概要
宇宙からやってきた無法者達の集団。
どれだけ生き物を苦しめ葬るのかを争う遊び「ブラッドゲーム」を繰り返してこれまで99個の惑星を滅ぼし、記念すべき100個目の遊び場(ターゲット)として地球を選んだ。
宇宙に浮かぶ巨大な弓矢のような要塞「サジタリアーク」を拠点としている。
それまでの敵組織のように地球の侵略・破壊などの大それた野望を抱いておらず、ただゲームを楽しむためだけに他惑星に危害を加えており、上記の様に「惑星を滅ぼした」と書いてあるが、彼らがブラッドゲームで遊び尽くした末に自然と滅んでいっただけに過ぎない。
歴代の敵組織の中では滅ぼした星の数は99と比較的少ないが、これはすぐに滅ぼす以上に現地住人や生物をどれだけ苦しめるかを優先しているスタンスが原因。
また、同じデスガリアンの構成員も含めて彼らは生命には一切の関心はなく、一貫して他の惑星の生命を「下等生物」と見下している。
初めて地球へと襲来した際にチームリーダーのジャグドがいきなりジュウオウジャーに倒された時は、彼の死を哀れんだり地球人を恐れるどころか「今までの惑星はすぐに滅んで歯応えがなさ過ぎた」と宣う姿は、むしろ対抗勢力が現れたのを喜んでいる程にその無関心さは筋金入り。
ジュウオウジャーとデスガリアンの戦い及び本作の物語は、彼らが侵略を始め大和達が、デスガリアンの襲撃に偶然出くわして起こった。
つまり、物語が始まる以前からの因縁は存在しない。それどころか第1話の展開が無ければ恐らく、ジューマンとさえ全く関わらなかった、極めて珍しいパターンの敵である(後にジューマンとの因縁が発覚したが、あくまで所属していたとある存在のみで組織そのものは因縁がない)
ブラッドゲームの性質故に近年の戦隊シリーズでは珍しく、直接描写こそされない物の、毎回(性質上特にチームアザルドのプレイヤー時に)多くの一般人や地球の生物が暴行・虐殺されると、徹底的な残虐ぶりを発揮している。
(事例)
- 第1話:ジャグド:山中でフィールドワーク中だった人間達や野生動物らに向かって発砲
- 第2話:ハルバゴイ:街中を爆破し、建造物を壊しまくる
- 第3話:ボウガンス:一般人の乗った車両を次々とボウガンで粉砕
- 第10話:ギフト:スイッチ状態から発せられるバリアに触れた猫が消滅
あまりの暴虐の行いから、その存在は名前も含めて世間にも広く認知されており、第42話では重傷を負った操を大和達が病院に運び込んだ際に「デスガリアンにやられた」の説明だけで通じている。
また、その脅威は直接被害を受けている日本に留まらない、世界規模の問題と認識されているらしく、第30話に出てきた新聞ではG5サミットの議題の中に『デスガリアン対策』も含まれている記事があった。
構成員
上層部
ジニス(声:井上和彦) |
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デスガリアンのオーナー。生命を弄ぶのを好み、侵略行為をゲームと捉え、賞品を餌に配下を標的にした星へと送り込む。 |
ナリア(声:寿美菜子) |
ジニスの秘書。ゲームに敗れたプレイヤーに対し、コンティニューメダルを与えて巨大化させる。 |
チームリーダー
デスガリアンに所属する幹部陣営で、それぞれが『プレイヤー』を束ねてチームを結成している。
クバル(声:岩田光央) |
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チームリーダーの一人。チームクバルを率いる。悪辣陰湿な頭脳派で、ターゲットに精神的苦痛を与える策謀を好む。 |
アザルド(声:中田譲治) |
チームリーダーの一人。チームアザルドを率いる。パワータイプの武闘派で、ターゲットに肉体的苦痛を与えるプレイを好む。第45話でその正体が明らかとなる。 |
ジャグド(声:竹本英史) |
チームリーダーの一人。デスガリアンの先兵として地球に赴くが、第1話で殉職。彼が率いるチームジャグドは変わり者が多い。 |
協力者
怪人
プレイヤー |
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デスガリアンに所属する凶悪な異星人たち。チームクバル、チームアザルド、チームジャグドにそれぞれ所属し、自分の能力でブラッドゲームを行う。 |
戦闘員
関係者(ゲスト怪人)
ドミドル(演/CV:吉村崇(平成ノブシコブシ) |
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夏の劇場版に登場。『宇宙大大大大大サーカス』の団長を名乗る宇宙人。デスガリアンではないが、「宇宙を自分好みのサーカスステージへ作り替える」野望を果たすべく、連れ去った子供達を利用して地球を破壊しようと企む。 |
ギルマーダ(声:佐々木望) |
冬の劇場版に登場。ヒーロー始末人の異名を持つフリーのエージェントで、ナリアが呼び寄せた。ジュウオウジャーを始末するため、ニンニンジャーをも巻き込んでの策略を展開する。 |
ポカネ・ダニーロ(演/CV:林家たい平) |
Vシネマに登場。宇宙マフィアのボスで、かつてはプレイヤーとしてデスガリアンに所属していた。 |
拠点
サジタリアーク |
