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「古き友は言った──」

「そんな貧弱な攻撃、マジウ~ケ~る~~!!」

「マジヤバだ…」

演:木下彩音

概要

ルーブジャイロに酷似した謎のアイテムを持ち、愛染マコト/チェレーザと同じく様々なエレメントを宿した怪獣クリスタルを使って怪獣を召喚する謎の人物。第11話より登場。

謎のアイテムは本人曰く「本物のジャイロ」で、湊兄弟や愛染マコトの所有するルーブジャイロとは異なったオレンジ(あるいは濃い黄)色の紋様が描かれている。このジャイロを使うことで怪獣が強化される模様。

湊兄弟側にもチェレーザ側にも属さない第三勢力的存在であるらしく、チェレーザは対面した際に若干たじろいでいた。

その正体や目的は謎に包まれているが、念力のような超能力を使用したり、作中の描写の数々(後述)から、少なくとも普通の人間ではないことだけは確かなようだ。

青い瞳が特徴的で、外見上は美少女と言っても差し支えない。口調は男勝りだが、口数は非常に少なく、初登場回では一言も喋らなかった。

表情も乏しく感情をあまり表に出さず、どことなく機械的で冷たい印象を受ける。その為、人間味のあるチェレーザと違ってミステリアスな雰囲気を醸し出しており、チェレーザ(の憑依しているマコト)が白系統のファッションで身を固めているのに対して彼女はほぼ黒い衣装、と様々な面でチェレーザとは対照的。ちなみに爪の色(ネイル?)は赤、青、灰色の三色。

ただし、アサヒが何者なのかを調べる為に接触した際、彼女のペースに飲み込まれて感情を露わにしていたほか、「ゲキアツ」など俗っぽい言葉を使う事があったり、ザラブ星人が自分に化けた姿を見て「私はあんなツリ目じゃない!」と怒るなど、どこか人間臭い一面もある。

また、湊兄弟に「死んでくれ」と告げるためだけに何の変哲もない特産品の饅頭を持ってきて食べさせる(他人に頼みごとをする時には礼を尽くすのがこの国のやり方という理由で)という、常識に疎い面も見せる。

基本的に誰に対しても冷淡な態度をとるが、アサヒにだけは彼女からの頼みごとを嫌々ながらも引き受けたり、彼女の言葉を「友の言葉」として覚えようとするなど、優しい顔を覗かせることもある。

初登場回である第11話からOPに姿が追加されたが、作中で名前が明かされなかった第13話までは「謎の女性」名義となっていた。

「美剣サキ」の名はアサヒから名前を聞かれたことで、一度は「次までに考えておく」としたものの結局押し切られて名乗ったもの(地球で活動する際の名前はこの時まで考えていなかったようである)。

このやり取りを受け、アサヒからは苗字を取って勝手に「ツルちゃん」というあだ名を付けられた。

第16話では漢字表記が美剣沙姫であることが明かされている。

どうやら兄弟がいたようで、作中の行動の数々はその兄弟が1300年前にしでかした「ミス」の尻拭いをするためらしい。その為、自分のことしか考えていないチェレーザと違い彼女なりの大義があるようだが、その詳細は不明。

尚、1300年前というのは綾香市に妖奇星が落下したのと同じ時期だが…?

劇中での行動

初登場した第11話ではチェレーザに回収されずに放置されていたホロボロスのクリスタルを回収し、これを強化復活させてオーブダークロッソブルへと差し向けた。

第12話では、一度回収したホロボロスを再び召喚した他、湊アサヒに対して何やら意味深な視線を向ける。

ラストでは看護師に変装してアイゼンテックに侵入し、ボロボロなチェレーザに接触。オスカー・ワイルドの言葉を引用し、ロッソブル偽物と称した。

第14話では、ルーブジャイロが故障し意気消沈していたチェレーザ(愛染マコト)に自身が使用しているジャイロを渡しグルジオキングの怪獣クリスタルを使用させる。彼をアサヒと初接触した際に残したウルトラマンベリアルのクリスタルをロッソとブルが使いこなせるかどうか見極める為の当て馬にしたり、ダーリンを自分の配下に収める等の暗躍を始めている。

力に飲み込まれ、暴走したグルジオキングへの対怪獣拘束システムの使用と解除を利用して綾香市民にアイゼンテックへの不信感を植え付けて信用を失墜させると、第16話にて愛染の肉体からチェレーザを分離させ、空気清浄機の中に封じ込めて追放。正気を取り戻した愛染は自転車旅行へ出かけてしまいまんまとアイゼンテックの新社長に就任。その後、「謎の塔」を建設しようとしていることが分かった。どうやら謎の怪獣ルーゴサイトが関係しているようで…?

