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血祭ドウコク

ちまつりどうこく

スーパー戦隊シリーズ『侍戦隊シンケンジャー』に登場する敵キャラクター。
目次 [非表示]

テメェは外道に堕ちた。もう二度と戻れねェ……」(第四十幕)

「だから気に入らねェ。人間なら人間らしく、命乞いの悲鳴を上げりゃいいものを」(最終幕)


CV:西凛太朗


概要編集

封印が解けて現代に蘇った外道衆の総大将で、6つの目を持つ荒武者のようなアヤカシ。

血祭の名が示すように肌ものように赤く、また極めて荒々しい性格をしているが、意外なほど寛容な一面も持つ。


一人称は「オレ」、二人称は「オメェ」「テメェ」。

 

先代のシンケンジャーが相討ちになりながらも封印した(その際五体をバラバラにされた)が、封印が不完全だったために長い年月の末復活。

後遺症として「この世に現れた直後から水切れ(エネルギー切れ)を起こす」状態になっているため、三途の川に籠りきりになってしまっているものの、それでも圧倒的な力を以て多くのアヤカシ達を配下としており、彼等からは「御大将(おんたいしょう)」と呼ばれる。

 

その割にどいつもこいつも軽いノリで接しているが、外道衆は仲間意識や忠誠心がほぼ皆無な連中なので主従関係は存在せず、ドウコクも放任主義なのか口出しせず好き勝手に暴れさせている。

ドウコク同様に配下を持つアクマロが明確な主従関係を持ち、直々に指示も出す点とは対照的である。


放任主義かつこの世に出られないとなればドウコクができることは特に無いため、日頃は三途の川に浮かぶ本拠地の「六門船」の中に缶詰め。

この世に出られない鬱屈や苛立ちを紛らわすため、薄皮太夫の奏でる三味線の音色を肴にを飲んでいる。

しかし一旦怒って暴れ出そうものなら手が付けられなくなってしまい、もっと酒を飲ませるか、太夫の三味線の音でしか抑えられない。


水切れが早いという事情と、三途の川にシンケンジャーは実質潜入不可能ということもあって、第一幕から登場し続けているが、シンケンジャーとの戦闘は第四十幕が初めてであり、最後まで大ボスとして君臨し続けた。


存在するだけで三途の川に強い影響力を持っていて、雑兵のナナシ連中は三途の川の積み石の隙間から生まれる。

ドウコクの強い怒りに呼応するため彼がいる限り無限に出現し、更にになると力が増大するためそれに伴って三途の川も一時増水する。

その影響で他のアヤカシやナナシ連中も影響を受けて強化され、脂目マンプクや筋殻アクマロが現代に復活、上級戦闘員にあたるノサカマタも発生する等強い影響力を見せる。

ただし夏の力は本人が持て余す程で、制御の為に暫く六門船を離れたが、後に使い熟せるようになった。


外道ではあれどどこか人間臭く憎めないような一面を持ち、短気な性格ながらシタリから慕われている。

また策を講じず力押しを好み、シンケンジャーと壮絶な死闘を繰り広げ、最後に自身が敗れた際も冒頭の不敵な捨て台詞を吐く等最後まで堂々と戦い、その散り際は潔さを感じさせる程であった。


性格編集

気短で荒々しい。

おそらく由来であろう「慟哭」は声をあげて泣き叫ぶという意味だが、彼の場合は泣き叫ぶどころか生まれ持った底なしの苛立ちを抱えている。なので本気で怒ると手がつけられず、太夫と酒以外ではなだめられないという。


だが冗談や軽口には寛容で、その範疇に留まっている程度なら多少の悪ふざけなども気にしない。流石に反乱を起こす、自身に手向かう等度を越した事をした者には制裁したりする。


そのため野心家ゴズナグモに脅されて自身の命惜しさに協力させられたと正直に話したシタリを許したり、そのゴズナグモが自身に敵意を持っている事を知りつつも明確な反乱を起こすまでは六門船に出入り禁止にする程度に留めたり、意外に裁量があり懐は広い模様。


