「ワシが破壊大帝メガトロンだ」
概要
悪の軍団「デストロン(ディセプティコン)」のリーダー。正義の軍団サイバトロン(オートボット)のリーダー・コンボイ(オプティマスプライム)とは対をなす存在。
日本版では破壊大帝の肩書きを持つが、海外版では普通に「ディセプティコンのリーダー」。なお、海外版でも破壊大帝の肩書きが付くのは『ビーストウォーズネオ』のマグマトロンだけ。
だったが、近年では稀に海外版でも破壊大帝の肩書きを持つメガトロンが登場することがある。
作品によっては登場せず、ガルバトロンやマグマトロン等がリーダーの場合もあるが、
大抵は彼の特徴を引き継いだ性格となっている。
G1 ワシを呼んだか?
「この愚か者めが!」
「だが忘れるでないぞ。このワシ、メガトロンが、永遠にデストロン軍団のリーダーである事をな!」
CV:フランク・ウェルカー/吹:加藤精三
初代TF『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場した拳銃(ワルサーP38)に変形する破壊大帝。デストロン軍団を纏める策略家であり、彼の策略にサイバトロン達はいつも苦しめられている。
武器は右腕に装着された「融合カノン砲」。ブラックホールから反物質エネルギーを引き出す(ホワイトホールの間違いでは?)トンデモ兵器だが、この武器は体力の消耗が激しいので、フルパワーでは滅多に使われない。拳銃に変形してもその威力は衰えないが、変形した際に自力で発砲したのは一度きり、それ以外は部下に引き金を預けている。この上司を使って部下が敵を攻撃するというシュールな光景、一部では「上司アタック」とも呼ばれている。
一人称は「ワシ」、「余」など。口癖は「この愚か者めが!」で、スタースクリームをはじめ反逆者や失敗した部下達を叱責する際の常套句。プライドが高いがハッタリも好み、コンボイとの戦いで「素手で握り潰してやる!」と宣言しつつ、武器を用いた手段を選ばない戦いを繰り広げた上、その後にユニクロンにも「(コンボイを)素手で捻り潰してやったわ!」と大ボラを吹いたが「誇張するでない」と指摘されている。
「~だワイ」と年長者っぽい語尾になる事がある。
性格
「破壊大帝」という肩書きを見ると、凶悪な印象を受けるだろう。
だが彼は懐の広さを持っており、理想の上司として視聴者を魅了している。
- 毎回裏切る愚かな部下に対して、叱責や処罰はするが処刑はしない。侮辱されても目前に大事な事があれば、不問に付す。下剋上に対して「出来るものならやってみろ」と言わんばかりで、処罰はするが処刑はしない。ただしロングハウルをはじめとした部下の不平不満は認めない上、日本未公開の『ザ・ムービー』でガルバトロンに転生した際はスタースクリームの戴冠式に殴り込み処刑している。また、サイバトロンを治療しようとしたデストロン軍医グリットを処罰しようとする等、利敵行為には厳しい。
- エネルギー確保が目的だが、扱いを誤ると危険な原子力には手を出さず、狙うのは水力発電等のエコロジーな物ばかり。惑星を操って自ら地球の潮の干満を操ろうとした事もある。ただしそれらを無理に稼働させようとした結果、施設・地球が爆発したり破滅の危機に陥る原因を毎度作ってはいる。
- 破壊大帝を名乗りながら無差別テロはしない上、ほぼ毎回何かしらの施設や大型機械を開発している。劇中で開発された新技術を利用しようとする等、先進技術への理解もある。
- 地球人を見下しつつも危害は加えない。利害が一致すれば、同盟を組む事もある。これは「虫けらを殺す為に使うエネルギーが勿体ない」という理由がある。現実的な話をすると、これは大人の事情から当時のアメリカでは登場人物の死亡が描けなかった為である。
- 第15話「アトランティス浮上!」の回ではリンカーン大統領像の椅子に座る際、像を壊さず丁寧に椅子からどけて座る。
武力による「宇宙征服」が目的で、座右の銘は「圧政による平和を(Peace through tyranny)」。つまり彼も彼なりに平和を望んでいるということだが、それは「恐怖により自由を封殺した統治」であり、一般的に語られる平和主義とは程遠い。
一部では、慈愛大帝、非破壊大帝(もの作り大帝)、等と呼ばれている。
しかし、メガトロンの指導力に依存している為、指導者がいなくなるとデストロンは崩壊する。リーダー争いが起きた時は協調どころか各々勝手な事を始め、結局無駄な騒動で終わっている。
さらにムービーでは後継者争いに終始して、弱ったサイバトロンを攻めるどころか、戴冠式等で時間を浪費していた。
何かと持て囃されるが、自身の命に対する執着心は凄まじく、これが絡むと一気に小物な一面を見せる。
宇宙サビで死にかけた際、誘拐したパーセプターと取引し、戦争を終結させて超兵器「レーザーホタル」を破棄することを条件に治療を受けた。が、快復すると何の迷いもなく約束を反故にし、サイバトロンへ逆に宇宙サビの病原菌を送りつける卑劣な手段を取っている。
また、ザ・ムービーではユニクロンの要求を一度は「誰にも従わん」と強気に突っ撥ねたが、殺されかけると情けない声を上げながら命乞いをし、掌を返してあっさり要求を飲むなど威厳のないシーンも見られる。
倫理観
一見紳士的に見えるG1メガトロンだが、一度に大量のエネルギーを得る為に地球が滅亡しかねない作戦を何度か実行している。メガトロンにとって地球はあくまでエネルギー略奪対象で、エネルギーさえ手に入れば地球やそこで生きる命はどうでもいい。理想の上司とファンから呼ばれる彼だが、本質は破壊大帝である。
メガトロンにとって「理想の部下」はレーザーウェーブと再プログラミング後のブルーティカス。どちらもメガトロンに忠実だが、特に合体後のブルーティカスは「命令には忠実だが指示が無いと何も出来ない」所謂「指示待ち君」であり、メガトロンは「全ての部下がブルーティカスのようであれば」と思っているらしい。
なお、機嫌が悪いと他者に厳しい態度を取ったり、傭兵インセクトロンに事前の契約よりも報酬をケチっている。他にも人間や異星人と協力する場合は必ず裏切る事を考えているため、原則はかなり自己中心的な思想で動いている。特に先の通り外様に対しては特に冷徹な態度を取る。
また、第15話「イモビライザー」ではコンボイに「大事な部下と引き換えに装置(イモビライザー)を奪う気か」と非難された際は「部下の代わりなどいくらでもいる」と豪語し(相手はスタースクリームだが「部下」と広く語っている)、宇宙サビに侵食された際は、一緒に負傷したアストロトレインの話を聞かされても「奴の事はどうでもいい、自分の方が先」と返したり、自分の野望や保身の為なら部下を切り捨てる事も厭わない。
こういった身勝手な性格を見せたばかりに墓穴を掘ったこともあり、一度は懐柔したグリムロックがメガトロンを見限ったり、比較的反抗心を見せていなかったスタースクリームを不必要に煽ったばかりに作戦を台無しにされたこともある。また、命がけで地球を救おうとしたビルドロン部隊を見捨てて自分達はさっさと逃げる事もあった。
そしてメガトロンの敗因は慢心にある。本人は「敗因の大半はスタースクリームのミス」と言っているが、メガトロン自身も多く原因を作っている。特に部下の忠告を聞かず、作戦を強行したので大失敗(第8話「謎の巨大隕石」等)に終わる事も多く、目先の欲(エネルギー)に目が眩んで失敗する事が殆ど。
この様に、倫理観は典型的な悪役のそれで、人類とは相容れない性質を持っている。また、基本的にイエスマンでなければ彼の部下は務まらず、それが突出したワンマン体制に拍車をかけている。
初代アニメ以後
『ザ・ムービー』ではコンボイとの決闘で重傷を負い、スタースクリームに宇宙へと放逐されたのがきっかけでユニクロンと出会う。その後の経緯はガルバトロンの記事を参照。
