概要
レッドバスターこと桜田ヒロムの父・桜田ヨウスケがセンター長を務めていた研究施設。
この世界の人類にとっての重要なエネルギーであるエネトロンの専用タンクがわざわざ建造されるほどの大規模な施設だったらしい。
その名の通り物体をデータ化して転送する技術の研究がここで進められており、特命部の黒木タケシ司令官も当時この施設の職員として勤務していた。
しかし物語開始より13年前(新西暦1999年)のクリスマスの日、施設内のコンピューターが正体不明のウイルスに感染しバグが発生。そのバグは意志を持ち、瞬く間に施設のメインコンピューターを占拠して暴走を始めた。この意思を持ったバグこそが後に人類側からヴァグラスと呼ばれる敵組織の首領・メサイアである。
なお、現実社会においては1999年当時2000年問題が取り沙汰されており、クリスマス当日の12月25日は元旦の1週間前だが、この事件との関連性は不明。
暴走したメサイアがネットワークを通じて世界中に影響を及ぼしかねない状況下で、事態を重く見たヨウスケは被害の拡大を防ぐ為、施設全体を亜空間へと転送。最悪の事態は防がれた。
このとき、ヨウスケはいずれ起きるであろうメサイアの現実世界への侵攻に備え、転送やメタウイルスへの耐性と超人的な力を付与する「ワクチンプログラム」を3人の少年少女、そして3体の作業用ロボットに投与したうえで現実世界に帰還させた。この奇跡的な生還を果たした少年少女こそ、後にゴーバスターズとしてヴァグラスと激しい戦いを繰り広げることとなる3人である。
だが、それと引き替えに負った代償は決して小さいものではなく、この3人やロボット達の、そしてある男の運命を大きく狂わせる事となってしまった。
一方、亜空間へと転送されたメサイアは施設を己の活動拠点とし、センター内の職員達をデータ化して自身の宿るメインコンピューターに取り込み、メガゾードなどの転送を行う「創造する者達」として使役。体制を整え、自身の分身たるエンターと共に内部の転送装置や彼らを利用してメガゾードを現実世界に送り込み、機械による地球の支配を目論む。
尚、敵の拠点となってしまった施設は転送から13年経った劇中にて、ゴーバスターズ達から「ヴァグラス基地」と呼ばれる様になった。
ヒロム自身、この施設が巨人のような姿で出現した夢を見た事があり、実際に亜空間でも巨人が地中に埋まっている様な外見をしている。
その理由は、メサイアが亜空間を脱出し現実世界に顕現した後に全てを支配すべく、施設を元に自らの身体を構築していた為。結局後述の様に当施設はメサイアの中枢諸共崩壊したが、後にバックアップを介して現実世界に帰還、完全復活を遂げたメサイアはヴァグラス基地を模した姿で顕現した。
Mission30でレッドバスターがメサイアの中枢とも言うべきメインコンピューターを爆破した為に施設は崩壊したが、肝心の装置や機能等は無事らしく、何の影響も出ていなかったのか、続くMission31以降もメガゾードの製造と転送は引き続き可能となっており、毎回メタロイドの誕生と共に敵メガゾードも製造・転送されていた。
尤もメサイアの中枢が崩壊した原因は、その真下でゴーバスターエースとメガゾードεが交戦し、そこでεが爆散した際の爆風による物。更にεを操っていたエンターは、エースがメサイアの中枢に肉薄したタイミングで交戦を仕掛けていて、その影響で間接的に中枢が破壊される様に誘導していた疑いがある。
事実、施設崩壊から程無くしてエンターは、独自に取っていた『メサイアのバックアップ』を用いてメサイアロイドを創造。更にはそれらバックアップの一部を自分等に仕込み、事実上ヴァグラスのトップとして振る舞う様になる。
前々から合理性の欠片も無いメサイアの横暴に振り回されていたエンターだったが、上の推測が正しければ彼はゴーバスターズの基地襲撃を逆手に取り、主に報復を果たしてその後釜をまんまと手に入れた事になる。
もっとも、エンター自身はメサイアの本質を「無限に進化し成長するプログラム」と解釈しており、こうした行動は「消えたら消えたでバックアップからまた育てれば良い以上、中枢が破壊されても支障はない」という徹底した合理的思考によるものでもあった様子。
Mission43においてバックアップからメガゾードζおよびメサイア・リブートとして現実世界へ再臨を果たしたメサイアだったが、ゴーバスターズとの決戦の末に敗北し、その人格が消滅。
残されたバックアップを利用し「新たなメサイア」として君臨しようとしたエンターもFinalMissionにおいて、亜空間でバックアップを全て失った上でゴーバスターズに完全敗北し、消滅。更に最終決戦の余波で不安定になっていた亜空間も崩壊を始め、それにセンターの残存施設も巻き込まれる形で完全に崩壊、消滅した。
関連タグ
特命戦隊ゴーバスターズ ヴァグラス メサイア(ゴーバスターズ)
黒木タケシ:元職員。
陣マサト:黒木の同期でエンジニア。彼の亜空間からの帰還は仮初の物でしか無く、最後は自分の生きた証である相棒を残し、他の犠牲者と同じく消滅した。
デイブレイクタウン:『仮面ライダーゼロワン』に登場する廃墟で、同じく主要人物の運命を狂わせる災厄が起こった場所繋がり。敵の本拠地になっている点も共通。