「ゴズナグモよ、残念だったな。もうちょっとで速く動いていりゃ、オレの寝首かけたかも知れねェが、この通りよ!」

「抑え込んだし蓄えもしたぜ。ゴズナグモ!オメェにはちっとばっかし分けやろうじゃねェか?」

ゴズナグモ「いや、ドウコク...待て!話を…!」

「もうおっせェんだよ!」

 

ちなみに常日頃酒を飲んでいる割に酔っ払った場面はないのだが、第十三幕では二日酔いで頭にハチマキをする珍しい光景が。無邪気に鳴くスス木霊「うるせェ!!頭に響くんだよ!!!」と八つ当たりし、シタリは「怒っても二日酔いは治らないよ……」となだめていた(本人によると「酒のせいじゃねェ」らしい)。

 

なおこの場面では「オレが前みてェに人の世に出ていけりゃ、あんな志葉の当主一瞬で片付けてやるものを!!!」と、出撃すらままならない(この世に現れた直後から水切れするレベルのため)事にも憤っており、腹立ち紛れに刀を突き立てて六文船を大揺れさせた際には太夫すら「落ち着け……奴はまだ封印の文字を使えない」と止めに入り、シタリも「あんまりやたらと封印の文字を教えると妙な気を起こすやつがいるかもしれないからね……!!」と進言。これらのやり取りは後々の伏線にもなった。


戦闘力編集

シンプルにとにかく強い


圧倒的なパワーとスピード、丈瑠の斬撃をまともに受けても微塵のダメージも負わない防御力を兼ね備える上、攻撃面でも先代シンケンレッドを簡単に斬り伏せる程の実力を持ち、現代になってもその力は健在。

第四十幕で現れた際には水切れでどんどん乾燥していくというアヤカシとして絶体絶命の状態でありながら、なんと等身大戦最強火力の武器・モウギュウバズーカの「外道覆滅」をも真正面から斬り伏せた挙げ句、(丈瑠が精神的に不安定だったとはいえ)スーパーシンケンレッドを完封して重体にするというデタラメな力を持っている。他のアヤカシとは一線も二線も画する実力を誇り、咆哮による衝撃波も驚異の威力を持つ。


完全復活を果たしてからはスーパーシンケンブルーハイパーシンケングリーンの2人の強化形態がいたにもかかわらず余裕を見せるほど。


一方で、力押しを好むゆえか、剣術に限れば志葉丈瑠腑破十臓ほどの腕前になれば一応は互角程度の戦いは可能。もっとも、その他の能力を含めて互角かどうかは別だが。


純粋な戦闘力以外にも、アヤカシを縛る能力を持ち、圧倒的な力と能力で他のアヤカシを絶対的に支配し、アヤカシ達を束ねる首領として君臨している。ただしはぐれ外道には効果が不十分で、完全に支配することができない。

が、それでもしばらくは動けなくなる等、かなり強力な力を有している事が窺える。

また、アヤカシに自身の力を注いで暴走状態にさせたこともあった。先述のゴズナグモがそれ。


明確な弱点と言うと志葉家モヂカラ。逆をいうとそれ以外は水切れくらいしかないため、倒すには現代でそのモヂカラを唯一使える志葉薫の手助けが必要となる。


深刻な水切れを起こした、絶対的な総大将の最期編集

第四十幕ではとうとうシンケンジャーの前に姿を見せる。

太夫を利用した筋殻アクマロに怒りを爆発させ、シタリの制止を振り切って地上に出現。

シンケンジャーやアクマロを退けて太夫を助けたものの、深刻な水切れで川の底に沈むこととなってしまった。しかし太夫が三味線の嘆きの力を解放したことで復活を果たす。


そして、未練が途切れ外道としての存在が消えかけた太夫を取り込み、人間の存在を得たことで志葉薫の封印の文字や水切れを無効化。地上に三途の川の水を溢れさせてシタリとともに六門船に乗って侵攻、シンケンジャーとの最終決戦を展開する。

