演:松澤一之
概要
志葉家18代目当主志葉薫に使える家臣で実質的に志葉家の筆頭家老的存在ともいえる最高幹部。
良くも悪くも君主を重んじ過ぎる御家至上主義で、家臣の中でも特に志葉家への忠誠心が群を抜いて高く、当主である薫に対し過保護と呼べる程に立てようとするが、その結果、やや偏った教育を施している。
反面、薫以外に対しては基本的に高圧的な態度を取り、志葉家の家臣達、ひいては同じく志葉家の家老的存在である日下部彦馬さえも軽視しているかのようなぞんざいな対応をとる為、周囲の人間からは反感や顰蹙を買うことが多い。
また、影武者である志葉丈瑠や、その協力者の梅盛源太といった侍の家系出身ではない人間に対しては見下す態度すら見せ、丈瑠を「影」呼ばわりしたり、源太を「家臣ですらない寿司屋」と吐き捨てるなどして、千明達やダイゴヨウの怒りを買った(かつて彦馬もシンケンゴールドの加入を拒否しようとしたことがあったが、丹波の主張が「侍の家系の出身でない者がシンケンジャーを名乗るなど不届き、気に食わない」という家柄重視から来る上から目線の理屈だったのに対し、彦馬は「正式な修行を受けていない一般人を戦いに駆り立てるのは危険である」という彼の身を案じての優しさによるものであり、実際彦馬が彼を戦わせないためにスシチェンジャーを一時的に預かる手段に出た一方で、丹波は最初から彼の事など眼中になかった事から特にそういった行動はしておらず、それが幸いして源太は脱隊以降も引き続きシンケンゴールドとして活動できた)。
そんな周囲への高圧的な態度は薫からも快く思われておらず、あまりに度が過ぎる際には物理的な制裁も交えながらたしなめられる。
当初は扇子で額を叩かれていたが、後に第四十七幕で黒子の一人である小松朔太郎が、薫に制裁用のハリセンを用意し、それを気に入って以降はハリセンで叩かれるのが定番となっている。
志葉家へは先代当主 志葉雅貴の時代から仕えており、影武者を立てて、次期当主である薫が「『封印のモヂカラ』を習得するまでの時間を稼ぐ」という計画にも関与していた。
最終幕で血祭ドウコクに「封印の文字」が通じずに敗北した後、薫が丈瑠を養子にすると同時に引退し、丈瑠が第十九代目当主として改めてシンケンジャーを率いるという奇策を思いついた際には、その事を知らされず、丈瑠が当主が座る場所に座っていた時もそこは姫の場所と突っかかり、薫から事を知らされた際には、やはりその奇策にも程がある案に仰天し、「子供(丈瑠)の方が年上ではございませんか!?」と(現実的に考えてみればもっともな)指摘をするが、薫に一喝され、その意向に従う事になった。
その後、一線から退いた薫が重傷の身を押してまで志葉家秘伝のモヂカラを秘めたディスクを作っているときに、薫を心配するあまり丈瑠達の敗北に絶望する言葉を口にし、なおも志葉家の血筋ばかり気にする発言をしたことで、薫に「志葉家だけが残っても意味がない」と叱責されたことにより、思うところがあったのか上記の高圧的な態度をある程度改め、丈瑠を「ご当主」と呼び、薫が作ったディスクと自身が得意とする”双”のモヂカラを込めた秘伝ディスクを渡して激励の言葉を送り、最終決戦の地へ行くシンケンジャー達を見送った。
そして、丈瑠達が無事にドウコクを倒した後も、引き続き薫に従い、丈瑠と彦馬に志葉の家を託し、彼女と共に隠居した(ついでにお見合い写真を押しつけては薫のハリセンの餌食になった)。
客演
『海賊戦隊ゴーカイジャー』にも志葉薫と共に登場。
相変わらずの高圧的な態度でゴーカイジャーに突っかかっていた(こちらは曲がりなりにも海賊相手なので仕方がないが)
バリゾーグの正体を知って絶望し、一人剣術の鍛練に明け暮れたジョーがデラツエイガーと戦う仲間の元へ向かう際に、薫と共に現れて"双"の秘伝ディスクを渡して彼を見送った。
余談
演者の松澤一之氏は脚本を見た際に、「いきなり登場して丈瑠の役を奪う形となった姫に対する視聴者の怒りを引き受ける役」と解釈し、上記の高圧的で嫌味なキャラを演じたという(薫役の夏居瑠奈も、半ば自分の身代わりになる形で憎まれ役を一身に受けてくれた松澤氏に対して、感謝の念を示していた)。実際ヘイトを買う役柄ではあったが、氏の堂に入った小憎らしい演技と最終回の改心もあり、この手のキャラにしては視聴者からの好感度もなかなか高い。
また、脚本の小林靖子は、『アルプスの少女ハイジ』のロッテンマイヤーをイメージしたキャラクターであることを公式サイトで述べている。