概要
漢字表記は「蝶鮫」。
硬骨魚綱チョウザメ目チョウザメ科に属する魚。硬骨魚類の中でも最も原始的な1グループ。
外見が鮫に似る為この名があるが、鮫とは全く分類が異なる魚である。
日本では古く「龍魚」と呼ばれた。
ヨーロッパ・アジア・北アメリカのそれぞれ北部に分布。狭義には、単にチョウザメと表記した場合その内の1種Acipenser medirostris(サハリンに分布)を指す。
吻が突出する北アメリカ産のヘラチョウザメ、恐竜と共に絶滅してしまった古代種のペイピャオステウス類、全長6~7.2m、非公式も含めれば8.6mにも及ぶ世界最大の淡水魚であり、ドナウ川やカスピ海などに分布する/していたロシア産の巨大種のオオチョウザメ/ベルーガ、 全長7mで絶滅宣言されてしまったシナヘラチョウザメなどがある。
北海道に土着の2種は絶滅した。つまり、日本のチョウザメはすべて絶滅している。しかし、時には放浪個体が現れることもある。
- 再発見されたクニマスを除き、日本の河川に分布した絶滅魚類はチョウザメ2種のほかにミナミトミヨとスワモロコがいるらしい。
淡水産、若しくは遡河性(産卵の為に河を遡上するが普段は海で暮らす魚)。体には菱(ひし)形をした板状の硬鱗(こうりん。『ガノイン鱗』とも)が縦に五列並び、体はほぼ円筒形で吻(ふん)が突出する。体は灰青色から褐色で腹部は白い。
口はサメのように獲物を咬み千切る構造にはなっておらず、吻の下側、口の前方に位置する4本のヒゲで海底の様子を探り、カニや小型の魚などの底生動物を吸い込んで捕食する。
中国では黒竜江省などの満州が名産地の1つであり、清朝の皇族にとっては「祖先の地の名産品」だったので、皇帝の食卓に上る事も少なくなかった。
卵の塩漬けはキャビアと呼ばれ、世界三大珍味のひとつに数えられる。
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | スタージョン | Sturgeon |
ドイツ語 | シュテーア | Stör |
スペイン語 | エストゥリオン | Esturion |
イタリア語 | ストリオーネ | Storione |
フランス語 | エステュルジョン | Esturgeon |
フィンランド語 | サンピ | Sampi |
ロシア語 | アショートル | Osyotr, Осётр |
モンゴル語 | ヒレム | Khilem, Хилэм |
ベトナム語 | カータム | Cá Tầm |
韓国語 | チョルガプサゴ / チョルガプサンオ | Cheolgap-Sangeo |
中国語 | 鱘(シュイン) | Xun |