アサヒと出会ってから人間の女子高生由来の文化に興味がでてきたようで、自撮りの「盛れる角度」の研究やギャル語に挑戦する等の活動もしている。

ただし、それらの行動は街を滅茶苦茶に破壊するグルジオキングをバックに自撮りしたり、必死に怪獣を倒そうとしているウルトラマンを無邪気な口調で嘲ったり地球の危機を伝えるのに軽いノリで演説したりと(アサヒに「笑って可愛く言えば大抵のことは通る」と言われたことが切っ掛け)、彼女の価値観が常人とズレていることを浮き彫りにする結果になっており、特にギャル口調でウルトラマンを嘲った際には配下のダーリンですら若干引いていた

古き友

愛染マコトの「格言」と同じように、嘘か誠か実在する歴史上の人物の言葉を「古き友は言った」と引用する癖がある。

放送終了後には「#美剣サキの古き友」というハッシュタグが付けられ、その人物と共にいるサキのイラストが公式Twitterに掲載されている(イラストを担当しているのは、イラストレーターである旭天満。旭は劇中や公式Twitterでアサヒが描いている絵も担当している)。

同じ人物が登場することもあり、特にオスカー・ワイルドの登場率が高い。

彼女が本当に歴史上の人物と親交があったのか(そもそも面識があったのか)は不明だが、アサヒに年齢を聞かれた際に「途中までは数えていたが覚えていない」と返していたことから、少なくとも長い年月を地球で暮らしていたことは間違いないと思われる。

話数引用された言葉人物
第12話ほとんどの人間はニセモノだ。彼らの思考は誰かの意見、彼らの人生は模倣、そして彼らの情熱は引用だ。オスカー・ワイルド
第13話願いが正しければ時至れば必ず成就する。徳川家康
第14話人生は舞台である。人は皆、役者だ。ウィリアム・シェイクスピア
第15話不正義よりも厄介なもの、それは力を持たぬ正義だ。オスカー・ワイルド
第16話天国への道を知るには、地獄への行き方を知らなければならない。ニッコロ・マキャベリ
第17話他人の悲劇はうんざりするほど退屈だ。オスカー・ワイルド
第18話期待はあらゆる苦悩のもと。ウィリアム・シェイクスピア
第19話彼らがなす最大の害は、人びとを善人と悪人に分けてしまうことだ。オスカー・ワイルド
第20話あらゆる生あるものの目指すところは、死である。ジークムント・フロイト
小説楽観主義者はドーナツを見るが悲観主義者はドーナツの穴を見るオスカー・ワイルド
EXPOまずはできるって言う。方法はそれから。円谷英二

余談

演者の木下彩音は、湊アサヒ役の其原有沙と年が近かったこともあり、撮影中にすっかり意気投合して仲良くなったという。

上記の様に看護師に変装したことのある彼女だが、社長就任前はアイゼンテックを訪れる度にその格好になっていた他、アサヒと初めて接触した際にも、高校制服の様な衣装を着用する等、やたらと変装(コスプレ?)する機会が多い。

第17話でアサヒと共にハロウィンの衣装としてガッツ星人のコスプレをした際は「私はこんな恰好など、しなくていいのだが……」と発言しているため、変装は趣味などではなくあくまで怪しまれない為にしている可能性が高い(尚、コスプレはアサヒと共に可愛く決まっているので一見の価値あり)。

サキが携帯している「本物のジャイロ」だが、プレミアムバンダイにて商品化決定が発表された際は『DXルーブジャイロ ―美剣サキ仕様―』名義で呼称された(参考リンク)。

サキのイメージカラーはであるが中のシャツやジャイロには黄色が配されており、同じく黄色がイメージカラーであるアサヒと共通する。

作中ではアサヒと接触する機会が多いこともあり、視聴者間では「サキの持つ謎がアサヒの正体に関与している」との説もあった。

企画当初に登場が予定されていたミオが敵役ではなくなったため、それに代わる存在として追加された。一時期はアサヒを登場させずサキが湊家に妹として迎え入れられるという展開も検討されており、先代ウルトラマンの妹という設定はこの案の名残である。最終話の結末でもアサヒが消滅してサキが代わりに妹になるという案も存在した。また、当初の脚本では過激なキャラクターとして描かれていたが、愛染がコミカルな路線であったことや絡みの多いアサヒとの対比から寡黙なキャラクターに改められた。

