「俺の名はバングレイ。宇宙をバリバリ股にかける巨獣ハンターだ」(第23話)
「見ろ!何が『ずっと繋がってる』だ! 分かったろ?んなもんはただの夢幻だ。『繋がり』なんてな、こーんなにもあっさり切れちまうんだよ!」(第24話)
「お前を倒してもお前の心は壊れねぇだろ? 俺はお前が信じる繋がりが切れて、絶望する姿が見たいんだよ!」(第26話)
データ
概要
刺激を求めて様々な惑星で珍しい巨大生物のハントを生業にしている巨獣ハンター。
ナリアによると、今まで99体もの獲物をハントしてきたらしく、記念すべき100体目の獲物としてキューブホエールをハントするべく宇宙を股にかけ、地球へと襲来してきた。
青い体に6つの眼を持ち、フック状の義手になった左手や必殺威力の光弾を撃つ大砲の仕込まれた腹部に加え、右手に電撃も放てる錨型の大剣『バリブレイド』を持つ。また、右足も義足のような機械になっている等、荒くれ者の船長を思わせる外見を持つ。
性格はかなり傲岸不遜。加えて、自身の食事を邪魔したことでジュウオウジャーやデスガリアンすら攻撃する等好戦的かつ凶暴。またこの振る舞いから、自分を邪魔したり、自分が気に入らない相手を執念深く追い回すという、根に持つ一面もある。
上記のように言動こそ荒っぽく、一見するとアザルドやジャグドのような脳筋タイプの荒くれ者に見えるが、実際のところは非常に狡猾で頭がきれる策略家であり、正面からの戦いよりも用意周到に相手を陥れる作戦を好んでいる。
「バリ○○」が口癖で、刺激を求める部分はジニスと共通点を持つ。元々デスガリアンとは無関係の存在だが、自分以外の生物を露骨に見下した上で、人間同士の絆を「バリかゆ〜」と悪辣に笑い飛ばす態度はデスガリアンの面々とそれ程変わらない。
また、本人によれば面白そうなことには首を突っ込む主義らしい。
しかし、ハントした巨獣自体には全く価値を見出しておらず、捕らえた後は食糧にするわけでもどこぞに売り飛ばすわけでもましてや剥製や標本にしてコレクション等にするというわけでもなく散々いたぶった末に殺し捨ててきた模様。
結局彼の求める刺激は“生物を執拗にいたぶる”ことであり、巨獣ハントの過程で見つけた玩び甲斐のある存在を、手の込んだ方法で片手間ついでにいたぶるというハンターの風上にも置けない下劣極まりない行動も起こせる。
能力
ハイテンション時のジュウオウザワールドすら圧倒する高い戦闘能力を持つ他、自身の右手を当てた生物の記憶を読み取ることができ、読み取った記憶から現実の物として過去の存在を実体化できる特殊能力を有する。
これで過去に倒されたデスガリアンのプレイヤーはもちろん、巨大プレイヤーをも再現して自分の手駒にできる(記憶から再現された存在であるため、再現された者の自我はない)。しかし所詮は記憶から再現された映像に過ぎないため、限界以上のダメージを受けると粒子状になって消滅する。
また、使用者(右手の持ち主)自身の記憶を読み取ることやコピーして実体化した相手の記憶を読み取ることは不可能。
再現度を調整できるのか記憶を読み取られた対象の思いの強さによるのか、再現される存在の中には明確な自我がある者もいる(大和の亡き母である風切和歌子等)。
また、再現できる対象は生者も可で、これ等の自我を持っている者も命令に忠実に従い、バングレイの手駒としてある程度動かすことが可能な模様。
(ただし、良心と言った本物由来の心自体を書き換えることは不可能らしい)
ヤバングレイト号
バングレイが宇宙を駆けるための移動手段として所有する、小型の宇宙狩猟船。
大気圏内の飛行も可能な上、船体下からトラクタービームや破壊光線を撃ったり、水中を航行しての毒散布もできるハイスペック機である。
後半ではクバルが代わりに操縦したこともあった。
活躍
第23~25話
目的のキューブホエールを探し求めて地球を訪れ初登場。
