「データを重んじ、ルールを厳格に適用する事。それが私の責務だ」
データ
概要
『ウルトラマンデッカー』に登場した、TPU内部調査局の局長を務めるメトロン星人。
TPU所属のメトロン星人はマルゥルに続いて2人目で、同じ星の出身故か彼とも面識を持っている(『GUTS-SELECT交流記』では「互いに故郷の話で談笑する程度の交流がある」事情が明らかになった)。
カナタも当初は『成長したマルゥル』と勘違いして馴れ馴れしく話しかけてしまい、後でカイザキ副隊長から叱られている。
上述のカナタから馴れ馴れしい態度を向けられた際にも「何だね? 君は?」と訝しげながらも冷静な態度を崩さず、何事も規則やデータ上の計算結果に基づいた判断や処置を執るなど、良くも悪くも感情を排した行動に徹する厳格な人物で、特務3課のホッタをはじめ、職員達からは「しつこい」「めちゃめちゃ恐い」と恐れられている模様。
重職の局長を任されたのもその感情に流されない調査を行う人柄故である(前例が前例だけに、ナイゲルのように冷徹さを持つ人物も必要だったのだろう)。
一方で、誤認捜査だった時には素直に非を認める潔さや、GUTS-SELECTの働きを目の当たりにして彼らの信ずる感情や絆に理解を示す英明な一面も持つなど、根は決して偏狭な人物ではなく、その廉直さはマルゥルからも「立派」と尊敬されている。
また、普段から生真面目な反面、音楽に拘りがある芸術肌な一面もあり、ハネジローに緊迫する場を鎮める為に音楽を流すように命令した際に、ヘヴィメタルを流されると頭を押さえて悶絶し、クラシック音楽に変曲させると指揮者の如く手を動かし、ご満悦な様子だった(元ネタの『ウルトラセブン』でも劇伴にクラシック音楽が使用されていたりする)。
活躍
第17話「過去よりの調べ」に登場。
第14話で「組織内から(2人目の)裏切り者が現れた」事態を受け、GUTS-SELECTのムラホシ隊長に対して『異星出身の裏切り者の協力者』の疑惑をかけ、その真偽を確かめるべく、側近の地球人の男性(演:山本修夢)を従えてナースデッセイ号へ来訪。
取り調べの中で、10年前、ムラホシが当時在籍していたTPU特殊部隊での任務(=前作のTVシリーズ本編でのメツオロチ戦での裏側で行われたヒュドラム討伐作戦)の放棄によって作戦を失敗させてしまい、ムラホシは『現場に取り残された民間人の少年を救出していた』と主張するも、肝心の救助した少年がいなくなったために立証ができず、最終的に一ヶ月の謹慎処分を下されてしまった事案から、あの一件は「標的を失敗のフリをして逃した」と疑惑が発生。
更にこれまでの異星人達への寛大な措置を行なっていた件も、見ようによっては「異星人への過度の肩入れ」とも取れてしまい、これらの過去の実績のデータによる判断に基づいて、彼への嫌疑をより一層強めていく。
だが、その最中に突如ゴメス(S)が出現、カイザキ副隊長は「GUTS-SELECTの出撃を要請」するも、ナイゲルは「指揮権を持つ隊長不在では認められない」とする上層部の意向に従い、首を縦に振らず加えて「ゴメスの進行先にあるコミエシティは対怪獣災害モデル都市であり、GUTS-SELECT不在でも迎撃できる」と高を括る。
しかし、ゴメスは想定以上の力を持っており防衛システムを突破、街への侵入を許してしまう。
しかし実は、かつてムラホシが助けた少年とは幼少時代のリュウモンだったと判明。彼はあの事件のすぐ後に街を離れてしまい、TPUもヒュドラム討伐任務放棄の証拠が探せなくなっていたのが真相であった。
これにより疑いが晴れたGUTS-SELECTは出撃許可が降り、デッカーとの共闘でこれを撃破。
事件解決後、ナイゲルはムラホシにあらぬ嫌疑をかけた経緯を謝罪すると共に、GUTS-SELECT隊員達を「良い部下を持ったな。少々羨ましく思えたよ」と称賛。
ムラホシの方も「ナイゲルは内部調査局としての責務を果たそうとした」として恨んでいないようであり、ナイゲルもムラホシの異星人への寛大な措置についての追及もなかった為、両者は完全に和解。「今後ともお互いに任務に励もう」と激励しつつ、本部へと帰還した。
「特別総集編2 テラフェイザーの脅威」では、直接登場はしていないが、技術部・特務3課のホッタ主任にもムラホシ同様に『アガムスの協力者』の嫌疑をかけ、厳しく取り調べたらしい。
