概要
小説『蒼い瞳の少女は灰色と名乗った』に登場する怪獣で、植物と動物の両特性を持った怪獣。挿絵がないためどんな外見をしているのかは不明だが、かなり奇怪な見た目をしているらしい。
星間連盟にも顔が利く宇宙の実業家ラルゴ曰く、その強さは「海千山千の怪獣ハンターが討伐に向かったが生きて帰ってきたものはいなかった」という。
惑星ドンタクに生息しており、体から出す特殊な胞子で植物を育成する能力を持ち、ドンタクの先住民族であるボスコ族の間では豊穣の神や外敵からドンタクを守ってくれる守り神として崇めまつられている。
その一方で10年に一度、ボスコ族の村で一番美しい娘を生贄として差し出すよう要求しており、生贄を出さないと怒って暴れだす。ボスコ族ではネーロの生贄として選ばれることは非常に名誉のあることであり、生贄の娘はその体を美しく清め、花束を持っていくのだという。劇中グリージョは知り合った生贄の少女ビアンカに運命に抗うよう説得しても怪訝な顔をするばかりだった。
ラルゴの前評通り無敵で不死身の怪獣だが、その実態は怪獣態と本体が分離していると言うもの。地球の冬虫夏草のように、光る球体状の本体を生贄の娘に植え付けること不死性を保っている。
ビアンカがいるためにグリージョもうかつには手が出せなかったが、最終的にはロッソとブルを守るためにグリージョの手によってビアンカごと本体を焼き尽くされ討伐される。
このことでグリージョは精神を病んでしまい、ロッソとブルもまた自分たちに力があれば傷つくことはなかったと考える。そしてグリージョは弱者の犠牲によって成り立つこの世界のシステムに疑問を抱くようになった。
関連項目
後にグリージョたちの育ての親バクバーバによって明かされたネーロ討伐ミッションの真相、それは星間連盟の思惑だった。
表向きは未開拓地であるドンタクの近代化のための討伐ミッションだったのだが、本当の目的はラルゴがドンタクに眠る大量のレアメタル採掘のために邪魔なネーロを始末するためのものであり、グリージョたちは知らない間に彼らの思惑の片棒を担がされていた。
その結果、守り神でもあったネーロを失ったドンタクはラルゴが差し向けた傭兵部隊によってボスコ族もろとも森を焼かれた上にレアメタルを取り尽くされてしまった。
その計画を練ったのが星間連盟であり、資産価値の無くなったドンタクを買い取り物資転送基地に変えている。