概要
『ウサギとカメ』とは、足の速いウサギと 足の遅いカメが競走をし、最終的にカメが勝利する話である。
イソップ寓話やラ・フォンテーヌが書いた寓話詩にも所収されている。 同じ素材の話がジョーエル・チャンドラー・ハリスの「リーマスじいやの話(ディズニー映画、南部の唄の原作)」にもあるが、内容は大きく異なる。
日本には西欧との貿易が盛んになった室町時代後期以降に流入したとみられ、イソップ寓話を翻訳した伊曽保物語などによって近世以降に知られ始めた。一般に知られるようになったのは、明治時代になって教科書に採録されてからである。明治時代の初等科の国語の教科書には「油断大敵」というタイトルで掲載されていた。
『イソップ寓話』のウサギとカメ
あらすじ
ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、山のふもとまでかけっこの勝負を挑んだ。かけっこを始めると予想通りウサギはどんどん先へ行き、とうとうカメが見えなくなってしまった。ウサギは少しカメを待とうと余裕綽々で居眠りを始めた。その間にカメは着実に進み、ウサギが目を覚ましたとき見たものは、山のふもとのゴールで大喜びをするカメの姿であった。
教訓
過信(自信過剰)して思い上がり油断をすると物事を逃してしまう。 また、能力が弱く、歩みが遅くとも、脇道にそれず、着実に真っ直ぐ進む事で、最終的に大きな成果を得ることができる。
童謡
日本には、石原和三郎による兎と亀の童謡がある。 「もしもし かめよ かめさんよ せかいのうちに おまえほど あゆみの のろい ものはない どうして そんなに のろいのか」という詩で始まる。
続き
「負けウサギ」 … カメに負けたウサギは恥晒しだという事でウサギ仲間から追われたが、そのウサギ達を狙うオオカミを知恵を使って撃退し、名誉挽回するという話がある。
『リーマスじいやの話』のウサギとカメ
こちらもウサギと亀が競走する話であるが、内容は大きく異なり、亀が計略を用いてウサギを騙す話となっている。
あらすじ
ウサギとカメが駆けっこをすることになる。しかし、カメはウサギが走る道ではなく、そばの藪の中を走ると主張する。ウサギはこれを了承する。
さて、翌日スタート地点にウサギが来ると、そこにカメが待っているが、実はこれはカメの妻であった。ウサギにはその見分けがつかない。実はカメは家族に指示して、コースの要所要所に彼らを隠れさせ、ウサギが声をかけたら返事するようにしておき、自分はあらかじめゴール地点付近に隠れたのである。スタートするなりウサギは道を走り出す。カメの奥さんは藪に潜り込み、そのまま家にかえってしまう。ウサギがしばらく走って「カメさん、どんな具合だ」と声をかけると、そのたびにカメの家族の誰かが「汗水垂らして走っているよ」などと返事をする。はじめは先行していることを喜んでいたウサギも、いつまでたっても引き離せないのでいらだち、やっとゴールにたどり着くと、すでにカメが待っていた、という話である。
(Wikipediaより引用)
『星新一』版のウサギとカメ
星新一の『いそっぷ村の繁栄(『未来いそっぷ』に収録)』では、繁栄をキーワードに物語が変えられている。
哲学的だが足の遅いカメに対し、ウサギがからかってくる。
カメにも意地があり、そこでお互い全財産をかけて競走するという事になった。
翌日競走が始まり、持ち前の足であっという間に突っ切るウサギであったが、そこにあらわれたのはパトロールカー。
スピード違反という事で捕まり、不起訴処分にはなったものの散々油を搾られ、その間にカメは悠々とゴールイン。
なぜこうも都合よくパトカーが出現したかというと、前夜ひそかにカメがその係を買収したからに他ならない。
教訓「知恵と金さえあれば、恐れるものなし。肉体的な欠点など、何も気にすることはない」
また、星新一はこの寓話を元に、カメに勝利しようとするウサギの苦悩と葛藤を描いた「ねむりウサギ」というエピソードも執筆している。
検証
テレビ番組トリビアの泉内のコーナー『トリビアの種』で『ウサギとカメの二匹が競走した距離はどれぐらいか』というのが検証された。その結果は…
280メートル33センチ未満(カメが勝てる最長距離)
という検証結果が出た。
余談
この「ウサギとカメ」の話の影響かは不明だが、二段階変則器の速度表示で早いのをウサギのマーク、遅いのをカメのマークで表しているものがある。
表記揺れ
関連項目
トータスイマジン ラビットイマジン パンダラビットイマジン ピンクラビットイマジン 爆走うさぎとかめ
GDP:日本がバブル時代の慢心をバブル崩壊以降も続けた結果、中国に抜かれた現象がまんまウサギとカメだと揶揄されることがある。