概要
『大病院占拠』とは、2023年1月~3月に日本テレビ系列の土曜ドラマ枠で放送されたドラマ。
鬼の面をつけた謎の武装集団によって占拠された病院を舞台に休職中の刑事が人質救出するために鬼たちに立ち向かっていくサスペンスドラマ。同枠のドラマ『ボイス110緊急指令室』シリーズの制作陣が再集結しているため、演出等が酷似している部分がある。主演は櫻井翔。櫻井が本格的に警察官を演じるのは今回が初めて。
主題歌は、SnowManの「W」。
2024年1月13日からは続編となる新空港占拠が放送されている。同年1月6日まではタイトルがXXX占拠とモザイクで伏せ字となっていた。
あらすじ
1年前、『ガソリンスタンド立てこもり事件』で人質を守るために犯人の命を奪ってしまった神奈川県警捜査一課の武蔵三郎。自分を責める武蔵はそれ以来休職し、妻裕子と娘えみりとも別居。現在も心の傷が癒えぬまま、裕子が勤める界星堂病院で治療を受け続けている。診察日であった彼は、鬼の面をつけた武装集団『百鬼夜行』による病院占拠事件に巻き込まれてしまう…。
登場人物
※物語のネタバレ注意
武蔵家
- 武蔵三郎(40)
演:櫻井翔
詳細はリンク先にて。
- 武蔵裕子(37)
演:比嘉愛未
詳細はリンク先にて。
- 武蔵えみり(9)
演:吉田帆乃華
詳細はリンク先にて。
神奈川県警
- 和泉さくら(40)
演:ソニン
詳細はリンク先にて。
- 丹波一樹(48)
演:平山浩行
詳細はリンク先にて。
- 駿河紗季(32)
演:宮本茉由
詳細はリンク先にて。
- 志摩蓮司(34)
詳細はリンク先にて。
- 備前武(56)
演:渡部篤郎
本部長。さくらに占拠事件の指揮を一任した。第8話で、第7話終盤で播磨を殺害した真犯人であることが三郎の奔走と播磨が遺したSDカードで明らかとなり、逮捕された。
播磨とはホテルオシマでの事件以前から繋がりがあり、播磨が当時の恋人から訴えられた際に事件を強引に打ち切ったことで彼を懐柔し、ホテルオシマでの一件を隠蔽するように命じたのも彼である。
人質
- 若狭昇(30)
演:稲葉友
外科医。裕子の同僚で、助手兼相棒的存在。播磨のICカードを所持していたため、病院内の内通者として疑いの目を向けられたいたが、全て安芸が仕向けていたものだった。
三郎による病院のドアロック解除により、自力で脱出した。
だが次回作の前日譚で…
- 播磨貞治(50)
演:津田寛治
界星堂病院院長。表向きは家族や仕事仲間を大事にする人格者との評判を得ており、その一方で長門知事をはじめとする政界関係者ともパイプラインを築くなど、病院の経営にも全力を注ぐ。
甲斐正美の死亡した9月30日、SNSに投稿した秘書・石見とのホテル屋上のレストランでの会食写真でアリバイを主張するが、背景のランドマークタワーがゴールデンウィーク限定のライティングだったため、別の日に撮影した写真を使用していたことを三郎に突き止められ、石見が自分に代わって甲斐を殺害したのを隠蔽するのにアリバイを偽装したと認める。その他にも曝されるべき過去の罪が隠されているため解放されないことが青鬼から言及され、第6話でホテルオシマで死亡していた3人の若者の死因を隠蔽したことが明らかになり解放されたが、3人との関係性・動機等は不明のままであり、青鬼は三郎に取り調べを行うように要求した。P2計画という言葉を吐いた事で完全に解放されたが、何者かにより銃撃され死亡。三郎が播磨殺人の罪を着せられることになった。後に、三郎の奔走と彼が遺したSDカードにより備前が真犯人であることが発覚した。
- 長門道江(56)
演:筒井真理子
史上初の女性県知事。常に冷静沈着に振る舞い、『国民の安全を守ること』を最大の使命としている。界星堂病院の視察中に占拠事件に巻き込まれても、鬼たちにも毅然とした態度を示す一方で、大隅を除いた人質の病院職員たちが知らなかった地下4階の存在を何故か知っており、人質たちにその存在が知られた際には、地下4階に逃げ込む案に反対する素振りを見せている。
実は、彼女こそが「P2計画」という名のウイルス研究の推進者であり、研究所職員の加賀大輝が過労によって引き起こしたホテルオシマでのバイオハザードを隠蔽するよう備前を通じて指示した張本人であった。この事実を三郎から告発されても平然と隠蔽工作を認めた上で「P2計画」の正当性を主張し続けたため、鬼たちによってウイルスを投与されてしまう。しかしながら、実際に投与されたのは生理食塩水であり、視聴者を煽動するために青鬼が仕掛けたフェイクに過ぎなかった。