『ビーストウォーズ』にも登場。同作の時代ではG1メガトロン本人は行方不明だが、失踪直前のG1メガトロンが仕組んだ「ある遠大な策略」がビーストメガトロンに引き継がれ、サイバトロンは勿論、宇宙を存亡の危機に陥れた。当の本人は墜落時の衝撃(初代アニメ第1話)で休眠状態に陥っており、セリフはないがビーストメガトロンのパワーアップに一役買っている。
G1メガトロンを演じたフランク・ウェルカーの出演も検討されていたものの、スケジュールの都合で実現せず、原語版ではビーストコンボイを演じていたゲイリー・チョーク、日本語版ではチータスを演じていた高木渉が演じた。が、日本語版ではビーストらしくふざけている。
『G2』では人類と和解しているが、地球人の誤解で部下を殺された事で再び人類と対立している。
逆風評被害
理想の上司などと持て囃されるメガトロンだが、これは逆に何かと行動を悪く言われがちなコンボイの反動で、双方のイメージを故意に誘導されたことが原因である。これにより放送当時と比べてイメージは大きく変わってしまった。
実際のメガトロンは紛れもなく卑劣な悪の帝王であり、悪役らしく小物らしい場面も多く見せており、元より悪役らしい悪役なのである。
確かにメガトロンに悪の親玉らしく、悪党どもをまとめあげる懐の深さとカリスマ性があるのは確かである。が、本編を見て突き詰めればメガトロンは自分のこと以外は取るに足らないものと考えていることは間違いなく、一見理想の上司のように見えても、実際は部下を思い通りに扱うのが上手いだけとも言える。
コンボイにも正義の味方らしいシーンは多くあるのにまるで取り沙汰されず、あっても何かとケチが付けられ、印象の悪いシーンばかりが持ち出される。それに対し、メガトロンは反対に悪役らしからぬいくつかのシーンがピックアップされて持て囃され、悪役らしく器量の小さいシーンも多いのにあまり語られてこなかっただけである。
コンボイを悪く言い過ぎる風潮も考えものであるが、逆にこのメガトロンを褒め称えすぎるのも良い傾向とは言えないだろう。
もし人類が万が一にでもメガトロンに心を奪われれば、本編の「メガトロン地球征服作戦(PART.I、II)」のように掌を返され、人間達が奴隷のように扱われる日が来てしまうかもしれないのだから。
…とそれらしく書いたが、つまりインターネットの発展とスラングの強調により、二名のイメージがやや過剰に捻じ曲げられてしまっている現状があることは理解すべきであろう。
担当声優
原語版でメガトロンの声優を務めたフランク・ウェルカーは、アメリカでは「Voice Acting God(声優(声劇)の神様)」とも呼ばれる大御所声優である。日本で言えば羽佐間道夫、野沢雅子等の伝説的レベルの声優と言えよう。動物の鳴き真似を演技のレパートリーに持つ事で知られ、「アニメにおける動物の鳴き真似は全てフランク・ウェルカーである」というジョークが生まれる程。実際本編ではジャガーなどの獣系の声を担当している。
日本版ではシリーズの変化に伴い、メガトロンの声優も変わるが、ウェルカーは後年の作品でもしばしばメガトロンを演じている。出演料の問題でライバルのコンボイ(オプティマス)を演じるピーター・カレンと比べると出演数は少ないが、コミコン等でメガトロンの声を披露する機会は多い。
対する日本語版の声優は『巨人の星』の星一徹で有名な故・加藤精三。彼はこのキャラには人一倍思い入れがあったと言われており、実写TFのメガトロン役にも推奨されたが、「満足の行く演技が出来る自信がない」として敢えて辞退したらしい。ただしこの話の出所は不明。その後、メガトロン関係の仕事を断っていない事から、噂話の域を出ない。
また、歴代メガトロンの玩具を集めていた逸話も有名。この話を掘り下げると「自身で購入する事もあるが、ファンから送られてくることもしばしばだった」というのが実際の所らしい。
また、加藤は1989年頃体調不良で一時休養していた時期があり(「仮面ライダーBLACKRX」のジャーク将軍役などを降板している)、ザ・ムービーの日本語吹き替え版が加藤の仕事復帰作の一つと言われている。
実写版での出演辞退の逸話が流れた後、アニメ『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』第12話『トランスホーム』で、実写のメガトロンをパロった「メストロン」を演じ、往年のTFファンを歓喜させた。残念ながらこれが加藤精三の演じた最後の破壊大帝となってしまったが、加藤ボイスで「オスティマス(オプティマス)」が聞ける貴重な機会であった。
なお、メガトロンとして最後に演じた作品は『ドリームミックスTV』のメガトロン役まで遡ることとなり、本編以外でメガトロンを演じる機会は残念ながら極めて少なかった。
G2以降の活躍
『G2』にてバトルコンボイに倒されたメガトロンだが、その後かつてのG1時代に似せたボディを得て復活。新たなエネルギーを求めてレジェンズ世界に来訪する。そこで紆余曲折ありながらもG1時代のボディとG2初期の為政者としての心を取り戻して元居た世界へと帰還。コンボイ達サイバトロンや地球人と和解し、新たなセイバートロン同盟を築くことで人間達の文明の躍進に大きく貢献した。
その過程で人間に生み出された小型トランスフォーマー「セレクターズ」が人間に奴隷の扱いを受けている事を疑問に思い、彼らのリーダーラングの頼みに答えて革命に参加する。駆けつけたコンボイ達にも「人類が第2のクインテッサ星人と化している」と説き、「友」として助力を求める。
だが、その後悪のアンゴルモアエネルギーを浴びた結果、ウルトラメガトロンオメガに豹変。取り戻した慈悲の心を再び失い、地球で破壊の限りを尽くすが、ライオコンボイによりアンゴルモアエネルギーを放出され幽体となる。幽体となりアンゴルモアエネルギーに包まれたことにより過去に行くことが可能となったメガトロンは前史宇宙でコンボイを助けるなどの活躍をする。人間とセレクターズは和解し共存の道を選択したが地球のアンゴルモアエネルギーが不安定なため、別の星への移住を決断する。アンゴルモアエネルギーの危険性を再認識したトランスフォーマー達は地球の情報を全て抹消し、地球の名称も惑星ガイアへと変わったことにより場所も分からない星となった。
こうして地球には知的生命体がいなくなり、それは次世代のトランスフォーマー達の物語まで続くことになる。
G1メガトロンの玩具
玩具は旧タカラが1970年代に展開していた『ミクロマン』の1シリーズ『ミクロチェンジシリーズ』のうち、モデルガンがロボットに変形する『ガンロボ』ワルサーP-38の仕様変更品であり、アメリカのTVドラマ『0011ナポレオン・ソロ』に登場する国際機関「U.N.C.L.E.(通称:アンクル)」の構成員が使用するカスタムタイプのワルサーP-38を再現する為にサプレッサー・スコープ・銃床の追加パーツを同梱した所謂カービン銃に、本体を銀メッキ加工した「アンクルセット」と、それらの付属品を削除し、黒とブラウンのカラーリングに変更した通常版の2つが発売されていた。
1980年代に『トランスフォーマー』として発売された際には各国で仕様が異なっており、日本ではアンクルセットのパーツが付かない通常版のカラーリングをグレーの成型色に変更し、アメリカでは先述のアンクルセットの仕様ほぼそのままで発売されたが、弾丸発射ギミックがアメリカの安全基準に抵触した為に発射機構は取り除かれている。
その後、銃社会の米国では銃そっくりの玩具に規制が掛けられた為、以降の復刻販売は不可能になったが、日本では前述の『ミクロチェンジシリーズ』のアンクルセットの仕様に戻した復刻版が何度か発売されている。
そういった規制の強化や、『G2』で戦車に変形したことが伴い、以後G1メガトロンが玩具化された際は戦車に変形する場合が多く、「セイバートロン星では戦車に変形していた」という後付設定が付くようになった。