空腹の腹ごしらえのために食べ物を調達しに、とあるバーベキュー場から人間を追い出してバーベキュー用の串焼きを食べていたが、クルーザの無差別砲撃で焼き串を丸焦げにされたことに腹を立て、交戦しているジュウオウジャーごとクルーザを襲撃し、この時は誰が犯人なのか分からなかったため両方とも襲いかかった。しかし、クルーザからは砲撃を受けて逃げられたので、残ったジュウオウジャーには自身の能力でレオの記憶から再現したノボリゾンを差し向けて撤退した。
その後、ブラッドゲームを再開しようとするクルーザを捕まえ、犯人と気づくと再度攻撃を加える。
そこへジュウオウジャーが加わり三つ巴の戦いとなるが、ジュウオウイーグルとジュウオウザワールドを相手に圧倒。更に人間同士の絆を語るイーグルを一蹴し、「一番嫌いなタイプだわ、バリバリ虐めたくなる」と猛攻を与え続けた。
それでも粘る二人の奮闘とクルーザを撃破した残りの4人との戦いに苦戦しかかるも、コンティニューしたクルーザと戦う為、ザワールドが戦線を離れたことで巻き返す。
しかし彼に興味を抱き、ブラッドゲームへ組み込もうとしたジニスの命を受けたナリアから面白いゲームがあると言われて興味を抱き、デスガリアンの本拠地・サジタリアークへナリアに連れられる形で転送、招待される。そこでジニスから歓迎されたが、本人はふてぶてしい態度で座り込んでいた。
バングレイの身勝手な行動や態度を見て、アザルドやクバルがブラッドゲーム参加に反対する等、他のデスガリアンの連中とは険悪な仲を見せた。
結局、ナリアの進言でテストプレイ(暫定的なプレイヤー扱い)を行うこととなり、メインディッシュの前のつまみ食いと評して地球へ再来し、大和を襲撃。
彼を気絶させた後、彼の記憶から亡き母・和歌子を再現。さらに様々な人の記憶を読み取り、彼等の知る死んだ人々を再現し、街中にパニックを引き起こした。
しばらく後、和歌子との水入らずの楽しい時間を受ける大和の前に現れ攻撃。彼をかばって和歌子が消滅、大和は戦意を失う。実は和歌子に大和をかばわせるためにわざと攻撃したのであり、大切な人を目の前で消滅させられるブラッドゲームにして、前回自分の癇に触る発言をした大和に対する当てつけだった。
大和の思い出を踏みにじる行為に抑え切れない怒りをたぎらせた操達と交戦し、タスクの記憶から再現したハンタジイと戦わせ、「お前等、ただの記憶に振り回されまくりじゃねえか!ヒハハッ!バリ下らねぇ!」と相手を挑発する。
しかし、自身が覚えている限り和歌子とずっと繋がっていることを気づかされた大和の奮闘の前に敗北。ハンタジイもタスク達の連携とジュウオウザワールドの必殺技で敗れて消滅した。
しかし、自身を敗ったジュウオウイーグルこと大和のことを気に入り、セラの記憶から巨大化したアミガルドとトランパスを出現させると再戦を言い残し、ヤバングレイト号に回収されてその場を撤退した。
一方、今回のバングレイの行動を見たジニスは、彼をプレイヤーではなくアザルドやクバルと同じ、チームリーダーとしてゲームに組み込めないか思案していた。
しかし、「つまみ食いのつもりが意外に面白くって…。アンタの遊びにつき合ってるヒマがなくなったんだよ」とデスガリアンに加わるつもりはないと宣言して脱退。ジニスを愚弄したとナリアから激怒される。
その後、地球へと降り立つとブラッドゲームを行うジャシンガーのゲキシャッターで撮った写真を見せろと迫るも、前回記憶を覗かれて口封じに始末しようと後を追ってきたクバルから反撃を受けるも、その際に、クバルの住んでいた星はジニスによって滅ぼされたと語った。
第26話
本来の目的であるキューブホエールの情報を集めていたが、それが一向に得られなかったので、気分転換として独自に“つまみ食い”(大和を使った遊び)を画策する。
そのターゲットである大和を監視し、彼が友人・林ダイチの結婚式に出る事を知るや否や、結婚式当日に会場に乗り込んでダイチを新婦ごと斬殺することで、今度こそ大和の絆を踏みにじり心を壊そうと企む。
