ジニス「期待しているよ。アザルド、クバル。最も私を楽しませてくれた方には褒美を出そう。
さぁ、地球生物の悶え苦しむ様、最初に見せてくれるのはどちらだい?」
概要
ジュウオウジャーの敵組織「デスガリアン」のオーナー、ジニスが考案した遊び。
狙った惑星を遊び場として選び、チームリーダー率いるチームのプレイヤーが、どれだけ生き物を苦しめ葬るのかを争い合う最悪のゲームで、これにより今まで生命豊かな星を99個も滅ぼしており、記念すべき100個目の星として地球を選びゲームを開始した。
惑星の征服が目的ではなく、侵略行為をゲームと捉え、あくまでゲーム感覚で生物の命を苦しめて甚振り楽しむ事が目的である。
デスガリアンにとって命と言う物は、敵の物であれ味方の物であれ大して重要では無いらしく、第1話で幹部の一人ジャグドが死んだにもかかわらず、怒りも悲しみも見せず全く意に介していない。
それどころか「今までの星は歯ごたえがなさ過ぎた」と対抗勢力の存在を喜ぶ余裕を見せている。
勝利条件は「生命がもがき苦しむ様が大好きなジニスを喜ばせる」事である。たとえ出動件数が少ない者でも、ジニスを一番喜ばせられれば勝利となる模様。結局勝者の判定はジニスの裁量で決まるので、実質外的な要因が無ければ(主に玩ぶ星が壊滅する等)ブラッドゲーム自体が止まる事は無い。
後述する様に、最終的に競い合うチームリーダーが全滅したので、勝者への見返りに付いては一切不明で終わった。
第26話から第31話まで、バングレイが参戦した影響でブラッドゲームは休止していたが、第30話でジニスが伝説の巨獣・キューブホエールの力を確かめる為に休止していた事が判明した。
その後はバングレイの戦死を境に、ジニスへの復讐を胸に秘めていたクバルが反逆劇を決行して失敗、第42話で殆ど自滅する形で戦死。そこから時を置かずにアザルドが真の姿を取り戻すが、覚醒後の態度がジニスの不興を買い第46話で実質謀殺されてしまう。
これを持って地球へ来訪した際にいたチームリーダーは全滅、ブラッドゲームの結果は『ドロー』で終わったのだが、その状況に納得していないジニスが遂に自らゲームに乗り出す。
第47話で、ジニスは自らの拠点であったサジタリアークや、量産型ギフト、ナリアをも惜しみなく使った『最後のゲーム』を行うのだが、王者の集まりとして自分達と多くの“繋がり”を作って来た経緯から、地球を守り抜く決意を新たにしたジュウオウジャーの前に阻止されてしまう。これによって実質、デスガリアンは壊滅しブラッドゲームは完全終了したが……。
ブラッドゲームの一覧
話数 | プレイヤー | 所属 | ジャンル | 内容 |
---|---|---|---|---|
1話 | ジャグド | ジャグド | STG? | スティブラスターカノンで四方八方に撃ちまくり、周りを火の海に変える |
2話 | ハルバゴイ | アザルド | STG | ヤリスギッスピアの雨を降らして、街を破壊 |
3話 | ボウガンス | アザルド | ハイスピードシューティング | 高所から次々と人間が運転している車を狙撃 |
4話 | アミガルド | クバル | 対戦型格闘ゲーム | 仲の良い人間のペアを捕獲し、バトルショーで競わせる。敗北した方は樽に変えられて宇宙へ追放されてしまう |
6話 | ガブリオ | アザルド | ドットイート | ビル等の建造物を喰らい尽くす |
8話 | ヤバイカー | アザルド | 音ゲー | マフラッパーから出すパラリラノイズで生命を凶暴化させ、同士討ちを起こさせる |
9話 | ハナヤイダー | クバル | 育成ゲーム | 悪夢パフュームにより人間を永遠に覚めない悪夢に落とし、無防備になった所を自分の育てた食肉植物「カニバリブルボ」に喰わせる |
10話 | ギフト | ジニス直属 | 探索ゲーム? | ジニス主催による特別ゲーム。触れた生物を消滅させるバリアを町中で発生・縮小させる事で、バリアの解除スイッチを探す事をジュウオウジャーに強いる。さらに解除スイッチを押されても、それに擬態した殺戮マシーン「ギフト」が起動。大規模な破壊活動を展開する |