G1メガトロンのリメイクとして、拳銃に変形するメガトロンの玩具もハズブロから『Transformers Classics』(クラシックス)として発売された事がある。だが、一口に拳銃といっても、同じハズブロが販売しているトイガンシリーズ『NERF』のマーベリックによく似た架空の光線銃に変形するよう設計され、実銃と区別しやすくする為に色もやたらとサイケデリックでケバい。その後、日本で『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』や『トランスフォーマーユナイテッド』として発売された際には、G1風の塗装に改められている。
TFシリーズの大人向けブランドである『マスターピース』においては2回商品化がなされた。2007年に最初に発売された「MP-05 メガトロン」は当時としては完成度の高い商品であったが、それでも脚部が貧弱に見えるなどの技術的限界があった。
それから10年後の2017年、新たに「MP-36 メガトロン」が発売された。前回での技術的問題を解決し、デザインもよりアニメを忠実に再現したものとなり、G1メガトロンの玩具として最高傑作とも言える出来映えとなっている。しかしながら変形の難易度はかなり高いので安易な気持ちで買わないように。
なお、この改良されたMPメガトロンには、加藤精三による録り下ろしボイス(発売時は既に鬼籍なため、新録ではなく『2010』放送当時に発売されたガルバトロンの玩具に収録されていたものから一部を除いたもの)が収録されている。
ビーストウォーズ(初代・メタルス・リターンズ)
「悪者は意味もなく笑いながら登場するのだ、アーッハッハ!!」
「おい~っす!寝不足で目がとろ~ん」
CV:デビッド・ケイ/吹:千葉繁
『ビーストウォーズ』(初代)、『メタルス』では、メガトロンを名乗るデストロン(プレダコン)のリーダーとして登場。ビーストモードはティラノサウルスで、『メタルス』後半にてドラゴンへとパワーアップし、『リターンズ』では更に別の姿を得る。
G1メガトロンとは別人であり、彼は自称メガトロンの継承者なので本名ではない。
初代メガトロンとの区別の為にビーストメガトロンと称される場合もある。ファンからはメガちゃん、声優に因んで千葉トロン、アドリブの濃さゆえ腹筋破壊大帝とも呼ばれる。
吹き替え版の声優が千葉繁だった事も彼のキャラを決定的なものにした。ただし当人も言っているように、少なくとも『メタルス』まではシリアスな場面は真面目に抑えている。
ただし、このアドリブはあくまで日本版の脚色であり、原語版や漫画版『メタルス』ではひょうきんな素振りは見せていない。また、本編でもシリアスなシーンでは千葉繁の真面目なトーンを聞ける(ただし、ボケる為の布石だったりもする)。
本編では殆ど描かれていないが、ビーストメガトロンはデストロンとサイバトロンの協力体制に疑問を抱き、反乱を起こした。この時、太古の地球にあるエネルゴンの場所を記したゴールデンディスクを奪い、戦艦も強奪して部下と共に逃走を図った。これが『ビーストウォーズ』第1話である。
マイクロン伝説
フハハハハ!それも良かろう!だが、戦いの中からしかその言葉を導き出すことができなかったこと、覚えておけ!!
CV:梁田清之/英:デビッド・ケイ
『マイクロン伝説』に登場するメガトロンで、戦車に変形。一人称は「ワシ」。正式名称は『ビーストウォーズ』版と同じく「メガトロン」だが、他シリーズのメガトロンと区別する為にアルマダメガトロンと呼ばれる。(アルマダの名称は『マイクロン伝説』の英題)ほかにも劇中でスラストが口にしたクワガタンクとも。
豪胆で武人気質な一方、非常に幼稚で、ノリで一句詠んだり、スターセイバーを手に入れて大喜び、ショックウェーブと合体して空を飛んで大はしゃぎ。更にはスラストをイカトンボと呼んでからかう、コンボイが死んで落胆、コンボイ復活と聞き元気になる、と喜怒哀楽が激しい。
部下には厳しく、特にスタースクリームに対して厳格だが、内心ではスタースクリームに期待しており、いつの日か自分を越える事を期待していた為に敢えて厳しい態度をとっていた。
史上初人類と和解したメガトロン。G2メガトロンも人類と和解しているが、地球人の誤解で部下を殺された事によりメガトロンは再び人類と対立しているので、人類と和解して物語が終了したのはアルマダメガトロンが初。
最期は宿敵であり、友だったコンボイを庇ってユニクロンの作った闇へと消えるが…(その後の詳細はこちらで)。
ちなみに日本語版の声優の梁田は、過去に『ビーストウォーズ』でデプスチャージを演じている。原語版はビーストメガトロンからの続投であるが、声にエフェクトがかかっている。
ギャラクシーフォース
CV:中田譲治/吹:デビッド・ケイ、トレバー・デュバル(第1話のみ)
『ギャラクシーフォース』に登場するマスターメガトロン。略称はマスメガ。
海外版では『Transformers Armada』(マイクロン伝説)、『Transformers Energon』(スーパーリンク)のメガトロンと同一人物だが、日本語版では異なっている。某新世紀GPX風の自動車やジェット機に変形するが、地球のメカはスキャニングしていない。
主武装はデスマシンガンとデスクロー。その他背中に二基のミサイル発射管を備える。後述のダークライガージャックとリンクアップ(合体)し、ライガーメガトロンとなる事も可能。
部下想いじゃない破壊大帝。終盤では部下全員が愛想を尽かして離反。「使えるからそばに置いていた」と本人が述べており、部下達の力は認めていたが、(逆に言えば利用価値があると判断)歴代メガトロンの中では戦闘力は最強クラスだが、自信過剰さも目立ち人望と統率力は低い。
第41話では、惑星ギガロニアのプラネットフォースの影響で銀色に輝くボディのマスターガルバトロンとして生まれ変わる。それまでも圧倒的なレベルにあった戦闘能力は更に底上げされ、転生直後には手分けして惑星を探索していたサイバトロンメンバーを次々に襲撃。各個撃破する形だったとはいえ、サイバトロン側をほぼ総崩れ状態にまで追い込んでいる。
通常のトランスフォーマーを軽く凌駕する馬力を誇る他、通常の火器とは別に両手からの放電が得意で、各惑星のプラネットフォースに対する高い順応性を持ち次々とパワーアップを果たしていった(スピーディアではビークルモードのブースター、アニマトロスではデスクロー、地球ではデスマシンガン、ギガロニアでは前述のマスターガルバトロンへの転生)。
中でもスピーディアとアニマトロスでは惑星を訪れただけでその恩恵を獲得、更には異空間ごと初期化されても生還した挙句その際に身に纏っていたエネルギーでライガージャックをコピーし、ダークライガージャックを創造する等、トランスフォーマーの常識では説明できない力を見せていたが、それらは物語冒頭まで幽閉されていた間に、身体が消滅して宇宙を漂っていたユニクロンのスパークの一部を体に取り込んだ影響。
更に言えばブラックホール発生もそれによってプライマスとユニクロンの力のバランスが崩れたためだった(DVD9巻のブックレット収録の用語解説)。
ギャラクシーコンボイとの最終決戦は勇者シリーズ1作目のオマージュ。因みに本作ではベクタープライム役の速水奨はエクスカイザーを演じており、勇者シリーズと縁の深い作品となっている。
ちなみに漫画版ではギャラクシーコンボイのパンチ一撃で倒されているせいか、作者の岩本先生も「口先だけになっているような…」とコメントしている。
実写映画版
「俺様は、メガトロンだ!」
「たかが虫けら一匹潰す仕事も満足にできないのか!!」
CV:ヒューゴ・ウィーヴィング、フランク・ウェルカー/吹:中村浩太郎
実写映画シリーズに登場するメガトロン。名前こそメガトロンだが、その外見はこれまでの歴代メガトロンから大きくかけ離れており、時折発する唸り声やびっしり生えた牙など、まるで肉食獣やティラノサウルスのような印象を与える。性格も寛容さとは無縁であり、どちらかと言えばガルバトロン寄りの肉体派。オールスパークを求めて太古の地球に飛来するもうっかり北極に墜落してしまい、フレンジーに解凍されるまで氷漬けにされていたという、大層御茶目な御仁。
