに『復讐の鬼』となる決意をし、相模に界星堂病院の占拠を告げる。
新空港占拠
一年後の続編となる今作では、前作で対策本部の一員であり、本作で神奈川新空港を占拠した謎の武装集団『獣』の一員であった『駿河紗季』と裏で繋がっていたことから、事件解決のための情報を得ようとする三郎と拘置所で一年ぶり対面を果たし、本作の黒幕である『山猫』についてのヒントを与えた。
さらには弁護士への手紙を装って紗季に「1月13日(空港占拠日)に山猫が空港に現れる」と連絡をとっていたことが判明する。
三郎への怨みは今だにあるのか、面会の場でも不遜な態度は相変わらずだが、紗季と裏で繋がりがある一方で三郎に山猫へのヒントを与えるなど、今作では中立の立場をとっている。
また、7話で三郎の代わりに面会に来た本庄杏の事は当初は気にもかけていなかったが、上記の紗季とのやりとりに気が付いた彼女を『見くびっていました』と考えを改める。しかし、横浜の街を愛し、街の平和を守る警察の仕事に誇りを持っていた彼女が、事件解決に動く中で警察の不祥事を知っていき不信感を抱いているのを見抜いたのか、『貴女は何と戦っているんですか?』と彼女の迷いを指摘している。
それ以降は出番がなく、捕まっている身である為登場することはないと思われていた。
しかし、最終回において最終パート前の提供クレジットの横(毎週クライマックスを予告していた)に「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い、ねこ、おに」と、獣を示す十二支と山猫を示すねこの後に意味深に「おに」という単語が配置されていた。
そして………
「現在、神奈川拘置所に起訴勾留中の被告人が逃走したとの情報あり。氏名はーーーー」
「ありがとうございました、助けていただいて…」
事件解決後、何者かの手引きによって拘置所から脱走(公式サイトにも青い四角の中に今回も戦いを見守ってくださり、ありがとうございました。「またお会いしましょう、武蔵刑事」と書かれている)。どこかのヘリポートで佇みながら電話で何者かに礼を言う大和という構図で物語は幕を閉じた。
そして放送終了後、公式Twitterにはどこかのヘリポートに佇む何者か=大和耕一の写真が上げられた。更にこの写真には大和以外に複数(おそらく大和を含めて7人)の人間の影らしきものが映っていたが…?
また、スタッフロールが流れるシーンで菊池の名前が出てしばらくし、大和が素顔を晒した場面で青く塗り潰された名前が映ったが、その名前が明かされなかった。つまり、大和とは別に青鬼と思われる人物(大和の脱獄を手引きした人物)がいることに…?
なお、大和は山猫の正体を追う三郎に対して『貴方が信じてきたものが、真実だとは限らない』と意味深な忠告をしており、この事から彼も鼠/新見大河と同じく山猫の正体が三郎の姉である武蔵二葉であることを知っていたと思われる。
そもそも、彼は山猫が空港に現れるという重要な情報を掴んでおり(悠月たちは最初から山猫=北見と思い込んでいたが、大和は「山猫」と書いていただけで「北見茂」とは一切書いてない)、どうやってその情報を得たのかは不明のままだった。ラストシーンから、拘置所の中にも協力者がいたと考えられる。
関連人物
- 武蔵三郎
(不慮の事故とは言え)義理の父である尾張耕太郎の命を奪った張本人であり、大和が人の心を捨て『鬼』となった元凶。その憎しみは直接対峙して真実を明かした際、それまでの『鬼』しての冷徹な振る舞いさえ失って激しい激情に駆られる程に強い。
最終的に彼に諭される形で逮捕されたが、それでもなお恨みは消えていないのか,一年後に留置所で面会した際には、青鬼として振る舞っていた不遜な態度で応じている。
一方で「山猫」の存在をそれとなく教え、聞かれるまでは自分から話すことはまずなかったが、結果的に事件解決には協力する形となった。
- 尾張耕太郎
大和、琴音、美作、みさきの義理の父親。
孤児だった彼らを実の子のように愛し育て、大和達も本当の父親のように慕っていた。
第一話冒頭で琴音の死の真相を明らかにする為に、琴音がウイルス感染して亡くなった場所であるホテルオオシマの元支配人であった女性を人質にしてガソリンスタンドで立て篭もり事件を起こすが、三郎が威嚇目的で発砲した拳銃の弾が肩に当たるも、その拍子に近くにあった灰皿が落下し、中にあったタバコの燃え滓が床に流れていたガソリンに引火したことによる爆発に巻き込まれ、命を落としてしまった。
彼の死は和泉の隠蔽工作と因幡が登録者数を稼ぐ目的で拡散された動画によって『立て篭もり事件を起こしたただの犯罪者』として世間から批判され、そのことが大和の三郎、和泉、因幡への復讐のきっかけとなった。
なお、三郎は彼のことを助けようとしていたが、爆発の危険から他の刑事に強引に引き離されてしまい、結果的に彼を見殺しにする形になってしまい、そのことがトラウマとなって刑事の仕事を休職していた。
- 山城琴音
血は繋がっていないが、同じ義父のもとで育った幼馴染であり『妹』のような存在。
界星堂病院を占拠した目的も、彼女の死の真相を世間に知らしめるだけでなく、病院の地下に冷凍保存の状態で隔離されていた彼女を見つけることであり、琴音の遺体と対面した時には涙を流してその死を嘆き悲しんだ。
