ダイアクロン隊3つの誓い
1.正しいことには勇気を持って行動しよう!
2.平和を愛する優しい心をわすれるな!
3.ワルダー軍団と戦おう!
概要
『ミクロマン』の後継シリーズとして1980年にタカラ(現:タカラトミー)よりリリースされた。登場メカのデザインの多くはスタジオぬえが手がけており、河森正治や宮武一貴もメカニックデザイナーとして参加している。
講談社のテレビマガジンでは、成井紀郎による漫画が連載された。
テレマガ版漫画の終了後、カーロボット展開時に小学館のてれびくんでも『チェンジ戦隊カーロボット』という漫画が連載されているが、これをきっかけにてれびくんでのタカラ関連の玩具展開(テレコマ戦士やワタルなど)がされることとなる。
※漫画版の詳細は、下記参照。
ちなみに『ダイアクロン』の名前は、「ダイヤモンドのように固い友情のもとサイクロンのように激しく戦う」を意味している。
玩具について
1/72スケールで統一されたビークルに搭乗可能なフィギュア(インチマン)はミクロマンよりも更に小サイズ(2cm弱)となっており、乗り物やロボットは一部の商品を除いてフィギュアを搭乗させて遊ぶ事ができるようになっている。フィギュアは手足の付け根と膝が一軸可動するほか、足の裏には磁石が埋め込まれていて、ロボットの鉄製の部分に吸い付くようにして立たせる事ができる。ただし、実在の乗用車や兵器に変形する後期シリーズからはスケールが約1/48に変わり、更にはフィギュアを乗せられない商品も登場するようになる。
また、『S.F.3.D』でお馴染みの日東科学よりパワードスーツを主軸にしたプラモデルが発売され、新たな年齢層の開拓や世界観の拡大に貢献した。
玩具は日本のみならず世界各国で若干の仕様変更を加えた上で発売されており、フランスではダイアクロン隊のメカであるガッツブロッカーが敵側のリーダーとなり、更に『ミクロマン』の後期商品ミクロチェンジシリーズもラインナップに加えるという異色の展開でジョーストラ社より発売されていた。
ストーリー
198X年、深刻なエネルギー不足に苦しんでいた各国は地球の核にて原子力の数倍のエネルギーに相当する超物質「フリーゾン」を発見。その恩恵により飛躍的な発展を遂げた世界は199X年に「マクロゾーン」と呼ばれる5つの連邦国となり、メトラゾーン・日本シティに設置された超コンピューター「ランドマスター」を中心に各都市型コンピューターで管理されていた。
だが、ランドマスターは起動と共に宇宙からの星間メッセージをキャッチ。それは宇宙の侵略者「ワルダー」にエネルギーを奪われ、今まさに滅びの時を迎えていた異星人から地球人に向けた警告であった。ワルダーは宇宙の彼方にある大暗黒星雲の中心に位置する惑星ワルダーにて高度な科学力をもって繁栄していたが、エネルギーの乱用により補充がなければ数年で死の星と化す運命にあったのだ。
この危機的状況を打破すべく、帝王ワルダーはかつての繁栄の原動力となったフリーゾン獲得のために探査船を宇宙に派遣。調査の末に豊富なフリーゾンを持つ地球を発見し、昆虫軍団を率いるインガム将軍に地球攻撃の任を与えた。
幾多の惑星からエネルギーを奪いつつ壊滅に追いやり、地球へと迫りくるワルダーの大船団。一方、地球側も勇気と情熱を持った若者達が世界各国より集結し、地球防衛隊「ダイアクロン隊」を結成。ワルダーに対抗するための様々な戦闘メカを開発し、迎撃の構えを見せていた。戦え!我らのダイアクロン!!