詳細については実写メガトロンの記事を参照。
アニメイテッド
「ムェガトルォン、トランスフォォウムッ!!」
CV:コーリー・バートン/吹:若本規夫
『アニメイテッド』では地を這うようなボイスが印象的な強力若本のメガトロンが登場。第1話時点ではサイバトロンジェット、復活後はツインローター方式の攻撃ヘリコプターに変形する。ファンからの主な通称は、声優になぞらえてワカモトロン、メガ本、アナゴトロンなどがある。なお、日本版の声優は過去に『ギャラクシーフォース』でフレイムコンボイ役で出演した経歴を持つ。
一人称は「我」だが、序盤は「俺様」も使っていた。今回は右腕にマウントされたフュージョンカノンだけでなく、ヘリコプターのローターが変化した2本の大剣メガニウムソードも装備(復活前も1本だが使用していた)。
第1話でオートボットの宇宙船を襲撃するも早々に愚か者に裏切られ片腕を失った挙句、地球に墜落時に船外に放り出され首だけになって墜落。
その後、頭部と右腕が若かりし頃のアイザック・サムダック博士によって回収され、50年もの間ロボット工学の研究材料として彼の研究室に保管されていた。オールスパークの力を宿した鍵でサリが部屋の外にイタズラして室内にエネルギーが流れ込み蘇生。自身の完全復活とディセプティコンの再起を企て暗躍に動いていた(日本語はこれらのシーンのカットとエピソードの入れ替えが行われた影響で50年ずっと頭部だけで存命していたかの様な描写に移っている)
サムダック博士に自分はオートボットの同志と偽りトランスフォーマーの技術を転用した事に文句を言われないよう自身を修理するように言いくるめて匿わせるなど知性・技術力・際限なき戦闘能力・冷酷さ・凶暴性を併せ持つ、ある意味で最も破壊大帝という肩書きの似合う存在。だが、同時に初代に匹敵するほどの人格者。裏切り者こそ問答無用で処刑したが、独断行動する有機生命体とのハイブリッドや地球生まれの飲んだくれ、裏切り者を見捨てたクローン軍団だろうと仲間に迎えており、受け入れられたものも合流を放置するパターンはあってもメガトロンの邪魔になるようなことは一切していない。忠臣に恵まれ、宇宙中に散り散りになった数多くのディセプティコン戦士がずっと再起のチャンスをうかがい、メガトロンの生存報告と演説を聞いた瞬間に一斉蜂起したことからそのカリスマ性がうかがえる。
しかし、吹き替え版では一変してコミカルに。というか声優が独特なイントネーションで喋る若本規夫だった時点で、『アニメイテッド』の方向性は決定していたと言える。
4話ではサムダック博士の事をフグ田君とまで呼んでいる。13話までは顔は修理中であり、口パクにあわせる必要が無かったのでアドリブし放題だった。
13話終了後の14話予告編では、それまでと比べて実にまともな予告編ナレーションを行ったが、実際は予告編の時間一杯を使って「トランスフォーマーアニメイテッド 次回は我の復活じゃあ!」と言っただけだった(ラグナッツは相変わらずベタ褒めだったが)。
14話のラストで遂に完全復活を果たし、その後も色々と画策したり、スタースクリームにアナゴさんとまで呼ばれたり。42話における最終決戦でオプティマスに敗れ、部下共々サイバトロン星の収監所へと投獄された。
第1話でちょっぴり登場したサイバトロンモードの姿は、実写映画版1作目のメガトロンとよく似たヘルメットを被っていた。
幻のシーズン4では、収監所から脱獄した後にマローダーメガトロンへとパワーアップ。戦車とジェット機に変形するトリプルチェンジャーとなる予定で玩具の試作品まで作られていたが、放送局の都合によるシーズン4打ち切りで、あえなくボツとなってしまった。
プライム
「俺様の失敗はなぁ…貴様だよ…!!お前を好きにさせてしまったのが、最大の失敗だった!!」
「コラーッ!ひろしではない、メガトロンだ!!」
CV:フランク・ウェルカー/吹:藤原啓治
『トランスフォーマープライム』に登場する焼け野原ひろしなメガトロン。通称ひろしトロン。外見は全体的なフォルムこそG1メガトロンをベースとしているが、トゲトゲしいボディのデザインやギョロ目・ギザ歯が強調された顔つきなどはむしろ実写映画版に近い。ビークルモードも実写映画版第1作目同様、顔の出たエイリアンジェットに変身する。一人称は「我」、「俺様」。
かつては「メガトロナス」と名乗るケイオンの剣闘士であったが、親友のオライオンパックスと共に権力者の腐敗が問題となっていたサイバトロン星の政治改革を目指すようになる。「メガトロン」と名を改め政界進出するが、強引なやり口のメガトロンは議会からは受け入れられず、更に親友だったはずのオライオンが議会から認められた事で政界に幻滅。腹心のサウンドウェーブを伴ってディセプティコンを結成し、戦争を引き起こした結果、セイバートロン星をダークエネルゴンで汚染され尽くした死の星へと変えてしまったという過去を持つ。
メガトロナスだった頃は、「銀色のボディに赤いパーツ、蒼い瞳、シワのない顔」という姿をしていたが、政界から去りディセプティコンを結成するにあたってオライオンらへの理解が得られなかった事への憎悪を示すかのように現在の姿へと変貌した。
忠実な部下であってもその時の気分であっさり切り捨てたり、周囲の制止を無視して強引な手段に出たりと歴代のメガトロンと比べるといささか力任せで粗暴な面が目立つが、策略にも長けており、化学兵器やイモビライザーに似た新兵装を開発したり、情報技術者や科学者を重用するなど、G1同様理科系に理解がある面も持っている。
また、オプティマスに裏切られた(完全な逆恨みだが)過去からか、有能かつ忠実であるサウンドウェーブとショックウェーブを除いた部下をあまり信用せず、自身を裏切ったスタスクを「見てて面白いから」という理由で生かしておいたかと思えば、飽きた途端に粛清しようとするなど、陰険かつ残忍な性質も併せ持つ。
この気分屋なところや部下をも疑う猜疑心の強さ、陰険さは物語の要所要所で裏目に出て、オートボットを利して自らの敗北に繋がる結果を招いている。オプティマスへに対してはただの敵やライバルといった域を超えた異常な執着を抱いており、戦争を起こしたのも数々の蛮行も「自分がオプティマスよりも優れている」ということを証明したいという思いからだった節が見られる。
その狂人染みた性格から本編では敵味方問わず恐れられる存在だが、本編を外れるとやたらユーモラスな扱いをされる事が多い。テレフォンサービスやWeb上次回予告、深夜の特別番組などの本編以外の媒体では異様にフランクであり、何故か日本の芸能にやたらと詳しい。カラオケに毒されてテレフォンサービスの余った時間で「My way」を歌おうとしたり、特別番組のインタビューでは谷村新司の「昴」を口ずさんだりしている。
…と、日本吹替版でキャラクターがアドリブネタに走るのはいつものことだが、困った事に原語版の時点で既にネタに走ってしまっている。放送局のCMでもやはり歌ったり、視聴者からの質問(「好きなケーキは?」「休日何してんの?」「メリル・ストリープの映画でお気に入りなのは?」「プロム(ダンスパーティー)に来てくれませんか?」など)に律儀に答えたり、マイリトルポニーなのではないかという疑惑が持ち上がったりしている。
ユニクロンの血で出来ていると言われる代物「ダークエネルゴン」を摂取しパワーアップしているが、重度のヤク中ならぬ「ダークエネルゴン中」のようで、あの歴代随一のゲスなスタースクリームからも心配されるほど。
ダークエネルゴンの影響か、オプティマスを除いたオートボット達が総勢でかかってもかなわないトンデモな強さを誇るが、ラフが殺されかけたことで甘さを捨てて完全に殺す気で挑んできたオプティマス相手には全く手も足も出ず殺される直前まで追い詰められ、たまたまその場にあったダークネルゴンが活性化してそのエネルギーを吸収したことで辛うじて撃退している。その後も本気になったオプティマスとの戦いでは圧倒されることが多かった。
