トランスフォーマーのアメコミシリーズ作品「ALL HAIL MEGATRON」の略称。IDWパブリッシングによる出版。Pixivでは正式タイトルよりもこちらの略称のタグの使用が多い。
IDWによるリブートG1シリーズの中で展開されたシリーズのひとつであり、「Infiltration」「Escalation」、「Devastation」の3タイトル、通称「Ationシリーズ」が直接の前日譚となる。
更にAHMからの続編シリーズは
- For all mankind
- International incident
- Revenge of the Deceptions
- Heart of darkness
- Chaos theory
- Chaos
の6タイトルから成り、これらを総括する際は長期連載アメコミを指す「ON GOING」と呼ばれ、のちに「More than meets the eye」、「Robots in disguise」などの更なる続編も出て以降は「旧オンゴ」と呼ばれるようになった。
概要
『デストロンがサイバトロンに勝利した、もう一つのG1世界』というコンセプトのパラレルストーリー。コンボイ司令官を倒しマトリクスを奪ったデストロン軍団が地球侵略を開始する。一方、敗走したサイバトロン戦士達は絶望的な状況の中、仲間達と共に再びデストロンに立ち向かう。
脚本はシェーン・マッカーシー(関連作品「Drift」の脚本も担当)で、作画はグイド・グイディ(グイディ氏は日本の書籍に付属するミニコミックの作画も経験している)が担当。
特徴
- 登場するトランスフォーマーの殆どがG1シリーズのアニメ版にアレンジを加えたデザインになっている(ただし、ブラーのように殆ど別人レベルのキャラクターも居る)。
- 『バンブルとゴールドバグ、メガトロンとガルバトロンが同一人物では無い』、『スパイクが軍人』、『チャー(本編での名称はカップ)がレッカーズを率いる鬼軍曹』、『パーセプターが絶叫しない』など、キャラクター設定がかつてのアニメとはかなり異なる。
- 仲間同士での争いやリンチ、ハードな暴力・破壊描写(片腕をもぎ取る・顔が変形するまで殴る・胸に風穴が空くetc.)、人間やTFの惨たらしい死亡シーンといった描写が多く、到底子供向けの内容ではない。
- 全四巻だが、番外編として「Bumblebee」、「Ironhide」、「Drift」、「Last Stand of the Wreckers」などがある。
- MTMTEやRID、DarkCybertronなど、同社の他トランスフォーマー作品とも一部の世界観と設定を共有しており、主要人物の設定やオリジナルキャラクターなどが引き継がれている。
待望の日本語訳版
このシリーズは原書がAmazonや楽天などメジャーな通販サイトでも品薄状態が多く、色んな意味で敷居の高いアイテムである。
だが、小学館集英社プロダクションから2015年3月に待望の日本語版が発売され、更に続編のFor all mankindからChaosまで及びスピンオフのメガトロンオリジンはヴィレッジブックスから邦訳された(Heart of darknessは元が独立気味な内容の為か邦訳の順番は飛ばされている)。
登場人物
日本語版での名称は国内版のものが用いられている。()内は海外での名称。
サイバトロン(オートボット)
意識不明の重体となり、マトリクスを奪われる。
人間に対しては心優しいが、かつて敵だったドリフトのことは毛嫌いしている。
プロールに代わって、副官として必死に皆をまとめようとしている。
副官をマイスターに譲っている。自身の信念と正義を貫くためなら手段を択ばない性格。
盟友であるコンボイが倒れたことで、メンバーの中でも一番荒んでしまっている。
アニメとは違い頭部が赤い。
兄弟であるサンストリーカーの豹変に、どう接すればよいか戸惑っている。
敗北前、デストロンのスコルポノックと結託したテロ組織「マシネーション」に捕縛されて惨たらしい仕打ちを受け、心に深い傷を負い…
敗北の原因となった偽の情報を報告したことで裏切り者として疑われるが…
レッカーズ
チャー(カップ)
指揮官。コンボイとは旧知の仲。マイスター達と合流後、意識不明のコンボイに代わり臨時リーダーとなる。
ホットロディマス(ホットロッド)
スプラング(スプリンガー)
副官。チャーを「オヤジ」と呼び慕う。
ブロードキャスト(ブラスター)
絶叫はしない。むしろ頼もしいスナイパー。
元レーサー。
元はディセプティコンのデッドロックという戦士だったが…
デストロン(ディセプティコン)
念願のサイバトロン打倒を成し遂げ、全宇宙の征服へと乗り出す。
すぐに壊れてしまって「オモチャ」にならない人間に不満を募らせる。
ジェットロン
唯一の敵サイバトロンを倒してしまった今、彼が向かう先は…?
「戦い」という信条を忘れ、人類を虐殺するデストロンのやり方に疑問を募らせていき…
トリプルトロン
カセットロン
ハンマーアームではなくドリルアームを使う。アニメのような陽気な性格は皆無で、自身が発する音波で狂人と化している。
ランブル
バズソー
ラットバット
インセクトロン(インセクティコン)
ボンブシェル
メンバー1の頭脳の持ち主。
シャープネル
キックバック
ビルドロン(コンストラクティコンズ)
グレン(フック)
上記の6体の合体形態↓
余談
- 玩具シリーズ『トランスフォーマージェネレーションズ』では、ハズブロとIDWパブリッシングがタイアップを結んだことでAHMデザインのブラーやドリフトがラインナップされるなど、この作品以降からコミックのデザインを踏襲したキャラクターの変形玩具も多数リリースされている。これらのアイテムは日本でも『トランスフォーマーユナイテッド』としてタカラトミーより発売されたが、国内におけるコミックの認知度ゆえかコミックに関する設定は伏せられている。
- タイトルの読み方について、日本では「オールハイルメガトロン」の読み方が通例となっていたが、「Hail」は「ハイル」ではなく「ヘイル」と発音するのが正しい為、「オールヘイルメガトロン」と表記する方が正しく、コミックの邦訳版もそちらが採用されている。また、欧米では「ハイル」はナチスが多用していた「Heil」を連想させるので、そちらの意味でも「ヘイル」の表記が望ましいとされる。