概要
池田仁男原作による『十二戦支爆烈エトレンジャー』は、1995年4月7日から1996年1月26日までNHK衛星第2で放送された。全39話。アニメーション制作はシャフト。細田守が初めて絵コンテを行った作品。谷口悟朗も参加。
一方で新房昭之は全く関わっていない。実は新房も関わる計画があったがスケジュール上できなかったとのこと(『新房語』より)。
初回放送後、諸事情で長らく再放送や映像収録が行われなかったため、現在でも非常に知名度が低い作品となっている。ちなみに映像収録は未だ行われていない。
ストーリー
さまざまな動物の精霊達が平和に暮らす異次元の国ムーゲンは、人間が作った様々な物語の世界ノベルワールドで構成された国である。ある日、ムーゲンの真下にある邪霊城に潜む邪霊王ニャンマーが、ノベルワールドの破壊を企み、邪霊モンスター達を次々と送り込んで来た。オーラ姫は、ムーゲンの守護神エトレンジャーを招集するのであった。
登場人物
エトレンジャー
エトレンジャーの仲間
邪霊王ニャンマーたち(邪霊軍)
用語
- ノベルワールド
ノベルワールドとは人間が作った様々な物語の世界である。基本的には昔話や児童文学、民間伝承の物語で構成されているが、「白鯨」のような本格的な小説のノベルワールドも存在する。また最終話で新しいノベルワールドが誕生する描写があるが、どういう経緯で誕生するのかは不明である。この点については、第26話中においてニョロリたちが「ノベルコンテストに入賞すれば新しいノベルワールドを作ってもらえる」「アンデルセンなどの過去の作家も皆このコンテストの入賞者」という趣旨の会話をしているので、少なくとも一部のノベルワールドは何らかの審査を経て誕生しているようである。
毎回邪霊軍がこの内容を改ざんされた結果、世界観(例:宇宙が舞台の桃太郎や完全な西部劇調の西遊記)や主人公たちの設定(例:本来は空を飛ぶはずなのに高所恐怖症のため飛べないピーターパン、本来はみにくいアヒルの子の白鳥なのにアヒルと思っているダチョウ、「フランケンシュタイン」に出てくるテニスプレーヤーを目指し眼鏡をかけた美少女フランソワーズ・ケント)が無茶苦茶になってしまい終盤完全に世界は崩壊して邪霊モンスターが彷彿とする魔窟(第36話では浦島太郎、第37話ではオズの魔法使いが変貌)と化してしまう。そのためエトレンジャーの修正が主な目的。
エトレンジャーたちがノベルワールドを訪れたとき、基本的には彼らは物語に関与する立場(所謂NPCポジション)なのだが、話によっては、登場人物(例:モンク→桃太郎の猿や孫悟空、タルト→ブレーメンの音楽隊の鶏)になることもあるが、回によっては動物キャラ故配役が置き換わること(例:前述の西遊記で置き換えた場合、豚の猪八戒役はシウリィ、河童の沙悟浄役はパカラッチ)もある。
ノベルワールドに降り立ったメンバーたち(人数は基本3人~5人。ただし、26話の「金の斧」で全員出撃だったことがある※正確に出たのは。バク丸、ニョロリと実質サポート役だったウリィ)の行動を行い他のメンバーは基本的にキリンダーの作戦室内でモニターできるのだが、不可能な場合もあった。
- 現魔境
キリンダーから託された、コンパクト型のアイテム。「邪霊照覧」の叫びと共にノベルワールドの住人に光を当てて邪霊モンスターの正体を暴いたり(無関係の者には単なるまぶしい光程度)、「太精霊召喚○○」キリンダーに残ったメンバーを最大2人を呼ぶことができる。(主に戦闘補助が多いが、第6話ではモンクに花を持たせるためドラゴとポチ郎を呼びポチ郎の骨如意棒をモンクに貸し、ドラゴが筋斗雲の代わりに雲を乗せる、第11話の「白雪姫」では当初邪霊モンスターを毒リンゴと一同は推測するがこれがハズレ。しかし、待機組が本来は毒リンゴの中にいる青虫と判明し、探索能力を持つスフレを呼ぶ、第14話の「わらしべ長者」で物語を進行させるべく交換の馬役としてパカラッチを呼ぶなど重要局面で使うことが多い)。
- 邪霊モンスター
物語の混乱を巻き込んだ元凶と呼べる怪物たち。作中様々なNPC(例:第4話「ウサギとカメ」:バーを経営していたマスターのサイ、第14話「わらしべ長者」:主人公のわらしべに「手にしたものを離すな、そしてそのものを人の役に立つように使え」、他の人々に「わらしべと物を交換すれば幸せになる」という無茶苦茶の助言を与え人々を大混乱させた占い師)やサブキャラクターに化け(例:第7話「かぐや姫」のおばあさん(竹取の嫗)、第15話「ピーターパン」のティンカーベル)に化け物語の改ざんのため暗躍する。現魔境を当てられると正体を現し(その際サブキャラクターは憔悴せず死亡しない)暴れまわるが、最終的に倒されたことで致命傷を受け光の玉となり逃げだすが、キリンダーの浄化光線を浴びせることで完全に倒された後に花と化し、修復後、物語に関係ない人物は消滅する(ただし、一部例外ケースあり)。
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主題歌
オープニング
「まだまだまだ」
作詞 - 白峰美津子 / 作曲 - 伊秩弘将 / 編曲 - 有賀啓雄 / 歌 - 神奈弓子
エンディング
「会いたくて」(1 - 17話)
作詞・作曲・歌 - 小林清美 / 編曲 - 水島康貴
「星座の屋根の下で」(18 - 39話)
作詞 - 凛々子 / 作曲 - 内田勉 / 編曲 - 島田昌典 / 歌 - 米屋純
関連イラスト
関連タグ
3月のライオン(本作の次にシャフトが制作した、NHKアニメ)