概要
属名は「二又の梁(はり)」と言う意味であり、背骨の形態にちなんでいる。アメリカ西部のジュラ紀後期の地層・モリソン層から多数の化石が発見されており、当時の恐竜ではカマラサウルスと並び数の多い恐竜であった。
全長22~33メートルにもなる大型の恐竜だが、推定体重10~20tと竜脚類としてはかなり軽い方である。これは全体的に華奢な体型である事に加え、骨の各所が軽量化されている事による。
長い頸と長い尾が特徴で、通常時はこの頸と尾を水平に保った状態でバランスを取りながら、ゆっくりとした歩調で歩いていたと想像される。長い尾は高速で振りまわす事も可能で、肉食恐竜に対する強力な武器ともなったとされる(が、これに反対する意見もある)。
また、近年ではよくイグアナのように棘状の背鰭(クレスト)を持つ復元で描かれるが、これは近縁種の皮膚痕化石にそのような痕跡が確認されたから参考にされただけで、ディプロドクス属にそのような特徴があったかは定かでない。
化石は「化石戦争」で知られるオスニエル・C・マーシュによって記載されたが、その際命名されたロングス種は化石が部分的過ぎて模式種に相応しくないとして、現在は疑問名となっている。
新たに模式種となった第2の種・カルネギィ種は、発掘の支援をした鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに由来している。保存状態のよい化石が発掘された事から、カーネギーが寄贈した復元骨格を各国の博物館で見ることができる。
なお、以前は別属とされていたセイスモサウルス・ハロルムだが、現在では「ディプロドクス・ハロルム」というディプロドクスの1種として扱われており、史上最大級の脊椎動物だったということになる。