エンター「花や樹の種と同じように、それぞれが目覚め、成長を始めるのです。」
概要
エンターがゴーバスターズの亜空間侵入に際し、メサイア本体をシャットダウンされる前に、予めそのデータを分割してバックアップとして保存していた13枚の黒いカード。エンター曰く「メサイアの種」。
カードの表面に赤色の線が入っているのが特徴で、線の本数はそれぞれのカードの番号に比例している。
メタウイルスカードとは異なり、それぞれのカードがメサイアの意思を宿して自立しており、幹部であるアバター達が操作せずとも、自らが選んだ無機物と融合し、通常のメタロイドより強力なメサイアロイドを誕生させる。一方で、そういった性質からアバター達にもそれぞれのカードの動向は把握できず、いつどこでメサイアロイドが生まれるかも分からない(尤もこれはエンターの嘘で、「04」のカードを取り込んだエンター自身はある程度カードの位置を把握できる模様)。
誕生したメサイアロイドは、メサイアの進化の為に様々な人間に纏わるデータを収集するべく活動する。当初はメサイアロイドはそれぞれ固有の人格を持っているが、データを集めるにつれてやがてメサイア自身の人格や声が現れ始める。
一方で、パラボラロイド2の様に、メタロイドと融合する事でメサイアロイドに強化する事も可能だが、既に自我を持っているメタロイドと融合すると、メサイアの自我に呑み込まれて暴走して適当なデータしか集めない事に加えて、そもそも異物が混ざった影響でデータも役に立たなくなるらしく、少なくともメサイアの進化の為のデータ収集を望んでいるエンターとしてはあまり意味はない。
ちなみに敵メガゾードと融合して誕生したメガゾードロイドが暴走しなかったのは、メガゾード自体が自我を持たない無機物同然の存在だからだと思われる。
また、メサイアロイドが破壊されると内部のカードも消滅するが、消滅する前に融合先から取り出す事は可能。ただし、融合したカードを取り出せるのはエンターだけである。
劇中では、メサイアシャットダウン後に生存していたエンターが再び現れてこのカードの存在を明かし、ゴーバスターズの目の前で「ゲーム」と称してカードをばら蒔いてみせた。
エンターの目的は「メサイアの進化」で、カードから生まれたメサイアは人間のデータを収集してやがて世界を掌握する存在へと進化する、そうなる前に全てのカードを削除できるかと言うのがルールであり、エンター曰く「世界を賭けたゲーム」である。
こうして、ゴーバスターズは各所で前触れなく次々と生まれるメサイアロイドとの、新たな戦いに挑む事となる。
一覧
便宜上、ここではカードの番号順に記載する。なお、一部リンク先ネタバレ注意。
No./関連する存在 | Mission | 融合先 | 劇中で収集したデータ |
---|---|---|---|
01/スナドケイロイド | 33 | 砂時計 | 優秀な人間の頭脳 |
02/ティアラロイド | 37 | ティアラ | 人間の愛 |
03/カラテロイド | 39 | 空手の拳サポーター | 人間の闘争本能 |
04/エンター・ユナイト | 40 | エンター | 無し |
05/ブルドーザーロイド | 36 | ブルドーザー | 人間が造った人工物の強度 |
06/メガゾードロイド | 42 | デンシャゾード2 | 人間の弱気な心/弱さから立ち上がる心 |
07/パラボラロイド2(メサイアロイド)→エンター・ユナイト | 40 | パラボラロイド2→エンター | 適当な物ばかり |
08/パペットロイド | 34 | 鬼のパペット | 人間の身体の構造 |
09/ケンタテロイド | 43 | 日本刀 | 人間の怒り |
10/ルーペロイド | 41 | ルーペ | 人間の欲望(所有欲) |
11/ドームロイド | 38 | ドーム型スタジアム | ゴーバスターエースの戦闘データ |
12/ケンタテロイド | 43 | 西洋盾 | 人間の怒り |
13/??? | ??? | ???/ある人間のデータ |
メサイアロイドの詳細は当該記事を参照。
関連タグ
ジャビウスハート:15年前の悪の組織側のキーアイテム繋がり。更に『悪の組織の首領の遺留品』『首領に下克上をして作中のラスボスとなった悪の組織の幹部が利用する』といった点も共通している。
※以下ネタバレ注意
エンターが、メサイアカードを作った目的は「メサイアの進化」と前述したが、彼のより正確な目的とは自らの手で新たなメサイアを創造して進化させる事である。
彼は最初からメサイアの事を、あくまで「無限に進化するプログラム」として認識して尽くしており、メサイア本体がシャットダウンした時点で、既に元のメサイア自身の事は見限り、彼の興味は新たなメサイアの誕生と進化になっていた。
加えて、当初エンターは人間の事はただ見下しているだけだったが、亜空間での戦いで一度ヒロムに敗北してメサイアを破壊された事で、ヒロムを始めとする人間が持つ潜在能力に興味を持ち、それ故に人間の様々なデータを使ってメサイアの進化を目論むようになった。
エンターにとってこの「ゲーム」で重要なのは、あくまでも進化の為のデータ収集であり、そこから生まれるメサイアの自我やカード自体は大して重視しておらず、後述する理由もあってカードをゴーバスターズに破壊される事にも頓着していない。
