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マンプク様は少しばかり真面目過ぎたのだ。シンケンジャーなど、この俺がすぐに潰してやる。奴等も所詮は人間。人の情こそ弱さ…」


CV:坂口候一


データ編集

【身長】一の目・194㎝→二の目・49.5m

【体重】一の目・85㎏→二の目・21.3t


概要編集

第三十一幕「恐竜折神」に登場するクサレ外道衆の残党にして、『泥田坊』伝承のルーツとされるクサレアヤカシ脂目マンプクの元部下である。

全体的に苗が生えた泥の田んぼののような姿をしており、特に顔から腰にかけての右側の上半身が赤黒い蛭の集合体となっていて非常に悍ましい。また、左足の付け根には注連縄の意匠が見られる。さらにヘドロのような外見通り、その全身からは常に強烈な刺激臭が立ち上っている。


大半の外道衆の例に漏れず、外道で卑怯者を地で行く性格をしており、特に女性や子供等の弱者を積極的に人質に取って相手を制し、戦わずして勝とうとする下劣な輩。一方で、シンケンジャーに自分の策が見透かされる事を見越して予防線を張るなど、非常に用心深い性格でもある。

それでいてクサレアヤカシだけあって戦闘力も相応に高く、口からもヘドロを吐いて攻撃する他、数匹の絡み合った蛭を象った巨大な棍棒「水蛭支鋲棍(すいてつしびょうこん)」を軽々と振り回せる。

相手を自分の策で陥れて弄び、そうして弱った相手にこれらの武器や能力で嬉々として襲い掛かる姿は、まさしく外道衆の中の外道衆と評される「クサレ外道の鑑」と呼ぶに相応しい。


主君であったマンプクの事も、一応は倒された後も「マンプク様」と敬称付きで呼んではいるものの、外道衆にしては珍しく武人気質があったマンプクの事やそのやり方を「真面目過ぎた」と言い捨てている。シンケンジャーを狙っているのもあくまで骨のシタリに助けられた手前、彼等幹部達の前で自分の武勲を立てる為であり、別にマンプクの仇討ちなどには関心はない模様。

その一方で、下克上を示唆するような発言までして傍若無人に振る舞いシタリ達の不興を買ったマンプクとは違って、アゼミドロは彼等との関係は比較的良好だった。


とはいえ、彼もアヤカシらしく自分の実力を過信し、用心深くはあるが本質的には人間の事を見下しているのは何も変わらず、それが最終的な敗因となったのも結局マンプクと同じだった。

しかもマンプクを真面目過ぎたと評した通り、比較的少数で人質を取ってシンケンジャーを完封するという、圧倒的な物量による力押しを行ったマンプクとは真逆の作戦を実行したのだが、実際に体力もモヂカラ折神すらも限界までシンケンジャーを追い込んだマンプクに比べて、彼の作戦は普通に裏をかかれてしまっており、結果的には彼が馬鹿にしたマンプクの作戦の方が遥かに効果的だった。


スペシャルDVDでは回想で登場。


劇中での活躍編集

筋殻アクマロの登場によって、彼とそりが合わず六門船に居づらくなったシタリが、賽の河原を歩いていたところ、偶然三途の川の底で眠っていたアゼミドロを発見。

クサレアヤカシにまだ生き残りがいた事に驚きながらも、アクマロに対抗する為の戦力として有用だと判断したシタリは彼を川から引き上げ、復活したアゼミドロは行動を開始する。


シンケンジャー打倒の為に某所にある病院を占拠すると、そこで入院していた坂井竜也という少年を人質に取り、同病院の看護師の山崎彩を脅してシンケンジャーを罠に嵌めようと目論む。

更に予防策として、人質の坂井少年を連れて残った梅盛源太を強襲し、彼からスシチェンジャーを取り上げて彼も人質に取り、「邪智之谷」へとシンケンジャー達を誘い出そうとする。