乾坤一擲の勝負に出るシンケンジャーにナナシ連中をけしかけて悠々と待ち受け、「来い。絶望ってのを……教えてやる」とつぶやきつつ、突っ込んできたスーパーシンケンレッドと一騎打ちになる。


封印の文字で生じた左胸の傷跡に志葉家の火のモヂカラの一撃を受けるが、意に介した様子もなく6人を圧倒。


「さあ、テメェらが哭くまでどれくらいかかるかな!? さァ、哭けェ!!」と吠えながら圧倒的な力でシンケンジャーを追い詰めて変身解除に追い込んだが、一向に戦意の折れない6人に苛立ち作戦を変更。

薫を討ち取りさらし首にすることで6人を絶望させようと考え、進路を転換した。


だが、壊滅した6人を彦馬が助けに現れ、その姿に奮起したシンケンジャーは再び立ち上がると、途中で薫が捨て身で作り上げた二枚目の志葉家のディスクと、丹波が作った「双」のディスクを受け取り、街中で暴れながら進撃していたドウコクの行く手に先回り。


ドウコク「テメェ等……待ってろといったはずだぜ」

流ノ介「悪いが、俺達はせっかちなんでね」

丈留「お前を倒し……必ずこの世を守る」


怒るドウコクはシンケンジャーとの対決に臨むが、5人がかりの「縛」のモジカラで拘束されたところに、丹波から賜ったディスクで二本になった烈火大斬刀で猛攻を受ける。

シンケンレッドを吹き飛ばして攻撃を中断させたものの、直後にグリーン、イエロー、ピンク、ゴールドに抑え込まれたところに、志葉家のディスクを使ったブルーの太刀を受け、ついに一の目を潰され爆散。

だが、一の目を潰される前に咆哮でシンケンジャーを変身解除に追い込みつつ、二の目で真の最終決戦に臨む。


ドウコク「おのれ…シンケンジャー!!! 生きて終われると思うなあ!」

丈瑠「小出しにするな。残ったモヂカラ全部…一撃に集中する……!!」

流ノ介「一撃……!」

千明「外したら終わりか……」

丈留「だから絶対外さない至近距離まで突っ込む…!! どんなに攻撃されても…バラバラになっても! たとえ折神一体になっても突っ込む!!!」

 

捨て身覚悟で一撃にすべてを懸ける事を決めた6人はそのままドウコクに接近。

 

「テメェ等……何のマネだ……!!」

「この……ッ!! なんでテメェ等は『諦める』って事を知らねェ…!!!」


ドウコクの攻撃で折神が次々に吹っ飛ばされ、サムライハオーテンクウシンケンオーシンケンオーと武装解除されコクピットも徐々に崩壊しながらも、決して怯むことなく突撃するシンケンジャー。

そしてシンケンオーの間合いに捉えられ、全てのモヂカラを込めたダイシンケンの一撃を受けてとうとう二の目を潰され、敗北。


シンケンジャー……!! オレがいなくなっても…いつか、テメェ等も哭く時が来る…!!」

「三途の川の隙間は…開いてるぜ……!!」


その捨て台詞を最期に、シンケンオーもろとも爆発四散。

血祭ドウコクはついに滅び去り、最期を迎えた。



その後編集

ドウコクの死をもって外道衆の地上侵攻は鳴りを潜めることとなったが、後にとある護星天使が彼の姿を真似て外道衆を率いることとなる。


また、彼は数多くのアヤカシを従えていたがそれでもすべてを配下にしていたわけではなく、実際アクマロの部下達やマンプク、アゼミドロマダコダマ等は彼の配下ではない。

 

そうでなくともアヤカシは三途の川のあちこちから自然発生的に出現するので、ドウコクやアクマロ(及びマンプク)といった有力者の配下ではないために本編には登場しなかった者もいるかもしれない。

