概要
『トランスフォーマー』シリーズに何度か登場する巨大ロボット。
デストロン軍団(ディセプティコン)が、サイバトロン(オートボット)のメトロフレックスに対抗するために作ったという設定なのは共通している。
また、恐竜型(ゴジラ体型)、基地に変形する巨体なことでファンの間では有名。
国内版G1シリーズ
基地モードの「ダイノベース」から移動要塞、そして恐竜に変形する。海外においては『トランスフォーマー2010』が初登場となったが、日本国内においては販促OVA作品、『スクランブルシティ発動編』が初登場となる。この作品では、「20世紀、デストロン軍団がサイバトロンのメトロフレックスに対抗するために総力を結集して造りだした大型戦士」という設定であり、『2010』での21世紀に建造されたという設定と矛盾が存在していた。このため同作はアニメ本編のパラレルワールドとしての色合いが濃い作品だったのだが、2016年に玩具シリーズ『トランスフォーマーレジェンズ』で発売されるにあたり公開されたWebコミック「LG-43 ダイナザウラー計画編」において、ここでの矛盾や後続作品での活躍について設定の整理が行われ、晴れて国内版のG1アニメシリーズへ組み込まれる事となった。このコミックでは、ダイナザウラーが戦争の中で何度もサイバトロンに倒されるも、その度にデストロンの手で蘇ってきた事が語られている。
スクランブルシティ発動編
当時の名前は「ダイノザウラー」。基本的な性能はここでも変わらないが、後述するフルチルトのパーツがバギーではなく紫色の箱になっている等、一部のデザインに違いが見られる。
密かに未来から来た要塞参謀ガルバトロン(2010の同名のキャラクターとは別人)の指揮下にある。OVA本編ではラストで海中より出現、メトロフレックスとの対決を予感させる所で幕を閉じてしまったが、「ダイナザウラー計画編」ではその後の展開が描かれた。それによればメトロフレックスとの死闘の末、彼のトランスフォームコグを喰い千切るも、メトロフレックスが玉砕覚悟で発動させた反物質プロジェクターの前に敗れ去り、ガルバトロン諸共木っ端微塵に破壊されてしまったという。しかし、その直後にデストロンはブラックボックスたるフルチルトの回収を済ませるのだった…
トランスフォーマー2010
CV:ブラッド・ギャレット/吹:島香裕
初登場は第4話「マトリクスの謎」。2010年、ガルバトロンの命令を受けたビルドロンが地球の都市を密かに改造し造り上げたもので、この時から「ダイナザウラー」の名で呼ばれることとなる。サイバトロンのメトロフレックスをライバル視しているが、よく返り討ちに会う。破壊と殺戮を好むが、知能は低い大食漢(1時間に石油5万バレル分のエネルゴンを消費する)。
武器として熱線追跡プラズマボム、催眠光線、フォトンランチャー、レーザーキャノン、回転式ブラスター、怪光線等の数々の武器を搭載しており、恐竜形態でも飛行が可能。
第5話「クインテッサ星人の陰謀」でミニボットの猛攻を物ともせずにサイバトロン基地を襲撃し、テレトラン1を破壊。破竹の勢いでスクランブルシティをも破壊しようとするが、トランスフォームコグを取り付けられたスクランブルシティが変形したメトロフレックスと交戦した末に海へと投げられた。この時には海に沈んでいても、海底を歩いて移動しデストロンを離反しようとしたオクトーンと共に行動していた。
第16話「スタースクリーム復活」でスタースクリームの幽霊とスカージによってユニクロン復活の為に目玉を盗まれた挙句、セイバートロン星に向かう為にスタースクリームに憑依されてしまった。
第20話「究極の武器」では軍艦を破壊しても物足りず、メトロフレックスとの勝負を望んでいた。先にスィンドルがメトロフレックスのトランスフォームコグを奪っており、サイバトロンもダイナザウラーのコグを奪う。共に相手のコグを付けて宿命の対決を始め、自分のものでないコグの拒否反応がより強いメトロフレックスに優勢になるが、戦線復帰したファーストエイドがメトロフレックスのコグを付け替えたため敗れる。
第26話「原始の呼び声」ではオラクルにトルネドロンの脅威から宇宙を救うべく、両軍の他の野獣戦士と共に呼ばれる。スカイリンクス以外を乗せる様子はノアの方舟を思わせた。セイバートロン星や地球のエネルギーを吸収していたトルネドロンには敵わず倒れ込むが、それが宇宙を救う奇跡に繋がる。
ザ☆ヘッドマスターズ
CV:平野正人