全てを暴かれた後は解放されるも、前述の隠蔽工作の件で取り調べを受け、世間からの風当たりが強くなったことで研究計画は完全に潰えることとなった。
- 佐渡稔(50)
演:阪田マサノブ
外科部長。裕子の直属の上司であるが、エリート意識が高く出世欲が強いため、裕子とはあまり折り合いが良くない。
武装集団を出し抜いて、単独で病院から逃げ出そうとしたが失敗し、人質解放時にSATから襲撃されることを予見していた青鬼により、脱走した罰として青鬼の身代わりとして立ち会わされ、右肩を狙撃されてしまう。大量出血により死亡寸前であったが、裕子の手術で一命を取り留め、開放後は別の病院へと搬送された。
- 石見カナ(34)
演:中村映里子
播磨の秘書。播磨と不倫しており、新横浜の地下駐車場で甲斐正美に入りの注射を打とうとする彼に代わって打ち、彼女を殺害したことを「百鬼夜行ちゃんねる」で暴露された上で病院から解放される。
- 土佐大輔(37)
演:笠原秀幸
呼吸器内科医。テレビにも多数出演する人気タレント医師。
1年前のハロウィンに「クラブ・タンゴ」でドラッグパーティーを主催し、違法ドラッグの過剰摂取で周防あかりが亡くなると、急性心筋梗塞で亡くなったと嘘の診断書を書き罪を隠蔽していたことを「百鬼夜行ちゃんねる」で暴露された上で病院から解放されるが、このドラッグの件で逮捕された。
なお、ドラッグの件については一部の病院関係者には既に知られており、このことをネタに脅迫され、とある人物の不審死の死因を捏造するように指示を受けていたことを三郎に打ち明けている。
そして潜入兄妹にてドラッグの購入先が判明する。
- 安芸しおり(30)
演:呉城久美
詳細はリンク先にて。
- 大隅史郎(47)
演:瓜生和成
事務長。百鬼夜行の病院占拠に死を覚悟し、離婚した妻と暮らす息子に向けて別れの手紙を残す。その正体は「P2計画」の関係者の一人で、地下4階の存在を知る数少ない人間。三郎による病院のドアロック解除により、自力で脱出した。
- 因幡由衣(35)
演:明日海りお
『イナバウアー由衣』というハンドルネームで活動している女性動画配信者。登録者数250万人を誇る自身のチャンネル「イナバウアーチャンネル」にて、視聴者からのタレコミや独自取材を元にした数々のスクープ映像を配信をしている。口癖は「キタ、キタ、キタ、キタ~!」(主にスクープになるような情報や映像を見つけた際や視聴者数が増えた際に使う)。
かつては新聞社に務める記者であったが、とある政治家の不祥事を追っていたところ、そのことを察知した政治家の圧力を受けて職場を追われたことから報道機関の無力さを実感し、インターネットこそが真実を伝えられる唯一の場所として見出すようになった過去を持つ(なお、退職のきっかけとなった政治家については明言されていないが、作中での描写から長門である可能性が示唆されている)。報道機関の無力さを痛感した経緯から「どれほど世に知られるべき重要な真実でも、視聴者の目を引かなければその真実を世に広く知らしめることはできない」という信条を持っているが、時にこの信条が自己目的化して暴走してしまうこともあり、青鬼(大和)からはそのことを「あなたは視聴者稼ぎのことしか考えていない」と皮肉られたこともある。
自身のチャンネルに匿名のタレコミがあったことを受けて界星堂病院を訪ねていたところを鬼たちの占拠事件に巻き込まれるが、鬼たちにバレないよう潜入調査し続ける。第5話で鬼たちに存在がバレてしまうものの、常陸親子が仮面を外す姿を捉えた動画をネタに青鬼(大和)への独占インタビューを持ちかける。しかしながら、因幡へのタレコミは青鬼(大和)による自作自演であり、因幡も最初から鬼たちのターゲットの一人にすぎなかった。
最終話にて、ガソリンスタンド立てこもり事件を生配信し、それが結果的に三郎と大和の両者に精神的ダメージを与えていたことが判明。そのことを大和と裕子に糾弾され、事件後に謝罪動画を公開していたが悪びれる様子は一切なく、そればかりか病院占拠前よりチャンネルの登録者数が増加するなどネット上での支持が大幅に低くなることはなかった。