あまりのバリ外道な考えに、引っ込み思案な性格を忘れ激怒する操達5人と再戦。気合を入れた5人との押し合いに負けたり、野性解放や野性大解放を使われても終始圧倒し、戦闘不能に追い込む。直後に現れた大和へはレオの記憶からヤバイカーを再現して差し向け、自身はとうとう結婚式場へたどり着く。
しかしダイチと新婦に斬りかかる寸前、ジュウオウゴリラのパワーでヤバイカーを排除した大和=ジュウオウイーグルが野性解放して空から乱入。イーグルの放ったイーグライザーに絡め取られ、式場からはるか遠くへ運ばれた後、猛攻を受けてしまう。
流石に分が悪いと感じたのか、隙を突いて大和の記憶を読み取り、ハルバゴイを巨大化させて再現。それを差し向けた隙に撤退した。
第27話
第26話の出来事でさらにイラつき、とあるレストランに押し入って酒を飲んでいた。
だがそこで、“大和の仲間達とそのコピー(記憶を読み取り作成)に爆弾と解除装置を付け、爆弾を解除するにはコピーを倒すしか無い(※)と迫らせる”と言う遊びを思いつき、それをセラとタスクを使い実行した。
(※幾らコピーと言えど本物と寸分違わず再現しているので、爆弾解除の為に倒せば実質、仲間を殺したも同然となってしまう)
紆余曲折の後、コピーの命も助けたいと真剣に考えるジュウオウジャー6人の姿を見たセラとタスクのコピーは本物と同じ良心を思い出して消滅。爆弾も解除されたため、結局バングレイの遊びは失敗した。
一方、コピーの最後を見届けたジュウオウジャーは、今回の様に仲間との繋がりをもてあそぶバングレイを必ず打倒することを改めて誓うのであった。
第28・29話
再び獲物のキューブホエールの情報を求めて町中に現れる。周りの人間の記憶を片っ端から読み取るも情報は得られない。
その際、放置されていたカレーを食べようとした時に、キャプテン・マーベラス/ゴーカイレッドに遭遇(カレーを食べに来ていたものと思われる)。マーベラスの挑発に乗り交戦するもジュウオウジャーと違い、歴戦の勇士であるゴーカイレッドに防戦一方となり、さらにジュウオウジャーまで駆けつけて来たため、アムの頭を掴んで記憶を読み取りつつ一旦逃走。
直後、マーベラスとジュウオウジャーのやり取りを物陰から聞いたバングレイは、マーベラスの求めるお宝が目的の獲物を見つける手掛かりになることを予感。アムの記憶からドロボーズを再現し、ステルス能力を使わせつつ後を追跡させた(※匂いで存在がバレない様、ドロボーズに『宇宙消臭剤』を吹きつけている)。
そして追跡した先で、壊れたリンクキューブよりマーベラスが大王者の資格を引っ張り出し、それが変化した『ホエールチェンジガン』がバングレイの探すキューブホエールを召喚する代物であることを知るや、ドロボーズと共にそれを奪い取ろうと彼等を襲撃する。
結局、同じくホエールチェンジガンを持って行こうとするマーベラスと、それを阻止しようとするジュウオウジャーとの三つ巴の戦闘へ突入。
ゴーカイチェンジを駆使するゴーカイレッドにジュウオウジャー諸共翻弄された後、レッドホークにゴーカイチェンジしたマーベラスに逃げられてしまう。
それを追うため、再度アムの記憶を読み取りボウガンスを巨大化させて再現。それをドロボーズと共にジュウオウジャーに差し向けつつ戦闘から離脱した(アムはこの話で2度連続記憶を読み取られた)。
しばらく後、お互いを理解し合った大和とマーベラスを発見して交戦。マーベラスから記憶を読み取り、そこから血祭ドウコク、エンター・ユナイト、エスケイプ・エボルブ、蝶絶神デーボス、闇の皇帝ゼット、そして毎度お馴染みのアイツといった歴代スーパー戦隊の強敵達を再現し、ホエールチェンジガン強奪すべく2人を追い詰める。
(ちなみにマーベラスが実際に見たのはエンターとエスケイプまでで、デーボスやゼットとは面識がない。どこかで情報を入手していたのだろうか?)
