概要
水を湛えた耕地。水田、田とも言う。漢字だけで表記すると「田圃」。稲を育てる田んぼが圧倒的に多い(稲は田んぼでしか育たないわけではなく、畑で育てる陸稲も存在する)。
中国語では耕地すべてを指して「田」というが、漢字を導入した日本では水田である「た」のみに「田」の字を当てて、乾田である「はた/はたけ」には「畑(火で焼いた耕地)」「畠(白く乾いた耕地)」の字を作って当てはめた。
日本の田んぼ
日本では、春に水を引いて代かきをし、5月ごろ田植えをして、秋になると水を抜いて9月中旬から10月初旬に稲刈りをする事が多い。昔は初夏(6月から7月初旬)に田植えをしていたことが多く、稲刈りの時期も1カ月ほど遅かった。中には8月中に稲刈りをしてしまうところもある。沖縄の石垣島などでは2月に田植えをして6~7月に1回目の稲刈りを行ない、8月に田植えをし、11月に2回目の稲刈りをする「二期作」を行っている。なお、海外の熱帯では「三期作」を行っているところもある。
水を引いたり抜いたりできる、いわば畑と兼用できる田んぼ(乾田)のほか、一年中水が溜まった湿田もある。温暖な地域に限るが、乾田では冬に裏作として野菜や麦といった畑作作物を作付けする二毛作を行っていることがある。
日本では、湿田は排水環境が悪い低地(関東平野の中央部や、濃尾平野の下流側など)に多かったが、稲を育てていない時期に畑作ができないため、かつては「冬の間だけ底の土を掘り上げて乾いた場所を作り、そこで水田には適さない作物を作る」ような荒技もあった。今では改良を受けて、湿田はほとんど見られない。
ほかに、蓮根や田芋(サトイモの一種)、ワサビを育てる田んぼがある。
日本の原風景を象徴するものの一つである。ただし、時代と共に田んぼは変化し続けている。
東方Projectの絵では、幻想郷の風景で描かれることがある。