武装集団「百鬼夜行」
詳細はリンク先にて。
その他
- 北見
詳細はリンク先にて。
- 丹波の息子
詳細はリンク先にて。
大病院占拠前 the night before
Huluオリジナルストーリー。本編開始の半年前、青鬼こと大和耕一と紫鬼こと相模俊介が、界星堂病院の設計図を入手するために、とある設計会社に潜入するも、その場に居合わせた会社の関係者と共にエレベーター内に閉じ込めれ監禁事件に巻き込まれることとなった前日談となっている。前後編に別れ、前編は第9話放送後、後編は第10話放送後に配信される。
余談
- 公式ホームページの番組タイトルの『占』の部分を押すと、病院を占拠した鬼達の様子が映った謎の動画が週替わりで公開されているが、その動画のどこかに謎の英単語があり、全てを繋げると
The first person who got shot=最初に撃たれた人物
となり、第一話冒頭で物語開始の一年前に起こったガソリンスタンド立て篭もり事件で武蔵に撃たれて死亡した犯人の事を指しており、この人物が最終回で大和、美作、みさき、琴音の義父であった事が判明し、鬼達の復讐の目的の伏線となっていたのである。
- 赤鬼役の忍成氏は、本作放送前に『仮面ライダーギーツ』にて、ゲームマスターであるギロリを演じており、こちらでも面(マスク)を着用していたため、二作連続で面(マスク)を着用したキャラクターを演じることとなった。(しかも、視聴者から「外し方もほぼ一緒」と言われる始末。)
- 青鬼/大和耕一役の菊池風磨と言えば、ドッキリ系バラエティ番組『ドッキリGP』でドッキリを仕掛けられ全裸にされる度に『許せない!!』と叫ぶ事で知られているが、第6話で大和も『絶対に許さない』と言う台詞があり、視聴者からもTwitter上では「ドッキリGPを思い出した」と呟かれ、櫻井からも笑われた上「服着てる」と思われていたらしい。なお、櫻井との対談で狙ってやっていた事を明かしている。
- 櫻井はこの菊池のアドリブへのアンサーとしてか、第9話では大和が自らウイルスを投与したことを見て三郎が憤るシーンにおいて『絶対に許さねぇ……!』、最終話で自殺を試みる大和を三郎が身体を張って制するシーンにおいて『絶対に、離さねぇ!!』というセリフを付け加えている。
- また、まだ正体が明かされる前の第2話で「張り切ってまいりましょ〜!」と言うやけにテンションの高い台詞を言っているが、櫻井からは「ゴリゴリの菊池風磨だった」とバレバレである事を突っ込まれている。
- 対談によれば、櫻井が大病院占拠に出演が決まって直ぐ、偶々菊池と食事に行く機会が出来て、その話で盛り上がっていたその翌日に、櫻井のもとに「菊池風磨さんが青鬼役になります」と言う連絡が届いたらしい。(因みに菊池本人に青鬼役と言う連絡が来たのは更に2週間程経った頃であり、櫻井はその間ずっと黙っていた)。菊池も櫻井と食事の際に「そうなんすか?大変っすね〜!」と他人事で、更に「俺も一つお願いしまーす!」と冗談で言っていたら本当にオファー(しかもメインキャスト役)が来て驚いたと言う。まさにリアル『ウソだろ?!』案件である。
- 大病院占拠の放送終了後の4月1日に放送されたドッキリGPにて、SnowManの向井康二とのバンジージャンプロワイヤルのリベンジをやらされる事になった際、嫌がった風磨はなんと逃亡を試みたのだが、どこかで見たことあるような青鬼のお面を付けたスタッフに取り押さえ『安いお面買ってきやがって!』『日テレに怒られるぞ!』と悪態をついていた。番組名こそ出ていなかったが、間違いなく本ドラマを意識していた。
- 白鬼役の真飛氏と因幡役の明日海氏は、宝塚歌劇団花組の先輩後輩でどちらもトップスターという繋がりがある。(ただ、入れ違いにより両者が花組で同時期に活動することはなかったが)
また、大病院占拠のロゴの上に書かれている英文は単なる英訳ではなく和訳すると
”This hospital is like a birdcage”=この病院は鳥籠のようだとなる。
- 安芸役の呉城氏は、本編終了後に潜入兄妹にて詐欺組織が募集をかけた闇バイトの応募者芦田なお美を演じる。
関連タグ
新空港占拠:続編
潜入兄妹特殊詐欺特命捜査官:同じ世界線の作品。志摩ら登場人物がゲストなどで登場し、呉城久美が違う役で出演。