しかし、ジューマン達の殺気探知によりやって来た仲間達と合流した大和は、自身の決意を見せてマーベラスよりホエールチェンジガンを譲り受け、それでジュウオウホエールへと本能覚醒。仲間達5人とゴーカイジャー6人との12人でバングレイへ挑み掛かる。
結局、再現した手駒の大半はジュウオウジャーとゴーカイジャーの連携に各個撃破。バングレイ自身もジュウオウホエールの必殺技、ジュウオウファイナルに残った手駒と共に消し飛ばされかけた。
この不利な状況に対し、バングレイは伊狩鎧の記憶を読み取り、かつてゴーカイジャーが戦った宇宙帝国ザンギャック歴代皇帝の怨念の集合体であるゴクドス・ギルを巨大化した状態で再現。それを出現させると同時に撤退した。
第30~32話
第29話でのジュウオウホエールの復活に呼応して、お目当てのキューブホエールも覚醒していた。
その際に潮を天高く吹き上げた為、それをスクープしたニュース番組の撮影スタッフを襲って記憶を読み取り、それを頼りに潮の吹き上がった海岸にたどり着く。
そこでやはりジュウオウジャーと遭遇して交戦するも、これを振り切って海へ飛び込む。それでも追って来たジュウオウホエールと砲撃を撃ち合って水中戦を繰り広げる最中、深海より姿を現したキューブホエールと遂に遭遇する。
直後、キューブホエールにジュウオウホエール諸共海岸へ吹っ飛ばされるが、そこにクバルがやってくる。実は以前の襲撃時、『ジニスに翻意を持っていることを黙ってるから協力しろ』とクバルに持ち掛け、協力者として抱き込んでいたのだ。そのクバルにヤバングレイト号を操縦させ、海一帯に毒(キューブアニマルで海に潜ったセラと操が麻痺して動けなくなる程強力な物)を散布、他の海の生物への被害も御構い無しにキューブホエールを燻り出そうとする。
当然この作戦はジュウオウジャーの怒りを買い、海岸で見守っていた所をセラと操以外の4人に攻撃される。対するバングレイはタスクから記憶を読み取り、ガブリオにハナヤイダー、巨大イルジオン(アーマー装着)を再現(※いずれのプレイヤーも、再現元のタスクとの関わり合いは薄いのだが)して差し向けることで時間稼ぎする。
しばらくく後、再現したプレイヤー達は全滅するも、まいた毒を体内に取り込んで浄化したキューブホエールが海上に出現。それが潮を噴き上げる光景を見て「バリキレイじゃねーか」と素直に感動しつつ、いよいよ念願の獲物を狩ろうと身を乗り出す。
ところがそこをナリアと無数のトライアングラーが強襲。バングレイやジュウオウジャー、キューブホエールを爆撃し始める。
実はジニスもバングレイが探していたキューブホエールに興味を持っており、それを彼が探し当てるのをブラッドゲームを一旦止めてまで待っていたのである。
一方、爆撃されたキューブホエールは反撃してトライアングラーを全滅させるが、それだけに留まらずバングレイやジュウオウジャーにも攻撃を行ったため、ジュウオウホエール諸共バングレイは翻弄されてしまう。
それでも何とか難を逃れた後、一旦サジタリアークに戻っていたクバルからキューブホエールの行き先を教えてもらい、その場所である湖に向かいキューブホエールの目前にたどり着く。尚この際にクバルに作戦を無駄にしたことを咎められるが「ジニスが巨大鯨ちゃんを狙っていたことを知らなかったんだろ?敵のことはよ~く見とかねぇと復讐なんて夢のまた夢だぜ?」と返していたがこの時のジニスの行動がクバルを破滅を導くきっかけになる。
しかしやっぱり、大和達に見つかってしまった上に、すぐ近くへナリアがメーバを引き連れて現れる。大和以外の3人がナリアの元へ向かったためバングレイは大和とタイマンするが、程なく毒から回復して駆けつけたセラと操が大和に加勢、3対1の状況となる。