- 美作孝、伊予みさき
琴音と同じく、義父である尾張のもとで家族同然に育った幼馴染であり、大和にとっては兄や姉のような存在。
それだけに、百鬼夜行のメンバーの中では最も信頼しあっている間柄であり,それぞれ赤鬼と黒鬼として大和と共に復讐を果たすべく協力していた。
続編である新空港占拠に登場しておらず、大和が拘置所を脱走したことを知っているのかは不明である。
- 相模俊介
琴音の婚約者であり、大和達と同様に琴音の死の真相を明らかにする為に紫鬼として大和の計画に協力していた。また、琴音は相模との間に子供を授かっていたがその子供を身籠ったまま命を落としており、相模にとっては妻と子供両方の命を奪われたことになる。
大和も相模のことは琴音を幸せにしてくれる相手として認めており、彼のことも美作やみさきと同じく信頼しており、1番危険な役割である対策本部への潜入を任せたり、前日譚である「大病院占拠前 the night before」では2人で界星堂病院の設計図を得る為に行動を共にしていた。
続編である新空港占拠に登場しておらず、大和の計画を練ったのが駿河であることや彼が拘置所を脱走したことを知っているのかは不明である。
- 百鬼夜行の仲間たち
彼らのことも『愛する者を奪われた、目的を同じくする同志』として信頼しており、自分のやり方に反発して人質を逃がそうとした桃鬼/亜理紗のことも『後戻りは出来ない』ことを忠告するだけでそれ以上咎めず、また桃鬼を庇ったことでSATに撃たれて命を落とした茶鬼/雄吾の死には計画を最後まで推し進めることを進言しつつも哀しむ様子を見せている。
続編である新空港占拠に登場しておらず、大和が拘置所を脱走したことを知っているのかは不明である。
- 駿河紗季(駿河蓮)
大病院占拠では対策本部にKSBCの情報分析官として参加していたが、その正体は続編の新空港占拠でかながわ新空港を占拠した武装集団『獣』のサブリーダー『蛇』であり、獣のリーダー龍/駿河悠月(駿河蘭)の双子の妹で武蔵の姪。
犯罪コンサルタントとして界星堂病院占拠の計画を練り、それを大和が買って実行、その時のデータのもとにシミュレーションし『獣』を結成した。更に大和が逮捕され拘置所に収容されてからも度々大和のもとを訪れていたが、それは大和から本作の元凶である『山猫』の情報を得る為であった。
お互い利用し合う関係ではあったが、大和は紗季に『ありがとうございました Blue』と言う感謝のメールを送っており、紗季も大和の『人質の罪を暴いて社会に裁きを委ねる』と言う行動は『確実にこの国の人間の意思を変えた』と高く評価しており、鼠/大河が百鬼夜行の行動が無駄だったと言う意見に否定していた。
- 本庄杏
対策本部に捜査員として参加し拘置所で武蔵と共に大和に面会。
余談
- 作中で大和が付けていた面である青鬼は、仏教における「「心穏やかに過ごすには、心に蓋をしている5つの煩悩を外す」という「五蓋」の内の『瞋恚、悪意、憎しみ、怒り』を意味する色である。
- 青鬼/大和耕一役の菊池風磨と言えば、ドッキリ系バラエティ番組『ドッキリGP』でドッキリを仕掛けられ全裸にされる度に『許せない!!』と叫ぶ事で知られているが、第6話で大和も『絶対に許さない』と言う台詞があり、視聴者からもTwitter上では「ドッキリGPを思い出した」と呟かれ、櫻井からも笑われた上「服着てる」と思われていたらしい。なお、櫻井との対談で狙ってやっていた事を明かしている。
- 櫻井はこの菊池のアドリブへのアンサーとしてか、第9話では大和が自らウイルスを投与したことを見て三郎が憤るシーンにおいて『絶対に許さねぇ……!』、最終話で自殺を試みる大和を三郎が身体を張って制するシーンにおいて『絶対に、離さねぇ!!』というセリフを付け加えている。
- また、まだ正体が明かされる前の第2話で「張り切ってまいりましょ〜!」と言うやけにテンションの高い台詞を言っているが、櫻井からは「ゴリゴリの菊池風磨だった」とバレバレである事を突っ込まれている。
- 対談によれば、櫻井が大病院占拠に出演が決まって直ぐ、偶々菊池と食事に行く機会が出来て、その話で盛り上がっていたその翌日に、櫻井のもとに「菊池風磨さんが青鬼役になります」と言う連絡が届いたらしい。(因みに菊池本人に青鬼役と言う連絡が来たのは更に2週間程経った頃であり、櫻井はその間ずっと黙っていた)。菊池も櫻井と食事の際に「そうなんすか?大変っすね〜!」と他人事で、更に「俺も一つお願いしまーす!」と冗談で言っていたら本当にオファー(しかもメインキャスト役)が来て驚いたと言う。まさにリアル『ウソだろ?!』案件である。
- 大病院占拠の放送終了後の4月1日に放送されたドッキリGPにて、SnowManの向井康二とのバンジージャンプロワイヤルのリベンジをやらされる事になった際、嫌がった風磨はなんと逃亡を試みたのだが、(安っぽい)青鬼のお面を付けたスタッフ(バンジースタッフ・青鬼くん)に取り押さえ、『安いお面買ってきやがって!』、『日テレに怒られるぞ!』と悪態をついていた。さらには青鬼くんは風磨に対し「絶対に、許さない」と囁いてきた。番組名こそ出ていなかったが、間違いなく本ドラマを意識していた。