第1話「空から来た四人の戦士」から登場し、シックスショットが参謀を務めている。第8話「恐怖!六つの影」にてサイクロナスとスカージが無断出撃させた為、サイバトロンヘッドマスターに攻撃回路を壊されてしまった。
「ダイナザウラー計画編」によると、その後の2015年にスワーブとテイルゲイトとの死闘に敗れ、破壊されたとされている。
トランスフォーマーZ
CV:郷里大輔
バイオレンジャイガー率いる九大魔将軍の一人「恐竜将軍」として装甲ギアを身に着け登場。武器は棍棒と口から発射するエネルゴンZビーム。
キングポセイドン、プレダキングと共にダイアトラスに立ち向かうが、ゾーンモードの攻撃でキングポセイドンと共に消滅した。
ガードロボット
- フルチルト
ダイナザウラーの胸の部分に取り付けられている小型トランスフォーマーで、紫のバギーに変形する。武器は光線銃。
『トランスフォーマーレジェンズ』のコミックでの後付け設定となるが、実は彼自身がダイナザウラーのバックアップデータをインプットしたブラックボックスであり、ダイナザウラーはたとえボディを破壊されても彼さえ無事であれば何度でも復活できるのである。3代目の時は装甲ギアのパワーによりダイナザウラー本体と一体化されていたため、ダイアトラスの攻撃を受けてパーソナルコンポーネントのみの状態にまで破壊されてしまった。だが、メトロボムがこのパーソナルコンポーネントをヘッドマスターとして改造したことで生き延びることが出来た。
- ブラント
ダイノベースのタワーが変形した大型のビーム砲を備える戦車で、アニメには未登場。メトロフレックスを防衛するスラマーと同じくロボットモードへの変形能力は持たないが、2019年にリリースされた玩具シリーズ『トランスフォーマーシージ』では差し替え式ながらもロボットモードに変形可能となり、更にボディの各部を分離して同シリーズのトランスフォーマーに装着してパワーアップさせることができるようになった。
玩具について
玩具にはモーターによる電動ギミックが採用されており、恐竜形態では腕を動かしながら二足歩行し、ダイノベース形態ではレーダーが回転し要塞基地では砲塔に差し替えるよう指示されている。更に支援メカのブラントの砲身部分は電池により発光するようになっている。モーターを内蔵している為かサイズはメトロフレックスよりも大きい。
2015年には一部のアジア地域にて『プラチナムエディション』と題して当時品の復刻版が発売されたが、残念ながら日本での通常販売は行われておらず、通販サイト・タカラトミーモールにて購入者数限定の抽選販売が行われるに留まった。
ギガストーム
1998年の『ビーストウォーズⅡ』では、仕様変更品のギガストームが発売。フルチルトはギガスカウターに改名され、スクランブル合体シリーズの各リーダーを連結するジョイントやブラント、額の開閉式の砲台やギガスカウターの手持ち武器等が削除されたが、電動歩行ギミックはそのまま残されている。
タイタンズリターン
2017年には、アメリカのトランスフォーマー公式Facebookにて行われたファン投票により、オメガスプリームとメガザラックを差し置いて、トランスフォーマー玩具のサイズのカテゴリでは最も大きいクラスに相当するタイタンクラスとして発売が決定。ハズブロの『トランスフォーマージェネレーションズ』内のプライムウォーズトリロジーの第2部となる『タイタンズリターン』シリーズとして同年に発売されている。
フルチルトはタイタンマスター(ヘッドマスター)となり、本体は全高約45cmのビッグサイズとなった。ちなみに『トランスフォーマージェネレーションズ』版メトロプレックスと同じくホイルシールが付属しており、ユーザーが任意で貼るようになっている。
電動ギミックやスロープ降車ギミックなどはオミットされたが、従来通り恐竜・移動要塞・ダイノベースの3形態に変化可能。また、口腔内は空洞となっていてタイタンマスターを内部に収納(捕食)でき、腹部のハッチを開くことで取り出せる。腕を口元に持っていけるので、アニメでの大食漢ぶりも再現可能。更に開閉可能な尻尾の尖端部はフルチルトの格納スペースとなっている。
フルチルトはタイタンマスターのネクロを頭部に変形させて合体することでロボットモードとなり、ビークルモードの運転席にはネクロを搭乗させることができるようになっている。更にネクロをトリプティコンの後頭部のスリットに接続すると額のカバーが開いて砲塔がせり出すギミックがある。