関連項目

ウルトラマンR/B ウルトラヒロイン 敵女 ダークヒロイン

石刈アリエ前作にて物語の途中で参戦した女性キャラ繋がり。

レイバトス:「それまで風変わりな敵しかいなかった作品内において、一般的な悪役らしい振る舞いのキャラ」という点は彼を想起させる。

グランドギドラ:「知能が高く、自らの意志による行動力が優れてる」という点で共通。

ダージリン星見純那:実在する偉人の言葉を引用する女性キャラクター。特に後者は放送時期が被っていたので連想する人も多かったのではなかろうか。

ロケット団ムサシレジーナアイワーン:青い瞳を持つ敵女繋がり。

アルマ:ブラコンで、人間不信、黒い衣装に男性的な口調など、数多くの共通点がある。彼女を説得した周囲の人物の性格も湊兄妹に似ている。

伏井出ケイ愛染マコト(チェレーザ)・美剣サキ霧崎

正体と過去(本編および小説版ネタバレ注意)

実は湊兄弟よりも遥か昔にルーブジャイロに選ばれ、ロッソとブルに変身していた兄弟戦士の妹であり、グルジオボーンの本来の変身者である。

当時の服装は同じ星力を授かったあの人とどこか似ている。

元々サキと兄のロッソとブルは戦乱の絶えない惑星サンジャの争いで親を失った戦災孤児であり、蜘蛛の様なエイリアンのバクバーバが養母を営む孤児院「バクバーバの家」で育っていた。

サキ達はバクバーバから「生きるためには悪人の命を犠牲にすることが正義」と教え込まれ、施設の子ども達を生かすために犯罪者を襲撃しては金品を強奪、場合によっては殺害する裏稼業をしていた。しかしサキは悪人とは言え他の者の命を奪うことに疑問を抱くようになる。

そんな中、惑星ドンタクにいる怪獣ネーロを倒す依頼を受けた事とその依頼の結末をきっかけに精神を病んでしまい、この宇宙の平和が弱者の犠牲によって成り立っている事に疑問を抱き、自分もまた虐げる側だと感じていた。

やがてバクバーバが売名のために三兄妹の噂を流し、これまで手にかけてきた宇宙のギャングの仲間たちが報復のために周辺宇宙に現れるようになってしまう。

逃亡者となったサキ達は、逃げ込んだ惑星アルハラで水不足に悩む住人達を救ったことで、初めて奪うのではなく与えることで感謝されることの喜びを知るが、宇宙ギャングからは逃げられずやがて惑星O-50へとたどり着く。人々に与える力を得るためにサキは戦士の頂に認められウルトラマンとなることを望んだが、二人の兄はおとぎ話と取り合わなかった。

ギャングから逃れるために山越えすることになった際、麓で山小屋を経営する少女フラウをギャングから救うために犠牲にしようとした行為が光の輪に認められ、サキ達は力を授かりギャングが差し向けたマーゴドンを倒すことが出来た。だが肝心のウルトラマンの力はウルトラマンの存在を信用していなかったロッソとブルに渡り、サキは怪獣グルジオボーンになってしまった。

サキは憤慨しつつも自分たちの力を人々を救うために役立て、やがては星間連盟に認められバクバーバの家に帰ることになったが、そこでバクバーバの悪行とこれまでの依頼の真相を知ってしまい、激情に駆られたサキはその勢いでバクバーバを抹殺。

再びギャングに追われる身となったサキ達だったが、紆余曲折を経て連盟の指示で活動が出来るようになり、怪獣であることを悩んできたサキも惑星ネプタで怪獣であるが故に人を救うことが出来、感謝されたことで与えられた力の意味を見いだすのだった。

そしてある日。青い仮面をつけたウルトラマンがルーゴサイトの遺伝子を組み換え、ルーゴサイトは滅ぶべきでない星をも手当たり次第に襲撃する災厄となった。

惑星O-50から知らせを受けたサキ達は、指令に従いルーゴサイトが出現した惑星をおとりにして三つのジャイロを使って実体化を図ったが失敗。液体化したルーゴサイトに飲み込まれていく住民を見捨てられず、変身してルーゴサイトを惑星から引きはがしたが、ルーゴサイトはガスに戻り勝ち目のない戦いが始まった。

