演:竹森千人
概要
『ウルトラマンタイガ』第17話「ガーディアンエンジェル」に登場する、ヒューマノイド型宇宙人。非常に軽い性格をしており、一人称は「オレちゃん」。
詐欺や泥棒を生業としており、そのような経緯から過去に何度もカナに捕まっているが、決して自分を見捨てずに信じ続けてくれる彼女に対してだけは、唯一信頼できる地球人として認め心を開いている。前述の経緯から、カナが抱えている過去についても知っている模様。
ちなみに、出所する度に全く反省の素振りを見せずに、盗みを繰り返してはカナの世話になっている小悪党だが、宇宙人にとって住み難い環境の地球で生きる為、仕方なく悪事を働いているだけで、泣いている子供を励まそうとしたり、ここぞの場面ではカナを護ろうとしたりと根っからの悪人ではない(カナからも「あなたは悪党だけど悪人じゃない」と断言されていた)。
本作ではヴィラン・ギルドのペダン星人から怪獣誘導装置を盗み取り、クカラッチ星人に転売して大儲けしようとしていた(ミード曰く「母星へ帰る為の資金を工面する為」)が、予想以上に追撃が厳しく、逃げ切れなくなった所、ある目的で接触して来た霧崎の誘導でE.G.I.S.へと赴き、カナに自分の護衛を頼み騒動を巻き起こす。
騒動終了後、警察に引き渡される事態になったが、その最中に霧崎がカナの命を奪おうとしている真意を察知、その凶行から彼女を護るべく自らの身を挺してカナを庇い、凶弾に倒れ命を落とした。
唐突過ぎる彼の死は、カナだけではなくそれを目の当たりにしていた、ヒロユキの心にも暗い影を落とすのだった……。
余談
ミード曰く「地球は宇宙人には住み難い星だから、犯罪者になるしかなかった」と漏らしており、当該エピソード及び次回エピソード共に『難民や亡命者等に対する、日本の姿勢の現状を憂っている』『昨今の世界中に蔓延する、ポピュリズムへの警鐘』等と深読み出来る。
あるいは、宇宙人の存在を認知しているかすら怪しい地球人(OPナレーションより)が、「宇宙人だから」を理由で迫害しているとは考え難く、戸籍や身元保証が無い為に働けない……とかそんな感じなのだろうか(但し、身元の不詳が理由だったら、それは地球人も該当する、ここ辺りは特に厳しい)。
しかし、第24話で謎の隕石が墜落した際「宇宙人が原因」と主張する地球人のグループ複数が、ヘイトスピーチを実行していた事実から、少しでも宇宙人の可能性がある存在は遠避けたい、近寄らせたくない空気があるのも事実であり、やはり差別意識の警鐘にも見える。
当初は、カナが撃たれて殺されない流れだったが「小悪党で憎めないミードが最後に殺されるからこそ、一番強烈なインパクトがある方向性を取る」に至った。