当然ながら、カードが失われる程に元のメサイアの情報も失われていくのだが、新たなメサイアの創造を目的としているエンターはそれすらも好都合と考えていた。しかし、これは「メサイアの復活」を目指してカードを守ろうとするエスケイプとは食い違っており、やがて両者は対立していく事となる。
また、エンター自身も自らにメサイアの無限に進化するプログラムをインストールする事で進化を目論んでおり、全てのカードをばら蒔いたように見せかけて「04」のカードを手元に残し、秘かに「04」のカードを自身に取り込んでいた。
ゴーバスターズの前でカードをばら蒔いて見せたのも、この為のカムフラージュであり、後にエンターは取り込んだ「04」のカードによってエンター・ユナイトへと進化を果たす。
一方で、後に「07」のカードに13年前の転送失敗で抜け落ちてメサイアに取り込まれた、陣マサトのデータの一部のバックアップが残っている事が発覚し、「07」のカードを取り込んだパラボラロイド2が、メサイアの自我が目覚めて暴走したのもあって、エンターは「07」のカードを“切り札”と称して抜き出して持ち去り、後に「04」同様に自身に取り込む。
そして、中盤の終わりのクリスマスの決戦で、エスケイプに見限られたエンターが削除され、その後遂に覚醒して復活したメサイア・リブートをゴーバスターズが倒した事で、未だに行方不明の「13」を除く全てのカードが消滅したと思われたが、エンターは何故か秘かに復活しており、彼と融合した「04」と「07」のカードも当然ながら健在だった。
ちなみに「07」のカードは、一度メサイアの自我が覚醒していたのだが、その後はエンターに完全に取り込まれており、メサイアの人格データは既に削除されたと思われる。
そして「04」と、特に「13」のカードについては後述するその役割上、最初からメサイアの人格データ自体が入っていなかった可能性が高く、オリジナルのメサイア自身はこの時点で完全に消滅している(この「13」のカードの特性を見ても、エンターがメサイアを復活させる気など全く無かった事が改めて分かる)。
※以下さらなるネタバレ注意
実は、エンターが目指す新たなメサイアの創造について、彼が考えるその具体的な方法の一つは、「エンター自身が新たなメサイアとして進化する」事だった。
エンターはその為の布石として予めカードを取り込み、そして残りのカードはデータ収集の為にばら蒔き、彼にとって最も重要な「13」のカードはある場所に最初から仕込んでいた。
自身の宿敵と言える桜田ヒロム/レッドバスターの中に......
この「13」のカードの具体的な役割は
1.他のカードが収集した全ての人間のデータのバックアップを保存する。
2.エンター自身のデータのバックアップをリアルタイムで更新して保存する。
3.ヒロム自身と彼が知り得る全データを保存する。
以上の3点になる。
エンターが、他のカードをゴーバスターズに何枚破壊されても頓着していなかった真の理由はこれであり、他のカードが収集した人間のデータは全て、最初から「13」のカードにバックアップが保存されていたのである。
そして、エンター自身は何度削除されても、この「13」のカードに保存されたバックアップを基に、更にアップデート・強化された状態で復活する事ができる。
更に、このカードはヒロム自身のデータを収集しており、ヒロムやゴーバスターズの技や能力やその他の情報を収集し、それをエンターの復元の度に彼にインストールする。
これによってエンターは、「13」のカードがある限り、何度倒されてもその度に強化されて復活できるという最強の状態となっており、しかもヒロムやゴーバスターズのデータを集める事で、彼等の能力を凌駕する力を身に付けて進化していく事ができる。
加えて、カードはデータレベルでヒロムと一体化しているので、通常はまずカードを抜く事は不可能であり、おまけに「13」のカードには自衛機能があるので、ヒロム自身が自ら命を絶つ事も許されない。
エンターにとっては、最初から重要なのはこの「13」のカードだけで、極論を言えばそれ以外の全てのカードを破壊されても特に問題はなかった。つまり彼がゴーバスターズに仕掛けた「世界を賭けたゲーム」は、最初からどう転んでも彼が独り勝ちをするように仕組まれていたのである。
クリスマスの件で、エスケイプに殆んど抵抗せずに破壊されたのも当然わざとであり、これによってエンターはメタウイルスカードを使わずに、しかも命を持つ植物や虫と無機物を融合させてメタロイドを作り出す能力を獲得した。更にヒロムのウィークポイント等の情報も把握してしまう。
そして、その後も何度か削除と復元を繰り返した結果、遂にエンターはゴーバスターズの完全上位互換と言えるダークバスターへ変身可能になり、これによってゴーバスターズの技を完封し、最早ゴーバスターズではそもそも倒す事自体ができない、史上最大最悪の天敵として完成してしまう。
しかし、上記した「07」を通じて「13」のカードに保存されていた陣のデータの一部を利用した、陣の本体を犠牲にした捨て身の作戦で、「13」のカードは除去・破壊される。
これによって、エンターは収集したバックアップとダークバスターへの変身能力を失い、エンター・ユナイトに弱体化した上での最終決戦で、死闘の末にゴーバスターズ5人が始めて披露した必殺技「ボルカニックオールバスターズアタック」によって敗れ、最終的に「04」と「07」のカードも消滅した。
こうして、メサイアカードはその全てが破壊され、それと同時にヴァグラスも完全なる滅亡を迎える事となった。