「我々は我々の星の怪獣を改造し、様々な文化を築いた。だが怪獣は滅び、地球の怪獣を捕りに来た。なぜ、地球人は怪獣を資源として活かそうとしない?」
データ
概要
第43話「操り怪獣」、第53話「未来怪獣」に登場。
怪獣に改造を施し、使役するという『ウルトラマン80』に登場したマッドサイエンティスト・中川博士が行おうとしていたものと似たような技術を用いて文明を発展させてきた宇宙人。
人間の持つ強欲な一面を体現したかのような種族で、生き物である怪獣を“生きた資源”と捉えており、母星の怪獣たちが乱獲の為に絶滅したのを受け、新たな資源を求めて地球へと襲来。
地球の怪獣たちを新たな資源として利用しようと暗躍していた。
改造を施した怪獣を『NW電波』という特殊電波を用いて操り、自身は頭部や腕から赤い衝撃波光線を発射して攻撃する。
黒ずくめの紙芝居屋に擬態する能力を持っているが、鏡には本当の姿が映ってしまう。ちなみに、上のイラストで持っているコーヒー牛乳はムサシを拉致した先の銭湯で飲んでいたものである。
インキュラスやラグストーンを送り込んだ黒幕でもあり、地球での資源調査を行う一方、この2体を使って地球の原住民である地球人の研究も行っていた。
ムサシに接触した際の電波はインキュラスの事件の際に確認された脳波と酷似している。
地球人の調査を終了後、試作品としてテールダス・メカレーターやネルドラント・メカレーターを作成。試験的に起動させる一方で、地球怪獣の捕獲を円滑にするべく、交渉相手にムサシを選択し接触。話し合うも要求は聞き入れてもらえる筈も無く、交渉は決裂。力づくで交渉を押し通そうとするが、駆けつけたフブキに射殺されてしまった。
しかし、死の間際に報復としてネルドラント・メカレーターを起動。破壊活動を行わせた。
その後、第53話にて時空を操る事の出来るアラドス(の子供)を嗅ぎ付け、再び地球へと襲来。
アラドスの能力に着目し、「自身の技術でアラドスの命を救う」「引き渡せば地球からは手を引く」と持ち掛けて生け捕りにしようとするが、メカレーターへの改造を危惧した地球側は当然これを拒否。コスモスもアラドスを保護しようとしたためラグストーン・メカレーターをコスモスにぶつけて、邪魔する彼やTEAM EYESを倒そうとする。
しかし、コスモスを助けようと最後の力を振り絞ったアラドスの死を目の当たりにした事で奮起したコスモスのエクリプスブレードにより円盤諸共爆死。
余談
怪獣保護とは対極に位置するような考え方や命を弄ぶかのような宇宙人として描かれているとはいえ、人間も動植物を「生きた資源」として利用し、人間に都合が良いように品種改良を行っているのも事実であり、対極にあるはずのEYESたちも後にカオスヘッダーから地球を防衛するためとはいえ、カオスキメラを持つマザルガスを捕獲しようとして、それが失敗した際には殺すという本来の理念から逸脱した行動に出ている為、ノワール星人の事を一方的に非難できる立場にあるとは言えない(地球人を「合理的で貪欲」と評したのもこれが理由だからだろうか)。
実際、第53話では統合防衛軍がアラドスの延命にこだわらず死後研究材料として解剖しようと考えていた事を知ったムサシも「ノワール星人に引き渡した方がまだマシ」と一時考えたほどである。
コスモスが他者との共存とその為の手段の模索という終わりのないテーマを扱っているからこそ、先述した矛盾の問題提起になる彼らのような存在の登場は必然的だったと言えよう。
着ぐるみは『ウルトラマンダイナ』に登場したファビラス星人Bをほぼ流用。顔をちょっと変えて色を緑色っぽくしている。
声を演じた稲田は劇場版2作目と3作目のコスモスの声や次回作『ウルトラマンネクサス』のダークファウストや『ウルトラマンメビウス』のマグマ星人の声を担当している。
『ウルトラマンタイガ』に登場したヴィラン・ギルドの円盤は、ノワール星人の円盤と酷似しているが、おそらくプロップを改造したものと思われる。
関連タグ
メトロン星人:『ウルトラセブン』に登場。和風の建物の中で主人公と対話したり、夕日を背景にしたネルドラント・メカレーターの戦闘シーンは、この宇宙人の初登場エピソードを思わせる。
バンダ星人:『ウルトラセブン』に登場。母星の資源を使い果たしたため、他の惑星への侵略を開始した宇宙人関連。
ロボット長官:『ウルトラセブン』で登場したロボット。ノワール星人と似た思想で人間を道具として利用してきており、第四惑星の人間たちが絶滅することを予測し労働力の確保として、地球侵略を目論んだ。
オオトモ博士:『ウルトラマンダイナ』で登場した科学者。ノワール星人と同様の思想を持っており、こちらは遺伝子改造という機械化よりも現実的な手段を以って怪獣の利用を目論んだ。