メトロン星人タルデ
めとろんせいじんたるで
地球侵略を企む惑星侵略連合のメンバーの一人。
性格は礼儀正しく、紳士的な口調と態度で接する。「ここから見る夕焼けは綺麗だ」、「この自然を壊すとは、本当に人間というのは傲慢だな」と発言するなど、地球に対する深い愛着を抱いている。
また、メンバーの中では珍しく穏健的な考えの持ち主で、無益な破壊や殺戮は好まず、他者を巻き込むことも良しとしなかった。その為か、彼のみ悪の宇宙人が苦しむオーブニカのメロディを聞いても苦しむことはなかった。
また、ジャグラーに対しては人一倍危険性を感じ取り、ボスのノストラに真っ先に進言する。
『ウルトラセブン』に登場した初代と同様、宇宙ケシの実をタバコに混入させることで侵略を行う「幻覚タバコ作戦」を遂行していたが、喫煙者の減少により計画は遅々として進まず、中止に追い込まれた。
その後はナックル星人ナグスやジャグラーと共に怪獣カードを景品にしたギャンブルを行っていた。
森の監視カメラでSSP一行を監視していた際、モニターでは4人の姿しか確認できなかったが、本人は「5人いる」と言い、「何も見えない」と言うナグスに対しても「奥に女が1人いる」と言うも、ナグスには見えずにいた。その直後、その女性であるタマユラ姫が消えた事に驚く。
第10話でノストラとナグスがジャグラーに殺害された中、惑星侵略連合で唯一難を逃れ、第13話では、今までの事を思い返しながら、惑星侵略連合の復活とジャグラーへの復讐を誓った。
「円盤が来た」
第20話「復讐の引き金」に登場した新たな姿で、両腕にラウンドランチャーという流星ミサイルマイトのような武器を装備している。
物語開始早々、蛇心剣を奪ってジャグラーを追い詰めたが、あと一歩のところでクレナイ・ガイに妨害されジャグラーに逃げられてしまう。
最初は地球に迫る何らかの脅威の事を忠告するとともに復讐の邪魔をしないようガイに警告するだけに留めていたが、ガイやナオミがジャグラーを助けようとしたために業を煮やして巨大化し、実力行使に打って出る。
ハリケーンスラッシュにラウンドランチャーを発射するがオーブスラッガーランスにすべて弾かれてしまう。一度は円盤との連帯攻撃で優位に立ったものの、オーブオリジンのオーブウィンドカリバーで円盤を破壊された上に自身も空高く巻き上げられ、なおも攻撃を続けるもオーブスプリームカリバーで致命傷を負う。
そして自身の背後に映る夕陽を見て「なんと美しい…この夕陽も…闇に飲まれてしまうのか…」と地球の未来を嘆くような言葉を残し爆死した。
タルデの名前は午後(特に夕方)を意味するスペイン語(tarde)と一致しており、ここから取った可能性がある。
第20話が放送された11月19日は、奇遇にも49年前のメトロン星人の初登場したエピソード「狙われた街」の放送日と全く同じだった。
テレビシリーズ中でメトロン星人がウルトラ戦士と戦ったのは、メトロン星人Jr.以来44年ぶりの事である(テレビスペシャルとして放送された『ウルトラセブン 地球星人の大地』を含めても22年ぶりである)。
爆死寸前の夕陽のシーンでは、ウルトラシリーズで初めて雲がかかった夕陽をセットで表現している。
当初、第10話でも登場する予定だったが、あまり活躍しないことから同話監督の冨田卓が出番をカットしたところ、その後も生き残ったという展開になった。
第20話でメトロン星人タルデを強化させるという案に対し、監督の冨田は実相寺昭雄に影響を受けていることから大きくデザインを変えることには抵抗を感じ、悩んだ末に腕にオプションパーツを付けるという形になった。
脚本を担当した内田裕基も冨田と同様、実相寺に思い入れがあることから、タルデを紳士的な性格とすることや戦闘シーンを夕景にすることで初代をリスペクトしている。
奇しくも今回の対戦相手であったハリケーンスラッシュは夕陽やメトロン星人を彷彿とさせる組み合わせのウルトラマンの力を借りた形態だった(ゼロは同族の仇であるセブンの息子、ジャックは夕陽の似合うウルトラマンの異名を持つなど)。
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