互いの技のぶつかり合いで生じたワームホールによって戦いは別次元の宇宙に移り、ルーゴサイトはサキを地球もろとも破壊するべく光線を放つが、二人の兄が彼女をかばい光線の直撃を受ける。

最後の手段として兄達はルーゴサイトを1300年周期の軌道に吹っ飛ばしたが、力を使い果たして妹共々地球に落下。しかも妹を残し、人間体としての死体も残す事なく消滅する形でその場で絶命してしまった。(これが綾香市誕生伝説の真相である)「グリージョ、おまえは生きろ!」と言い残して…

兄達を犠牲にして一人生き残り悲しみにくれるサキは、バグバーバや星間連盟がそうしたように、O-50が命じたように、正義と平和のために心を鬼にし彼らの妹としてたった一人で果たせなかった使命を果たそうとしていたのだった。

アサヒとの接触が多かった(およびイメージカラーに黄色が配されていた)のも同じ「ウルトラマンの妹」であったからだと思われる。それ故何の努力もせずに自分が得られなかったウルトラマンの、それも兄の力を手にした湊兄弟やO-50の英雄であるウルトラマンオーブの猿真似を行うチェレーザの存在は許すことが出来なかったのだった。

しかし、家族を失った悲しみに囚われるあまり「ルーゴサイトを倒すこと」だけに執着し、その結果自分もろとも地球を自爆させようとする(地球上の生命に対し、警告以外全く何もしていない)という兄達が命を懸けて守ろうとした星と命を踏みにじろうとするという本末転倒な事態に陥っている。

また、湊兄弟たちと協力する気は更々なく、彼等が歩み寄ったり協力の申し出も断っている。表向きは地球を犠牲に確実に葬るためと述べているが、「ウルトラマンであること」以外特別ではないただの人間を信頼できないことと同時に、万が一彼等がルーゴサイトを倒した場合、兄(及びそれへ実力が届かなかった自分自身)が湊兄弟以下と言う評価が生じてしまうことを無自覚に避けているような節がある。

皮肉にも、自分の目的のために他者の犠牲を厭わないその姿はかつて捨て駒として利用したチェレーザと何ら変わらないものであった(だからこそ兄達と異なり怪獣にしか変身できなかったのでは、という考察もある)。むしろ、最初に光の輪の存在を知り、ウルトラマンの力を欲したにもかかわらず、結果手にしたのは兄達であり、心のどこかでウルトラマンの、全員を助けるという正義を偽善と感じていたのかもしれない。

端的に言えば、『ウルトラマン』にまつわる自分のコンプレックスを1300年も引きずり続けている節があり、それにより悲観的で頑なな性分になってしまっている様子。

因みに、格言の引用が多かったオスカー・ワイルドは退廃や懐疑的等のネガティブな内容が主流だった19世紀末文学の代表人物とも言われている。彼と出会った際にお互いの性分が一致、心の傷を舐め合って一時期気を紛らわしたが、それでよりコンプレックスを拗れさせた可能性がある。

それでも湊兄弟をウルトラマンとは認めずに戦いを繰り返したが、第21話にて「(ただの人間の家族でしかない自分達は)別に本物になんかなりたくない」と開き直られたどころか「家族は絶対に守る」という決心を新たにした湊兄弟に敗北、「お前も倒さないし、地球も爆破させないし、ルーゴサイトにも勝ってみせる」と止めは刺されずに見逃される。そして、「ただ兄貴達の復讐をしたいだけなんじゃないのか」とカツミに指摘されるが…

サキが素性を明かした第21話以降、公式Twitterの「#美剣サキの古き友」は彼女の回想が描かれるようになった(このことに関して、イラスト担当である旭は「ラストへ向けて少しテイストが変わってくると思う」と発言している)。

そして冒頭には以下の文章が付けられている。

「古き友は言った___

…いや、この星に「友」などいたことはない!