ドウコクが倒れ外道衆は壊滅したが、シンケンジャーとアヤカシの戦いそのものはこれからも続いていくのだろう。


薄皮太夫との関係編集

かつて六門船の上で暴れまわっていたが、太夫が外道へ堕ちる前の薄雪の頃から新左を待ちながら奏でていた三味線の悲しげな音色を聞いて大人しくなったようで、外道に落ちた彼女を拾い、傍に置いた。

シタリ曰く「人の世の涙をかき集めたような音色で、ドウコクがその音色に耳を傾けない日はなかった」とのことなので、人間の感覚では憂鬱になるような音色なのだろう。

そのため、シタリから太夫には甘いと言われ、他のアヤカシが特異な存在であるはぐれ外道である彼女と険悪になった際には仲裁する様子も見せる。


ただし、十臓の殺害という命令に同じはぐれ外道として親近感を覚えていた太夫が従わなかったため、彼女が大切にしている三味線を壊したせいで離反されてしまった。

このときは完全に自業自得ながら苛立ちを抑えられていなかった。


その後裏切ったアクマロに激怒し、封印の後遺症で水切れが激しくなるにもかかわらず、シタリの制止を振り切って人間界に乗り込み、水切れの症状が進む中、自らの太腿の皮を剥いで三味線の傷に貼り付け修復。

「テメェは外道に堕ちた… 他に行く場所はねェ」と告げたことにより太夫は再び六文船へと戻る。


その後、力を使い果たしたドウコク復活のために三味線(太夫にとっては、これははぐれ外道が命をつなぎとめる「現世への執着」そのものでもある)を手放し、もうドウコクの求める音色は奏でられないと告げた上でドウコクに取り込まれ消滅した。


ドウコクが欲していたのはあくまで悲しげな三味線を奏でる太夫と言ってはいるものの、それを弾けなくなった彼女を介錯する形で自身に取り込んだことや、彼女の打掛を三途の川に流し弔うような姿を見せたことなどから、何か思うところがあったのではないかと考えられるが……。

考察するほど野暮になっていく彼らの関係だが、太夫の打掛を川に流した時にシタリは、


「何て言うんだろうねェ…外道衆のアタシ等に念仏もないだろうし。ドウコク、お前さんも因果だねェ…


との言葉をかけている。この「因果」という言葉こそが、彼らの在り方を的確に表しているのかもしれない。


余談編集




  • ドウコクの声を演じた西凜太朗氏は16年前に俳優として、「五星戦隊ダイレンジャー」の顔出し幹部シャダム中佐を演じていた。また、シンケンジャーの2年後には本家大本とも言える「水戸黄門第43部」第9話のゲスト悪役を演じている(黒幕の使いっぱしりだが…)。

 

  • 海外作品『パワーレンジャー・サムライ』での名前は「マスター・ザンドレッド」。こちらでもアホみたいに強いのだが、なかなか出撃できなかったのは頭痛持ちだからという設定。普段飲んでいるのも酒ではなく頭痛薬酒は百薬の長とは言うものの)。パワーレンジャー側コクピットのデザインが完全に別のものになりながらも、最終エピソードの巨大戦ではメガゾードが攻撃を受けるごとに解除・コクピットが徐々に崩壊していくのは原典と同様。吹き替えは上田燿司氏が担当し、サムライレンジャーのサポーターであるメンター・ジイの吹き替えも担当する。

関連タグ編集

侍戦隊シンケンジャー 外道衆 薄皮太夫 骨のシタリ 腑破十臓 筋殻アクマロ 脂目マンプク


憎めない悪役:上記の性格の大らかな一面や太夫との関係、時折見せる人間臭さからこういう印象を持たれることもある。もっとも、彼自身の性格は普通に外道なのだが。


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ヨゴシマクリタイン血祭ドウコク救星主のブラジラ

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