概要
『ウルトラマンタイガ』第16話にて登場した因子。
その名の通り、ウルトラマンジード最終回でジードに倒された最凶最悪のウルトラマン、ウルトラマンベリアルの遺伝子。
『タイガ』、『Z』の作中に登場したものは赤い液体の姿をしているが後述の事情からこれらはあくまで抽出したものと思われる。
一応ベリアルはレイブラッド星人の遺伝子を持ったレイオニクスの一人である為、恐らく因子の中にはレイブラッドの遺伝子も存在する可能性が高い。
その破片は宇宙各地に散らばっており、劇中ではヴィラン・ギルドがオークションで販売していたものをチブル星人マブゼが競り卸し、バイオ融合獣スカルゴモラやニセウルトラマンベリアルを作り出した。
タイガたちの助太刀に現れたウルトラマンゼロから、この因子を悪用しようと企む輩がいることが明かされ、ゼロ自身もそうした悪党の行方を調査していた。
次作『ウルトラマンZ』ではベリアルの息子(厳密にはクローンが近い)ジードことリクが捕らえられ分析された際に「純度の高いベリアル因子」というセリフで再登場することになった。
彼から抽出されたベリアル因子を使い、セレブロはベリアルのウルトラメダルを生成することに成功した。
デビルスプリンターとの関係
『Z』では怪獣を凶暴化させる謎の邪悪な因子デビルスプリンターが宇宙の各地で混乱を巻き起こしており、また悪用を目論む存在もいるなど共通点が多かったが、後にこちらもベリアルの細胞の一部である事が判明した。
ベリアル絡みの邪悪な因子という点で共通点があるものの、ベリアルメダルの作成に失敗した際の「デビルスプリンターのみではだめか」という発言と、その後に狙われたリクがベリアル因子を持っていたことからどうやら違う扱いがされている様子。
実際、ベリアル関係の再現に使われたベリアル因子と、怪獣の凶暴化や復活のみに関係するデビルスプリンターを同じものとして考えるとやや矛盾する点があるというのも事実である。また、デビルスプリンターは「細胞の一部」とはされているが、「遺伝子」であるとは一言も言及されていない。
少なくとも、劇中での描写を観る限り、デビルスプリンターは怪獣のコンディションに影響を与えたり、メダルを生成したりするための触媒としてのはたらきが強いことが見て取れる。
今後、設定等で同じもの、あるいは直接関係しているものになる可能性はあるが、現時点ではベリアル因子とデビルスプリンターはベリアルを元にしている以外は異なるものではないかと思われる。
製作されたもの
第16話にて登場。伏井出ケイが怪獣カプセルで変身したものとは異なり、ゴモラとレッドキングの細胞をもとに、ベリアル因子で制作した。
第23話にて登場。ウルトラマンたちの抹殺を図るザラブ星人、ゴドラ星人、スラン星人と共謀して作りだしたベリアルの偽者。
『Z』第7話にて初登場。セレブロの手によってジードからベリアル因子を転送した液体(と作中の推測からデビルスプリンター)を組み合わせて生み出された。すぐに砕けてしまったデビルスプリンター製のものと異なり、ほかのメダルと同じように使えるものとして生成された。始めはカブラギ・シンヤが所持していたが、とある一件でナツカワ・ハルキの手に渡った。ウルトラマンゼロとウルトラマンジードのウルトラメダルを組み合わせると、それぞれの力が共鳴して、ウルトラマンベリアルアトロシアスライズメダルへとパワーアップする。
『Z』第15話にて初登場したウルトラマンゼット・デルタライズクローの専用武器。グリーザ内で誕生した「宇宙の穴を縫う針」がグリーザに融合されかけたジードのベリアル因子に反応して生成された。自我を持ち、会話が可能。
余談
ウルトラマンジードの第1話では、レムが朝倉リクから「Bの因子」を採取・検出している。
こちらも「ベリアルの因子」の意味である。
『Z』においてリクがベリアル因子として分析されていたことを鑑みると、こちらもベリアル因子のことであった可能性もある。そうなるとジード自身もベリアル因子から生み出された存在なのかもしれない。
単発エピソードで断片的に描写された出来事が直後の続編作の伏線になっていたというパターンはウルトラシリーズではあまり前例がなく、非常に珍しいといえる。