12話 | ハッテナー | クバル | AVG | ワードハンティングで文字(数字等も含まれる)を奪い、人間を読み書き出来なくし、文字のやり取りで成り立っている文明社会を麻痺させる |
13話 | ノボリゾン | アザルド | クライミング | スイドリルで山からエネルギーを吸い取り、山の植物を枯らし絶滅させる。ただし、エネルギーを吸う過程がひたすら地味で時間がかかる為、アザルドに時間稼ぎの派手な罠を山中に仕掛けて貰っていた |
14話 | ドロボーズ | ジャグド(元) | 収集ゲーム | 現金や宝石を強奪して、地球の経済を滅ぼす…らしいが、どう見ても単なる窃盗行為でブラッドゲームでは無い。ただし、盗みの過程で弱みを握った人間に取引をする恰好で盗みを手伝わせ、用が済んだ後は約束を反故にして騙そうとした。ジニスは彼のゲームに対し「疲れるゲーム」と言いあまり楽しそうでは無かった |
15話 | ハンタジイ | ジャグド(元) | スナイパーシューティング | 撃った獲物を人形に変える弾丸を用い、遠距離狙撃で人間を人形へと変える。目標は1日で1000人 |
17話 | トランパス | クバル | トランプ | マークの書かれたカードを人間に張り付け、町中を彷徨わせる。同じマークの人間が近づくとお互い感電してしまう |
18話 | 〃 | 〃 | トランプ | ペアである人間の片割れをボックスに閉じ込め、ボックスを開く為として正面に貼られたカードを引かせる。しかしカードは全てババ(爆発して吹き飛ばされるハズレ)で、当たりは一切無い |
19話 | ボウリンゲン | アザルド | ボウリング | 腰のバックルから放つ光線で人間達をピン状に並べ、そこへボールになった自分が突っ込み吹き飛ばす(所詮人間ボウリング) |
21話 | プリズナブル | アザルド | 脱出ゲーム | 人間を捕らえ、囚人として地下牢獄に送り込むが、開始する以前にジュウオウジャーに倒された為、どの様なゲームを行おうとしていたかは不明。なんかプレイスタイルがチームクバルっぽい気もする。 |
22話 | イルジオン | クバル | 爆弾アクション | 町中にありふれている物体を爆弾に変え、爆発させる事で破壊や恐怖、混乱を巻き起こす |
23話 | クルーザ | アザルド | 海戦アクション | ウチマクラスターで町や人間を無差別砲撃する |
24話 | バングレイ | 本人 | 不明 | テストプレイ(暫定的なプレイヤー扱い)の名目でエントリー。自身の能力でターゲットの記憶から死別した人物を再現。暫く後、再現した人物をターゲットの前で斬り殺し絶望させる |
25話 | ジャシンガー | アザルド | カメラアクション | ゲキシャッターで人間を写真に閉じ込め、それでアルバムを作る |
32話 | オモテウリャー | クバル | 反転ゲーム | 人間同士の裏の顔を曝け出し、仲違いさせて争わせる |
33話 | スモートロン | アザルド | 相撲 | 特殊な戦闘フィールドで相撲を強要、負けた相手に相撲の強制特訓をさせる事で混乱と屈辱を与える。勝つごとに強化されていくが別に対戦相手は誰でもいいので八百長や仲間割れもOK。 |
36話 | サンババ | アザルド | リズムアクション | サンバを踊る事で猛火を発生させ、町を破壊する |
37・38話 | サグイルブラザーズ | アザルド | 縄跳び | 物体を切断する力を持ったロープを二人一組で張り、それでのダブルダッチを強要させるべく町を破壊しながら人間を追い回す |
39話 | シェフードン | クバル | 料理ゲーム | 美味だが異常に高カロリーな料理を人間に食べさせ、動けない程の激太りにして屈辱を与える |