だが、ナリアがジニスに授けられた追跡マシーン・ギフトカスタムを起動して搭乗。
それに対抗すべく操達5人がワイルドトウサイキングに搭乗したため、再度バングレイは大和とタイマン。目前にあるキューブホエールを庇う大和を一方的に攻撃するも、大和が全力で攻撃を捌き切った為決定打を与えられなかった。
そして、自分を必死に守ろうとする大和の姿を見たキューブホエールは、自分の力の一部を人間サイズのカイオースピア(変形後の姿ドデカイオーの武器)に変えて射出。それを手にした大和=ジュウオウイーグルの猛攻を喰らったバングレイは遠くへ吹き飛ばされてしまった。
その後、大和のことを認めたキューブホエールはドデカイオーへと変形、ギフトカスタムを撃破したが、それを傍らで見ていたバングレイはキューブホエールは勿論、大和に対する執着もより強めていた…。
しかし、今回受けたダメージで胸に深い傷が残る程の深手を負ってしまい、それを癒して体勢を立て直すためにクバルとは接触(※オモテウリャーがブラッドゲームを行っている裏での事)しつつも少しの間活動を休止する。
巨獣を狩る為に多くの繋がりを嘲笑った巨獣ハンター、繋がりの巨人の前に散る(第34・35話)
本格的にクバルと手を組み、改めてキューブホエールを狩る作戦を開始する。
クバルの記憶を元に、冒頭でいきなり巨大アミガルド・トランパス・イルジオン(アーマー未装着)を再現して町中で暴れさせる。すぐさま駆けつけたジュウオウジャーが操るジュウオウキューブにプレイヤー達はあっさり全滅するが、自分の手口や目的を知るジュウオウジャーがキューブホエールだけ戦闘に出さなかったことを遠くから確認、一旦引き上げる。
その後、町中に現れ暴れていたところを操以外のジュウオウジャー5人(※記憶を読み取られるのを防ぐべく、森真理夫作の動物の被り物を借りて着用。何故か名乗り時のエンブレムも被り物を着けていた)に見つかり交戦。そこへやって来た縮小サイズのキューブホエール(の偽物で、バングレイを騙すためにジュウオウジャーが用意した)を見るや、それを奪い取ろうとジュウオウジャーを追い回す。
実は協力していたクバルの読みでバングレイはジュウオウジャーの偽物作戦を見破っており、それを逆手に取り相手の方を逆に罠へ仕掛けていた。その手始めにバングレイを誘い込む場所で待ち伏せしていた操にはコピーのジュウオウイーグル、その場所へ先に向かった大和とバングレイを追いかける残りの4人へはコピーのジュウオウザワールドを襲い掛からせた。
そして他のコピージュウオウジャー同様、クバルから記憶を読み取ってジュウオウゴリラ、ジュウオウシャーク、ジュウオウライオン、ジュウオウエレファント、ジュウオウタイガーをバングレイは再現。孤立した大和へと差し向ける(※この際、コピージュウオウジャーは抑揚のない声で名乗りを上げ、バングレイとクバル、メーバメダルをバックにポーズを決めた)。
対する大和は5対1の状況に苦しめられつつも、コピーを一体ずつ撃破。仲間の5人も野性解放や野性大解放を使って何とかコピーを撃破、大和の元へ急ぐ。
しかし大和は後一歩及ばず、コピーのジュウオウゴリラに圧倒され、バングレイは至近距離の砲撃を大和に浴びせまくり、変身解除へと追い込む。そこへ駆け付けた残りのジュウオウジャーへ向け、バングレイは「大和の身柄と引き換えにキューブホエールを連れて来い」と宣言、クバルや大和を抱えたコピーのジュウオウゴリラと共にヤバングレイト号に回収されて撤退する。
その後、捕らえ拘束した大和をコピーのゴリラにいたぶらせつつ、それを取り上げたジュウオウチェンジャーを介して彼の仲間達に聞かせながら取引場所を指定。程なく自分達も大和を連れて取引場所へ赴くが、
「これで思う存分、斬って斬って、いたぶりまくれるってもんだ!
