概要
『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』に登場。その名の通り、鉄道車両に変形するトランスフォーマーで構成された部隊で、メンバーは総勢6人。
宇宙探査に趣いたオメガスプリームとスカイリンクスの穴埋めとして馳せ参じた。
車両形態で連結する事で仲間を載せて移動が可能になる他、航宙能力も得られる。
また、6人全員が合体する事で重連合体戦士ライデンとなる。
スコルポノックによってセイバートロン星が爆破され、スペースブリッジの使用が難しくなってからは、サイバトロン側の宇宙への移動手段として重要な位置を占める。
メンバー
高速指揮官ショウキ
CV:野田圭一
トレインボットのリーダーで、0系新幹線に変形する。武器はマッハレーザー。
ジョークの通じない真面目な性格だが、テックスペック上は少しいい加減と書かれている。
ライデン合体時は胸に変形。初期設定での名前はマッハ。
人間年齢で換算すると23歳程。
夜間戦闘員ゲツエイ
CV:岡和男
夜間活動がメインで、昼間はボーッとしている。EF65形電気機関車1000番台に変形する。
人間年齢で換算すると20~25歳ほど。ライデン合体時は右脚に変形。初期設定での名前はナイト。
豪雪戦闘員ユキカゼ
CV:山口健
ショウキの弟で、人間年齢で換算すると15歳程度。200系新幹線に変形する。熱が苦手なのでカエンとの連結を嫌うとされるが、アニメではそうしていた。デストロンの注意を逸らす作戦でショウキに相撲の稽古をつけてもらっていたが、普段はどうか不明。
ライデン合体時は左脚に変形。MPG製品ではライデンの頭部をバックパックに収納する。初期設定での名前はスノー。
重機動戦闘員カエン
CV:佐藤正治
パワータイプの戦士で、DE10形ディーゼル機関車に変形する。人間年齢で換算すると35歳程。
ライデン合体時は腹と腰から足にかけての付け根にかけてと頭部に変形。初期設定での名前はパワー。MPG製品では光剣が付属する。
原野戦闘員スイケン
CV:田中和実
経験豊富なベテラン戦士。153系急行形電車に変形する。人間年齢で換算すると45歳程。
ライデン合体時は左腕と右わき腹に変形。初期設定での名前はストーム。MPG製品ではトレインバズーカを収納する。
山岳戦闘員セイザン
劇中では言葉を話さない。自然を愛し、時たま山籠もりをする。485系特急形電車に変形する。人間年齢で換算すると30歳程。
ライデン合体時は右腕と左わき腹に変形。初期設定での名前はブレイン。MPG製品では実体剣と合体時用のライデンキャノンが付属する。
重連合体戦士ライデン
CV:野田圭一
トレインボット全員が合体した合体戦士で、人格はショウキのもの。
デバスターが嫌いで、プレダキングにライバル意識を持っている。武器はレッグビームとトレインバズーカ、そしてビームソード。
初期設定での名前はグランドライナー。
ギンオウ
MPG製品で追加されたキャラクター。JR東海922形ドクターイエローT2編成に変形する(0系準拠車体)。ダイアクロン旧製品「特別限定車両」シルバーライナーに相当すると思われる。実車が0系車体から改設計したもののため、ガワの設計改修だけでほとんど実車どおりになっている。
ヤマブキ
追加キャラクター。JR東日本925形ドクターイエローS1編成に変形する(200系の先行的位置づけ車体)。「特別限定車両」イエローライナーに相当すると思われ、ジェネレーション2022掲載巻末漫画に登場した「イエロー」の量産化改造後の姿と推定される。ただし、改設計を少なくするためガワの車体断面は200系のままとなっており、よく見ると試作車体を使っている実車との寸法相違点が目立つ。
玩具
G1
ダイアクロントレインロボの流用で、大きな仕様変更がされている。車両モードの造形は先に発売されていたNゲージ模型の同一車種を参考にしている(参考にした製品が特定できるレベル)が、変形・合体ギミックの都合で造形の劣化を余儀なくされた部分が多い。これはのちの鉄道車両変形ロボ全般につきまとう問題である(合体を仕込むと特に劣化が激しくなる)。
アニメの方ではダイアクロン準拠でデザインされたため、TF版玩具とはかなり異なっている。例として、スイケンとセイザンに発射機構のディテールがあり、逆にライデンの胴のパーツがないなど。合体用余剰パーツはかなり発生するが、デバスターと比べ若干洗練されており、合体自体はそれら無しでも一応可能である。
2014年に発売されたミリオン出版のムック本『トランスフォーマージェネレーション2014 VOL.1』の誌上通販限定アイテム「 超光速士官ショウキ」は、ジェネレーションズ製品のアストロトレインを流用したものである。800系新幹線に準じた車輌形態に0系塗装を施したものとなり、『トランスフォーマーユナイテッドEX』のタンクマスターVSマリンマスターに付属したターゲットマスター・ホイゼルの配色を変更したダニエルが付属。ミリオン出版側が考案した所謂「俺変形」としてショウキはメトロプレックスに装備できる大型銃「トレインバズーカ」、ダニエルはショウキの武器となる弓や新幹線形態に装備するパンタグラフが公開されている。スペースシャトル形態の機首にはデストロンのエンブレムが描かれているが、これは1989年に海外で発売されたマイクロマスター・スカイストーカー付属のシャトル(日本名:サンダーアロー)に偽装しているためである。
