概要
アニメが2017年10月3日より各局にて放送された。
ジャンプ+では暁月あきらによるコミカライズが連載、2017年12月12日には続編「十二大戦対十二大戦」が刊行された。
作品解説
西尾維新原作の短編漫画連作集『大斬―オオギリ―』の中の一話である『どうしても叶えたいたった一つの願いと割とそうでもない99の願い』の前日譚。ともに中村光が作画を担当している。
十二大戦とは十二年に一度、干支を名に冠する十二人の戦士が殺し合うバトルロイヤルのこと。
優勝者にはどんな願いでもひとつだけ叶えられる権利が与えられる。
登場人物紹介
寝住(ねずみ)
「『子』の戦士――「うじゃうじゃ殺す」寝住」
本名は墨野継義(すみのつぎよし)。戦士にして現役高校生である。
『どうしても叶えたいたった一つの願いと割とそうでもない99の願い』では、主人公として登場。
cv:堀江瞬
失井(うしい)
「『丑』の戦士――『ただ殺す』失井」
本名は樫井栄児(かしいえいじ)。
通称『皆殺しの天才』。
牛蒡剣(ごぼうけん)という銘のサーベルを武器とする。
cv:梅原裕一郎
妬良(とら)
「『寅』の戦士――『酔った勢いで殺す』妬良」
本名・姶良香奈江。
酔拳の使い手を自称しており、酒を呑んで酔っぱらった状態が基本の戦闘スタイル。爪を武器にして戦う。
cv:五十嵐裕美
憂城(うさぎ)
「『卯』の戦士――『異常に殺す』憂城」
他の戦士とは異なり、本名、身長など一切の詳細が不明。
『三月兎』と『白兎』という大鉈のような武器を持つ。
cv:岡本信彦
断罪兄弟・兄(たつみきょうだい・あに)
「『辰』の戦士――『遊ぶ金欲しさに殺す』断罪兄弟・兄」
本名・積田長幸(つみたながゆき)。
双子の弟と共に戦う戦士であり、氷冷放射器『逝女(ゆきおんな)』を武器としている。
『悪事で稼いだ金を善行で散財する』という『遊び』を退廃的に楽しむ。
cv:江口拓也
断罪兄弟・弟(たつみきょうだい・おとうと)
「『巳』の戦士――『遊ぶ金欲しさに殺す』断罪兄弟・弟」
本名・積田剛保(つみたたけやす)。
双子の兄と共に戦士として戦う。彼の背負う火炎放射器『人影』のネーミングは、『影も残さず人を焼く』の意。
cv:鳥海浩輔
迂々真(ううま)
「『午』の戦士――『無言で殺す』迂々真」
本名は早間好実(そうまよしみ)。
寡黙さで知られる巨漢の戦士。
防御術『鐙(あぶみ)』は人体では考えられない強度を誇る。
cv:緑川光
必爺(ひつじい)
「『未』の戦士――『騙して殺す』必爺」
本名・辻家純彦(つじいえすみひこ)。
第九回大戦の優勝者。
戦闘にはおもに爆発物を用い、強力な投擲手榴弾『醜怪(しゅうかい)送り』を所持する。
cv:チョー
砂粒(しゃりゅう)
「『申』の戦士――『平和裏に殺す』砂粒」
本名・柚木美咲(ゆうきみさき)。
液体・固体・気体を自在に操ることができる。
平和主義者であり、停戦交渉と和平案が武器といえる。
cv:早見沙織
庭取(にわとり)
「『酉』の戦士――『啄(ついば)んで殺す』庭取」
本名・丹羽遼香(にわりょうか)。
武器は鋤(すき)で、彼女は『鶏冠刺(とさかざし)』と呼んでいる。幼い頃から凄惨な虐待を受けて育った為、15歳以前の記憶がない。
cv:佐倉綾音
怒突(どつく)
「『戌』の戦士――『噛んで含めるように殺す』怒突」
本名・津久井道雄(つくいみちお)。
『狂犬鋲(きょうけんびょう)』と恐れられる牙で噛みつく戦闘スタイル。
cv:西村朋紘
異能肉(いのうのしし)
「『亥』の戦士――『豊かに殺す』異能肉」
本名・伊能淑子(いのうとしこ)。
使用武器は『愛終(あいしゅう)』と『命恋(いのちごい)』という名の機関銃。
cv:日笠陽子
ドゥデキャプル
十二大戦の審判員。
口癖は「エヴリバディ・クラップ・ユア・ハンズ!」だが、場面に即さない状況でもよく使う。
登場人物紹介(ネタバレ版)
寝住
「ねずみさん⦅ハンドレッド・クリック⦆」と言う謎の能力を持っており、脳内で百通りまでの行動シミュレーションを行い、その内の好きな一つを真実として確定出来る。
彼は常に眠そうな顔をしているが、それはこの能力による精神摩耗のため。
チートとも言えるその力で大戦の勝者となるが、彼によれば真実を含めた百ルートの内、99回は彼は死んでいたと言う。
失井
「わけがわからないほど強い」。他の参加者の様な特殊能力を見せていないにもかかわらず、作中では庭取を瞬殺、迂々馬の皮膚に傷を負わせていた。
妬良の事は少しだけ覚えていた模様。
妬良
かつて戦場で助けて貰った失井に憧れを抱いており、彼に会う為に大戦に参加した。
元々は純粋すぎる性格ゆえに、世界のわずかな歪みを受け入れられず道を踏み外した過去を持つが、そんな時人生の目標になってくれたのが失井だった。