最終的に隅々まで検査した結果、ホッタがシロであると判ると、「すまなかったね。君は唯の“冴えない”地球人だった」と言って解放してくれたらしい(ホッタとしては「なんで、冴えてるか冴えてないかまで判るんだよ?」とかなり不服を抱いていた)。
旅立ちの彼方へ…
????と共に、登場。内部調査局所属であるが、意外と戦闘センスはあるようで、異星人軍団を激闘の末取り押さえている。警備システムをわざとイカレさせて敵の目を欺けたりと搦手も使っている。
余談
演者の甲斐田女史が特撮作品に出演するのはこれが初にして、彼女にとっては割と貴重な人外キャラでもある。
なお、甲斐田女史が所属する賢プロダクションには、『デッカー』の主題歌を担当するSCREEN modeのメンバーである勇-YOU-(林勇)氏も所属している。
スーツは『ウルトラマンマックス』の時に作られ、『ウルトラマンギンガS』や『ウルトラマンオーブ』で使用していたもの。色が剥げた部分を補修したのみで、影の部分が強い印象だが、影を差したりはしていないらしい。
女性的なフォルムが特徴的であるメトロン星人であるが、女性が演じるメトロン星人が登場するのは『平成ウルトラセブン』以来2度目であり、通常TVシリーズでは初となる。
ただし、カナタ役の松本大輝氏曰く、ナイゲルは女性でも男性でもないとの事で、実際に公式Twitterでの紹介文における三人称は「彼」となっている他、劇中でもナイゲル自身、終始中性的な口ぶりで話していた上、登場人物達がナイゲルを話す際にも性別を匂わせる人称や用語は一切用いていない。
尚、ナイゲルとは地球人名での「ナイジェル」に相当すると思われ、ナイジェルは男性に多く使われる。
第17話が放送された月は、奇しくも『セブン』で初代メトロン星人が初登場した第8話「狙われた街」が放送された時と同じ11月であり、2週間後の2022年11月19日で丁度55周年となる。
かつてマルゥルも自分のチームの隊員への尋問があったが、あちらは従来のメトロン星人らしいちゃぶ台の置いてある和室だったが、こちらはきちんとした取調室のような場所で尋問をしていた。
メトロン星人は過去作では地球人の信頼を打ち砕く作戦を展開していたので有名だが、本作のナイゲルは人を安易に信用せず、信頼性の高いデータを重視する(=人類を疑う側がメトロンとなっている)と、真逆の立ち位置を行くキャラクターとなっている。
ナイゲルの側近を演じた山本修夢氏は、過去に『ウルトラマンタイガ』第6話にて佐々木カナの上司役の他、声の出演でも『ウルトラ銀河伝説』のウルトラマン80役(「山本修」名義)での出演がある。
劇場版でのナイゲルと????の再登場は、「もう一度見たい!」と思ってくれたファン達へのサプライズとして用意されたものであり、劇場公開まで情報は一切伏せられていた。
関連イラスト
擬人化
関連タグ
メトロン星人タルデ:『ウルトラマンオーブ』に登場したメトロン星人の同族。こちらは悪役である惑星侵略連合の一員で、オーブと戦った放送日が「狙われた街」と同じ11月19日である。
ヤザキ・テルミ:同じくTPUに所属する『冷徹』な手腕を持ったやり手の職員。こちらは地球人の経理である。
シキ査察官:『ウルトラマンメビウス』に登場した、防衛組織の内部調査や人事介入を担う政府の役人。ナイゲル同様に任務に対する姿勢は冷徹な反面、潔さも併せ持っている。こちらは地球人。
南川大輔:『ウルトラマンX』に登場した、防衛組織の上層部に当たるUNVER日本支部長。事件発生当初は防衛チームと意見が対立し、一時険悪な雰囲気だったが、解決後は隊員達の活躍を称賛して隊長とも和解するなど、ナイゲルと共通点が多い。彼も側近を連れているが、こちらは女性。尚、偶然か否か彼の登場回は、ムラホシ役の演者がゲスト出演した回である。
シルヴィア・シャーウッド:同じく甲斐田女史が演じている、『デッカー』と同時期に放送中のアニメの登場人物(しかも放送局も同じ)。少し毛色が異なるが、所属部署や主人公の一人との立場上の関係、言動などからナイゲルと共通するものを感じた視聴者も少なくなかった。
新島冴:同じく甲斐田女史が演じているキャラクター。作中で尋問を行なっていたため「連想した」との声もチラホラある。