概要
多くのシリーズではサイバトロン(オートボット)に所属し、主に航空機に変形する。以下のように登場作品によって海外名がそのまま使われたり、海外名とも微妙に違うなど、表記揺れが激しい。正確にキャラクター名を使い分けたい人は注意が必要。
登場作品 | キャラクター名 |
---|---|
G1シリーズ | スカイファイアー |
マイクロン伝説 | ジェットファイヤー |
スーパーリンク | スカイファイヤー |
実写映画 | ジェットファイア |
アニメイテッド | ジェットファイアー |
サイバーバース | ジェットファイヤー |
シージ | ジェットファイヤー |
以下の他にも日本未発売のゲーム『War for Cybertron』にも登場。オートボットの航空部隊のリーダーで戦闘機に変形する。
G1
CV:グレッグ・バーガー/吹:阪脩、安井邦彦(日本未放送回)
『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』ではデストロンと袂を分かち、サイバトロンに移籍した航空防衛戦士として登場。SF風の大型戦闘機に変形する。
元々は科学者だが体格はコンボイやメガトロンよりも一回り大きく武装も多い。
海外での名称は『Skyfire』。
元々はセイバートロン星が派遣した惑星探検隊員で、スタースクリームと共に知的生命体が誕生する以前の地球を訪れた際に磁気嵐に巻き込まれ、スタースクリームとはぐれて北極に墜落し数百万年の間氷の中に埋もれていた。
デストロンによって発掘されるとスタースクリームの指示のもとに修理され、メガトロンに勧誘されてデストロンに加入する。サイバトロンとデストロンの戦争開戦前に消息不明となっていたため陣営の主義を把握しておらず、「サイバトロン=セイバートロン星を復活させようとしているデストロンの邪魔をする悪の軍団」だというメガトロンの説明を信じるがままサイバトロンと戦うことになる。
スタースクリームとは友人同士という間柄で、スタースクリームからは自身がデストロンのリーダーになった際にはナンバー2にしてやると言われたが、次第にデストロンのやり方に疑問を抱くようになり、命令に逆らうようになると見限られ、裏切り者として銃撃され負傷。ラチェットによって修復されるとサイバトロンに側に鞍替えする。
北極での戦いで再度墜落し再び氷の中に埋もれてしまうが、今度はすぐにサイバトロンによって救出され、以後貴重な航空戦力として空中戦やサイバトロン戦士の輸送役として活躍した。
物語中盤からは登場しなくなり、その役回りはパワーグライドやエアーボット部隊に引き継がれた。
続編の『2010』には未登場。第8話にて彼と似た姿のジェット機が一瞬ではあるが登場している。
2010の続編『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』では、第27話にて彼らしきTFの後ろ姿が確認出来る
pixivでは元バルキリーという玩具ネタよりもスタスクの元友人という要素が注目され、2人の関係にスポットライトを当てた絵が多い(pixivでは玩具関連のイラストが少数派なので仕方がない)。
また、G1時にマーベルコミックから発刊されたコミカライズにも、初期にアニメ内のデザインで登場している。
こちらのオリジンは、デストロンが地球に来てから作り出した存在で、当時に生首状態にされていたコンボイの、クリエーション・マトリクスを用いて誕生。しかしコンボイはその時には地球人の少年バスター・ウィットウィッキーの脳にマトリクスを移しており、完全な状態での起動は為されなかった(途中でバスターの命令を聞いて、分解したりしていた)。
後にコンボイが元に戻り、クリエーション・マトリクスもコンボイへと戻った暁に、完全な状態で改めて起動。自らの誕生経緯を理解したうえで、サイバトロンの一員になる事を決意。エンブレムを刻印され、完全なサイバトロンとなった。
玩具
玩具版の名称は『Jetfire(ジェットファイアー)』。
『超時空要塞マクロス』に登場し、タカトクトイスから発売された「VF-1S スーパーバルキリー」の仕様変更品。タカトクトイス倒産後に同社の金型を引き取り製造していたマツシロ製の前期生産版と、経営危機に陥ったマツシロから金型を引き継いだバンダイ製の後期生産版の2種が存在。