ダークエネルゴンの力でセイバートロン星のディセプティコン戦士を復活させて一気に戦局をひっくり返そうとするも、失敗した挙げ句意識不明の重体に陥り物語中盤まで寝込んでいたが、ネメシス内部に侵入し、脳内侵入プログラムで自身の精神の内部に入り込んだバンブルビーを利用して復活。そして自身の復活を妨げ、あまつさえニューリーダーを気取りまくっていたスタースクリームにいつも通りお仕置きを喰らわす事となった。
その後はオートボットと小競り合いを繰り広げつつガイアユニクロンの復活する時である惑星直列を待ち、覚醒したガイアユニクロンに服従してそのパワーの恩恵に与ろうとするが、拒まれたためにオプティマスと共闘した。
ガイアユニクロンを封印するためにマトリクスの力を解放してオプティマスであった間の記憶を全て失ったオプティマスを言葉巧みにディセプティコンに引き込み、地球に隠されたアイアコンの遺産を集める計画を立てる。紆余曲折ありつつもアイアコンの遺産の中でもサイバトロン星を復活させられる超重要アイテムであるオメガロックの鍵であるオメガキーをスタスクの助力で全て手に入れ、地球をサイバトロン星と同じ金属の惑星に変えようとする。オメガロックはオプティマスに破壊されたものの、地球に超巨大要塞ダークマウントを建造することには成功、オートボットの基地「オメガワン」の所在地を突き止め、(該当場面は日本放送分ではカットされたものの)焼け野原に変えた。
ちなみに藤原は、かつて動物だらけのサイバトロン軍でダーダー言ったりメカ恐竜軍団のリーダーとしてもダーダー言ったりしていたかと思えば『マイクロン伝説』では鬼軍曹のデバスターを演じていた。
また、深夜の『トランスフォーマープライム』特別番組ではスタースクリームから「ベクターシグマと同じ声じゃないか?」と例の如く陰口を叩かれ、挙句ひろし呼ばわりされていた。
余談だが、藤原は惜しくも2020年に55歳で逝去。彼の持ち役であった『クレヨンしんちゃん』の野原ひろしは、本作でオプティマスプライムを演じた森川智之が受け継ぐことになるという数奇な運命を迎えている。
なお、オリジナル版の声優はG1メガトロンを演じたフランク・ウェルカーが演じている。
ビーストハンターズ
※以下、『ビーストハンターズ』のネタばれ注意※
海外でのみ放送された続編『ビーストハンターズ』では、オメガロックの力で建設したニューケイオンのダークマウント要塞で人類に武力的圧力を仕掛けるが、ソラスプライムハンマーで復活したオプティマスに阻止され、要塞を丸ごと破壊されてしまう。続いて、サイバトロン星の古代種であるプレダコンをクローン技術で再生させて配下にするというショックウェーブのプレダコン計画に着手するも、予想外の進化を遂げていくプレダキングの強さを見て、プレタゴン軍団が制御不能になる事を危惧し計画を放棄。
更に偶発的に発生した事故から、合成エネルゴンとプレダコンのCNAを掛け合わせるとサイバトロン星を再生させるエネルギーを得られる事が判明。破壊されたオメガロックを戦艦ネメシスに復元し、再びサイバトロン星復活と地球の金属惑星化に乗り出した。最終回では、地球の上空に停まった戦艦ネメシスの艦底でオプティマスと決着をつけるべく死闘を繰り広げるも、声を取り戻したバンブルビーによってマトリクスセイバーで胸部を刺し貫かれた。機能停止したメガトロンの亡骸は、そのまま地球へと落下していった。
……かに見えたが、最終作となるOVA]『プレダコン・ライジング』で、実は生存していた事が明らかになる。
ダークエネルゴンの影響で死に損なったメガトロンは意識不明のまま海底に沈んでいたが、サイバトロン星(プライマス)が再生された影響で目を覚ましたユニクロンにより、封印されてしまった体の代替としてボディを修復され復活を遂げた。これまでにない絶対的な力を手に入れたメガトロンであったが、所詮ユニクロンの操り人形でしかなく、故郷サイバトロン星を滅ぼす為の尖兵として利用されてしまう。
最終的にはオプティマスによりユニクロンが封印された事でその呪縛から解放された。ユニクロンが封印された事で憑き物が落ちたのか、あるいは破壊と混沌だけを目指し故郷を滅ぼそうとしたユニクロンの姿をサイバトロン星を滅ぼした己自身に重ねたのか、「破壊からは何も生み出さない」と悟り、オプティマス達の眼前でディセプティコンの解散を宣言。そのままサイバトロン星から去って行った。
この時のメガトロンは、各部が錆びついたボディにユニクロンの意匠を取り込んだような姿をしており、各部から角や棘を生やし紫の妖気を漂わせるその姿はあたかもガルバトロンを彷彿とさせるが、劇中で自らをガルバトロンと名乗る事はなかった。(前日談となる小説『Transformers: The Covenant of Primus』にて古代世界のトランスフォーマーとして登場しているためと思われる。)ビークルモードはより実写映画版に近くなったエイリアンジェット。
腕からダークエネルゴンを具現化させた武器(ガントレットにもなるブラスター、ハンマー、槍など)を使用していたが、その中には日本で発売されたメガトロンダークネスに付属していたアームズマイクロン・ハデスを思わせる鎌状の武器もある。
余談だが、『ビーストハンターズ』の玩具の説明書に記載された付属ストーリー内では
シャークティコン・メガトロンとしてパワーアップ。黒いボディの随所に水色と紫のアクセントが入った禍々しい姿となっている。なお、玩具内の設定では肩書もリーダーではなく、破壊大帝となっている。
続編の『トランスフォーマーアドベンチャー』では前述の経緯ゆえ直接の登場こそしないものの、彼が私淑していたトランスフォーマーが復活したり、戦時中に開発していた兵器を使ってパワーアップを図る者が出たり、呼び戻して戦争を再び起こそうとする者が出たりと、物語の世界観に影を落としている。
キュートランスフォーマー
「一体いつになったらコンボイの謎のリメイク版が改善されるんじゃ!全然話が進まんではないか!」
「ロックダウンまでいつの間にかこんなクソゲーにハマりおって…この愚か者め!」
CV:藤原啓治
『キュートランスフォーマー』では、当初は玩具化が発表されておらず、ゲームアプリ『帰ってきたコンボイの謎』におけるボスキャラの1人という扱いだった。アニメ版でもオープニングにて原作『コンボイの謎』の隠しステージの肖像画を模したポーズで登場する程度で、ニコニコ動画ではそのシーンが流れる度に「※出ません」などとコメントされるのがお決まりとなっていた。
このまま出番なしかと思われていたが、満を持して玩具シリーズに登場。ロックダウンに続く数少ないディセプティコン枠で、ランボルギーニ・ヴェネーノに変形する。
更に最終回(第13話)にもサプライズ出演(ニコ動では「※出ました」とコメントされた)。声優は直近の作品である上記の『プライム』でメガトロンを演じた藤原が担当しているが、一人称が「ワシ」などG1メガトロンを意識した口調となっている(それを受けてか、途中でオプティマスとバンブルビーもG1風の姿に変形し、オートボットではなくサイバトロンを名乗った)。
実はこれまでの3人(+α)の会話を物陰から盗み聞きしていたらしく、終始ツッコミに徹していたはずのロックダウンが最終的にオプティマスたちと一緒にアプリをプレイするだけになってしまった事に痺れを切らして姿を現した。
本作のゲームアプリにロックダウン以上に不満を抱えていたらしく、論調強く改善を要求する。極めつけに「『コンボイの謎』はコンボイの死の原因を突き止めるゲームなのだから、本人(オプティマス)がプレイヤーキャラになったら意味ないだろ!」とゲーム内容そのものに関わる意見を突きつけ、4人で新たなタイトルを考え直すことを提案する。