知ってるか?約束ってのは、破るためにあるんだぜ?」
しかしやはり、バングレイは取引に応じる気は無かった。まず、自分に取引の主導権があることを利用して、強引に自分がキューブホエールを先に獲得。その直後にキューブホエールを持って来たアムを仲間の集まっている所へ叩き落とし、そこへクバルに操らせたヤバングレイト号より衛星軌道上からの攻撃を放ってジュウオウジャー5人を消し飛ばしてしまう(※5人にはジュウオウジャーに変身できないようジュウオウチェンジャーやジュウオウザライトを手放させていた)。この作戦を大和は拘束時にバングレイから知らされており、それが実行されるのを何も出来ないまま見届けてしまう(バングレイ曰く『“繋がり”が壊れるショー』)。そしてことが終わった直後、バングレイの目の前で大和はついに絶望。
「どうだ!テメェのせいで仲間を皆殺しにされた気分は? その顔、もっと、よ〜く見せろよ!」
「いいじゃん、バリバリ最高じゃん!テメェの繋がりが招いた悲劇に絶望した顔だ!」
この光景をずっと見たかったバングレイは捕獲したキューブホエールを手に勝ち名乗りを上げつつ歓喜する。
ところが次の瞬間、岩盤を突き破るキューブモグラと共に消し飛ばしたはずの5人が現れバングレイを強襲。大和を助け出された上、巨大化したキューブホエールにバングレイは吹き飛ばされてしまう。
実はこれまでにバングレイと何度も交戦し、その悪辣さを理解していたジュウオウジャーの5人は今回の取引に裏があることを予測、警戒していた。
そしてそれは的中し、ヤバングレイト号の攻撃が放たれた瞬間にセラがキューブモグラを召喚、それが掘った穴に飛び込むことで危機を脱したのだった。
かくして、作戦を破られて形勢逆転されたバングレイはとうとう激怒。「へっ!また、繋がりか!弱い奴ほど群れたがる!」と大和を頭ごなしに罵倒し、コピーのジュウオウゴリラとクバルから譲り受けたメーバメダルより生み出したメーバを引き連れて戦闘に突入する。
しかし、「動物が群れを作るのは、みんなで生きるためだ!」と叫び罵倒を一蹴した、大和がチェンジしたジュウオウホエールを初めとする6人のジュウオウジャーにメーバはすぐに全滅。コピーのゴリラはジュウオウザワールドに上空へ吹っ飛ばされた所にジュウオウシャーク・ライオン・エレファント・タイガー4人の放つジュウオウシュートを喰らって消滅、クバルが操縦するヤバングレイト号も巨大化したキューブホエールに敵わず撃墜されてしまう(クバルは直前に脱出)。バングレイ自身もホエールと交戦するが逆に圧倒され、挙句には野性解放や野性大解放を使った他のジュウオウジャーから一方的に攻撃をもらった上、ホエールからは飛び蹴りをお見舞いされる。
そして吹っ飛ばされて地面に倒れ伏したところにクバルがやって来るが、劣勢になったことからバングレイを見限った彼に右手を切り落とされてしまう。
予想外の行動に動揺し怒るバングレイだが、クバルは「あなたとは仲間の関係ではなくて、利害が一致しただけでしょう?」と返し、餞別代わりのコンティニューメダルをバングレイに渡した後切り落とした右手を拾って撤退した。
こうして、もはや後戻りができなくなったバングレイは、バリブレイドを切り落とされた右手の代わりに腕へ融合。追って来たジュウオウジャーに右腕からの電撃ビームを放つが、ホエールの展開したバリアに防がれる。そしてその状態から、ジュウオウジャー6人がフォーメーションを組んで放ったジュウオウファイナルを喰らってついに完全敗北。
だがまだ力尽きておらず、先程手に入れたコンティニューメダルを口から摂取、巨大化(※当たり前だがデスガリアンではないため、お約束の口上はなし。これに続いて2度目の事例)。
すぐさま挑みかかってきたキューブホエールと交戦するが、直後にキューブホエールとジュウオウジャーの絆が生み出した最強の全ジュウオウキューブ合体形態、ワイルドトウサイドデカキングが完成。それと対峙する。
右腕を地面に叩き付けての衝撃波等の攻撃を畳み掛けるが、仲間達との絆の力を強く確信したジュウオウジャー相手に自分一人が強いだけのバングレイがもはや敵う筈もなく、ワイルドトウサイドデカキングになす術もなく圧倒され、更にジュウオウドデカショットを受け、続け様に止めのジュウオウドデカダイナマイトストリームを喰らってしまう。
最後は「俺の獲物がッ!俺の“夢”がァァッ!!」と言う断末魔を残し爆散・死亡した。
自らの愉しみとして星々の巨獣を獲物として狩ってきたバングレイだが、記念すべき100体目として探していたキューブホエールはどうやら特別な意味のある獲物だった模様。
ジュウオウジャーVSニンニンジャー
ギルマーダの手駒『闇の使い』の一人として再登場(バリブレイドは右腕に融合した状態)。本編で再生怪人を生み出し使役していた奴が、自ら再生怪人として他者に生み出され手駒になるとは何とも皮肉である。
ジュウオウシャーク・ジュウオウタイガー・シロニンジャー・モモニンジャーの四人と交戦するのだが、最初から野性解放を繰り出すジュウオウジャー側の攻撃に加え、自らビャッコマル・パンダマルに変化・突撃までしてくるニンニンジャー側には散々翻弄された挙句圧倒されてしまう。
最後はそのまま吹っ飛ばされた先でジャグド・蛾眉雷蔵・晦正影諸共一所に纏められ、止めのジュウオウスラッシュ(+ジュウオウザフィニッシュ)と五連忍烈斬を立て続けに喰らい爆散・一掃されてしまった。
赤い戦い!オール戦隊大集会!!
