スクリュー尾のガー助
すくりゅーおのがーすけ
アメリカ合衆国のモンタナ州にあるフラットヘッド湖で目撃された未確認生物(UMA)で、本国ではそのままフラットヘッドレイクモンスター(Flathead Lake Monster)、もしくはモンタナ・ネッシーと呼ばれている。
その他にはハーキンマー・モンスターとも呼ばれるが、詳細は後述するがこの名は日本で名づけられたものである。
1962年に『SFマガジン』誌で、このUMAを古書を通じて知った前衛科学評論家の斎藤守弘が、スクリュー尾のガー助という名で紹介したのである。
斎藤によるとこの日本独自の名は、その古書にあった「スクリューテイル・・」という表現と怪獣の鳴き声「ガー」から名づけたもので、「ハーキンマー」は愛称として掲載されていたものであると話している。
同湖には奇妙な鳴き声の生き物が棲んでいるとインディアンに伝承されていたが、最初に目撃例が記録されたのは1889年のことで、周遊蒸気船の船長ジェームス・C・カーと乗客が船に近づいてきた丸太かボートだと思っていたものが、実は大きなクジラのような生物であると気づいたというものだった。
なお、それから同湖では年に2回程度、4月から9月に多く目撃されるとされ、一生のうちに一回でも目撃できれば幸運であるといわれる存在であるといわれている。
その後、潜水技術が向上した1964年にダイバーが潜って調査したが発見できなかった。
そんな中で1993年には多数の目撃例があり、夫婦か親子と思われる2匹が泳いでいる様子が何度か目撃されたといわれるが、2016年を最後に目撃されていないという。
その姿はブロントサウルスやプレシオサウルスのような首が長いもの、蛇のようなくねくねしたもの、ボーリングのボール状、またはチョウザメのような頭にウナギのような体であるなど目撃者によって一定しない。
一般的には正体は細長いシロチョウザメではないかといわれているが、同湖での漁獲例がほとんどないためにいまだに謎である。
日本で最も知られている目撃例は、1968年に湖畔に住む一家が船着き場に体をこすりつけているアヒルのような嘴を持つ巨大な生物を目撃したという話である。
この目撃例では、カモノハシ竜(ハドロサウルス科)の「トラコドン」のような姿だったとされる。ただ實吉達郎は、一貫して「「ハーキンマー」は捏造」としながら著書『不思議ビックリ世界の怪動物99の謎』でモデルを「コリトサウルス」『UMA/EMA読本』では「コリソサウルス(トラコドン)」としている(1970年代辺りまでハドロサウルス類は「水中の恐竜」説が普通だった)。
1970年代に日本で発行された未確認生物関連の書籍では、斎藤の考案した名(尾を省略したスクリューのガー助としても)で紹介されたばかりではなく、この未確認生物のものだとされるあまりにも鮮明な恐竜の写真が掲載されたのでさらに有名になった。
※もちろん旧復元図の姿である
なおこの写真は、斎藤のあずかり知らぬところで編集部が独自に掲載したもので、元は現地の親子が恐竜カードか人形を元に作ったのだが、あからさますぎるために本国でも忘れ去られていた合成写真だといわれている。