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シンケンピンク…邪魔をするな!!!」(第二十五幕)


シンケンジャーなど、わちきにかかれば赤子同然…。これほど心が晴れるのはいつぶりか…」(第八幕)


「…いつか……わちきが『この世の価値』を手放したと言ったな ……ようやく…人であった過去も……手放せる…」(第四十七幕)


CV:朴璐美人間態「薄雪」役も兼任)

スーツアクター:蜂須賀祐一


概要編集

外道衆紅一点。そして、総大将・血祭ドウコクの側近。

姉御口調で一人称は「わちき」、常に三味線を携え不気味な音色を奏でている。

この三味線は仕込み刀になっており、戦闘でもシンケンジャーに引けを取ることはない。

ドウコクを抑えることのできる唯一の存在であり、彼女の前でのみドウコクも甘い一面を見せているが、人から外道になり果てた「はぐれ外道」であるため、他のアヤカシからは蔑意を持たれている。


元々は人間で「薄雪」という名の花魁であったが、かつて愛し合い、身請けすると約束してくれたはずの武士・新左が他の女と祝言を挙げると知って、新左に裏切られた怒りと絶望から、宴席に乗り込み火を放って大勢の人を焼き殺した後、外道に堕ちる。その際に新左を三味線に変えて道連れにした。


太夫「最後まで…最後までわちきではないのかァぁァああ!! …死んでも結ばせるものか……!! たとえ…!!たとえ外道に堕ちようとも!!!」

新左「薄雪……許せ…私は…お前を……」

太夫「…!! 黙れェぇええええ!!!!」(第二十五幕)

 

なお、この三味線は破損した場合でも男性の皮を用いる事で修復が可能で、放っておくと新左のうめき声が聞こえてくる。


その後三途の川にてドウコクに拾われ、数百年間を六門船で過ごす。

これはほとんどが数年で自らを維持できず死んでしまうはぐれ外道には極めて稀な事で、それも未練の強さ故の事。

先代シンケンジャーにドウコクが封印された事で六門船と共に三途の川へ沈み、彼の復活と共に現代に現れた。


シンケンジャーと初めて接触した際、「兜五輪弾」に狙われたところを腑破十臓に救われる。以後、十臓とは似た境遇であることも手伝って、距離を置きつつ密かに援助、支援した。

ドウコクから十臓の暗殺を指示されるも、実行に移さなかった事で三味線を破壊されてしまう。

その際に「腹が立つなら斬ればいい…!!」と反論するが、ドウコクは


「太夫…何百年経とうとテメェがそんな簡単に綺麗サッパリ成仏できるかよ……!!! テメェにそいつは捨てられねェ…そうだろ?」


と一蹴。しかたなく修復の為にこの世に現れて男性の皮を得るための品定めをしていた。

邪魔をして来たシンケンピンクと交戦を行うが、ユメバクラの妨害により彼女に過去を知られてしまう。

 

茉子「…一つだけ聞かせて もう人に戻ることは……」

 

「戻れれば斬らんのか? …なんとぬるい……!!」(第二十五幕)

 

茉子が気を許した隙を突いて襲いかかるも、駆けつけたシンケンイエローが身を挺して彼女を庇い、結果ことはは肩を負傷してしまう。

こうした経緯もあって三味線の修復は失敗に終わり、茉子とは敵同士ながら意識し合う事になる。


第三十三幕にてアヤカシから守るため十臓と共にシンケンジャーを足止め、手始めにシンケンイエローを襲うがシンケンピンクに庇われ、彼女たちと激戦。ピンクの腕が上がったことに多少触れて撤退。

第三十九幕では目立った六門船には戻らずにこの世を彷徨っているところを三味線の修復を条件として筋殻アクマロに雇われ、十臓と共にそれぞれシンケンジャーと対峙。自身はことはと流ノ介を見つけ、彼女等と対決する。

イエロー、ブルーの2人を変身解除させ、川に落とした後丈瑠を襲おうとするが、一緒に行動していた茉子に阻止され、ピンクと激戦を繰り広げる。


アクマロに裏切られていた事を知り、返り討ちに遭うが、水切れを無視してこの世に現れたドウコクに助けられると同時に、ドウコクが自ら足の皮で三味線を修復し返還。

自分を助けるために無理を押してまでこの世に現れ、水切れとなって三途の川の底に沈んだドウコクに投げられた言葉「テメェは外道に堕ちた…他に行く場所はねェ」の意味を考える内に、太夫の「人間であったころの過去」という未練は失われていく。


