志葉薫
しばかおる
「皆、思うところはあるだろうが…私と一緒に戦ってほしい! 頼む!」(第四十六幕)
「ずっと、自分の影がどういう人間なのかと思っていた。でも、会わなくても一つだけ分かっていた…きっと私と同じように独りぼっちだろうと…自分を偽れば人は一人になるしかない」(第四十八幕)
「無礼者。年上であろうと、血が繋がってなかろうと、丈瑠は私の息子。志葉家十九代目当主である」(同上)
第四十四幕にて初登場。シンケンレッドに変身する劇中で二人目のレッド。
本当の志葉家十八代目当主で、志葉家の血を引く最後の姫。
武器は志葉家の歴代当主で唯一彼女だけが習得に成功した「封印の文字」、剣術、ハリセン(主に丹波専用)。
自身が生まれる前に戦死した父親であり、先代シンケンレッドである志葉家十七代目当主・志葉雅貴を今でも「父上」と呼び慕っている。
側近格である丹波歳三から、やや偏った教育を受けてきたのにもかかわらず、物事の見方はすこぶる良識的かつ大人びており、他の侍達や、一度も会っていなかった影武者の志葉丈瑠の心情にも思いやり、侍ではない源太に対しても偏見視せず、協力も二つ返事で受け入れる器量を持った人格者。
「侍として影(丈瑠)に隠れて過ごすのは卑怯」と言い、若い身でありながら死に物狂いで封印の文字を習得した努力家でもある。
高圧的で他者を見下す態度を取る丹波をハリセンで叩くのがお約束。ちなみに時代錯誤ということは本人も自覚しており、これは丹波の教育が行き過ぎたせいであると説明している。
また、ここぞという時には上述の(丹波曰く「めちゃくちゃ」)な奇策を思いつき、それをためらわずに実行する等柔軟かつ大胆な発想力や行動力を見せる。
だがそんな彼女のよくできた人柄は、侍としての使命に忠実な流ノ介は元より、千明さえも「もっと憎たらしいお姫様なら、(協力を断るのも)簡単だったのにな」と漏らす等、家臣達を尚更、『志葉家への忠義』と『丈瑠との絆』の板挟みに葛藤させる結果となってしまい、薫自身も彼等や一度も会っていなかった影武者である丈瑠の絆や想いを理解し、自分が現れたためにそれを拗らせてしまったことを申し訳なく思っていた(上述の台詞(一段目、二段目)もそんな彼女の丈瑠や家臣達への優しさや思い遣りに溢れた台詞といえる)。
口調は時代がかっており、凛としているが、本編終了後の作品にゲスト出演した際には、隠居した事で肩の荷が下りたのか、(敵対していたゴーカイジャーを除いて)若干女性らしくなっている。
ちなみに、彼女はシンケンジャーの中でも最年少。当然、息子である丈瑠は彼女よりも年上である。
現行民法では年上を養子にすることは出来ないのが、実際の法律よりも名目上養子として後を継がせることを宣言するのが侍の家系としては重要なのだろう(そもそも当作品の世界の法律が現行法と同じとは限らない)。アラタも丈瑠の母と知った際には驚きと混乱を隠せなかった。
このためか、パワーレンジャー・サムライでは男女のシンケンレッドの関係は血の繋がった姉弟ということになっている。
第四十四幕で衝撃の形で登場して以降、戸惑いや葛藤を隠しきれない家臣達の心情を思い遣りながらも、真のシンケンレッドとしてシンケンジャーを率いていく。
その間、第四十六、四十七幕にかけて、自暴自棄気味に腑破十臓との最終決戦に挑もうとした丈瑠を心配し、彼の元へと駆けつけた流ノ介達に対して、「謀反」と称して憤慨する丹波に対し、丈瑠をはじめとするシンケンジャーの絆に水を差すようなことをしてしまった罪悪感をつぶやき、そんな自身の想いを知った源太と和解する。
そして第四十八幕にて、現世に現れたドウコクとの決戦に挑むが、封印の文字が血祭ドウコクに期待通りの効力を発揮出来なかったこと(直前に半分人間である薄皮太夫を取り込んだため)を理由に、丈瑠を呼び戻し、養子として志葉家に向かえ、十九代目当主とする事で後事を託し、当主から退座。
その後、満身創痍の身体をおして作った志葉家のモヂカラのディスクと共に、息子である丈瑠に使命を託し、ドウコクを倒した後は丹波と共に隠居の身となった。
長い間訓練して習得した封印の文字でドウコクを封印することは出来なかったが、それでもドウコクに傷を負わせることには成功しており、ドウコクに志葉家のモヂカラが有効という証明にもなっている。このヒントを元に志葉家の火のモヂカラを秘伝ディスク作成しシンケンジャーたちに託す。結果的にドウコクを撃破した主な要因は封印の文字を撃ち込んだ時につけた傷と志葉家の火のモヂカラであるため、薫の存在がシンケンジャーの勝利に大きく貢献した形となった。
以後の作品では(丈瑠役の松坂桃李の多忙もあるためか)だいたい、こちらがシンケンジャーの代表的な形で登場する。
『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック on 銀幕』においては、洗脳された丈瑠を救うため、ゴセイカードに強力な炎のモヂカラを打ち込んだ。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11話にも登場。変身出来ず生身ながら、ジョー・ギブケンとも渡り合う剣の腕等を披露。ゴーカイジャーに「大いなる力」を渡した。
一時的に変身した際は女性の身では振り回すのが困難な烈火大斬刀も、蹴りで勢いをつけることで自在に扱っていた。
2013年1月公開の劇場版『特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE』にも登場。
江戸時代から預かっていた手紙をエネルギー管理局・特命部へ届けていた。このキッカケにより失踪した仲間たちは時空を超え過去に飛ばされたことが判明した。
(とある事例を除けば)シリーズ初かつ、2024年時点では唯一の女性レッドである。
『丈瑠は影武者であり、本当の志葉家当主は別にいる』という事は制作当時はスタッフ、出演者の間でも限られた人員にのみが知るトップシークレットであり、志葉薫を演じた夏居瑠奈氏も当初は『薫』という役名だけを知らされた上でオーディションを受けており、演技は勿論、殺陣のテストもあった事から、何らかの戦う役である事はわかったとのこと。
そして、配役が決まった後に初めて、自分の本当の役回りを知らされた際には仰天したという。
最も真の当主の具体的な設定までは制作開始の初期にはまだ決まっておらず、志葉丈瑠の演者である松坂桃李氏が想定以上の人気を得たこともあり、この設定自体を没にするか、あるいは今作と同じく小林靖子氏がメインライターを務めたタイムレンジャーのように主役演じる松坂氏が丈瑠と真の当主で二役演じる案も浮上する、などの紆余曲折を経て『真の当主は女性』ということで制作内部で決着がついたという(因みに真の当主登場時期も当初は秋頃の予定だったという話もある)。
なお第一話のシンケンジャー一同が初対面する場面において当初誰が殿なのか分からず、流ノ介が何故か駕籠で連れられてきた茉子を目前に「殿が女性だったとは露知らず…!」と勘違いするのだが、結果的にその通りだった。
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