歴代怪人軍団の1人として登場することが発表された。声も原作と同じく神奈氏が担当する。
余談
名前の由来はハングリー(hungry)。空腹、飢えている事を意味しており、バングレイ自身も刺激に飢えている。
また、hungryの単語には狩るを意味するhun(t)と言う単語も含まれている。
スーパー戦隊シリーズにおいて、一度ヒーローに倒された怪人を復活させて差し向けるネクロマンサー系の能力を持つ怪人は数多く存在するが、大抵1話限りである中でレギュラーキャラとしては史上初となる。
声を演じる神奈氏は、『烈車戦隊トッキュウジャー』で管理人ルークの声を演じて以来、2度目のスーパー戦隊出演となる。
ちなみに管理人ルークもバングレイも、物語中盤の山場である戦隊ロボの新たな合体形態の初披露回より、すぐ次の話で登場したという共通点がある。
クジラモチーフのキューブホエールと因縁がある、四肢の一部が義手義足と言う点からして、キャラクターのイメージモチーフはハーマン・メルヴィルの長編小説『白鯨』の登場人物、エイハブ船長と思われる。
(アザルドと被る青い体色は、赤を基本カラーとするキューブホエールと対にする為か?)
キューブホエールは勿論、過去の因縁から風切大和にも強く執着するバングレイだが、同じくエイハブ船長もかつて自分の足を奪った白鯨・モビーディックを狩る事に狂気的な執着を見せている。
人間含む地球の生物達に対し、デスガリアンとそれ程変わらない悪辣な態度を見せたバングレイだが、終始一人の人間(大和)を玩ぶことに執着し続けた点だけは異なる。意外なことに、デスガリアンがブラッドゲームで主に玩ぶのは“地球人『達』”で、特定の個人(個体)を玩ぶのをやりたがらない傾向がある(※例外が一人いるが、行動自体はその場の思いつき、当人は一プレイヤーとしてダメダメだったところがポイント)。現に、精神的に玩ぶプレイスタイルが得意のクバル及び配下のプレイヤーですら、最小ターゲットは『特定の個人』では無く『人間のペア』で留まっているのだ。
しかし、大和という人間一人に執着し過ぎた結果、最終的にバングレイの行動はジュウオウジャーが大まかに予測できる程度の物に収まってしまった(第35話での逆転劇が正にそれ)。そもそも、大和に強く執着すること自体、歪んだ形だが大和と“繋がる”行為である。謂わば結局、大和を追い回したことでバングレイは自身が軽んじていた概念を自ら作り出していたのである。
そして最後まで、その事実に気づかないバングレイは渾身の作戦を読み破られ、それを切っ掛けにして完全敗北した。その最後は彼にとって皮肉で満ち溢れた物だったが、それを冷ややかに見届けたのが“人間同士の『繋がり』”を玩ぶ一方で人間一人一人には価値を見出さないデスガリアンの一員、クバルであったのはどこか意味深である。
関連タグ
ドミドル:バングレイと同じく、デスガリアンとは無関係の宇宙人。こちらは“『宇宙大大大大大サーカス』の団長”を自称している。
ギルマーダ:バングレイ戦死後に現れた、3人目のデスガリアンとは無関係の宇宙人。
こちらは『ヒーロー始末人』の異名を持つ抹殺専門エージェントで、彼の手駒としてバングレイ自身が復活再生された。