概要
CV:ジャック・エンジェル/吹:喜多川拓郎
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』から、日本オリジナルのTVシリーズ3作目『ザ☆ヘッドマスターズ』にかけて登場するデストロン(ディセプティコン)所属のトランスフォーマー。役職は輸送参謀で、D51風の蒸気機関車とスペースシャトルの2形態に変形するトリプルチェンジャー(トリプルトロン)の一人。
通常時はメガトロンと同じくらいの大きさだが、シャトルモードに変形すると、仲間十数人を楽に搭載でき、内部でビルドロン部隊がデバスターに合体できるほどに巨大化する。「大型戦士」とナレーションで呼ばれるだけあって、腕っぷしもかなりのもの。
ただし、輸送や物資運搬の便利屋的にこき使われる不憫な場面が多い。「輸送参謀」と言えば聞こえは良いが、要するに運び屋である。
そのせいでエネルギー不足で補給しつつ輸送、尽きたらまた補給を繰り返すことを愚痴る場面もあった。
先輩に当たるスタースクリームほどではないが野心家な面もあり、第32話「スカイゴッド」ではスタースクリームを出し抜き、トランスフォーマーを神だと勘違いする土星の衛星タイタンの先住民たちに己を神として称えさせた。
また、第39話「トリプルチェンジャーの反乱」では同じトリプルチェンジャーのブリッツウイングと共に反乱を起こし、列車にコンピューターを埋め込んで自らの部下にしようと画策していた。
ただ全員まとめてメガトロンに叩きのめされた事で流石に懲りた模様。
デストロンらしい残忍な一面もあり、タイタンの戦いでサイバトロンに追い詰められ、撤退する前に洞窟に眠っているクリスタルを爆発させマイスター副官たちのみならず、先住民たちを道連れしようとした。
第51話「ターゲットはコンボイ」では自身とブリッツウイングを捕らえたハンター、チャムリー卿から助けを求められ開放した直後、「自分にハントされる気分はどうだ!!」と襲いかかった。
その後は、野心を燻ぶらせるシーンはなくなるものの、『トランスフォーマーザ・ムービー』では、地球のサイバトロンシティへの総攻撃に失敗しセイバートロン星に敗走するデストロン全員を運ぶことになるのだが、燃料不足から荷を軽くしてほしいと言いだし、メガトロンを含めた負傷兵が宇宙に放り出され、自分の体内で仲間達にニューリーダー決定戦を起こされる羽目になった。
そしてこれがガルバトロンらが誕生するキッカケとなる。
続編『トランスフォーマー2010』では、かろうじて集めてきたエネルゴンキューブをビルドロンたちと取り合ってぼこぼこにされる、スタースクリームに憑依される、スカイリンクスと交戦中にジャンキオンの攻撃を受けて負傷するなどぱっとしない役どころに終わった。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
『シージ』終盤にて、アーク攻防戦に参加したディセプティコン兵士。デザインは後述のシージ玩具準拠だが、他のトランスフォーマーが比較にならないほどの巨体を誇る。
……が、その巨体を活かして大暴れするようなシーンは全く無く、ほんの一瞬映っただけで出番は終わってしまった。
『アースライズ』でも終盤にて登場するが、大きさは他のトランスフォーマーと同じようなサイズになっている。
サイバーバース
日本未公開のシーズン3に登場。
メガトロンが別の宇宙(いわゆるパラレルワールド)から連れて来たトランスフォーマーで、スペースシャトルに変形する。設定上は他作品同様トリプルチェンジャーなのだが劇中で3つ目の形態は登場しなかった。
G1同様ビークルモード時に他のトランスフォーマーを何人も乗せる事が可能で、ボディも『ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』の様に他のトランスフォーマーより何倍も大きい。
強力なバリアと、別の宇宙を繋ぐポータルを生成する事が可能で、戦闘シーンこそ少ないがその性能故に大活躍していた。
前述の通りアストロトレインは別の宇宙から来たのだがそれには理由がある。
アストロトレインは元いた宇宙でもディセプティコンに所属していたのだが、別の宇宙のメガトロン(以外アナザーメガトロン)はオートボットとの戦争に勝利後、なんとオートボットの抹消のみならず、共に戦ったはずのディセプティコンすらも不要として皆殺しにしており、代わりにオールスパークの力で究極の兵士を量産し理想の軍団を作り上げていた。
アストロトレインは殺されなかったものの当然パワハラの度を超えた上司をとても恐れていたのだが、そこにパラレルワールドを探索に来た本編の宇宙のメガトロンに助けられ、そのまま彼の側近になったという経緯がある。
しかし新上司には助けた事を理由にこき使われておりうんざりしていた。
因みに新上司のパラレルワールド探索にはデッドエンドも同行していたのだが、彼とはとても仲が悪く、2人で登場するシーンでは常に揉めていた。しかしアナザーメガトロンの恐ろしさを知る者同士として2人でアナザーメガトロンを倒すための武器を共同開発することもあった。
初登場はシーズン3エピソード17のクインテッサ星人との戦いの終盤で、クインテッサとなったスタースクリームが暴れ回る最中にメガトロンとデッドエンドを載せて登場。スタースクリームが触れたものを消滅させるビームを出す為に開けたポータルを自身の能力で閉じるべく行動する。途中クロートンに捕まったり、スタースクリームの妨害を受けたりしたもののウインドブレードやメガトロン、オプティマスのサポートによって無事にポータルを閉じる事に成功した。