話数続く文章イラスト
第21話…あの日から…ロッソ、ブルと共に落下していくグルジオボーン
第22話これまでも、そして…戦火の中で泣き叫ぶサキ
第23話…そして、これからも…ッ!光が宿る樹を手にやって憎しみ交じりに見つめるサキ

第24話(さらなるネタバレ注意)

ついに実体化したルーゴサイトを、地球と自分もろとも爆破して倒そうとするも、アサヒの願いで駆けつけたロッソとブル(カツミとイサミ)が自分を守る後姿を見て、兄たちが死の直前に遺した「お前は生きろ」という遺言を思い出し、自爆を思いとどまった。

しかしその影響もあって、ルーゴサイトの攻撃からロッソとブルを、今度は自分が庇ったことで致命傷を負う。

最期は自分のジャイロをアサヒに託し、彼女に自分の本当の名前が「グリージョ」(イタリア語で灰色を意味する言葉)であることを明かした後光となって消滅した

「お前たちに会えて、私はハッピー…」

こうして、変身アイテムを託すという、ネクサス以来の後継者への譲渡が行われた。

それも男性ではなく、女性同士でのこの展開は(基本的に男子向け作品が多い)特撮でかなり珍しいとも言える。

なお、この回放送後公式Twitterに挙げられた「#美剣サキの古き友」は、「兄たちは言った──── お前は生きろ……。」であり、イラストは死ぬ間際の兄たちの姿であった。

死ぬ寸前になって、サキ=グリージョは本来の自分を取り戻すことができたのかもしれない。

最終回。

サキは姿を現すことも、蘇ることもなかったが、公式Twitterには以下の文が上げられた。

真の友は言った────

ハッピーは、地球を救う!と─────

関連項目(ネタバレ)

ジャグラスジャグラー:サキと同じ宇宙の出身(と思われる)にして“ウルトラマンを助ける役目”を与えられた戦士、そしてウルトラマンへのコンプレックスから道を違えた男。彼は誰よりもウルトラマンになることを望んで厳しい鍛錬を積んできたが、ウルトラマンの力を親友が得たことでコンプレックスを抱く。そして戦いの中で幾つもの不遇が重なった結果、コンプレックスが“どんなことをしてでもウルトラマン(親友)に勝つ”執着に変質。親友と別れた後、ウルトラマンと対極の存在の力を使ってでも親友を倒そうとした。

カミーラ主人公が変身するウルトラマンと対立するダークヒロイン繋がり。

ハンターナイトツルギ:「ある敵を倒すために力を授かったが失敗、復讐のために犠牲を顧みない行動をとる」という点で共通。美「剣」との名前繋がりもある。

鹿島田浩:「ウルトラマン嫌いであるものの、本来は根底の善意が隠されている」という点で共通する人物。

斎田リコ溝呂木眞也:中盤まで主人公やウルトラマンと対立しながらも、最期は主人公たちを救い、そして看取られながら亡くなった人物繋がり。

バズド星人アガムス:『ウルトラマンデッカー』のメインヴィラン。彼もまた復讐心に取り憑かれ、「人類及び地球ごと滅亡させる」ことを目的に暗躍していたが、主人公の必死の説得によって復讐の呪縛から解かれ、和解へと至った。しかし、彼もサキと同じくその直後にラスボスの攻撃から主人公を庇い、消滅してしまった。

ビブリー:一見ヒーロー嫌いながら怪獣を召喚したり怪獣に変身したりと戦い方が共通するダークヒロインで、ウルトラ6兄弟を彷彿とさせている6人の少女達と対決した。

ビナー(モンスト):家族(こちらは姉)を失った悲しみに囚われ、己の目的のためだけに家族が守った世界を滅ぼすという本末転倒な道を歩んだ妹繋がり。だがこちらは度重なる裏切りや邪悪な欲望に翻弄された挙句、姉の死が完全に無駄になるというどうしようもないところまで追い込まれた末に凶行に及んだため、非常に評価が難しい存在である。

哀しき悪役

劇場版では

ルーゴサイト暴走の真の元凶たる闇のウルトラマンとの戦いの最中、ジャイロやクリスタルの残留思念か、それともあの世から一時的に舞い戻ったのか、光となって死亡した筈のサキが現れ、アサヒに光の戦士になるための力を与えた。

その時の「古き友の言葉」は、「天使は、苦悩する者の為に戦う」

それはフローレンス・ナイチンゲール|の言葉。

「看護士になりたい」という親友の夢も応援するかのように___。

余談ではあるが、劇中彼女はグランドキングメガロスホロボロスなど、グルジオ系統以外の怪獣にも変身して戦っている。

彼女の育て親のあるエイリアンの言葉通り、サキに怪獣にしかなれない素質のようなものが備わっているのなら、これらのグルジオと異なる戦闘躯体は、ウルトラマンだった兄たちのような四大元素に準じたタイプチェンジと似たようなものかもしれない。

ただし、現時点では公式情報等の判断材料が少ないため、あくまで憶測の域を脱していないので注意。

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