概要
その名の通り、悪の宇宙人達で結成された犯罪組織。
強盗などによる武器や怪獣の不正入手、及びオークションによるそれらの不正転売を行っている。早い話が地球で言うところのギャングや暴力団みたいなものである。
地球を商売しやすい惑星と見なしており、オークションのデモンストレーション場として利用しており、その過程で無関係な怪獣をダシとして利用したり、その戦いのせいで地球の町に甚大な被害をもたらす等、周囲の被害を顧みない傍若無人な悪行の数々を働き、大きな二次災害を引き起こしている。
また、構成員は利害が一致して集まっただけにすぎず、協力関係があるわけではない。
警視庁の外事X課によると固定のアジトとメンバーを持たず、宇宙人だけがアクセスできる闇の宇宙ネットワークを使って集合離散を繰り返しているらしい。また、日本以外の国にも存在している事から、その規模の大きさがうかがえる。
「この地球に、宇宙人が密かに暮らしていることはあまり知られていない。」と言うOPナレーションから始まるウルトラマンタイガだが、本作の地球がそうした状況になっているのは恐らく、このヴィラン・ギルドが幅を利かせているからだと考えられる。
つまり、犯罪組織が宇宙人の移民の中で最も力を持っており、それが暴れ回り悪逆を重ねる事で無関係な他の宇宙移民たちも、同じ輩であると地球人にイメージを与えてしまっている様子。
事実、与えられたイメージを信じた地球人達に冷遇されて、肩身の狭い立場に追いやられる善良な宇宙人が数多く登場している。更にはその境遇を嫌がった末に、悪党ではないのにギルド側の犯罪者に身を墜とす者、溜まった鬱屈に突き動かされて無差別テロに走る者に加え、非力で悪意がないのに危険生物扱いされて研究所に送られた難民の少女(※彼女を救えなかった事を強く悔やんだ佐々木カナは外事X課を退職、E.G.I.S.を設立した)などもおり、より大きな不幸を引き起こしている。
総じて、ウルトラマンタイガの世界観に蔓延する理不尽の権化と言える。
また、E.G.I.S.やトライスクワッドが小手先の悪事を防いでも、実行者やそのバックはほぼ無傷で逃げおおせる場合も多く、より相手の厄介さと本作の無常観を際立たせている。
ただ、元々は宇宙移民の一派であることからか、構成員は困窮から犯罪家業に手を染めているだけの者が多く、その殆どは大小なりに良心を持っている。そしてそれを一握りの冷酷な犯罪者が恐怖で従わせて使役するのが、ギルドの組織ヒエラルキーであり実情の様子。
- 元締め……無関係な他者を脅かす犯罪を平気で実行する正真正銘の極悪人で、恐怖で他の犯罪者をまとめ上げ大規模犯罪に従事させる。『恐怖で他の犯罪者を恫喝する』ことでなれる都合上、ギルドの利用者が実質この立ち位置に就くこともある。
- 中堅……犯罪の行う際の備品の取り扱いや怪獣オークションの主催者など、犯罪を介して利益と他の犯罪者を動かす権力を持った者たち。あくまで儲ける為に犯罪を行っているだけの連中であり、仲間内で打ち解け合えるくらいの良心や情は残っているのだが、それが甘さとなって元締め格の冷酷さや恫喝に怯み易く、それに商売過程での犯罪歴や掴んだ利益を手放すのを惜しむのも手伝って元締め格へ従ってしまう傾向が強い様子。
- 下っ端……元締めや中堅の手足となって犯罪を実行する者たち。深いところまで犯罪に手を染めた故のしがらみを抱える中堅格と比べて立場的に自由であり、上を裏切ったり犯罪から足を洗うなどの道を選ぶ者も多い。
だがこの組織ヒエラルキーを逆から見ると、元締め格を逮捕するなりして排除すればその下にいた者たちは立場的に浮く。それに真っ当な働き口などを与えて犯罪から脱却させるのが、最も効果的なギルドへの対抗手段といえる。
ただし、第二段階の『犯罪者を更生させる』が大規模にできる環境が地球ではまだ未確立であり、長らく第一段階の『元締め格を排除してギルドの一派閥を解体する』で対抗が止まっていた。
しかし、日本で元締めの一人が逮捕されてから程無く後にウーラーが地球へ襲来。その際に構成員であるマーキンド星人とマグマ星人が地球から退散しようとする(マーキンド星人は「商売しやすい惑星だった地球を離れるのは残念」と呟いた)が、そこに旭川ピリカが現れて非売品である怪獣誘導装置を使われ、彼女がウーラーの体内へ転送されてしまう。
そして、ヒロユキの手引きで2人は「商売が出来る地球を滅ぼされたくない」と言う理由でE.G.I.S.と外事X課に協力し、ウーラーを救う『バディ ステディ ゴー』に手を貸す。
その後、マーキンド星人とマグマ星人はE.G.I.S.に入社。更にウーラーの件を評価した日本政府によりE.G.I.S.は地球人と宇宙人の共存を示すテストケースの企業へ認定され、小規模だが上記の対抗手段が実現した。
この流れが大きくなれば、地球人と宇宙人はギルドや犯罪に打ち勝ち、共存し合う未来を掴み取れるかもしれない。
ウルトラマントレギアとの関係
本作のメインヴィランである霧崎ことウルトラマントレギアとは無関係であり、彼の気まぐれで出品怪獣のデモンストレーションを邪魔され、台無しにされてしまう一幕があった。トレギアの存在そのものは認知しており、デモンストレーション中に現れた途端恐れをなしてオークションを中止していた。