マスターピース(MPG)
2019年12月にマスターピースシリーズでフルリメイクが発表、第一弾のショウキの発売が2021年6月発売とアナウンスされた。車両モードの考証にも念を入れ1/87・HOスケールとなる。(とはいうものの鉄道模型16番製品(1/80)と実際に並べて比較すると、実際には変形機構その他の影響か、それよりもいささか大きい。軌間だけは12ミリメートルと1/87相当だが…)
TV版のデザインをメインに、玩具のディテールも取り入れ精巧に作りこまれている。キャラクターモデルしか知らない層には「複雑で精緻に過ぎる」などと言われる(少なくともTF標準ライン製品でも壊してしまう幼児には与えてはいけない)が、キャラクターモデルの精度はスケールモデルの1/10ぐらいであり、説明をよく読んだうえで鉄道模型に慣れていれば取り扱いに困難を覚えることはほぼない。それでも不安があれば、ネット上の動画などでの対策もしっかり覚えておくと間違いはないはず。
ただし価格も相応で単品で定価20,000円弱。MPGブランドでショウキが2022年6月発売、その後2024年2月までに全種発売予定。
旧玩具と変形プロセスが異なるが、「トランスフォーマージェネレーション2022」奥付の大嶋優木氏のコメントによれば解像度が上がったとの解釈であるとのこと。当書籍の巻末漫画には「試作」扱いとしてダイアクロントレインロボの「特別限定車両」に相当するキャラが登場しているが、MPGセイザンの説明書のライデンキャノンの説明には試作車両が存在すると描かれていた。
そのころから流用展開も考慮に入れていたようで、2024年9月より922形モチーフの新戦士「ギンオウ」を皮切りに追加発売される。
TFにおける列車
列車から変形するTFというのはシリーズ全体から見てもかなり珍しく、G1時代ではこのトレインボットを除けばアストロトレインくらいしかいない。
90年代初頭の『合体大作戦』ではマイクロトランスフォーマーで「シックストレイン」と「シックスライナー」が発売された。小型故に変形は簡易的で合体時の追加パーツも多いが、背面同士で連結が出来たり余剰パーツはビークルモードで武装できるなど随所に工夫が見られた。
比較的新しい作品で目ぼしい列車系TFは、『カーロボット』のチーム新幹線や、『スーパーリンク』のオメガスプリーム等限られている。
身も蓋もない事を言ってしまえば、車社会であるアメリカの子供たちにはそもそも列車というものに馴染みが薄い。そのために列車系TFが珍しくなっているのである。
一部の鉄道ファンの中には「勇者」期の大河原邦男氏デザイン鉄道車両型ロボットは鉄道車両の体を成していないとの批判の声もある。
また国鉄民営化に伴い実際の鉄道車両を模した玩具を販売する際には版権の許諾を得る必要が出たが(その関係か、私鉄車輛をモチーフとしたキャラクターは「ヒカリアン」までラインナップされていない)、これらの商品は版権許諾を得ていなかったため再販は現代の商道徳上からも問題となると思われる。そのため近年サ-ドパーティーから発売される勇者商品は、たいてい車体形状が実車そのものとはならぬよう、微妙に変えられている(TFブランドでもジェネレーション枠の自動車形などでよく行われる処理である)
『勇者エクスカイザー』の「レイカーブラザーズ」は、玩具がまだ設計段階にあったころはTFとして企画されていたが、いつしか勇者シリーズのラインナップに振り替えられたという経緯がある。
なお、大河原氏デザインの合体パーツとTF規格の車輛部分のデザインがいまいち釣り合っていないが、玩具ラインナップの不足分をTFシリーズからのリデコやリペイントで穴を埋めていた勇者シリーズではよくあることだったりする。
余談
- 次作『超神マスターフォース』では連結状態で、基地形態のフォートレスマキシマスと共に前期OPにのみ登場。クロームドームが作中顔見せしたことから、おそらく当初は出番が想定されていたと考えられる。
- メンバー全員が日本生まれで、第8話「恐怖!六つの影」では故郷に対する思い入れがとても強いことが判明した。日本生まれという設定は放映当時から語られてきたが、その詳細な出自は不明であった。
- 後年の後付けでバイナルテック同様の地球製ボディであるとされるが、2010年代にはかえって目立つ車種選択となっている。
- メタいことを言えば1980年代前半の企画が元であるからなのだが、それにしたところで例えば153系は1982年で現役引退、保存車は皆無のため現実にいれば目立ってしかたがない。デストロンよりよほど執着の強いマニアに追い回されるだろう。
- 『スーパーロボット大戦』に登場する合体ロボ「SRX」と、合体時のパーツ構成がやや似通っている。