「こっちがゴクで、こっちがマゴク、そして私はエスケイプ。
すっごくいいモノよ。あなたはいいモノかしら?」(Mission22)
概要
Mission22より登場する、「ヴァグラス」の幹部でありメサイアが生み出した新たなアバター。メサイアを「パパ」と呼び慕っている。
自分で生み出したメタロイドを思い通りに動かなかったという理由で蹴飛ばすなど、メサイアの快楽嗜好をそのまま形にしたような性格。
人間を苦しめ、メサイアを喜ばせること、そして自分自身を満足させてくれるものを「いいモノ」と形容し、それらの「いいモノ」と戦うことを最優先にしている。ゆえにエネトロンを集めることを優先するエンターとは度々いがみ合っている。初戦ではイエローバスターを驚かせた。
また、自分と互角以上に渡り合ったブルーバスターを*いいモノ」として気に入っており、個人的に戦闘を挑むなど強くこだわっている。
黒色を「ゴク」、白色を「マゴク」と呼ぶ2丁の銃剣を武器とし、銃のグリップについている飾りは実体化して襲い掛からせることも出来る。
エンターがメタロイド生成にノートパソコンを用いるのに対し、彼女はタブレットを用いている。
上半身の露出が高い服装だが、Mission29では本格的な戦闘に備えてか戦闘用のボディスーツを着用しており、大幅に露出が減った。
その正体は、13年前の転送によってデータ化した転送センターの研究員一人ひとりのデータを複合させて作られたアバター。「ゴク」「マゴク」はその内のヒロムの母親が大切にしていた、犬の置物の名前から取られたものだった。
亜空間での攻防の末にメサイアが倒された後、メサイアのバックアップデータであるメサイアカードの存在により消滅を免れるが、エンターがそのカードをばら撒くなどの行動をとっていることから彼に不信感を抱いており、メサイアを復活させるため独自の行動をとろうとしている。しかし、エンターが自身の身体にカードを取り込んでいたため、彼に必要以上に逆らうことはできずにいた。
だが、メガゾードζを使用してメサイアを実体化させようとした際、進化し成長するプログラムとしてメサイアを「再誕」させようとする=「復活」させる気など最初から無い、というエンターの真意を理解し、メサイアを「復活」させるべく独自行動を開始する。
ゴーバスターズに撃破されたケンタテロイドからエンターがカード2枚を回収するや、それを奪ってメガゾードζに吸収させ、さらにメガゾードζで捕らえたエンターを「もう私にもパパにもアンタは必要ない」と言い放ちつつ握りつぶし、抹殺した。
そして、メサイアをさらに進化させようと試み、ついにメサイア・リブートとして完全復活させることに成功するが、その際に自身もメサイアに取り込まれ、最終的にメサイアもろともゴーバスターズに倒される形で消滅してしまった。
その後、復活したエンターによって有機物である花を合成され自身も復活、同時にエンターに従順になるようにデータを調整される。これによって彼を「パパ・エンター」と呼び、メサイア同様に認識するようになった。なおこれに伴い過去のメモリーが全て初期化されており、ゴーバスターズのことも忘れていた。この状態でエンターの戦力として前線に出向いており、破壊されてもバックアップデータから再生させられる状況を何度か繰り返しているが、そのたびにメモリーは初期化されている。
しかし再生を繰り返すうち次第にバックアップに欠陥が生じ、やがて「いいモノ」を求めて見境なく周囲を攻撃するようになり、エンターからは「データの残骸」と呼ばれ見放されるまでに状態が悪化。一人残された彼女は、メサイアのようになることを目的に、カラスや犬などの動物をも含めた様々な物を吸収し融合するようになる。その最中に偶然遭遇したゴーバスターズに錯乱状態で挑み、ついには周囲の建造物をも巻き込んでエスケイプζとなるも、ゴーバスターキングに倒され、自身のデータが決定的に破損、完全に消滅した。
皮肉にも、消滅直前のエスケイプの「パパ」は、彼女が「いいモノ」と見なして幾度となく戦ったリュウジであった。
『キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』では、某所に隠されていた1回限りのバックアッププログラムを黒幕によって起動され、エンター共々復活を果たし、デーボス軍に手を貸す。
エスケイプ・エボルブ
Mission37以降登場した強化形態。
エンターに不信感を示したエスケイプが新たなデータを取り込んで変貌した。
通常よりも戦闘能力が大幅上昇し、ゴクとマゴクの鎖部分をムチの様に振り回して攻撃する能力が追加された。その射撃力も更に強化されている。
初登場時にはこの姿でイエローバスターと激戦を繰り広げた。
しかし、エンターによれば、『存在が不安定になる』可能性があるらしく、長くはこの姿でいられない。
花が合成されてからは両腕が巨大な花弁となり、その花から炎を放って攻撃するようになる。そして更に有機物を合成した状態では全身に様々な動物の一部が融合した、さながらキメラのような不気味な姿となっていた。
エスケイプζ
かつてのメサイアのように周囲の建造物と一体化し、巨大化した姿。形状がかつて彼女が搭乗したメガゾードζに類似しており、巨大な花弁と獣の腕を武器とする。
客演
『動物戦隊ジュウオウジャー』第29話:バングレイがマーベラスから読み取った記憶から実体化した、歴代戦隊の悪の幹部の一人としてエスケイプ・エボルブが登場した。
『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』:スーパー戦隊ヴィランズとして参戦し、ワシピンクやサソリオレンジと激戦を繰り広げた。
余談
女性の顔出し幹部は『炎神戦隊ゴーオンジャー』の害水大臣ケガレシアの及川奈央以来である。2010年代唯一かつ平成最後の顔出し女性幹部であり(着ぐるみ怪人が一時的に人間態をとったケースはある)、特殊な作品を除けば、顔出し女性幹部の登場は『魔進戦隊キラメイジャー』に登場するヨドンナを待つことになる。
ゴクとマゴクの元ネタはブリテン島の守護者でたるゴグマゴグ、または聖書における神への敵対者を指す言葉からと思われる。
関連タグ
エスケイプ・エボルブ:強化形態