カラーリングが変更され、アメリカの安全基準に適合させるために機首の尖端は丸められ、長さもやや短くなっている。権利上の問題から日本では発売されておらず、海外でもごく短期間での販売となり、当時品の復刻版も発売されていない。
後年に『変形!ヘンケイ!』や『レジェンズ』でリメイクされたものの、アニメのデザインと体格差を忠実に再現したものは2019年の『シージ』まで待つことになる。
なお、レジェンズ以降はアニメ版のスカイファイアーをモデルにした玩具でも日米問わずジェットファイアーの名称で販売されているほか、ヘンケイ版以降からほぼ一貫して玩具版を思わせるフェイスやアーマーが付属している。
なお、トランスフォーマーの初年度(84年)玩具展開において。ニュージーランド版ではコンボイ司令官の代わりに、ジェットファイアーがサイバトロンの司令官となっている。商品付属コミックでも、ジェットファイアーが司令官を名乗り、メガトロンと戦っていた。
また、ドイツも85年版では、ジェットファイアーがサイバトロン司令官となっている。
デザインの変化
アニメに登場するにあたり、絵コンテの段階では玩具と同じデザインで描かれていたのだが、『マクロス』がロボテックとしてアメリカでも放送されることが決まったため、トラブルを避けるために作画の段階で新規のデザインで描かれることになった。また名称も『Skyfire』に改められている。
海外で放送された玩具CMのアニメパートでは玩具と同じ姿で登場し、巨大な岩石の中から登場しデストロンと空中戦を繰り広げていた。同じくタカラ以外の会社からの流用品であるショックウェーブ(レーザーウェーブ)と対になる形で宣伝されていた。このCMではレーザーウェーブの日本発売時に使用されたが、日本で未発売となったジェットファイアー登場シーンはカットされた。
アニメ初登場回の『スカイファイアーの再生』は海外では第7話と早い段階で放送されたが、日本ではタカラから玩具が発売できないスカイファイアーの存在を伏せる方針がとられたため、第59話と大幅に延期されての放送となった。その後の登場回は「同様に大幅に延期して放送」「登場シーンをカットして放送」「未放送で後年にLDに収録」といった対応が取られた。特に海外では第8話から第10話に放送された『破滅の日』3部作は、日本では第61話から第63話(番組最終回)に放送されたが、後日談の『地球消滅計画』はスカイファイアーが登場しないという理由から、日本では第9話として放送されるなど物語の繋がりが変という問題が発生した。
マイクロン三部作
マイクロン伝説(ジェットファイヤー)
CV:スコット・マクニール/吹き替え:千葉進歩
本作ではジェットファイヤーという名前で、スペースシャトルに変形。シャトルのエンジンノズルが変化した「プラズマブラスター」が武器。パートナーマイクロンは月面車に変形するソナー。
初登場は25話(12話ではシルエットとボイスのみ)。セイバートロン星での留守を任されていたサイバトロンの副司令官でありながらやたらとノリが軽い自称「天空の騎士」。若くして副司令を務めているだけあって戦闘面では優秀だが、その軽すぎるノリには敵味方問わず呆れられるほどで、コンボイにも窘められている。だが、冷静で面倒見のいい一面もあり、コンボイを目の前で殺されても仇討ちの気持ちを自制していた。
コンボイとリンクアップ(合体)する事でジェットコンボイとなり、一気に影が薄くなる。ゆえに別名「下半身要員」。また、本作のサイバトロン戦士の中では唯一の航空戦力なので「(他に)飛べる奴がいない!」と不満をこぼす一面も。
スーパーリンク(スカイファイヤー)
CV:スコット・マクニール/吹き替え:檜山修之
本作は『マイクロン伝説』の続編にあたるが、前作のジェットファイヤーと同一人物とされているのは海外版『Transformers Energon』のみで、日本では明確に同一人物とは言及されていない。
日本語版の中の人がアツい性格のキャラクターを演じることが多いせいか、言動が前作に比べて熱血漢になったが、スーパーリンク時に下半身要員となるのは相変わらず。終盤で負傷した際にプライマスの光を浴びてスカイファイヤーS(ソニック)へとパワーアップを遂げ、ボディの色が青くなった。