第2期にも3話以降ディセプティコン軍団だけの登場回が設けられ、サウンドウェーブ・ショックウェーブ・スタースクリームと揃って準レギュラーとして登場。オートボットに対抗し、彼らを超える人気キャラクターとしての地位の確率を模索する。
前述の通り、中の人が過去複数のシリーズでアドリブを演じてきたこともあってか、本作でもそのボキャブラリを遺憾無く発揮している。1期13話では議題パートに入るやいなや食い気味に挙手しながら自ら立案。80年代のバラエティ番組を彷彿とさせるタイトルで話を膨らませ、更にそれに乗っかったロックダウンやバンブルビーの案を拾うなど、これまでになく円滑に議題を展開させた(アドリブに弱いオプティマスからすれば、真の意味で「対照的な強敵」と呼べる存在かもしれない)。
また、同話のカットされたパートではあのゲームを意識したタイトルを提案したり、第2期では大きなお友達層を狙い語尾に「にょ」を付けようとするなど、サブカルチャーにも少なからず関心がある様子。
2期の7話では『キスぷれ』の話題に興味津々だったり、スタースクリームが人間の少女に憑りついたことがあると聞き嫉妬してスタースクリームを殴り飛ばしたりと、エロオヤジじみた面が散見された。この話のカットされたパートでは、褒められたら褒め返すという話題から、自分の本来トランスフォーマーにあるまじき部分が見えているという話に脱線してしまっていた。なお何の因果かメガトロンの名称の初期案であった「ハイビーム」はとある卑猥な隠語としての意味合いを含むことが発覚し、現在の名称が決定稿になったという逸話がある。
何かと中の人ネタが多く、過去の出演作について言及されることもある。2期11話では某ダーダー恐竜を再現してみせた。他にも某女性声優とのエピソードを語ってショックウェーブから嫉妬されていた。
なお、アドリブパートでは殆ど素の口調に戻り、一人称も「ワシ」から「俺」になる(この点も、口調だけは保とうとするオプティマスとは対照的である)。
サイバーバース
「夢と現実は違う……今は行動を起こす時だ…!」
「この後はいつものように…お前たちと!エビチャーハン祭りだあぁ!!!」
CV:マーク・トンプソン/吹:千葉繁
『トランスフォーマーサイバーバース』におけるメガトロンは最近のシリーズとは異なり、容姿がG1準拠に戻されている。だが、変形するのは銃ではなく戦車。元々はサイバトロン星の英雄であり、サイバトロンを一つにするべく行動を起こすも、その方法が強引すぎたが故にオプティマス達の反感を買い決別。オートボットとディセプティコンは戦争を始めることとなる。
実はその裏でオールスパークとベクターシグマを使ってこれから生まれてくるTFを全てディセプティコンにするという恐ろしい計画を考えており、オールスパークを彼から守るためにオプティマス達は奔走することとなる。また、バンブルビーのボイスボックスを破壊して彼の声を奪った張本人でもある。
日本語吹き替え版では千葉繁が声を担当。
『エビチャーハンといえば?』
『メガトロン‼︎』
『よく出来ました‼︎』
そう、まさかの腹筋破壊大帝千葉トロンの復活である。
しかも今度は「自称メガトロン」ではなく正真正銘メガトロン本人なので余計にタチが悪い。ゴリラ声のオプティマスのことはコンちゃんならぬ「オプちゃん」と呼ぶ。
低年齢向けかつ地上波に乗らないこともあってか非常にアドリブが多く、相変わらずの饒舌っぷりを見せてくれる。おかげで日本語版しか知らないとただの愉快なおじさんにしか見えない。しかるべき場所ではしっかりとシリアスなのでビーストのノリが苦手(ビーストもシリアスな場面ではちゃんと狡猾な悪役をしているが)という人でも安心して見られるだろう。
…まあバンブルビーの声を奪う際に「お前餃子くせえな」と早速シリアスブレイクをかましていたが気にしないでおこう。
他にも裏切ったスタースクリームを粛正するシーンでは「虐めじゃないよお仕置きだよ」「良い子のみんなは真似すんなよ!」とスタスクをボッコボコにしながら画面の前の子供達に呼びかけるなど、児童向けの配慮も出来る中々出来た破壊大帝である。また、「自分がお笑いに目覚めたのは生まれた時から」だとか「台本通りにやるなんてまっぴらごめん」と公言している辺りアドリブを捨てる気は毛頭無いと見受けられる。
因みに声付き初登場で「エビチャーハンといえば?」とオプティマスに問いかけたり、未だにエビチャーハンに固執しているらしく、エビチャーハンネタを多用している。
また『サイバーバース』には何の因果かそのエビチャーハンを食べた犯人が出演している。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
CV:ジェイソン・マルノチャ/吹:大塚芳忠
NETFLIXにて配信されているオリジナルアニメ『ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』では、同トリロジーの玩具のデザインほぼそのままの姿での登場となった。
ディセプティコンのトップだが、肩書は破壊大帝ではなく統率者となっている。元は奴隷の出身であり、オプティマス(オライオン)、ウルトラマグナスと共にアルファトライオンの下で学び、エリータ・ワン(エイリアル)とは互いに憎からず思う仲だったが、ある時アルファトライオンを殺害してディセプティコンを立ち上げ、戦争を始めた。
戦争を起こした軍事集団の独裁者ではあるが目的はあくまで破壊と殺戮や支配ではなく、奴隷階級の解放と社会制度の改革であり、オートボットのことも殲滅ではなく可能な限り犠牲は少なく懐柔しようとしている名君だった。だがオートボットの執拗な抵抗で星を滅ぼしかねないほど長引く戦争への焦りとかつての友の手酷い裏切りで、徐々に残酷な暴君へと変貌していくことになる。
前述した玩具は『シージ』、『アースライズ』共にヴォイジャークラスで発売されている。ロボットモードはG1に似たデザインとなっているが、両方とも戦車へと変形し、ビークルモードの砲塔が剣に変形するという独特のデザインとなっている。
アーススパーク
「出来るならな。かかって来い!戦いは望むところだ!」
CV:ローリー・マッキャン/吹:千葉繁
『トランスフォーマーアーススパーク』に登場するメガトロン。アニメイテッド版を彷彿とさせる銀色のティルトローター攻撃機に変形する。
デザインはサイバーバースに引き続きG1準拠だが、顔つきや各部パーツの造形は後述するIDWコミックのデザインが最も近い。
今作では何とオートボットや人類の協力者。これまでオートボットとディセプティコンがシリーズ内で和解する展開自体は少ないながらも存在していたが、最初から味方サイドとして登場するのは今作が初である。
かつてはディセプティコンのリーダーとしてオートボットと戦っていたが、戦争中にマルト兄妹の母、ドットと出会ってからは考えを改め、ディセプティコンを脱退した様子。現在はオプティマスらと共に人類と一部のオートボットが共同で結成した秘密組織「ゴースト」に協力しており、かつての同胞たちやマンドロイドと戦っている。ドットのことは本名である「ドロシー」と呼んでおり、特別な友情を窺わせる。
元々は別のアルトモードだったが、かつてドットの部隊がジェットロンに攻撃された際、断腸の思いで軍用ティルトローターの最後の一機をスキャンした。この一件で己のスタンスを改めたことによって、オプティマスからも信頼されるようになったという。
当然と言えば当然ではあるが彼の行動は「自分達を見捨てて一人だけ敵に寝返った裏切り者」と他のディセプティコン達から認識されており、特に腹心だったサウンドウェーブやショックウェーブからは凄まじく憎まれている。自身も同胞を裏切った事には少なからぬ罪悪感を抱いており、サウンドウェーブにそのことを糾弾された際には何も言い返せず立ち尽くしてしまっている。
また、日本ではまだ未放送の第二期と第三期ではアダムスやプロールといったオプティマス達と別行動していたが生き延びていたオートボットも合流してくるが、アダムスは割とあっさりと受け入れた一方で過去の所業からプロールからは不信感を抱かれしばらくの間軋轢を生んでいた。