日本国内では『トランスフォーマーレジェンズ』シリーズとして2017年8月26日に発売されたが、『タイタンズリターン』版との差異は殆どない。
『Titans Return』
海外で製作されたオリジナルのG1世界が舞台である、オンラインのアニメ作品『Prime Wars Trilogy』においては第2部『Titans Return』でメインの悪役を務める事となる。G1シリーズのアニメでの大戦中にディセプティコンが建造した軍事基地という設定や、恐竜に変形するという機能は本作でも共通している。また、IDWパブリッシングのコミックでの要素が取り入れられ、彼もタイタンの1体に数えられている。
戦後はサイバトロン星の荒野のクレーターに基地形態で遺棄されていたが、第1部『Combiner Wars』でのエニグマを利用した計画の破綻と暴走で死亡し、幽霊状態になっていたスタースクリームが何者かの力で強制的に憑依されて目覚める事となる。
劇中ではジェットロン軍団を全滅させる、(ダメージを受けていたとはいえ)メトロフレックスを斃す、エニグマの能力で巨大な合体戦士と化したヴィクトリオンを圧倒する、そのエニグマを吸収し、合体戦士をコントロールして自分の味方につけるなどして圧倒的な力を見せつけたが、最終的に、選ばれた者しか本来の力を発揮できないマトリクスを飲み込んだことで、体内で拒絶反応が発生し、機能を停止した。敵にまわったとはいえ、同じタイタンとしてフォートレスマキシマスもその死を悼んだ。
『War for Cybertron』シリーズ
サード・パーソン・シューティングゲーム『Transformers:War for Cybertron』のオートボット編の終盤にてラスボスとして登場。シリーズ最後の作品『Rise of the Dark Spark』のみが日本でも発売されたが、名称は海外版準拠の「トリプティコン」となっている。今作ではヒューマノイド型の体型をした恐竜のようなロボットモードからレーザーキャノンを搭載した宇宙ステーションに変形する。
元々この宇宙ステーションはスタースクリーム率いるオートボット寄りの陣営が拠点とするダークエネルゴンの保管施設も兼ねた要塞だったが、ゲームの冒頭でメガトロンらの攻撃を受けて陥落し、ディセプティコンの手に落ちてしまった。
オートボット編の終盤においては、新たなる主の命令に従い、滅びゆくサイバトロン星から脱出する移民船を次々と撃ち落としていったが、ジェットファイア、エアーライダー、シルバーボルトらに侵入されてトランスフォームコグを破壊されてしまい、本来の衛星軌道上からサイバトロン星へと墜落、地上でもオートボットを虫けらと嘲る余裕を見せて戦うも、最終的にオプティマスのエナジーアックスの一撃を受けて倒された。
続編の『Fall of Cybertron』ではステイシスモード(機能停止状態)となっていたが、エネルゴン不足に悩むオートボットに苦肉の策として、手足をもがれた上に体内に残ったエネルゴンを抜かれるという惨たらしい状態となっていた(敵とはいえ、さすがにこの惨たらしい仕打ちには、ラチェットのように批判する者もいた)。だが、その後サウンドウェーブの「ネメシス・プロトコル」によって戦艦ネメシスとして改造され(この際メガトロンは「自身の期待を裏切った報いだ」と言い放った)、新天地を求め旅立ったオートボットのアーク号を追撃した。
時系列的には2作の間に当たる『Rise of the Dark Spark』においては、まだどちらの陣営も勢力下には置いていなかったが、スタースクリームがメガトロンに隠れて艦内に残されたエネルゴンの回収を目論み、あちこちに人員や防衛システムを配置していた。だが、回収を実行する直前にかつての同僚のジェットファイアが侵入、レーザー光線をトリプティコンの残骸から放射してケイオンのコルクラー要塞に閉じ込められたオプティマス、クリフジャンパー、ジャズを解放するプランBの中で、お目当てのエネルゴンを使い切ってしまった。
世界観を共有する『トランスフォーマープライム』の第37話では、戦艦ネメシスの修理にダークエネルゴンを使った事で船内のシステムが自我に目覚め、歯向かうディセプティコンを黙らせるシーンが描かれており、自らを改造したメガトロンとディセプティコンに強い恨みを抱き続けていた事が示唆されている。
関連タグ
トランスフォーマー2010 ザ☆ヘッドマスターズ トランスフォーマーZ トランスフォーマージェネレーションズ トランスフォーマーレジェンズ