はぐれ外道として存在するための執念が無くなったことで己の最期を悟り、この世に侵攻。 シンケンピンクと最期の決戦を行い、茉子に故意に斬られることで己の命と残った未練を断ち、三味線に宿る数百年もの間苦しみ続けた新左の嘆きの力を解放した。

その膨大な嘆きの力は三途の川を爆発的に増水させてドウコクを復活させる。


ドウコク「最後の音色、聴いたぜ」

太夫「…そうか」

ドウコク「だが…昔みてェな腹に染みる音じゃなかった。ちっとも響いて来ねェ…」

太夫「あれが……本当の三味だよ、ドウコク。わちきは初めて上手く弾けた…これほど気が晴れたのは数百年ぶりだ」

ドウコク「もうオレが欲しかったテメェじゃねェな」

太夫「昔のようには弾けん …二度とな」

ドウコク「だったら…終わるか」

太夫「あぁ…それもいいな」


息絶える寸前にドウコクと言葉を交わし、そのまま彼に取り込まれる形で消滅。ドウコクの腕には一枚の打掛が残り、彼自身の手で三途の川に流された。 増水した三途の川は外道衆念願のこの世への氾濫を招き、六門船も侵攻。

また、半分人間の彼女を取り込んだ事でドウコクは封印の文字を無効化する事が可能となった。


人間関係編集

白石茉子/シンケンピンク

元々戦うことが多い相手ではあったが太夫の過去を知ったことで同情を抱かれることになる。

因縁のようなものを感じていたのか彼女を自分に止めを刺す相手として選んだ。その関係性は丈瑠ことシンケンレッド腑破十臓のものに近い。


花織ことは/シンケンイエロー

ことはとは三十三幕、三十九幕以外では交戦はしてないが、茉子を襲う時に阻止したのが彼女でもあるため少し縁はある。

イエローに攻撃していた際、ピンクに阻止されたこともある。


ヨモツガリ

自身を除くと唯一の女性アヤカシではあるが、彼女とは気が合わない様子。


骨のシタリ

外道衆においては特に仲間意識が強い彼からは長年ともにいたこともあってか、特に太夫が六文船に戻ってからは同士のような扱いをされていた。彼がシンケンジャー本編において唯一生き残った際も、ドウコクと太夫に詫びる言葉をかけている。


新左

薄雪が外道に落ち、薄皮太夫となるきっかけとなった元凶

死の間際まで祝言の相手に手を伸ばしていため、相手への愛は本物だったと同時に、薄雪への約束は嘘であったと思われる。

今際の際に許せと呟き、彼女に言葉をかけようとしたが薄雪はそれを拒絶。彼女が外道になるとともに新左も三味線となりそのまま数百年囚われることになった。

彼への未練が太夫を長寿のはぐれ外道として生かし、太夫が第八幕で作戦を行った際には花嫁達を拉致することにもつながったと思われる。

しかし、ドウコクの言葉を受けて未練が薄まった彼女は三味線を手放し新左の嘆きを解放した。

その際成仏できたのかは不明だが、迸るどす黒いオーラが呻くような声で何度も「薄雪……」と発するシーンはなかなかのインパクト。


腑破十臓

同じ長寿のはぐれ外道として親近感を抱き、彼を支援していた。

太夫はドウコクによる十臓の殺害の命令を無視したことすらあり、一時的にアクマロの傭兵となって働いていた。

想い人(十臓は妻)の魂が籠った物を所有していたという共通点もある一方で、その扱いや彼らの在り方は実際は反対ともいえ、その最後も人であったときの未練を断ち切り消滅した太夫妻との絆(未練)を断ち切れず外道を失い消滅した十臓と対照的に描かれている。