なお、スーパーリンク時に上半身要員になった時に叫ぶ「スーパーリンク!スカイ!ファイヤアアア!!」と言う掛け声がどう考えても某勇者王にしか聞こえないのは気にしてはいけない。
Transforemrs Cybertron(ジェットファイヤー)
CV:ブライアン・ドラモンド
海外版『ギャラクシーフォース』の『Transforemrs Cybertron』におけるドレッドロックは「ジェットファイヤー」となっている。海外版ではこれらの三部作はストーリーが繋がっているものとして展開され、『マイクロン伝説』と同一人物として扱われている為である。彼の詳細についてはドレッドロックの記事を参照。
変形!ヘンケイ!(スカイファイアー)
玩具独自展開の『変形!ヘンケイ!』では、太古の地球に不時着し、北極で氷漬けになっていたところをデストロンに発見されるという初代アニメと同じシチュエーションから始まる。スタースクリームによって洗脳マスクを被せられ、ジェットロンと共に日本にあるエネルギープラントの襲撃に加担させられてしまうが、その最中に意識を取り戻して自らマスクを外し、デストロンとの決別を宣言する。ちなみにスタースクリームとの友人関係については「昔からウマが合わなかった」とのこと。
デザインはIDWパブリッシングのコミック『The Transformers: Stormbringer』に登場した姿を再現したもので、ビークルモードはF-14をベースにアニメ版のデザインを折衷したようなものとなっている。
玩具はハズブロより発売された『Transformers Classics』版ジェットファイアの仕様変更品で、成型色や塗装のパターンが異なるほか、ブースターのノズルが銀メッキ加工され、キャノピーの面積が塗装によって『Transformers Classics』版よりも小さくなっているのが特徴。
2010年にはカラーリングを黒と紫に変更したダークスカイファイアーが『限定!ゲンテイ!トランスフォーマー』と銘打った限定販売品シリーズの一つとしてトイホビーマーケットより発売。デストロン陣営が軍団を確立する以前の数百万年前の時代に外宇宙探査を専門とする科学探査員に就いていた頃のスカイファイアーという設定で、漆黒のボディには未知のウイルスや電磁嵐を防ぐレイヤー剤が塗布されている。また、科学への強い探求心を見せる一方で、高い戦闘技能を持つことに煩悶している一面がある。
実写映画(ジェットファイア)
CV:マーク・ライアン/吹き替え:乃村健次
第2作目にあたる『トランスフォーマーリベンジ』にて登場。SR-71ブラックバードに変形し、実写映画シリーズのオートボットの中では後のダイナボット達に次ぐ巨体を誇る。日本語字幕や最後の吹き替えキャスト一覧ではジェットファイアと表記されているが、玩具はこれまで通り語尾を伸ばしている。
ストーリー終盤にスコルポノックからの攻撃で致命傷を負い、その体を強化パーツとしてオプティマスに譲り、ジェットパワーオプティマスプライムが誕生する。
アニメイテッド(ジェットファイアー)
CV:トム・ケニー/吹き替え:山口勝平
スタースクリームの飛行能力を解析し生み出されたオートボット戦士。同型のジェットストームとは双子の関係で、「お前と合体したい」の合言葉でセーフガードへと合体する。ジェットツインズも参照。
原語版で担当したトム・ケニー氏はスタースクリームと兼任していた。日本語版は山口勝平氏で、やはりアドリブが凄い。pixiv上では双子という設定もあってジェットストームとのコンビで描かれたイラストが多く見受けられる。
レジェンズ
『レジェンズ』ではG1シリーズと同一人物という設定で登場。玩具に収録されたエピソードはタンカー、ロードバスター、ホワールから続くライノックスの騒動の最終回となる。ジェットファイアーが現場に駆けつけ、タンカーを倒したことで事件を収めたのだが、この時タンカーは「素晴らしい戦闘シーンなんダナ!これぞ正に80年代的光景なんダナ」と感激していた。初代マクロスのことですね。わかります。
玩具はハズブロの『コンバイナーウォーズ』版ジェットファイアーの仕様変更品で、日本では「LG07 ジェットファイアー」という商品名でラインナップ。『コンバイナーウォーズ』版ではメッキ加工されていた武装パーツが赤の成型色に変更され、塗装パターンにも若干の違いが見られる。『変形!ヘンケイ!』版同様、オリジナル玩具並びにVF-1をリスペクトした「バトルヘルメット」という顔面に装着するマスクが付属する。