シーズン3エピソード26ではアナザーメガトロンが本編の宇宙のサイバトロン星に飛来する事を察知し、デッドエンドと共に開発した武器をメガトロンに提供してそのままポータルを開いて逃走。その後苦戦の末にアナザーメガトロンはオプティマス達によって倒されるのだが、倒されたアナザーメガトロンの前に再び現れ、別の宇宙とはまた別の宇宙へと連れて行く為にポータルを開いて連れ去った。
しかしシーズン4ではアナザーメガトロンの究極の兵士達による復讐を受けてしまい、ボロボロの状態でオプティマス達の前に現れる。オプティマス達に究極の兵士達による危機を伝えて力尽きてしまった。
玩具
G1
元々は『ダイアクロン』の後期商品として企画が進められており、シリーズ終了に伴い『トランスフォーマー』として販売を開始。当初はサイバトロンとして登場させる予定だったらしく、初期販売分はビークルの配色を意識した白と黒のカラーリングの物が出回っていたが、後の販売分では白と紫のカラーリングに変更。海外では当初からこの仕様で発売された。アニメでは白の部分をグレーに置き換えた試作版のカラーリングが採用されており、この仕様を再現した玩具もプロトカラー版として限定発売された。
トランスフォーマークラシックス
2007年には『トランスフォーマークラシックス』として三段変形が可能なアストロトレインの玩具が現代風にリメイクされ、ハズブロより発売された。ビークルモードの片方はスペースシャトルのままだが、もう片方は蒸気機関車から新幹線に変更。ただし、変形機構の都合上スペースシャトル形態では主翼の上に新幹線のノーズが乗る形となり、新幹線形態の車体後部はスペースシャトルの主翼が丸見えとなってしまっている。なお、新幹線形態のデザインは九州新幹線800系つばめがモチーフ。日本でも『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』として、かつてのアニメ版のカラーリング(上記イラスト)を再現しての発売となり、シャトルのエンジンノズルはメッキ加工されている。
また、2014年に発売されたミリオン出版のムック本『トランスフォーマージェネレーション2014 VOL.1』の誌上通販限定アイテム「 超光速士官ショウキ」はこのアストロトレインを流用したもので、『トランスフォーマーユナイテッドEX』のタンクマスターVSマリンマスターに付属したターゲットマスター・ホイゼルの配色を変更したダニエルが付属。ミリオン出版側が考案した所謂「俺変形」としてショウキはメトロプレックスに装備できる大型銃「トレインバズーカ」、ダニエルはショウキの武器となる弓や新幹線形態に装備するパンタグラフが公開されている。スペースシャトル形態の機首にはデストロンのエンブレムが描かれているが、これは1989年に海外で発売されたマイクロマスター・スカイストーカー付属のシャトル(日本名:サンダーアロー)に偽装しているためである。
タイタンズリターン
2016年にはかつてのヘッドマスターを現代風にリメイクし、ハズブロより展開された『タイタンズリターン』にてヘッドマスター(タイタンマスター)となったアストロトレインの玩具がセンチネルプライムの仕様変更品として発売された。カラーリングは白と紫の玩具版のものが採用され、機関車モードもディーゼル機関車を先頭車両とした装甲列車のようなデザインとなった。アストロトレインの頭部に変形するタイタンマスターのダークムーンはビークルモードのコックピットや手持ち武器の銃座に搭乗可能で、ロボットモードの腹部にあるスイッチを押すとスプリング仕掛けで頭部の両脇にパーツが展開する。
翌年の1月にはタカラトミーの『トランスフォーマーレジェンズ』のラインナップとしてアニメ版をベースとしたグレーと紫の配色(上記イラスト)にリカラーされての発売となった。
トランスフォーマーシージ
2019年に大型サイズのリーダークラスとして発売。日本では2020年3月に発売されたが、商品の仕様はハズブロ版と同じ。同シリーズの世界観はセイバートロン星における両軍の戦いを描いたものとなっているため、トランスフォーマー達も地球の乗り物をスキャンしていないセイバートロンビークルに変形するのだが、こちらのアストロトレインはいずれの形態もG1シリーズのデザインを再現したものとなっている(とはいえ、後述の武装を含め若干のアレンジは施されている)。付属の5つの武器を合体させることで1つの大型武器となり、アストロトレインに装備させることが可能なほか、機関車モードの後部に接続できる炭水車は荷台を展開してシャトルモードの発射台に見立てたり、前述の武器をまとめて収納することができる。更に炭水車の天蓋は取り外し可能で、ロボットモードの足底に取り付けられる。
なお、次弾の『トランスフォーマーアースライズ』でも引き続き同じ仕様でハズブロより発売されているが、こちらは日本では発売されていない。
余談
- G1版の玩具はロボットモードでスペースシャトルの尾翼を左右に開くように指示されているが、アニメでは尾翼は開かず胸部内に収納している(玩具でもこの状態は再現可能)。
- IDWパブリッシングのコミック『All HAIL MEGATRON』のビークルモードは、G1版よりも更に大型の車輛であるD62のナンバーが描かれていたことがある。また、性格は野心家というよりも無骨で軍人気質な性格に描かれることが多い。