血祭ドウコク

迎えに来ない新左を待っていた薄雪の三味線の音色が酒と並んでドウコクの苛立ちを抑えたことをきっかけにドウコクが気に入ることになった。

太夫に甘い一面を見せる一方で、自分の命令に従わなかった際には三味線の破壊すら行った。


アクマロに騙されていたのを助けられ、三味線も修復。

「テメェは外道に堕ちた… 他に行く場所はねェ」との言葉を受けてドウコクの元に戻った彼女はそこを自分の居場所と思うようになった。

だが、外道に落ちた人間である彼女の想いは新左への執着。それが薄れるということははぐれ外道としての終わりを意味している。

最後はドウコクのために三味線を自分ごと切らせ、そのまま現世へと侵攻してきたドウコクの腕の中で上記の会話を行い彼に取り込まれた。


会話を単純に汲むならドウコクが気に入っていたのは三味線の音色だけということになるのだが、彼女への態度は死後も含めて執着らしい感情はあった様子が見れる。


スス木霊

三味線の音色に合わせて無邪気に鼻歌を歌うこともあり、一匹がドウコクの手によって船から投げ出され、三途の川の次元の裂け目を伝って人間界の川に流れ着いた際に、人間界に来ていた薄皮太夫に「一人では話し相手がいないから」という理由で拾われた。

太夫に懐くような声を出すこともあり、最後はドウコクに踏み潰された。


海外版にて編集

海外版のパワーレンジャー・サムライでの名前は「ダユウ」(CV:浅川悠)。元人間の怪人という点は同じだが大幅に設定が変わっており……

1.デッカー(パワレンでの十臓)とは人間時代の恋人

2.火災で瀕死の重傷を負ったデッカー。ダユウは彼を助けようとするも、セラータ(アクマロ)に騙された結果、デッカーは記憶を失いナイロック(外道衆)の怪人になってしまった。後を追うように彼女もナイロック怪人になるが、デッカーと異なり記憶は残った。

3、三味線はかつてデッカーにプレゼントされたギターのなれの果てで、デッカーの愛刀「ウラマサ」もダユウが贈ったものとなっている。


余談編集

デザインのモチーフは、弁才天およびウミウシ


花魁としての過去、朴璐美の薄雪としての演技、十臓やドウコクとの関係性などはっきりと言葉で説明されないこともあって、子供どころか大人でも即座に理解しにくい、シンケンジャーのハードな面を担当している人物の一人である。特に祝言に乗り込み火を放つ姿は、流石に具体的な表現こそぼかされているが人によってはトラウマとなりえるだろう。


結果として彼女が外道に落ちた理由である情を受け止めた相手は、彼女が外道となったときから傍にいたことになる。

彼女が新左に裏切られたことは、確かに悲しい過去である。しかし彼ごと大勢の無関係の人間を焼き殺したこと外道衆になってから多くの人間を苦しめたことは決して許されることではないだろう。

また、本気で刀を交えて斬り合う時は逆手それ以外の時は順手と持ち手を変えていたがこれはスーツアクターの蜂須賀氏は元々順手で構える予定だったがフロップの造形の関係上脇差しに近い造形のため順手で持ちにくいからである。

朴女史は平成戦隊最終作でもを演じた。

一応の悪役でありながら、東日本大震災時にはツイッターにてまさかの「ヒーロー」として全国のちびっこたちにエールを送っている。

みんな、わちきを憶えているかい?

薄雪こと薄皮太夫だよ。

お前たちチビっ子ども、なんだか輝いてるね。

あいつら、シンケンジャーを思い出すよ。

どんな時でも挫けなかったアイツらみたいに、

みんなのパワーをわちきにみせてみな!楽しみにしているよ!!朴璐美


関連イラスト編集

ハガレン風?薄皮太夫姐さん。わちきの出番だねぇ


関連タグ編集

侍戦隊シンケンジャー 外道衆 三味線 花魁 アヤカシ 哀しき悪役


暗闇暴魔ジンバ20年前のスーパー戦隊シリーズにおける、過去の悲恋から悪に堕ちた敵幹部の先輩。


プリシャス10年後のスーパー戦隊シリーズに登場する演者が同じ幹部怪人ピンクと激戦を繰り広げたこともある。


エラス:演者が同じ幹部怪人ヒロインに活を入れられた。


堕姫妓夫太郎:同じく遊廓が生み出した怨霊鬼。


鳴女:同じく顔隠し弦楽器使いの側近(中の人次回作女幹部を演じる)。


戀鬼:自らの不幸への復讐の為に多数の無関係な人間まで巻き添えにした怨霊鬼。


紅蓮騎:幸福な恋人達に嫉妬して婚礼に現れては花嫁を傷つけた怨霊鬼。


小林一三:ドラマ「経世済民の男」にて、新左とほぼ同じ事をやらかし、薄皮太夫の場合と異なり最終的に芸者の側と結婚した描写がある。

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