ラインナップ
(pixiv百科事典内に記事があるもののみ記載。リブート版に関しては同名のマシンの記事を参照)
『トランスフォーマー』との関わり
1984年にアメリカの玩具メーカー・ハズブロ社が『ミクロマン』の「ミクロチェンジシリーズ」や他の日本の玩具メーカーの変形ロボット玩具共々『トランスフォーマー』として発売し、世界的なヒットを生んだのは広く知られている事だが、『ダイアクロン』からは実在の自動車や兵器がロボットに変形するシリーズ後期の商品「カーロボット」や「トリプルチェンジャー」シリーズなどが選ばれており、その時点で企画段階にあった商品も製品化されている。「人が乗って操縦するロボット」から「自らの意思で動くロボット」という設定に変更されたために隊員のフィギュアは廃止されたが、搭乗スペースはそのまま残されている。
ダイアクロンにおける商品名 | 日本版TFにおけるキャラ名 |
---|---|
バトルコンボイ | コンボイ※1 |
カーロボット・チェリーバネット | アイアンハイド ラチェット |
カーロボット・ポルシェ935ターボ | マイスター |
カーロボット・ランチアストラトス | ホイルジャック エグゾースト |
カーロボット・J59ジープ | ハウンド |
カーロボット・リジェJS11 | リジェ |
カーロボット・フェアレディZ | ストリーク プロール スモークスクリーン |
カーロボット・ハイラックス | トレイルブレイカー ホイスト |
カーロボット・消防はしご車 | インフェルノ |
同上クレーン車タイプ | グラップル |
カーロボット・シティターボ | スキッズ |
カーロボット・カウンタックスーパーチューニング | サンストリーカー スピンアウト |
カーロボット・ニューカウンタック | ランボル タイガートラック |
カーロボット・コルベットスティングレー | トラックス ロードレイジ ラウドペダル |
パワードコンボイ | ウルトラマグナス デルタマグナス |
恐竜ロボ | ダイノボット |
ジェット機ロボ | ジェットロン |
建設車ロボ | ビルドロン |
トレインロボ | トレインボット |
可変戦隊トリプルチェンジャー・ジェット機タイプ | ブリッツウイング |
ワルダー軍団 昆虫ロボ | インセクトロン |
パワーダッシャー・F1ダッシャー | アラゴン(ロボットポイント特典景品)※2 |
パワーダッシャー・ジェットダッシャー | クロマー(ロボットポイント特典景品)※2 |
パワーダッシャー・ドリルダッシャー | ゼータ(ロボットポイント特典景品)※2 |
自在合体ロボ(未発売) | スクランブル合体 |
※1:2021年にリブート版バトルコンボイ(バトルコンボイV-MAX)としてリリース。
※2:2019年、リブート時にトライヴァースのラインアップとしてリリースしているが、これとは別にTF仕様としてリファインされている。
リブート
『トランスフォーマー』と入れ替わる形で一連の商品展開は1984年に終了し、その後は『トランスフォーマー』として発売されたかつての玩具を『ダイアクロン』仕様にリペイントして新たなキャラクター設定を与えた限定販売品が発売されるに留まったが、2015年6月に開催された『東京おもちゃショー』にて『ダイアクロン』の再スタートが告知され、同年10月7日には『ダイアクロン』の公式サイトがオープンした。
商品のスケールは旧シリーズとは異なり1/60スケールで統一されている。可動範囲の大幅拡大と引き換えに、メッキ加工されたパーツやダイキャスト製パーツ、ミサイル発射ギミックなどは廃止されている。また拡張性が強化されており、シリーズを集めることによってさまざまなバリエーションを組むことが可能となっているのも特徴といえる。
ダイアクロン隊員やワルダー(ワルダロイド)のフィギュアはデザインが一新され、各関節可動により自然なライディングポーズが取れるようになった。かつてのシリーズではイメージイラストなどで存在が仄めかされていながら製品化されなかった女性隊員も2019年に満を持して製品化されている。
さらにはあの司令官の元となった『バトルコンボイ』がダイアクロンオリジナル設定で2021年に復活するというニュースもあった。