40話 | キルメンチ | アザルド | 喧嘩アクション | 出会った人間にケンカをふっかけ、負けた相手のボンタン(ズボン)を剥ぎ取る事で痛め付け恥をかかせる。…所謂只の『ボンタン狩り』(もっと言えば追い剥ぎ)で、面白いとは言い難い |
41話 | ジニス | 本人 | 鬼ごっこ? | 自身の強化形態のテストも兼ねて、以前より泳がせていたクバルが反逆したのをゲームのターゲットとして逆利用。強化形態でクバルの配下を次々と仕留め、相手が逃げ出したら残った配下を操り巨大化させて町ごと攻撃する。その一方でクバル自身にはワザと攻撃を当てずに逃し、絶望と恐怖を与える |
42話 | クバル | クバル | やけくそ | 日没までに独力で地球を滅ぼす(※物理的に無理な上、クバルらしからぬ力押しな内容。精神が錯乱した故の、成功する見込みすら無い事実上の自殺劇である) |
43話 | ガッカリゼ | アザルド | お絵描きゲーム | 描いた絵を実体化させる能力を駆使して、人間社会に混乱を引き起こす |
46話 | アザルド・レガシー | アザルド | 不明 | ジニスに“対等宣言”をした上で、どちらが先に地球を滅ぼすか競争、大規模破壊を行う。…しかし実際は“対等宣言”に不興を感じたジニスにより、ナリアを介して自身が意思と記憶を消去され、ただ暴れ回るだけの存在と化してしまった |
47話 | シン・ジニス | 本人 | 不明 | サジタリアーク中央にあった矢を地球へ撃ち込み、矢から宇宙船に伸びたケーブルを介して自身の細胞エネルギーを地球に注入。そのエネルギーで地球そのものを爆破する |
ゲームの真相
『ゲーム』と称して多数の星々を破壊し楽しんでいたジニスだが、これには彼の正体が影響している。ジニスは自らが無数のメーバから構成された存在であり、それに終始激しい劣等感を苛まれているのだが、『ゲーム』と称して自分より進んだ星の高等生物を滅ぼし、自分が進化した存在を証明する、つまり「自らが『下等生物』である事を劣等感の原因となる、他生物の存在自体を否定し、それを苦しめ優越感で快楽を得る」と言う、彼の歪んだ思想が生み出したものだった(プレイヤーの存在自体も、自分の秘密を知りえる可能性を持つ外部の敵対者を防いだり、逆に裏切ったり反逆者が出れば、それ自体もゲームの駒にしてリスクを抑えつつ、自身の楽しみの1つになると言う利点もある為、使い捨ての素材としても利用価値がある)。
こうした背景故に「ゲーム」の部分が強調されるが、上記の通り苦しめジニスを喜ばせる事以外は、明確なルール自体は特に徹底して決まっている訳では無く、自らが参加したり、部外者を招いたり、「対等宣言」したと言うだけでアザルドを暴走させる等、ゲームマスターとして見るとかなり無茶苦茶な事をしており、ある意味彼の閉じた世界を象徴していると言っても過言ではない。
もう1つのブラッドゲーム、「デスガリアンvsジュウオウジャー」
上記した内容で繰り広げられるブラッドゲームは、いずれも地球の生命を脅かす物ばかりである(例外もあるが)。当然それを止めるべく出動するジュウオウジャーとデスガリアンは交戦する事になるが、そうなってもジニスはジュウオウジャーを攻撃する事も無いばかりか、一度倒されたプレイヤー達をコンティニューする程度の支援しかしない。
結局ジニスに取っては、ジュウオウジャーもそれに倒されるデスガリアンの仲間達も、「もがき苦しんで自分を楽しませる命」の1つに過ぎない模様である。その為、妨害や抵抗をするジュウオウジャーとの戦闘は、各プレイヤーの仕掛ける各々のブラッドゲームと同時進行する、もう1つのブラッドゲームとして事実上扱われる。
しかし、こちらをクリア(=ジュウオウジャーに勝利)するプレイヤーはおらず、更にはチームリーダー達やナリアすらも同様に脱落(戦死)。そして、前述の様に最後のゲームに失敗したジニスも、無し崩し的にこれへ挑む事となったが、そこで自身が長らく隠し続けた劣等感を曝け出した末に、心身共に打ちのめされて完全敗北、ジニス自身もゲームオーバー(=死亡)となった。
そしてこれを持って本当に、ブラッドゲームは完全終了した。