ゴーストに対しても、居場所があることにありがたみを感じている一方、元同胞に対する情とで板挟みになっており、隊員以外のトランスフォーマー(特にディセプティコン)は有無を言わさず捕獲・管理するゴーストのやり方をあまり好ましく思っていない。
また、サイバトロン星の復興の鍵であったオールスパークがスペースブリッジの破壊の余波で消滅し、結果的にサイバトロン星を滅亡させてしまった事、これら全ての原因がオールスパークを巡って戦争を始めた事である事に深く後悔しており、次世代を担うテラン達には同じ失敗を犯して欲しくないと伝えている。
なお、原語版では人間の子供であるモーに対し「下等生物」と吐き捨てたショックウェーブに対し「その考えこそ、我々が戦ってきた理由だろうが!」と激昂していることから、サイバトロン星での戦争の原因の一つが差別であり、戦い続ける中で同じ信条の下集ったはずのディセプティコンがその信条と反する行動をとりつつあったのを悟った事が脱退の理由ではないかと考察されている。
オプティマスとは軽口を言い合ったり、チャット画面が絵文字まみれなオプティマスにフォローを入れたりと良好な関係だが、野良ディセプティコンへの対応を巡って対立することも。
マルト家以外との人類へのスタンスも、人間の善性を信じ共存できると希望的に考えているオプティマスと、ディセプティコンの残党が事件を起こし続ける限り共存は難しいと現実的に考えるメガトロンとで温度差が見られる。
因みに、部下が言うことを聞かない時はちょっと怒る→マジで怒る→お尻ぺんぺん→必殺ターボツイスターとのこと。
また、スカイワープとノヴァストームによればめちゃんこ重たいらしい。
声優は『サイバーバース』から千葉氏が続投しており、一人称は過去の千葉トロン同様「俺」「俺様」。だが、ビーストウォーズノリ全開だったサイバーバースとは打って変わって、若手時代の千葉氏の恩師でもあった故・加藤精三が担当していた初代メガトロンを意識した演技であり、アドリブも最小限(というかほぼ皆無)に留められている。
…かと思ったら最終回opラストでこっそりエビチャーハン探してました。
ONE
CV:ブライアン・タイリー・ヘンリー/吹:木村昴
ディセプティコンを組織しメガトロンと名乗る以前のD-16と呼ばれていた頃の姿が描かれている。
サイバトロン星の地下都市アイアコンシティでエネルゴン採掘に従事する労働者で、同じ労働者のオライオン・パックス(後のオプティマス)とは悪友の間柄。
オライオンと比較すると慎重で規律を重んじる性格で、後先を考えない破天荒な性格の相方には何かと振り回されている。
サイバトロンではクインテッサとの戦いによって地上が荒廃した上、リーダーのマトリクスが失われた事でエネルゴンの循環が止まり、変形能力を持たない労働者階級が市民階級のためエネルゴン採掘に従事するという格差社会が生じており、D-16自身も不満を抱きつつそれに甘んじる日々を送っていた。
しかしオライオンの起こしたある騒動をきっかけに訪れた最下層の廃棄物処理施設で、マトリクスの在りかを示すビーコンを発見し地上世界への冒険に出る事になる。
以下、トランスフォーマーONEのネタバレ注意
ビーコンの示した座標に辿り着き、サイバトロン衰退の真相を知った後、オライオンと共にトランスフォーム能力を得て圧政打倒のために立ち上がるものの、自分を含む労働者たちからコグを奪った黒幕(※リンク先ネタバレ注意)への復讐心を募らせ、仲間たちの解放を第一に考えるオライオンとの関係に少しずつ溝が生じていく事になる。
最終的には黒幕を大衆の面前で殺害し、新たにメガトロンと名乗り体制の打倒を宣言するが、プライマスからマトリクスを授けられ新たなプライムとなったオライオン/オプティマスとの一騎討ちに敗れ、かつての友と完全に決別。アイアコンからの追放を言い渡され、自分を支持する者たちを引き連れて地上へと去った。
エンドロールの後、ディセプティコンの設立の宣言するシーンで映画は幕を閉じる。
アニメ以外
marvelコミック
最初にマーベルコミックからコミカライズされ、その劇中にも登場した。G1アニメとほぼ同じ経緯で、オートボットおよびオプティマスとともに来訪。アーク内で再生した後に地球で戦いを繰り広げる事となる。
初期にはマーベルユニバースと同じ世界観とされていたため、スパイダーマンとも共演。ウェブでぐるぐる巻きにされた事もある。
また、スタースクリームにディセプティコンのリーダーの座を狙われていた事はアニメと同様だが、本作ではレーザーウェーブことショックウェーブから、実際にリーダーの座を実力で奪い取られている(後に、リーダーに返り咲くが)。
玩具同様に拳銃に変形するが、大きさは縮小が可能。人間のチンピラに拳銃の状態で拾われ、銀行強盗などに使われた事があった。
人間に対しては弱い存在と見下していたが、利用できる時には利用。感銘を受けた者に対しては、それなりに敬意を示す事もある。
上記チンピラに対しても、自分を恐れない勇敢さを目の当たりにして感心し、怒りを鎮めて見逃していた。
IDWコミック
米国のIDWパブリッシングから出版されたアメコミでは地球を文字通り征服したディセプティコンや、メガトロンの過去とディセプティコン結成までの道のりを描いた作品、他にも戦争終結後のメガトロンの行方を描いた作品などが出版されている。
フルネームはメガトロン・オブ・ターン。トロンはエレクトロニックではなくニュートロン爆弾のトロン。エネルゴン鉱山の鉱夫の一人で、レッカーズのインパクターとは同僚であると同時に良き親友であった。(ケイオス・セオリー)
オルトモードや出生によるカースト制度が蔓延していた当時、そうした体制に反対する論文を多数発表しながらも、当時はあくまで平和的な革命を目指していた(当時のオライオン・パックスもその論文に感銘を受けている)。だが、誤認逮捕された際に当時警官だったホワールから受けた暴行、評議会の配下である脳外科医トレパンから悪名高い洗脳処置「シャドウプレイ」を受けかけたこと、そして自身の活動を応援してくれた親友・ターミナスとの別れから、徐々に心身ともに荒んでいった。
そして400万年前、勤務先でのオートボット上院議員デシマスに対する暴動をきっかけに、犯罪都市ケイオンに亡命して剣闘士へと転身。裏社会でのし上がっていくとサウンドウェーブやスタースクリームなど新たな部下達を加え、遂にはセンチネル・プライムと上院議員達による腐敗政治を打倒、ディセプティコンの結成を宣言する(メガトロン・オリジン)。
メガトロンを頂点に据えたディセプティコンはその後も勢力を拡大し続け、サイバトロン星における一大勢力として台頭。新たに圧政を敷いたゼータ・プライムを倒そうとオプティマスプライムと共闘する展開も描かれていた。
『オリジン』でのメガトロンはやたら装飾がゴテゴテしているのが特徴で、これらの装飾はG1メガトロンの玩具に付属していたステッカーをオマージュしたもの。ヘルメットの下の頭部もなんかやたらと物凄い。ちなみに、G1メガトロンのトレードマークだったバケツ型のヘルメットは、IDW版コミックの中ではかつて炭鉱夫達が用いていた作業用ヘルメットに由来しているという事になっている。
地球での戦いでスパイク・ウィトウィッキーとコンボイに敗れ昏睡状態となったメガトロンは、しばらく行方を晦ましていたが、ショックウェーブの手によりボディを改修し体内にスペースブリッジを搭載して再登場している。その後オプティマスに勝利するも殺さずオプティマスを連れてオートボットに投降し、セイバートロン星に裁判の為に連れていかれるが…
こちらのメガトロンは黒い全翼型のステルス戦闘機っぽいサイバトロンジェットに変形する。この姿のメガトロンの玩具について、海外ではアメコミの通りメガトロンの新たな進化形態として発売されたが、IDWのアメコミが展開されておらず、その認知度も低い日本ではメガトロンの前身であるメガトロナスとして発売されたという、日米でそれぞれ異なった展開が行われているTFならではのエピソードがある。