その後ロードバスターとホワールはジェットファイアーに身元を引き取られ、レッカーズの一員となった。
なお、初登場は直前の「LG06 ゲルシャーク」に収録のエピソードだが、そこでは『ロボットマスターズ』に登場した彼の助手・アールブレイドと、同シリーズでのキーアイテムとなった「ソリタリュウム鉱石」というマニアックなネタと共に映っていた。
サイバーバース(ジェットファイヤー)
CV:ジェレミー・レヴィ/吹:飛田展男
シーズン2から登場するサイバトロン戦士で、ジェット機に変形。正義感溢れる勇敢な戦士だが、自分の考えに固執して周りの声に耳を貸さない面がある。吹き替え版では語尾に「~ゾ」と付けて喋っている。
因縁があるスカイバイトを執拗に追っていたが、そのスカイバイトと共に超新星爆発で死亡したと思われていた。地球を訪れてオプティマスらと再会した後もスカイバイトを倒すことに過剰に拘り、私怨を晴らすよりももっと多くのものを守ることを説くオプティマスの説得を受けず単独行動に出てしまう。
その後オートボット、ディセプティコン両陣営を撹乱して時間稼ぎをしたいスタースクリームの甘言に乗せられてアーマーアップし、メガトロンを人質に取ってスカイバイトとの決闘に挑み勝利するが、土壇場でスカイバイトにとどめを刺すよりも窮地に陥っていたオプティマスを助ける方を選び、私怨を捨ててオートボットに合流した。ちなみに初代と同じくスタースクリームとはかつて友人同士であったようであるが、ジェットファイヤーの方はスタースクリームに差し伸べられた手を取らず睨みつけており、スタースクリームの方も陰でスカイバイト共々「二人のアホ」呼ばわりしていた。
スタースクリームがどこかから見つけてきた戦車とアーマーアップすることで、タンクバスタージェットファイヤーになることができる。左腕に二連砲が付き鍬形がついた兜を身に着けるかなりの重装備であり、この形態でも問題なく飛行が可能。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
CV:キース・シルバースタイン/吹:乃村健次
第1部となる『シージ』ではディセプティコンのシーカーズ(G1のジェットロンに相当)隊長として登場。デザインは玩具そのままだが、玩具に付属している胸部アーマーとマスクは身に着けていない。腕からはレーザーソードを出し、背部バックパックのハッチからは小型ミサイルを乱射して戦う。
ディセプティコンには珍しい名誉や誇りを重んじる武人タイプであり、メガトロンへの忠誠心も極めて厚い。部下には厳しく、命令を無視したスタースクリームの腕をいきなり切断するという過激な手段で制止している。そのためか人望は無いようで、スタースクリームと一触即発になった際には他のシーカーズにまで躊躇わず銃を向けられていた。
当初はディセプティコンの勝利を望んでいたが、豹変していくメガトロンが名誉も誇りもない勝利を追求していくようになると不信感を抱き離反、オートボットに加入する。
玩具
大型商品(コマンダークラスと呼ばれる)の1つとして発売。デザインは初代アニメ版をベースにしつつ、細部のモールドに現代的なアレンジを加えたものとなっている。今回は様々なギミックを内蔵している。
- 『レジェンズ』のヘッドマスター(タイタンマスター)や『パワーオブザプライム』のプライムマスターが搭乗できる。
- ビークルモードのコックピット内にあるパーツを取り外すと、そこが本当にコックピットとして使える。背部のターボスラスターブースターパックにも2体搭乗可能。
- 腰にあるL字状の赤いパーツをビークルモード時に引き出すことで、他のトランスフォーマーをぶら下げて懸架させられる。
- 胸部のエンブレムを回転させ、オートボットとディセプティコンの切り替えができる。
過去の玩具のようにマスクや追加武装のパーツも用意されており、これらを一まとめにすればビークルモードでも上部に装備が可能。付属のエフェクトパーツは武器の尖端部や本体のピンに取り付けることでマズルフラッシュや被弾、ジェット噴射などの様々な表現に活用できる。