G1
CV:エド・ギルバート/吹:島香裕 ほか
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』では、物語の途中から登場したデストロン航空部隊・新ジェットロンの1人として登場。役職は航空兵であり、赤いトンガリ頭が特徴。主翼に垂直離着陸用のファンが付いた、赤いボディの戦闘機に変形する。
玩具の基本構造と一部のパーツはスタースクリームと共通だが、主翼と尾翼のデザインを大きく変えたことでロボットモードだけでなく、ビークルモードにおいても大きく差別化する事に成功している。にもかかわらず、アニメでは作画ミスが起きた。
大口を叩き、仲間にも戦意云々と言っているが、根は臆病な性格であり、そのためか雑用に回される事が多い。
スラスト「いやだあぁぁ死ぬのはぁん!」
とはいえメガトロンには忠誠を誓っており、トランスフォーマーの肉体を不死身にする泉「ゴールデンラグーン」を見つけた時もそれを利用して反旗を翻すどころか、スタースクリームに代わってナンバー2になれると喜び、早急にメガトロンにこの泉の場所を報告していた。
『2010』では、スタースクリームがユニクロンとの取引で彼をセイバートロン星に接続して復活させようとした際、スタースクリームがボディとしていたダイナザウラーの内部を破壊し、ダージやバトルチャージャーらと共に復活を阻止した。たまにはやるじゃないか!
ビーストウォーズⅡ
CV:実近順次(現:実近順治)
『ビーストウォーズⅡ』では、ダージとコンビを組む戦士(画像上)。黄色いYF-22にトランスフォームする。武器は銃「スラストガン」で、両足に収納されたパーツを組み合わせて使用する。
ダージ共々関西弁で喋り、彼とコンビを組み、主にボケ役を務めていることからスタースクリームからは「漫才コンビ」とも呼ばれている。ただし、劇中では大した見せ場もない噛ませ犬的な役どころに終始した。
第32話ではギガストームによってアンゴルモアエネルギーを注入され、サイボーグラプトルに変形するスラストールへとパワーアップを遂げ、ダージガンとの連携でライオコンボイを圧倒するほどの力を手に入れた。
マイクロン伝説
CV:コリン・マードック/吹:遊佐浩二
『マイクロン伝説』第25話より登場するデストロン軍の軍師で、スタースクリームを差し置いて、実質ナンバー2の地位を占めている。ビークルモードはYak-141風の戦闘機。玩具はパートナーマイクロンの「サンダー」を合体させる為に機体後部がスッカスカになっているが、アニメでは垂直尾翼が斜めになっていたり、機体後部のスッカスカ度が緩和されているなどF-35のデザインに近づけられている(元々インテークの形状だけはF-35に近いデザインであった)。
初登場後しばらくは作戦会議時に星占いを行い「おぉ、これは吉兆…!」と驚嘆の声をあげるのが通例だったが、基本的にその作戦は失敗する傾向にある(この辺は歴代のスタスクやメガストーム等、同じポジションのキャラに通じる)。
当初はメガトロンに忠誠を誓っていたが、ダブルフェイスの勧誘に乗せられ、ユニクロンに仕えるべく、デストロンを離反。しかし、結局は利用されただけで当のユニクロンからは全く意に介されなかった。最期はユニクロンの変形に巻き込まれ、直前のやり取りで罵倒したメガトロンに対し、舌の根も乾かぬうちに助けを求めるも、完全に見捨てられた挙句スパークごと潰され死亡した。
劇中ではイカトンボと呼ばれ、しかも敵味方問わずこのアダ名が浸透。メガトロンからは某侵略娘のごとく「~イカ」口調でからかわれ、最終戦ではシリアスなシーンにもかかわらずサイバトロン達には本名で呼んでもらえず、最後までイカトンボの呪縛から逃れることは出来なかった。(正確には死の間際でメガトロンは終始本名で呼んではいたが)そんな彼自身もメガトロンに対してクワガタンクなどと呟き、1人ほくそえんでいた事もあった。
