概要
山本弘によるSF小説シリーズ。
怪獣が存在する世界で、その被害を「自然災害」と判断した政府が気象庁に設けた対策部署「気象庁特異生物対策部」略して「気特対」に所属する主人公達の活躍を描く。
主人公達はあくまで「気象庁の職員」であるため、実際の災害と同様に調査・分析・対抗策の考案が仕事であり、現場での対応(怪獣と戦う)のは自衛隊の仕事である。
モンスター・マグニチュード
タイトルにもあるMMとは、怪獣を体重により等級化する単位「モンスター・マグニチュード」の略称。
概ね怪獣の体重が重い程、その強さや被害規模が大きくなる。
「MM9」の怪獣は、史上類を見ない強大な怪獣である。
作中世界の日本では、MM0(体重1トン)未満の怪獣(ドラマではM)を妖怪(ドラマ版ではS)と呼称している。つまり、ピグモンは妖怪であり、大入道は怪獣である。
怪獣6号 固有名「ヒメ」
第二話「危険! 少女逃亡中」から登場する少女型怪獣。体重96トン、体長20メートル。
10歳程度の人間の全裸少女を14倍に巨大化したような外見で、テレビ中継では児ポ法にひっかかってしまい、映像にモザイク処理が行われる。
光線めいた青白い光の粒子を攻撃手段や防御手段として用いる。
自身のサイズを変える能力を持ち、通常の少女と同サイズの140センチに収縮することもできる。
後の話にもメインキャラして登場、怪獣と戦うウルトラマン的な役割を担う。
やはりというべきか、実写ドラマ版では登場しなかった。
おもな登場怪獣・妖怪
MM9
MM9-invasion-
MM9-destruction-
サブタイトル | 怪獣・妖怪 |
---|---|
消された時間/ヒメの告白/異星人襲来/黒い巨像 | アブソーラス ゴウキング チルゾギーニャ遊星人 |
怪獣神降臨/光の女神 | メカモグラ ガラコブラ ギガント チルゾギーニャ遊星人 ゴス カガミ メドゥサ・アンドロメダ |
トワイライト・テールズ
※この他、人間と共存するUMAや妖怪、世界各国の怪獣映画をモデルにした怪獣などが、過去の怪獣災害の例やわき役などで登場する。
書籍版の表紙の怪獣イラストは開田裕治氏が担当した。
TVドラマ
『MM9-MONSTER MAGNITUDE-』というタイトルで2010年に全13話が放送された。
上記の理由によりほとんどがドラマオリジナルである。なおEDの影絵という形で原作の怪獣が登場している。
キャスト
藤澤さくら-石橋杏奈
朏万里-尾野真千子
灰田涼-高橋一生
森橋光一郎-中村靖日
山際俊夫-松尾諭
曽我部健介-?
室町洋二郎-皆川猿時
案野悠里-加藤貴子
久里浜祥一-松重豊
四元良成-粟根まこと
氷室真琴-平山浩行
二田良秋津-橋本愛
スタッフ
製作総指-樋口真嗣
監督-樋口真嗣 古厩智之 及川中 登坂琢磨 田口清隆
脚本-伊藤和典
プロデューサー-登坂琢磨 宮川洋紀
おもな登場怪獣・妖怪
M確認ス、気特対出動セヨ!/マイルール | 卵 こんにゃく岩 |
守ります 人と自然と この地球。/脱出!禁忌ノ森 | 山の精霊 |
吠谷町M防衛線 | シッポン |
O mio babbino caro | 水壺仙 |
山、動く/認定 | |
密着!気象庁特異生物対策課24時 | ザメゴン アサマンダ ヌーさん バタバタさん メガドレイク |
新世界 | |
それぞれの聖夜(イヴ) | スカイウォーカー |
M、胎動/終わりと始まり | フルドネラ |
余談
監督が片渕須直で全26話のアニメ化も検討されていたがペンディングとなっている。
そのときに書かれたプロットの一部が「MM9―invasion―」「トワイライト・テールズ」に使用された。
コミック化したいと漫画家玉越博幸から申し出があったが、その時期にアニメ化の企画が進んでいたために、山本原作で女ターザンものである『魔境のシャナナ』が連載された。
ドラマ版の監督の一人田口清隆はその後ウルトラシリーズの監督になり、怪獣デザインの楠健吾は『ウルトラマンオーブ』の新規怪獣デザインを担当した。
山本はドラマ版の内容は自身のエンタメに対する考えとは違うと、ブログでの記事やカクヨムでショートショートという形で吐露している。