データ
19世紀にアメリカ西部のジュラ紀後期の地層から発見された、全長20メートル以上に達する大型の竜脚類。ブロントサウルスとは「雷の爬虫類」を意味するギリシャ語に由来する。「雷の~」と名付けられた背景については、アメリカの伝承に登場する、稲妻を伴って天空を疾走する巨獣「サンダーホース」の伝承に因む説や、足音が雷のように轟きそうな巨体だという説など、諸説ある(竜脚類をカミナリ竜というのはこのため)。
かつては体が重いので水中で生活していたと考えられていた。
現在では横隔膜がないことから否定されている。
分類について
この恐竜は長年アパトサウルスの同属異名(ジュニア・シノニム)のひとつとされ、属としての独自性が否定されていた。しかしこの名称に愛着を持つ研究者が多かった事から、現在ではアパトサウルスも含む竜脚類の通称として名前が残される事となった。
だが2015年のポルトガルの研究チームが、ブロントサウルスにはアパトサウルスとは別属である証拠が多いという論文を発表し、再び「ブロントサウルス」の学名が復活したのである。
アパトサウルスの5種の内、A.アジャックスとA.ルイザエはアパトサウルス属のままだが、かつてブロントサウルスの模式種(基準になる種類)とされたエクセルスス種とパルブス種、発見当初エオブロントサウルスとされたヤナピン種がブロントサウルス属に再分類された。
因みにこの「属」というのは「科」の下、「種」の上に位置する分類を指す。
今回の場合元々、
- 「科」=ディプロドクス科
- 「属」=アパトサウルス属
- 「種」=アジャックス種、ルイザエ種、エクセルスス種、パルブス種、ヤナピン種
となっていたもののうち「エクセルスス種」、「パルブス種」、「ヤナピン種」の3種がアパトサウルス属から新分類「ブロントサウルス属」として離脱し、
- 「科」=ディプロドクス科
- 「属」=ブロントサウルス属
- 「種」=エクセルスス種、パルブス種、ヤナピン種
と再分類されたという事である。
フィクションでの扱い
『怪獣王子』:主人公伊吹タケルの相棒ネッシーはブロントサウルスという設定(2話サブタイトルでは「プロントサウルス」と誤記)。火を吹くが、アメリカ側の要望によるもの。本作では怪獣と恐竜の線引きは曖昧になっており、これは敵側も同様。
『のび太の恐竜(1作目)』:ブロントサウルスの群れが火口湖から現れる。舞台年代は白亜紀なので、2006年版ではアラモサウルスに差し替えられている。
『ダイアクロン/トランスフォーマー』:ダイアクロンの恐竜ロボブロントザウルスは水陸両用の機体という設定。
この恐竜ロボは後に『トランスフォーマー』のダイノボットに転用され、ブロントザウルスはスラージに流用。地球の恐竜を参考にサイバトロンの科学者ホイルジャックと軍医ラチェットが作った密林戦士という設定で、地割れを抑えるパワー自慢だが頭は良くない。
『トランスフォーマーV』:恐竜戦隊の海魔兵ライリュウはブロントサウルスのサイボーグを相棒とし、水中戦が得意という設定。
『勇者エクスカイザー』:スラージの変形を踏襲した海将サンダーガイストは海では俄然強みを見せる。
『ウルトラマンG』:怪獣ギガザウルスはブロントサウルスの変異体。
『古代王者恐竜キング』:宇宙海賊ザンジャークの首領ジャークの相棒ブロントはアパトサウルスの属性違いの特殊個体。本名はジャークも認知しているが「強そうだから」とこう呼んでいる。
因みに残りのザンジャークの恐竜ギガスとマキシムス、アルマトゥスはブロントと同じく制作当時に曰く付きだった学名に因む(アルマトゥスのみ有効名だが、その正当性には疑問符がつく)。
またオリジナルのアパトサウルスの二つ名は「不滅の雷竜」。