しかし、悪の宇宙人たちにとっては、自らの邪魔者かつ強大な力を行使するウルトラマンは忌むべき存在であると同時に、高い価値を見出せる代物でもある。
実際、トレギアと同郷の悪トラマンであるウルトラマンベリアルの“因子”がギルドのオークションに出品・落札され、それを元にした兵器が制作されている。
当然、因子どころかウルトラマン本人であるトレギアの場合、ギルドが真っ先に排除や捕獲に動きそうなものだが、実際はギルドの方がトレギアへの干渉を避けている。本編開始以前にトレギアがギルドに何らかの攻撃もしくは妨害を行い、「自分に関わるな」と牽制していたのだろうか。
そして、トレギアがこの関係を維持し続けるのは、どうやら自分自身の価値観を証明するのにギルドを利用しているかららしい。彼は「絆なんて理不尽や絶望の前には無力、それを頼るウルトラマンは宇宙の守護者を名乗るに値しない」の考えに固執していて、それを証明する事に全力を傾けている様子。
それ故に、ギルドが蔓延させる理不尽に満ちた地球は、トレギアの価値観を証明する舞台にはうってつけで、加えて強い因縁のあるウルトラマンタロウの息子・タイガが次元を超えて流れ着き工藤ヒロユキと一体化したことで地球への執着が加速。ギルドがもたらす理不尽などにちょっとの後押しを加えながら、タイガに苦い経験を何度も味合わせ、怪獣リングを濫用させるよう誘導した末、タイガを闇に墜とす事へ成功する。
しかし、タイガはE.G.I.S.の仲間に救助されたヒロユキの元へ結束した、トライスクワッドの絆により光に復帰。その結果誕生したトライストリウムの前に大敗したトレギアは、今度はタイガはもちろん、ヒロユキにも自分の価値観を証明させようと躍起になり暗躍を強める。
……ところがこれ以降の暗躍の手段は、ギルドなど他者の理不尽を利用するものからトレギア=霧崎が直接理不尽を与える方法に変化。現状ではそのやり方で成功しているものの、それと同時にトレギアが築いていたギルドとの利用関係が崩れ始めている。
そして、遂に第23話では邪魔となるウルトラマン達の直接排除に乗り出したが、その対象にはトレギアも含まれていた。だが付け焼き刃の排除作戦が狡猾な策略家のトレギアに通じるはずもなく、首謀者連中は自分たちの送り込んだ兵器に攻撃される形で全滅した。
主な構成員
幹部格
所属宇宙人
本編に登場
- マーキンド星人(声:廣瀬武央)(※最終話にて脱退)
- マグマ星人(声:黒田崇矢)(※最終話にて脱退)
- セミ人間<チルソニア遊星人>
- クカラッチ星人
- レキューム人(声:福原かつみ)
- キール星人(声:工藤雅久)
- ヒュプナス
- ペダン星人(声:峰晃弘)
- バド星人エル・レイ(声:多田啓太)
- サーペント星人(※名前のみ)
- ザラブ星人(声:深澤純)
- ゴドラ星人(声:東條達也)
- スラン星人(声:久田康樹)
『ニュージェネクライマックス』に登場
脱退者
オークション参加者
怪獣
商品
戦力
余談
彼らが取り仕切るオークションのシーンで、ウルトラ怪獣バトルブリーダーズのマーケットを想起する視聴者が続出した(第1話放送時はオークションのシーン前に、ウルバトの新CMでオークション場面が写された為、当然と言えば当然であり、一部からは「このCMのタイミングは狙ったものでは?」と言う意見もあった。因みに、メインクエストACT 8にてナヴィ自身から直々に「我々とヴィラン・ギルドとは一切関係がない」と明言されている)。
凶悪な宇宙人によって結成された組織であるが、彼等の目的は主に単純な利益獲得と思われ、ヴィラン・ギルド自らが積極的に地球侵略を行っていないと、歴代の悪役宇宙人の集団では、やや特異な立ち位置にある(他社ではあるがこれに近い立ち位置と言える)。
円盤は『ウルトラマンコスモス』に登場したノワール星人の円盤と酷似しているが、おそらく プロップを改造したものと思われる。
関連タグ
惑星侵略連合:同ポジションの悪の組織。
AIB:同じく多種多様な宇宙人達で構成された組織だが、こちらは真逆の犯罪を取り締まる組織。
ドルズ星人:タイガの父親が活躍していた時代に現れた悪の宇宙人。こちらも地球で悪事を働いていた宇宙人であり、罪の無い地球人を怪獣に改造する等、ヴィラン・ギルドにも劣らぬ暴挙を行なっていた。
異世界犯罪者集団ギャングラー:前年度の戦隊悪役で、様々な次元の平和な社会に理不尽をもたらす犯罪組織。ただし構成員が幹部陣含め全員身勝手な極悪人の連中(思考の根幹が元締め格と同じ)であり、『組織トップの後継者レース』を目的に各々が勝手に暴れて戦隊に次々倒された結果、人的なリソースを短期間で浪費・消耗。
結果として約1年位で組織が弱体化、実質的な崩壊を迎えている。
ロンダー囚人、アリエナイザー、デスガリアン:スーパー戦隊における宇宙人の犯罪者達。
スペースマフィア:特撮における宇宙人の犯罪者達。こちらは地球人の肉体を乗っ取る形で地球の社会に溶け込んでいる上にヴィラン・ギルド以上に知名度が低い。
ゼイリブ:地球で悪事を働く宇宙人が登場する作品。こちらは支配階級の地球人に化けた宇宙人が、密かに地球を侵略している上に、立場をフル活用した情報操作で地球人を洗脳する等、ヴィラン・ギルド以上にタチが悪い。