憂城
「死体作り⦅ネクロマンチスト⦆」と言う謎の能力を持ち、殺した相手の死体をゾンビの様に操る事が出来る。
「殺した相手はお友達」と称する異常者。
その能力を活かして「ラビット一派」と言う勢力を結成し、味方を増やして行くが、反面本人の戦闘力は今一つ。
断罪兄
「天の抑留」と言う謎の能力を持ち、空中を飛行・浮遊する事が出来る。
空中から地上を見下ろしていた事からして、視力も尋常ではない模様。
断罪弟
物語開始時点で既に憂城によって首なし死体にされていた。
「地の善導」という能力を持ち、地面を伝わる振動によって周囲を感知できる。この能力によって頭部が無くても行動出来る。
頭部だけ空中に投げられるなど、憂城には終始いいように使われ続けていた。
迂々真
巨体を作るために自身の身体に化学施術を施している。
防御術「鐙」とは、作中の描写を見る限り技術の類ではなく、どうやら身体そのものが異常に頑丈な模様。
ちなみに本当は「鐙」ではなく「鎧」としたかったらしいが、字を間違えたとのこと。
最期の瞬間は「ひひいいいいいいいいいいんっ!」と大きくいなないた。
必爺
他の参加者の様な特殊能力はないものの、年齢ゆえの老獪さや話術の巧みさが奥の手。
砂粒
単純な格闘戦ならばおそらく失井とほぼ互角。彼からは「戦いを終わらせる戦士」と「戦いを止める戦士」として一度話してみたいと思われていた。
今回の十二大戦を終わらせるために、様々な和平案を考えていた模様。
庭取
「鵜の目鷹の目」と言う謎の能力を持ち、あらゆる鳥類を自在に操れる。
加えて裏切りを常套手段にしており、常に気弱な風を装っているが、作中では怒突を利用して自身にドーピングをかけさせた後、あっさり使い捨てた。
事前の情報収集を怠らない策略家。
彼女の服は他の参加者に比べて露出度が高いが、これは返り血を落としやすくするため。
怒突
体内で毒薬や劇薬を作り出す謎の能力を持ち、これを牙を通じて相手の体内に注入する必殺戦法の使い手。十二大戦参加者は全員大戦開始時に毒を呑まされていたが、彼だけはその時に体内で解毒剤を作っていたため、影響は無かった。
もちろん本人はこの事を周囲に隠している。
異能肉
妹を十二年かけて暗殺し、大戦の参加資格を奪い取った。
「湯水のごとく⦅ノンリロード⦆」と言う、装填無しで銃を撃ち続けられる謎の能力を持つ。小説版では第二戦で怒突の口から語られたのみだったが、アニメ版では1話から登場し、この能力によって憂城にブラフをかけようとしていた。
憂城に開始早々殺害され、手駒となる。
後にアニメ版にて妹を殺害する過程が詳細に描かれた。
暗殺者の家系に生まれたゆえか、無邪気だが生き物を殺すのが大好きな肉の妹・清子。
12年前、前回の十二大戦に優勝した肉の父は、帰って来た直後に次回の出場者が清子だと宣言する。
肉は清子から参加資格を奪うべく、毎日行われる殺人の訓練で意識的に敵の処理等を清子にやらせるようにする。そんなある日、清子が学校で衝動的に殺人事件を起こしてしまった。
清子にとっても流石に訓練以外で人を殺してしまったショックは大きく、その日以来、事件の後に優しく慰めてくれた肉に依存するようになる。
が、それこそ肉の思うつぼであり、そこから肉は何年もかけて清子に「あなたはこれからもっと殺す。もっと強く、それが家の期待に応えることよ」と吹き込み続け、それに比例して清子の訓練での戦い方も人を人とも思わないような残忍なものへと変化して行き、すっかり殺しグセがついてしまった清子はとうとう家の使用人を何人も殺害してしまう。
地下牢に幽閉される清子。だがそれでもうわごとのように「もっと……もっと……」と呟き続けている。しまいに肉が牢に差し入れたナイフを自分に突き立てて自害した。
コミカライズ版
暁月あきらによるコミカライズ作品。
ナビィ
コミカライズ版にのみ登場するシルクハットの青年。ドゥデキャプルには報告係<レポーター>と紹介されていた。
『十二大戦対十二大戦』予告編 大戦前夜
ジャンプスクエアの特別付録「十二大戦プロジェクトBOOK」に収録された書き下ろし短編小説。異能肉と砂粒の会話から成り、「十二戦士」と第12回十二大戦の乗っ取りを目論む十二星座の戦犯、「十二戦犯」との大戦前夜を描く。
十二大戦対十二大戦
2017年に前巻のアニメ化が決まったことで執筆が決まった作品。
干支の名を持つ十二戦士と十二星座の名を持つ十二戦犯との戦いを描く。
舞台化
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えとたま:TOKYOMXで再放送が始まった十二支モチーフのアニメ作品。雰囲気は同モチーフだが十二大戦とは真逆となる。そのためか、十二大戦を検索する際に関連付けられる事も。