スラスト「イカトンボって言うなぁ!!」
ちなみに日本語版の中の人は同作でアイアンハイドの吹き替えも担当している。どちらも演じ方が違うが、アイアンハイドはオッサン声、スラストは胡散臭く甲高い声といわゆる「イケボ」とはかけ離れた、最近の遊佐にはあまり見られない演じ方となっている。
ユナイトウォリアーズ
日本国内の玩具シリーズ『ユナイトウォリアーズ』では、別次元のユニクロンと主君ガルバトロンの復活を目論むタクティシアンサイクロナスによって召喚され、スクランブル合体能力を備えた姿カースアルマダスラストとして復活を果たす。
プロフィールでは
「別次元の存在とはいえ一度自分を滅ぼしたユニクロンに再生された事実に対して複雑な感情を抱いており、自らの新しいスクランブルボディを用いて復活させたグランドガルバトロンを利用し、密かにユニクロンへの復讐を計画している」
と書かれているが、ユニクロンがトリプルZポイントに再び封印されたことで復讐は果たせなくなり、目的を失ったスラストは行方をくらます。
その後、『レジェンズ』の「LG42 ゴッドボンバー」封入コミックにて再び姿を現し、ナイトビートやトリックダイヤと共謀してゴッドボンバーのパーツを強奪する。その後もダイナザウラー復活に関与したり、ブロードサイドの超巨大トランステクターを乗っ取るなどの悪事を働く。ブロードサイドと和解したあとは、彼の計らいでエアーボット部隊へ(半ば強引に)入隊する。
『ユナイトウォリアーズ』版のエアーボットとは合体システムが共通規格なので合体可能。実際に『レジェンズ』終了後の『ジェネレーションセレクトスペシャルコミック』にて、1コマだけだがスペリオンの左腕として合体している姿が確認できる(かわりにスリングが別行動している)。
ビーストウォーズリターンズ
CV:ジム・バーンズ/吹:加藤賢崇
『ビーストウォーズリターンズ』では、前作『メタルス』に登場したデストロン兵士・ワスピーターのスパーク(魂)を宿しているという驚きの設定を持っている。ピンク色のバイクに変形し、同型の戦闘型ドローン達を率いるリーダー。口癖は「ぶ~ん」「ばりばり~」等。
原語版では元々シルバーボルトとワスピーターは同じ声優が演じていた(スコット・マクニール)ため、ブラックウィドーに彼のスパークを宿していると勘違いされるという公式声優ネタが展開されていた。日本語版では岩浪美和の判断(正体隠してもつまんない)で、ワスピーターと同じく加藤賢崇が演じている。
ワスピーターのスパークが宿っている為か、やられ役になる事が多い一方で最後まで生き残った。日本語版ではストーリー後半でドローン軍団が小型化したことから着想を得て、加藤がアドリブでドローン軍団のことを息子と呼び、適当に名前を付けていた(更にそれ以降はドローンがスラストを「パパー」と呼ぶようになった)。
実写映画版
リベンジ
玩具限定キャラとして、同じく劇中未登場のブレイクアウェイのリデコとして発売。国内未発売。
G1スラストのビークルモードに似た、赤い戦闘機に変形。臆病な性格はG1での設定と共通だが、パッケージ裏でのキャラクター紹介では、「味方が負けそうになると真っ先に逃げ出す」、「自分より弱い人間を倒すのを楽しんでいるが、人間が少しでも強い兵器を持ち出せば、パニックを起こし宇宙へと飛んで行く」などの記述が見られ、臆病さがより強調された性格となっている。
バンブルビー
冒頭で、サイバトロン星における戦争の中でスタースクリーム等他のシーカーズと共にモブ兵士として登場している。
頭部形状は他のシーカーズと同様ながら、背中から伸びるフードによってG1のシルエットを再現している。
派手さを抑える必要がある軍用兵器に擬態したブリッツウイングを除き本作に登場したトランスフォーマーはG1を強く意識したデザインやカラーリングになっているが、スラストの体色だけは何故かマイクロン伝説を意識したグレーとグリーンのツートンとなっている。