ザ☆バトルスターズ
『Z(ゾーン)』のその後を描いた、日本独自の玩具展開シリーズ『ザ☆バトルスターズ』ではスーパーメガトロンおよびウルトラメガトロンが登場。詳細については当該記事を参照。
シャッタード・グラス
「善」と「悪」が逆転した『シャッタード・グラス』の世界のメガトロン。今までのメガトロンとは全く異なる「正義」のメガトロンである。頭部デザインは黒いヘルメットだった初期パイロット版のG1メガトロンがモデルになっており、若くイケメンである。
大学教授として暮らしていたが、オプティマスプライムの暴挙に心を痛め、ディセプティコン(デストロン)自警団を設立、リーダーとなる。仲間の為なら自らが犠牲になるのを躊躇わない優しい性格である為、他のディセプティコンから心配されている。
メガトロンのいい部分だけを増したせいか、ライオコンボイ寄りな性格になったのか、きれいなメガトロンとまで呼ばれている。
ちなみに、SG世界でのディセプティコンは自分達を戦闘用に改造する事でトランスフォーム機能と飛行能力を得たが、これらの改造技術はメガトロンが確立した。(ちなみにBotconで限定販売された玩具は、『スーパーリンク』版ガルバトロンの仕様変更品で、カラーリングと頭部の造形が異なる)
後にサイクロナスの裏切りに遭い重傷を負うが、ガルバトロンとして復活。救難ヘリコプターにトランスフォームするようになった。玩具は『Transformers Cybertron』(ギャラクシーフォース)のイーヴァック(ライブコンボイ)のリカラー品。
War for Cybertronシリーズ
「All Hail Megatron!!」
CV:フレッド=タタショア
日本未発売のゲーム『War for Cybertron』シリーズでは戦車に変形する。かつてはケイオンの剣闘士であったが、セイバートロン星をかつての黄金時代へ戻す為に闘う、ディセプティコン軍団の指導者として登場。セイバートロン星を牛耳る旧支配体系を破壊し、惑星上の生命を汚染する「ダークエネルゴン」を用いてセイバートロン星を支配しようと目論む。
オートボットの思想はとことん否定しており、アイアコンのステラ・ギャラリー(瞑想室)を襲撃した際、瞑想について『自分の無能を棚上げして怠惰の中で泣き言を並べ立てるだけの時間とエネルギーの無駄遣いにしかならない無駄な行為』と断じている。
戦闘では部下に任務を与えるだけではなく、自らも最前線に赴いて的確な指示を飛ばすまさに理想の上司(自身の命令に反論した部下を射殺することもあるが)。
『War For Cybertron』では例の愚か者との馴れ初めや、G1デストロン軍団が搭乗していた大型戦艦ネメシスの出自など、メガトロンやディセプティコンの成り立ちが描かれている(ただし、G1の設定とリンクはしない本作独自解釈)。
続編の『Fall of Cybertron』ではメトロフレックスに潰されて死亡したかに思われたが、サウンドウェーブの手によって復活し、ニューリーダーを宣言して好き放題していた愚か者を物理的にお説教。その際にボディを新調している(イラストは新調後の姿である)。
その後、『War For Cybertron』の終盤で墜落し行動不能になったトリプティコンを大型戦艦ネメシスに改修し、ゲートへと逃げるアーク号を追跡している。
このシリーズについて公式サイドから「『トランスフォーマープライム』と同じ世界観の物語である」というアナウンスがあったが、双方の作品展開が進むにつれて整合性が取られなくなっている。公式的には見解は保持されているが、ファンの間(特に日本)では様々な矛盾点から別物としてみなされることが多い。が、こんなことはTFにはよくある事である。
レジェンズ
日本独自の玩具シリーズ『トランスフォーマーレジェンズ』にはG1、ビースト、そしてアルマダの3人のメガトロンが登場する。ビーストメガトロンについては別項参照。
G1メガトロン
G1世界からレジェンズ世界にやって来たメガトロン。劇中での口ぶりからどうやらG2にて倒されたメガトロンが復活した姿らしいが、容姿は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』の時代の姿に故意に似せているらしい。
復活後はエネルギー強奪のために伝説のレジェンズ世界へと向かい、道中出会ったコンボイに自身の野望を打ち明ける。しかし当のコンボイからは全く信じてもらえず、「とうとう頭がおかしく…」なんて憐れみの目を向けられる始末であり、結局不貞腐れながら一人レジェンズ世界へと旅立った。しかし、TFシリーズのアニメが放送されているレジェンズ世界においては超が付くほどの有名人であり、到着後には侵略者にあるまじき歓待を受けてしまう。まず手始めにビーストメガトロンが社長を務めるテラノクラッ社の入社面接を受けて見事合格し、そのまま会長に就任して会社を乗っ取る。
…聞き間違いではない。会長である。
スキッズの一撃から部下を庇って、一度ボディが破壊されてしまうも残骸の中からデストロンヘッドマスターとして復活。その後、紆余曲折あってレジェンズ世界の市長へと成り上がるも、この頃の彼には「平和的にレジェンズ世界を統治する」という目標が生まれていたため侵略などは一切行わず、人命第一の良きリーダーとしてレジェンズ世界のネオあーきはーばらーを治める事に。このあまりの変貌ぶりに同じくヘッドマスター化したスタースクリームからも驚かれている。
スコルポノックとデビルZの計略により、レジェンズ世界の崩壊が避けられないと判明した際には、アルファートリンの協力のもとレジェンズ世界の生物全てをG1世界へと避難させ、自身もG1世界へと帰還した。
玩具はG1のデザインを踏襲し、戦車に変形する大型サイズの「LG13 メガトロン」と、ヘッドマスター化したメガトロンが付属する「LG23 ガルバトロン」が発売された。
前者はハズブロの『コンバイナーウォーズ』のリーダークラス版メガトロンの仕様変更品で、スプリングにより主砲からミサイルを発射できるほか、戦車モードで接地させてコロ走行させると転輪が回転し、軟質素材製の履帯も連動して可動する。
一方後者はハズブロの『タイタンズリターン』版ガルバトロンのリカラー品で、メガトロンを頭部に変形させてトランステクター(本体)ヘッドオンするとガルバトロンとなる。メガトロンのフィギュアは戦車やジェット機に変形させたトランステクターに搭乗させることが可能。
アルマダメガトロン
G1メガトロン同様に外界からレジェンズ世界にやって来た存在。アルマダスタースクリームと二人で暮らしており、TFの玩具を買いまくっては家計のやりくりを担当するスタスクの頭を悩ませている。エネルゴンで酔っ払った勢いで、居酒屋で出会った(レジェンズ世界に来たばかりの)G1メガトロンと手を組み、レジェンズ世界を侵略しようと暴れ始めるものの、駆けつけたG1ウルトラマグナスに叩きのめされ敗北。
その後も飽きもせず玩具収集を続けていたものの、その欲望と精神エネルギーが増幅し続けた結果暴走して巨大化、レジェンズ世界のTF玩具を独占する為に破壊活動を開始してしまう。
最終的にスタスクの手により正気を取り戻し、同時に趣味の世界から目が覚めたのか、集めた玩具をレジェンズ市民に全て譲渡し元の世界へと帰っていった。その後、この玩具達は思わぬ形でレジェンズ市民の危機を救う事になるのだが、それはまた別の話である。
玩具は『コンバイナーウォーズ』版リーダークラスのメガトロンの仕様変更品(部品が上記のLG13と一部共通)で、日本ではカラーリングを変更したものが東京おもちゃショー限定で販売された。限定商品故に出回りが非常に少ない為、特にこだわりが無ければ海外版を狙うのが無難と思われる。