大勢のクサレナナシ連中が源太達を包囲する中、人質がいればシンケンジャーは手も足も出せないとして、「誰かの為に戦うのは弱い事だ」と嘲笑うアゼミドロだったが、そんな彼等に対してシンケンジャーはダイテンクウによる空襲を仕掛けて一気に形勢逆転。人質と源太を解放される。


丈瑠「クサレ外道衆、今度こそ完全に消えてもらうぞ!」


そのまま6人揃ったシンケンジャーにクサレナナシ連中と共に蹴散らされ、ハイパーシンケンレッドに変身した志葉丈瑠のキョウリュウマルの斬撃を喰らい倒された。


その直後に二の目となって巨大化すると、今度はダイカイオーニシを人質に取る

しかし、これに対しシンケンジャー側は恐竜折神を召喚。その奇襲を受けて人質となっていたダイカイオーを解放されてしまい、最期はキョウリュウシンケンオーのキョウリュウマル天地一閃と、ダイカイオーミナミの海老刀大名おろしの連撃を受けて倒された。


余談編集

デザインモチーフは3種類あり、田んぼが該当。そして名前の由来も、畔(あぜ)と深泥(みどろ)で、泥田坊らしく田んぼに因んだネーミングとなっている。


現代の伝承では『泥田坊』は、「田を返せ!」と叫ぶ全身が泥で出来た一つ目の老人の姿の妖怪であり、シンケンジャー世界においてはアゼミドロの姿を見た者が、恐怖のあまりに特徴的な左半身だけを見て「全身」だと思い込み、それを言い伝えてしまった事がルーツだとされている。

『百化繚乱[下之巻]』にて、デザインを担当した篠原保氏によれば、「鳥山石燕の画集『今昔百鬼拾遺』の泥田坊の横顔をそのまま取り込んだ」らしい。

 

声を演じた坂口氏は前作の『炎神戦隊ゴーオンジャー』でもヤタイバンキ役で出演しており、スーパー戦隊シリーズへの出演は4年連続となる。次回作の『天装戦隊ゴセイジャー』でも続投し、タイマーのバクトフージERというこれまた和風っぽい敵怪人の声を担当する事となる。

 

主にVSシリーズの映画のボスが「本編の敵組織の生き残り(もしくは真の黒幕)」という立ち位置である事は多いが、アゼミドロのように「映画の敵の残党」が本編(それも上司が倒された後の時系列)に出てくるというのは珍しい。そもそもアゼミドロが登場する第三十一幕のエピソード自体が事実上映画の後日談という構成になっており、例年の戦隊映画よりも地続きである事がより強調されている。この当時はパラレル扱いにされがちだったニチアサ特撮の映画の中でも、TV本編との繋がりがしっかりと明示された稀有な例だと言える。

なお、戦隊ロボの方は映画版に先行登場したものが後々本編の終盤に登場する事は多い。


ちなみに後日談という構成上、この第三十一幕の話は完全に劇場版を見ている事が前提の話になっており、劇場版を見ていないと分からない要素がかなり多いので注意。


海外版「パワーレンジャー・スーパーサムライ」ではアイスカーという名前で登場。おそらく隻眼であることから、「目の傷」という意味のEye scarが由来と思われる。

パワーレンジャーでは脂目マンプクに当たるキャラクターは登場しないため、クサレ外道衆独特の異臭はアイスカー固有の特徴として扱われている。こちらではゴールドレンジャー=アントニオだけでなく、日下部彦馬に当たるメンター・ジイを人質に取っている。


関連タグ編集

侍戦隊シンケンジャー 外道衆 アヤカシ クサレ外道衆 泥田坊


脂目マンプク:元主君


ドロタボウ(カクレンジャー):『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した大先輩。

ドロタボウ(魔化魍):『仮面ライダー響鬼』に登場する泥田坊繋がりのライダー怪人。


ケサランパサランのペサラン挫次回作に登場する蛭モチーフの怪人。

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