「絶望!支配!全テヲ!」(Mission3)
概要
人間世界の支配を目論み、エネトロンを強奪する組織「ヴァグラス」の首領。エンターからは「マジェスティ」、エスケイプからは「パパ」と呼ばれる。
巨大な髑髏のような姿で登場しているが、陣曰く「飾り」らしい。
来歴
元は転送研究センターのスーパーコンピューターを管理するメインプログラムだったが、13年前(1999年)のクリスマス、謎のコンピューターウイルスに感染したことをきっかけに暴走し、人間世界を支配しようとし始める。
その際、研究センターの所長にしてヒロムの父親である桜田ヨウスケによって研究センターごと亜空間へと転送されるが、そのまま施設自体を乗っ取り、転送から13年後、研究センターの作業用ロボットを転用した敵メガゾードや自身のアバターであるエンターそして彼が生み出すメタロイドといった配下を率い、亜空間からの侵略を開始する。
性格は極めて自己中心的で我欲も甚だ強い。そのため、現実世界を支配したいという渇望も相まって非常に気性が荒く、度々暴走しそうになってはエンターにたしなめられるパターンがお決まりになっている(エンター曰く「機嫌がいい方が珍しい」とのこと)。これが元の自我の性格か、ウイルスによるバグの影響なのかは不明。
また、人間を苦しめることに快楽を見出しているため、そちらを優先するあまりエネトロンを効率よく集めるエンターの作戦を却下することも珍しくない。そのためエンターも度々「子守は大変だ」などとぼやいている。
ちなみに彼や後に生み出すエスケイプの働きに対しては労いの言葉すら全く掛けておらず、自身のアバターのことは「単なる自己の欲求や願望を満たすだけの駒」としてしか見ていない様子。
こうした支配欲に違わず、その能力も「あらゆる人工物に侵入しそれを半生命体へと作り変えることができる」というとんでもないもの(おそらく研究センターで使っていた転送の仕組みを応用したと思われる)。メタロイドの製造に使用されるメタウイルスもその能力の一部を利用したものである。
また、13年前の転送後、自身と同じく転送された研究センターの職員全員をデータとして吸収、「創造する者達」として使役し、メガゾードを作らせていたことがのちに明らかとなった。
Mission20でエンターがフィルムゾードの能力を使って現実世界に擬似亜空間を展開したことで、一時的に現実世界に出現。
疑似亜空間で人間の苦しみという「快楽」を味わったことで、それ以来、快楽嗜好は一層高まり(※擬似亜空間を作るのにもエネトロンを消費するため、何度も作っていると現実世界に戻るのが更に遅くなる)、Mission22にて「快楽」を味わうためにより都合のいいアバターであるエスケイプを作り出す。
以降、エンターには引き続いてエネトロンの収集を、エスケイプには人間を苦しめ、自分を満足させることを命じる。
そしてMission27にてエンターから「生命体の成長を促進するプログラム」をインストールされたことで「進化」を遂げ、ついに実体を作り出す力を得ることとなる。
メサイアセル
「感ジルゾエンター、私ノチカラガ、ドコマデモ広ガルノヲ!」(Mission29)
成長を促進され進化したメサイアが、Mission29にて中枢の周囲にあった無機物を自身の「生きた細胞」として融合し肉体を得た姿で、本体から生み出された分身体。いわばメサイア中枢と同じ人格を宿した「端末」である。
無機物を吸収して自分の肉体にする上述の能力を応用し、肉体の修復やバスターギアの吸収・無効化が可能。また、過去のメタロイド製造データからメタロイドを複製することができる。
だがこれすらも現実世界に侵攻するためのいわば尖兵に過ぎず、メサイア自身はやがては転送研究センターそのものを自身に融合して巨大な身体を作り上げ、その状態で現実世界に顕現するつもりだった様子。
やがては地球そのものすら融合しかねない状況を危惧したヨウスケが危機を知らせたことで、その前にシャットダウンすべくゴーバスターズが亜空間へと侵攻。再生メタロイドやアバター達と共に彼らを迎撃するが、レッドバスターに中枢であるスーパーコンピューターを破壊され、メサイアセルも他の4人の攻撃を続けざまに受けて撃破された。
メサイアカード
しかし、エンターがあらかじめ取っておいたバックアップであるメサイアカード13枚の存在によって、完全な消滅を免れていた。そのうち11枚がエンターによりばら撒かれ、人工物と融合してメサイアロイドと呼ばれる強化型メタロイドを次々に生み出している。このタイプのメタロイドは、各種データを取り込むことで進化を続け、最終的にメサイアの新たな人格を宿した新たなボディになるとのこと。
Mission42でメサイアカード「06」がデンシャゾード2と融合して変化したメガゾードロイド、さらにそのデータを移植されたメガゾードδが変貌したメガゾードζに人格を宿す形でついに復活。
新たな肉体を手に入れたのち、Mission43にて「09」「12」を取り込み両腕が強化され、更にMission44で転送された素体メガゾード、周りの建造物、ひいてはエスケイプをも吸収し最終形態とも言える巨大な姿へと変貌を遂げる。
メサイア・リブート
「全テハ私ノモノ。私ハ進化シ、支配スル!!」
メガゾードζを核に周囲の建物やメガゾードを吸収してさらに成長・進化した姿。
嘗てメサイアが転送研究センターをベースに起動しようとしていた時の姿によく似ている。
全長960mという巨体が特徴で、圧倒的な攻撃力と防御力を誇る他、あらゆる物体を吸収し自身に融合する事が出来る。
用済みとばかりにエスケイプを自身の一部として強引に取り込み、そのまま地球上のありとあらゆる存在と融合しようと目論むが、ゴーバスターズとの死闘の末、陣の操縦するBC-04ビートルにより加速をつけたゴーバスターライオーに間合いを詰められたうえで、ゴーバスターズ3人とバディロイド3体のワクチンプログラムを注ぎ込んだブーストバスターソード、さらにイグニッショントルネードを叩き込まれ、断末魔とともに再び倒された。
同時にメサイアを構成していた「06」「09」「12」も破壊されたと思われ、エンターが取り込んだ「04」、彼に回収されやはり取り込まれた「07」、および意外な場所に隠されていた「13」にはメサイアの人格は現れなかった事から、メサイアの人格データそのものはこの戦いで完全に消滅した様子。
だが、残された3枚のメサイアカードと自身のアバターであるエンターはその後もゴーバスターズを苦しめ続け、ついには人類にかつてない危機をもたらすこととなる…。
関連タグ
特命戦隊ゴーバスターズ 転送研究センター ヴァグラス エンター エスケイプ
救星主のブラジラ:2年前の作品のラスボスで自称救世主繋がり。
デズモゾーリャ:『爆竜戦隊アバレンジャー』のラスボスで、メサイアと同じく実体を持たない首領繋がり。
凱力大将ブランケン:『魔法戦隊マジレンジャー』の幹部怪人で、こちらも人間界に出たくても出られず欲求不満が鬱積した繋がり。
邪電王ジャビウス1世:『電磁戦隊メガレンジャー』の悪の組織の首領格だが、配下の幹部にラスボスの座を奪われる。更に自身の形見同然のアイテムがいいように利用される。等の共通点がある。しかもこちらはメサイアと異なり、敵対するヒーローとのご対面及び対決どころか存在の認知すらされなかった。