前シリーズと異なる点は、低年齢層をメインターゲットとしていた旧シリーズとは違い、対象年齢が15歳以上に引き上げられていることと、ワルダー側のラインナップにも力を入れていることである。特にワルダー軍のラインナップはジョイントの自由度が高く、複数購入することで巨大なマシンとして組むことができる。前シリーズではラインナップが乏しかったワルダーが今シリーズでは充実しているのはファンとして嬉しいことではないだろうか。
現時点ではアジア地域を除く海外での発売は実現していないが、日本では限定だった商品もそちらでは一般発売しているのはうらやましい限りである(日本ではタカラトミーモール限定)。アジア限定ではあるもののダイアクロンの人気は上々で、オリジナルの同スケール商品を開発・発売するといったケースも発生している。
ストーリー
202X年、長く続いたダイアクロンとワルダー軍団の戦いは月での大決戦でワルダー要塞が破壊され、その余波でエネルギー供給を失ったワルダー星爆発と言う形でダイアクロンの勝利に終わり、とうとう地球に平和が訪れた。
マクロゾーン連邦委員会は宇宙への進出を推進し、他の惑星との交流や共存を目指し始め、ダイアクロン隊は宇宙パトロールや惑星探査・開拓等の宇宙開発活動に移して再編成され、そのメカは武装が外されて宇宙開発マシンとして平和利用される事となった。
そして203X年には超速宇宙航行用フリーゾンドライブにより惑星間の移動時間は驚異的に短縮され、各惑星には実験宇宙都市や建設基地が次々に建設されて生き太陽系レベルのゾーンシステム<ギガゾーン>の構築が始まろうとしていた。だがその矢先に各占領惑星にいたワルダーの残党軍が攻めてきた。ワルダー星人は母星と言う器を失いながらも地球を新たな故郷にするべく、大暗黒星雲を拠点に新技術や新兵器、各惑星から募集した傭兵などで組織を再編し、再び地球侵略を開始したのだ。
これに対してダイアクロン隊もまた新技術で作った新兵器で徹底抗戦に出る。
再びダイアクロン隊とワルダー軍団の戦いが始まった!!
コラボレーション
ダイアクロンVS.グリッドマン
『ダイアクロン』と『グリッドマンユニバース』の夢のコラボレーションが実現した。次元を超えた夢の共闘ストーリーはどちらのシリーズにとっても、無くてはならない物語となっている。
漫画版
上述の通り、1980年に成井紀郎氏の筆によるコミカライズが、テレビマガジンに連載。ダイアクロンの製品の販足に一役買っている。
劇中では、巨大コンピューター「ファーザー」が狂い、「ネズミを駆除する」という指令を、「ネズミを用いて人間を駆除する」という指令と解釈し、それを実行。人間並みの身体と知能を有した「ねずみ軍団」が当初の敵となって、ダイアクロン隊と戦う事になる。
本来の敵であるワルダー軍団も、後半に登場。ねずみ軍団はワルダー軍団にこき使われる三下扱いに。
成井氏の作風もあり、ギャグマンガとしての側面も有し、その展開やオチなどもギャグマンガを彷彿とさせるものになっている。
また、氏が同時期に「コミックボンボン」に連載されていた「GOGO!悟空」のように、当時の古今東西のアニメ・特撮、および漫画キャラがモブなどにも多く登場していた(主人公の少年の母親が、「タブチくん」の主人公そっくりなデザインだったりする)。
また「ねずみ軍団の戦闘ロボットのデザイン」の読者公募も行っていた。
『対ダイアバトルス用ロボット』『ロボットベースに対抗する「ネズミベース」』など、ねずみ軍団の各種対ダイアクロン用メカのデザインを募集し、成井氏がデザインを清書。漫画劇中に実際に登場させ、ダイアクロン隊と戦わせている。
この作品の後、小学館の「てれびくん」では小林たつよし氏によって、『チェンジ戦隊カーロボット』がコミカライズ化。こちらはダイアクロンとは直接関係がなく、カーロボット自体を主役機として設定された、スピンオフ的な作品になっている(敵もワルダー軍団ではなく、オリジナル)。
関連動画
関連リンク
関連タグ
30ミニッツミッションズ:ライバル会社から展開しているプラモデルシリーズ。各パーツの換装や豊富な拡張パーツのラインナップはリブートダイアクロンを彷彿させる。
コトブキヤ:プラモデルで組み換え可能な商品を多数リリースしている。