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本拠地である巨大宇宙船。弓矢とカジノのルーレットが合わさったかの様な外観。ジニスやチームリーダー達の集うフロアは、ルーレットを連想する床模様にダーツ台やバーカウンターがある遊技場を思わせるレイアウト。他にも、ブラッドゲームを行うための道具を保管している倉庫や、人間やジューマン等の捕獲した生物を閉じ込める牢獄代わりの部屋も存在する。第47話で、ジニス自らが行う最後のブラッドゲームの道具として使用。船体中央の矢を地球へ撃ち込み、それと船体を繋ぐケーブルを介してジニスの細胞エネルギーを地球へ送り込む。しかし、このケーブルをワイルドトウサイドデカキングに掴まれ、極限までジューマンパワーを発揮した相手に地球へジニスごと引きずり落とされ墜落。地表へ叩きつけられ大破炎上した。 |
戦力
トライアングラー |
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デスガリアンの保有する戦闘機。ジュウオウジャーがキューブ型に対し、デスガリアンは名前通りピラミッド(三角錐)型。主にプレイヤー等が大群を引き連れて来るが、大抵はキューブアニマルやジュウオウキング等の攻撃で撃墜される。 |
ギフト |
ジニスが開発したブラッドゲーム用殺戮マシーン。完成したその日の内に10個の星を滅ぼし、ゲームバランスを崩壊させたので封印されていた。第31話ではキューブホエール捕獲を目的に、改良と強化が加えられた追跡マシーン・ギフトカスタムが登場。更に第47話で無数の量産型ギフトが登場している。 |
門藤操/ザワールド(演/CV:國島直希) |
ブラッドゲームのエクストラプレイヤーとしてジニスによって処置を施された、悪のジュウオウジャー。サイ・オオカミ・ワニの3体の動物の力を駆使して戦う。第19話でデスガリアンから決別。 |
用語
ブラッドゲーム |
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ジニスが考案した、どれだけ生き物を苦しめ葬るのかを争う遊び。これにより惑星が99個滅ぼされた。ジニスを最も喜ばせた者とその所属チームがゲームの勝者となる。 |
テーマソング
『デスデスデスガリアン!』
ジュウオウジャーのCD(『動物戦隊ジュウオウジャー全曲集』などで確認される)ラインナップされている楽曲。
デスガリアンの有り様をストレートかつバイオレンスな歌詞で纏められている。
また、サビの出だしの “デスデスデス デスガリアン” や “PlayPlayPlay Play the game” 等の耳に残る繰り返しフレーズが多用されており、独特の中毒性を生み出している。
余談
ジュウオウジャーは動物がモチーフだが、こちらは無機物と狩人(それも『狩猟を生業とする人々』ではなく、狐狩りに代表される『娯楽としての狩りに興じる人々』)をモチーフにしている。
この内、前者は『パワーストーン』として扱われる鉱物を持ってきている模様。
また、後述する様に幹部は口の無い者と目の無い者とに分けられるが、この4人のモチーフである鉱物は前者が『猟銃の弾(散弾)の材料』、後者は『回路の材料』としても用いられる事実が判明している。
軽い性格と残虐性は「ゲーム感覚である」のを表現している。このためか本作では善玉怪人の登場や、ヒーロー側との交流エピソードは描かれなかった。
組織の構成員は分類体系において「ジャンル」の単語で一括しているが、首領・幹部は『モチーフ』のニュアンスで、ゲスト怪人に相当するプレイヤーが本来の意味合いで使用されている。
幹部4人の顔をよく見ると、口が無い者と目が無い者とで半々に分かれており、彼らの上に立つジニスが目も口も持った顔でデザインされたのとは対照的である。
また、口が無い方の幹部2人は、最終的にお互い類似した行動を取った上で戦死し、目が無い方の幹部は2人とも実質ジニスの手に掛かり殺害される最期を遂げた。
ちなみに1人を除いたほぼ全ての構成員が、等身大で敗北後に巨大化を行っており、唯一の例外も巨大化して敗れた後に等身大のままで死亡しており、等身大の戦闘のみで戦死・退場した者はいない。
上記の通り、ウォースターやマトリンティス以来の戦隊側と因縁が存在しない悪の組織にして、ラスボスも因縁がないパターンはゴードム文明以来となる。
『ジュウオウジャー』の海外版は製作されなかったが、前作の海外版では牙鬼軍団がゲーム感覚で怪人を様々な惑星に送り込んでTV番組とする敵組織として改変され、実質的に「牙鬼軍団の皮を被った、パワーレンジャー版デスガリアン」と化している。
関連タグ
スーパー戦隊の敵陣営 |
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マシン帝国バラノイア、悪しき魂、デーボス軍、ドルイドン族:同じくレギュラーでの顔出し幹部・怪人が不在の歴代敵組織。
銀帝軍ゾーン:『地球戦隊ファイブマン』の敵組織。999個の惑星を滅ぼし1000個目に地球を選んだアニバーサリーな悪の組織繋がり。
宇宙暴走族ボーゾック:『激走戦隊カーレンジャー』の敵組織。凄まじいギャグ作風と構成員のバカっぷりで若干誤魔化されているが、やって来た悪事のレベルはデスガリアンと同等(標的の星で散々暴れまくった後、爆破して宇宙の花火に変えてしまう)な悪の組織。
実際、某所ではデスガリアンが“ギャグの無いボーゾック”と例えられている。黒幕に至ってはデスガリアンと思考が似通っている。
宇宙海賊バルバン:『星獣戦隊ギンガマン』の敵組織。彼等もまた、ターゲットとなる星を見つけては荒らす点があり、デスガリアンとは異なるやり方として、滅ぼした星を宝石に変え巨大な魔獣に食べさせていた。
ウォースター:ある意味では似たような活動目的、宇宙から来ているなどの点では共通点も多い先輩。ただし首領の構成員に対する態度は逆である。